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【発明の名称】 咸豊草の加工法
【発明者】 【氏名】山村 正芳

【氏名】林 佳 子

【氏名】仲間 克

【氏名】宮国 匡

【氏名】和泉屋 正一

【要約】 【課題】咸豊草をおいしく抵抗なく、しかも十分な薬効を発揮できるようにする加工法を提供しようとするものである。

【解決手段】咸豊草を採集し洗浄後、適当な長さに裁断して蒸煮し、茎を圧潰しながら揉み解した後、50℃〜90℃の温度で加熱通風乾燥することを特徴とする咸豊草の加工法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 咸豊草を採集し洗浄後、適当な長さに裁断して蒸煮し、茎を圧潰しながら揉み解した後、50℃〜90℃の温度で加熱通風乾燥することを特徴とする咸豊草の加工法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】咸豊草(Bidens pilosa L.)とはキク科センダングサ属の、日本ではコセンダングサ、コシロノセンダングサ、あるいはシロバナセンダングサまたは単にセンダングサなどと呼ばれる植物である。咸豊草には変種が多く、Bidens pilosa L. var.minor(Bl.)Sherff、Bidens pilosa L.var.radiata Sch.Bip.などと呼ばれるものもあり互いに交配する。中国ではさらに異名が多く、同治草、鬼針草、三葉鬼針草、三葉刺針草、刺針草、婆婆針草、白花婆婆針、蝦箝草、符因草、符因頭、赤査某、金盞銀盤、含風草、南風草、蝦公鋏、羞査某仔などの名がある。日本名コバノセンダングサ(Bidens bipinnataL.)や、センダングサ(Bidens biternataあるいはBidens biternata(Lour.)Merrill et Sherff)、ホソバノセンダングサ(Bidens parviflora Willd)もセンダングサ属で、ほぼ同様に用いられる。さらに北米原産の帰化植物というアメリカセンダングサ(Bidens frndosa L.)は養蜂家によく利用されている。植物学上も混乱が見られ、和名、漢名、学名の対応も交錯している。本発明で用いられる咸豊草はこれらのものを包含する。
【0002】花はキク科特有の形で、白または黄色の丸みのある花弁のような舌状花が5ないし8個、中央には黄褐色の管状花が数十個集合している。茎は四角で薄紫に着色した節がある。3つまたは5つに羽状に分かれた葉には柄があり、縁にはぎざぎざがあって対生している。
【0003】日本では本州の暖地以南で見られ、台湾、中国ないし世界の熱帯各地に分布する草丈25〜85cmの一年草である。温暖な気候条件に恵まれると花は年中次々と咲く。動物や人の衣服に付いて運ばれる黒褐色の種子の上部に逆棘のある針があり、中国では鬼針草属と呼ばれている。
【0004】漢方で言う性味は微寒〜平、甘味〜苦味で無毒。昔から新芽や若葉、若い茎を生でも食べるし、炒め物や、茹でて浸し物にして食用にされてきた。全草を良く洗い小枝や葉を除いて煎じた汁は清涼飲料として親しまれてきた。これは大腸桿菌には作用しないのに病原性細菌には抵抗性があり、試験管内試験で黄色ブドウ球菌を抑制することが知られている。
【0005】咸豊草は昔から身近にあるハーブであり、民間薬草として地上部分を干して煎じ、解熱・解毒・消炎・鎮痛・止瀉・利尿薬として肝炎・腎炎・盲腸炎・糖尿病・膀胱炎・尿道炎・リウマチ性関節炎・気管支炎・腫れ物・胃腸病・下痢・消化不良などに内用し、外用では咽喉の腫れや痛み、打撲傷などに用いられてきた。用い方は一般に生なら10〜15gを水400mlで煎じて半量まで煮詰めて飲む。特に盲腸炎には癒着のある重症のものでも、煎じ汁を飲むか、新芽をそのまま食べ、或いは60gほどを搗いて汁を飲む(蜜とか食塩を少々加えてもいい)と炎症も痛みも収まるという。腫れた咽喉の痛みには飲むと同時にうがいするとよく、多少の殺菌静菌作用もあるため打撲などの外傷や、腫れた所を洗ったり、局所に塗ったりしても使われてきた。
【0006】台湾では家庭用民間薬として、日本におけるドクダミやゲンノショウコなどのように野生のものを摘んで使用する人も多い。花は黄色もあるが作用が弱く薬用には白色が良いとされている。また中医(漢方医)の使う薬屋では調剤用咸豊草エキス粉末が入手できる。
