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【発明の名称】 食品組成物
【発明者】 【氏名】小野 衣里日

【氏名】辻 智子

【氏名】石渡 健一

【要約】 【課題】安全性且つ効果の高い育毛効果に優れた毛髪用食品を提供すること。

【解決手段】キビ、イチョウ葉抽出物及びイソフラボンを含有することを特徴とする食品組成物。本発明の組成物は各成分をそれぞれ単体で摂取した場合よりも遥かに効果的に薄毛及び抜け毛の改善効果を発揮する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 キビ、イチョウ葉抽出物及びイソフラボンを含有することを特徴とする食品組成物。
【請求項2】 キビ1質量部に対し、イチョウ葉抽出物が0.1〜5質量部、イソフラボンが0.001〜3質量部であることを特徴とする請求項1の食品組成物。
【請求項3】 キビが、キビの果実、種子の粉砕物又はこれら各々の抽出物であることを特徴とする請求項1の食品組成物。
【請求項4】 イソフラボンが大豆、大豆発酵物、大豆胚軸、大豆胚軸発酵物、葛、葛発酵物、レッドクローバー、レッドクローバー発酵物、オウギ、オウギ発酵物、これら各々より抽出された大豆抽出物、大豆発酵抽出物、大豆胚軸抽出物、大豆胚軸発酵抽出物、葛抽出物、葛発酵抽出物、レッドクローバー抽出物、レッドクローバー発酵抽出物、オウギ抽出物及びオウギ発酵抽出物から選ばれた1種以上のものとして含まれていることを特徴とする請求項1の食品組成物。
【請求項5】 髪の育成用である請求項1〜4のいずれか1項の食品組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱毛の減少に極めて効果的且つ安全な、髪の育成に効果のある食品組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】脱毛症の原因はホルモンバランスの崩れ、ストレス、老化、血行不良などの要因が複雑に絡み合って生じていると考えられており、従来より種々の毛髪用化粧料及び養毛料が用いられてきている。これら毛髪用化粧料及び養毛料には、センブリエキス、朝鮮人参エキス等の頭皮の皮膚細胞賦活物質、トウガラシエキス、ニコチン酸誘導体などの頭皮の血行促進物質、エストラジオール、エストロンなどの女性ホルモンがいずれも外用として使われてきた。
【0003】しかし、従来より毛髪用化粧料及び養毛料として使用されている細胞賦活物質は、低濃度では皮膚への浸透性が低く、且つ単独では充分に効果が発揮されないという問題点がある。また、同様に用いられている血行促進物質は皮膚刺激が強く、その配合量に制限があり、血行促進の持続時間が短いという欠点がある。また女性ホルモン剤は全身的作用が懸念され、その配合量に制限があり、充分な効果を発揮し得なかった。
【0004】最近、毛髪用化粧料及び養毛料として、安全性の面からハーブ等の植物抽出物が注目されている。例えば、スギナ抽出物を有効成分とするもの(特開平11-124318号、同10-265347号)、イチョウ抽出物を有効成分とするもの(登録第2811479号、同第2835970号、特開平10-287531号、同3-133919号)などの外用剤を挙げることができる。スギナ抽出物に関しては古来よりヨーロッパで髪爪によいハーブとして茶剤に用いられてきており(小学館 ハーブ大全 p.61 1990発行)、またイチョウ葉抽出物は血行促進作用が知られている。しかしながら、これらを配合した外用剤を用いても、接触性皮膚炎の問題や、洗髪および汗をかくことで落ちてしまうという欠点があり、有効性の面で実用上充分に満足できるものではなかった。
【0005】又、脱毛の一因として考えられているホルモンバランスの崩れに対し、エストラジオールなどの女性ホルモン類を有効成分として配合するもの(登録第2835970号)が挙げられる。しかしながら、女性ホルモン剤は乳がんなどの全身的作用が懸念され、その配合量に制限があり、充分な効果を発揮し得なかった。
【0006】また、発毛及び育毛のためには種々の栄養補給も必要である。これに関しては毛髪組成物として知られるケラチン及び脱毛予防として知られるパントテン酸を有効成分として配合するもの(特開平10-17427)が挙げられる。しかしながら、細胞への栄養補給は末梢の血液を介して行われるものであり、外用としてこれら栄養成分を補っても充分な効果を得られるものではなかった。
【0007】これまで育毛、発毛を促す薬剤は毛髪用化粧料及び養毛料等の名称でいずれも外用剤として用いられてきた。しかしながら、毛髪は本来、毛細血管に接する真皮中の毛乳頭からの司令で生成されるものであり、このようなメカニズムに着目した場合、有効成分を外用しても毛乳頭にまで届く成分は少なく、むしろ内服することによって有効であると考えられる。
【0008】内服する毛髪用健康食品としてはキビ抽出物を有効成分とするもの(登録1688371)が挙げられる。しかしながら、抜け毛、脱毛症に悩む患者は末梢血行不良である人が大変多く、従って末梢血行不良の状態で有効成分を補っても頭皮下の毛乳頭にまで届かないのが現状である。血行促進成分としてはビタミンEが知られており、この成分を含むものとして小麦胚芽油を配合しているが、小麦胚芽油中のビタミンE量は1gあたり1.5mgと非常に少なく、ビタミンEを栄養所要量程度摂取するためでも、大量に小麦胚芽油を取らなくてはならない。また、男性型脱毛症は5-αリダクターゼによって男性ホルモンであるテストステロンより還元されたジヒドロテストステロンが主原因であると考えられている。5-αリダクターゼ阻害成分としてイソフラボンを配合した特許(登録2791673)があるが、末梢血行不良の状態で本成分を補っても毛乳頭にまで届かないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は外用剤の欠点を克服した安全性且つ効果の高い育毛効果に優れた毛髪用食品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる実情において、鋭意研究を行った結果、特定成分を組み合わせて含有する食品組成物は外用剤の欠点を克服した類希なる有効性を持ち、且つ極めて安全性が高いものであることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、キビ、イチョウ葉抽出物及びイソフラボンを含有することを特徴とする食品組成物である。好ましくは、キビ1質量部に対して、イチョウ葉抽出物0.1−5質量部、及びイソフラボン0.001−3質量部、より好ましくはキビ1質量部に対して、イチョウ葉抽出物0.4−4質量部、イソフラボン0.02−2質量部を含有することを特徴とする食品組成物である。
【0011】
【発明の実施の態様】キビ(Panicum milliaceum L)は各種ミネラルを豊富に含み、栄養価の高い食糧として古くより常食されてきたが、最近では余り食されていない。また、ヨーロッパでは髪や爪によいハーブとして伝統的に外用または内服されてきたハーブである。本発明において、キビとは例えばキビ(Panicum milliaceum L)の種子若しくは果実又はキビ(Panicum milliaceum L)の種子若しくは果実等から抽出した抽出物である。抽出溶媒としては水、熱水、またはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの一価のアルコール若しくはそれらの水溶液など、またはアセトン、ヘキサンなど、従来食用として用いられる植物の抽出溶媒として知られているものなら特に限定されるものではなく使用することができる。本発明におけるキビとしては、キビの種子又は果実をそのまま粉砕したもの、完熟したキビ乾燥種子の抽出物を分離濃縮し、賦形剤を添加し、乾燥することにより得られるもの、またはそれを粉末化したものが用いられる。
【0012】イチョウ葉抽出物はイチョウ(Ginkgo biloba L)の葉から抽出されて得られるものである。例えばイチョウの葉を水や有機溶剤あるいは水−有機溶剤混合溶媒で抽出した抽出分、またはそれを粉末化したものが用いられる。本発明に使用するイチョウ葉抽出物は、フラボノイド類を20%以上、テルペノイド類を5%以上含むものあるいはその両者を主成分として含有するものであれば何でも使用することができる。このようなイチョウ葉抽出物は任意の公知の技術で製造することができる。例えば乾燥イチョウ葉を含水低級アルコールで抽出した後、得られた抽出物より脂溶性有機溶媒を用いて低極性化合物を除くか、あるいはさらに水と混合しない有機溶媒により抽出するといった公知の方法により製造することができる。
【0013】イチョウ葉抽出物は、フラボン配糖体、テルペン類等を含有し、血管拡張、血流増大、血管系の老化防止などに有効とされており、古くから鎮咳,去痰、解毒、滋養などの目的で民間薬として用いられている。また、ヨーロッパでは脳循環改善薬として医薬品に使用されている。医薬品の摂取量としては一日3回、一回40-80mgが設定されており、末梢血管拡張に関する有効性が確認されている。
【0014】本発明におけるイソフラボンは、イソフラボン骨格を持つ化合物であり、例えばdaidzin、glycitin、genistin、daidzein、glycitein、genistein、6”-o-acetyl-daidzin、6”-o-acetyl-glycitin、 6”-o-acetyl-genistin、6”-o-malonyl-daidzin、6”-o-malonyl-glycitin、6”-o-malonyl-genistin等、また、これらが微生物発酵によりサクシニル化、ヒドロキシル化等の何らかの修飾をされたもの、あるいはこれらを酵素処理やその他の方法によって修飾したものが挙げられる。本発明においてはイソフラボンを少なくとも0.1質量%以上含有するものが好ましく、例えば大豆や大豆胚軸、葛、レッドクローバー、オウギをそのまま乾燥、粉砕したもの、またそれらから抽出工程を経て分離、精製したもの、あるいは、大豆や大豆胚軸、葛、レッドクローバー、オウギを粉砕し、微生物、例えば納豆菌あるいは黒麹菌や紅麹菌、黄麹菌などの麹菌により発酵させたものを適当な手段により粉末化したもの、またはそれらから抽出工程などを経て分離、精製したものがあり、それらはそのままの形態で本発明の原料として用いることができる。例えば脱脂加工大豆および大豆胚芽を蒸煮し、冷却後種麹を加え混合し、製麹を行った後、加水分解、殺菌、乾燥、粉砕したものを使用することができる。
【0015】イソフラボンはエストロゲン様作用、抗コレステロール作用、抗癌作用、骨粗鬆症の予防等、種々の生理作用を有することが知られている。日本人のイソフラボン摂取量は一日あたり平均18mgと諸外国に比べ多く(FFIJ.,172,83-89 1997)、日本人女性の更年期障害が比較的軽いことの主要因と考えられている。(Lancet,339,1233 1992)また、日本の長寿地域である沖縄県は癌の頻度が低く、この主要因としてイソフラボン摂取量(一日あたり32mg)の多さが指摘されている。(Willcox,B,J.,et al:Am. J.Clin.Nutr.,61,901 1995)イソフラボンを有効成分とする骨粗鬆症治療薬イプリフラボンは1日あたり600mgの摂取量を設定しているが、通常ホルモンバランスを整える為には30〜100mgの摂取が有効なのではないかと考えられている。
【0016】本発明の組成物における各成分の量は、キビ1質量部に対して、好ましくはイチョウ葉抽出物0.1−5質量部、イソフラボン0.001−3質量部であり、より好ましくはイチョウ葉抽出物0.4−4質量部、イソフラボン0.02−2質量部である。この範囲でキビ、イチョウ葉抽出物及びイソフラボンの相乗効果がより顕著に発揮される。キビ1質量部相当に対して、イチョウ葉抽出物が0.1質量部未満では本発明の目的とする効果が必ずしも十分ではなく、5質量部を超えてもそれ以上の効果は望めない。同様に、イソフラボンは0.001質量部未満では本発明の目的とする効果が必ずしも充分ではなく、4質量部を超えてもそれ以上の効果は望めない。必要に応じて本発明の組成物にビオチン、パントテン酸およびこれらの誘導体、ケラチンなどを配合してもよい。
【0017】本発明の食品組成物を製造するには、例えばカプセル化する場合は、例えばキビ、イチョウ葉抽出物、イソフラボン及びミツロウを混合し、ゼラチン及びグリセリンを混合したカプセル基剤中に充填する。本発明の食品組成物はカプセルに限らず、常法により、錠剤、顆粒食品、一般飲料、などの任意の食品とすることができる。
【0018】本発明における食品組成物は、キビ、イチョウ葉抽出物及びイソフラボンをそれぞれ単体で摂取した場合よりも遥かに効果的に薄毛及び抜け毛の改善効果を発揮する。そのメカニズムは明らかではないが、頭皮の末梢血行不良を改善することによって有効成分が確実に毛根に行き届き、また、弱いエストロゲン様作用によってホルモンバランスの崩れによる脱毛を予防するものと考えられる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲をこれに限定するものではない。
【0020】実施例1〜3、比較例1〜6表1に示す処方によりキビ、フラボノイド24%及びテルペンラクトン6%を含むイチョウ葉抽出物、イソフラボンからなる原料を混合し、ゼラチン及びグリセリンを混合したカプセル基剤中に充填し、軟カプセルを得た。評価法は試料使用前後の洗髪時脱毛本数で判定した。実施例、比較例ごと各10名(男5、女5)の被験者に対し、2ヶ月間試料を1日1.6g摂取させ、試料を摂取する前と2ヶ月摂取後の洗髪時の抜け毛を回収し、その本数を数えた。効果の判定は各々の期間の差から次のように表示した。
【0021】判定:基準0:抜け毛本数の減少が10本未満であり、効果があるとは言えない。
1:抜け毛本数が10本以上減っておりわずかな効果を認めた。
2:抜け毛本数が40本以上減っておりかなりの効果を認めた。
3:抜け毛本数が70本以上減っており著しい効果を認めた。
【0022】10人のパネラーの判定スコアとその合計を表2に示した。その結果、表2に示すようにキビ、イチョウ葉抽出物及びイソフラボンを含む実施例1では9割の被験者の抜け毛が大幅に減少した。イチョウ葉抽出物及びイソフラボンがある程度以上になると、実施例2,3に示すように効果は頭打ちとなった。キビ、イチョウ葉抽出物及びイソフラボン単独の比較例1,2,3、また三種のうち二種を含む比較例4,5,6は人によってわずかに抜け毛数が減少しているが全体的な改善には至っていない。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明により、脱毛の減少に極めて効果的かつ安全な、髪の育成に効果のある食品組成物を提供できる。
【出願人】 【識別番号】593106918
【氏名又は名称】株式会社ファンケル
【出願日】 平成12年3月3日(2000.3.3)
【代理人】 【識別番号】100098556
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々 紘造
【公開番号】 特開2001−238637(P2001−238637A)
【公開日】 平成13年9月4日(2001.9.4)
【出願番号】 特願2000−58112(P2000−58112)