【0007】このように咸豊草は中国ないし台湾では昔から広く利用されてきたにも拘らず、日本では沖縄県の一部で利用されている程度でその有用性があまり知られていない。現代人の生活は、自然と共に自然と一体になって生活していた昔と比べると、環境に関しては大気汚染の蔓延とか塩素殺菌した上水道やエアコンの普及、生活に関しては照明の発達による睡眠時間の不足と不規則化、飲食に関しては冷蔵庫やコールドチェーンの普及発達に伴う低温飲料や、必ずしも安全とは言い切れない食品添加物や環境由来の化学物質を含む食品の摂取、など、極めて反自然的であることから、遺伝子組換え食品の忌避や有機栽培された野菜などを歓迎する傾向が年を追って強くなってきている。
【0008】このような趨勢を考えると、自然界から与えられた咸豊草のような温和な薬用植物は、文明に毒された現代人にとって、自然への回帰という意味で昔の健康な生活を取り戻すには注目に値する素材であると考えられる。
【0009】発明者らは咸豊草の有用性に注目し、in vitroないしin vivoによる試験を行なった結果、活性酸素消去作用、耐糖性改善作用、抗炎症作用などが示唆されたので、これを現代社会に広く提供しようと考え本発明を完成するに至った。
【0010】
【従来の技術】生薬の刺針草として使用されるものは主にコセンダングサBidens pilosa L.あるいはコバノセンダングサ(=Bidens bipinnata L.)の全草(秋の地上部を干したもの)を天日乾燥したものである。一般の生薬のようにエキス剤としても使用されている。また前述のように生で使用されることもあり、茶のような飲料として利用されるものも天日乾燥したものが用いられているにすぎない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】咸豊草は前記のように有用な薬草であるにも拘らず、煎じて飲むとき独特の芳香とほのかな甘みの他に、特有の臭みと、些か喉を刺すようないがらっぽさがあり、人によっては飲むのにかなり抵抗がある。また生の咸豊草を煎じたものと、市販の乾燥物を煎じたものでは後者の方が色も味も薄く、元来は生のものを煎じて使用されていたことを考えると天日乾燥物は煎じてもエキス分が抽出されにくくなっているのではないかと考えられる。
【0012】本発明はこのような欠点を排除し、咸豊草をおいしく抵抗なく、しかも十分な薬効を発揮できるようにする加工法を提供するものである。
【0013】
【発明の構成】植物生薬は通常天日乾燥あるいは陰干しなどの方法で乾燥調製される。希に高麗人参における紅参のように蒸気あるいは湯を通すなどの工程を経て乾燥されるものもあるが、年数を経た堅い根茎の成分を抽出しやすくする意味があると思われる。
【0014】草本植物の軟らかい葉を含む地上部の場合は通常そのような必要はなく行われていない。台湾では咸豊草を天日乾燥して刻んだものが生薬店に販売されている。しかし発明者らは、咸豊草の乾燥前に蒸す、茎の圧潰、揉み解しなどの工程を加えれば、前述の「特有の臭みと、些か喉を刺すようないがらっぽさ」を除くのに、意外な効果を生むかもしれないと考え、生草を洗浄、裁断後、「蒸煮と圧潰、揉み解し」の工程を経て乾燥することを試みた。その結果、予想したとおり「特有の臭みと、些か喉を刺すようないがらっぽさ」をほぼ実用的な程度にまで除きえたほか、さらに本発明の方法で処理したものは、蒸煮中に褐色の汁が大量に滴り、エキス分の損失がかなりあるように思われるのに、単に天日乾燥したものよりも薬湯として煎じたときの煎液への溶出率が逆に高いことがわかった。
【0015】咸豊草は秋に花が咲くとされているが環境条件が良いと播種後約3カ月でおよそ50cm前後に成育し花が咲くので1年中咲いているように見える。収穫時期は植物が十分に成育し花を付け始めた頃が良い。収穫は根元を少し残して刈り取り、異物や枯葉を除去して流水で洗浄する。洗浄後は5cm程度以下に裁断するのが扱いやすいが必ずしも限定されるものではない。
【0016】裁断した咸豊草は流動させながら蒸煮する方法が最善であるが、水の洩れる容器に入れてそのまま蒸煮器で蒸煮しても良い。蒸煮時間は30分程度で十分であるが取扱い量と蒸煮器の能力の関係に左右されるので、場合によっては途中で掻き混ぜて蒸気の通りを良くすることが必要である。
【0017】蒸煮を終わったものは直ちに清浄な揉解機に入れて10分ないし30分程度茎を圧潰し、揉み解す。この工程も機械の性能によって左右されるので時間は必ずしも限定されるものではない。要は茎の固い部分を圧潰し揉み解すのが目的である。
【0018】蒸煮、圧潰、揉み解しが終わると直ちに乾燥棚に拡げて熱風乾燥する。乾燥温度はあまり低いと時間が掛りすぎたり、又空中から落下の菌が繁殖する恐れがあると同時に変質する恐れがあり、その限界値は50℃以上である。逆に乾燥温度を高くし過ぎると有用成分の破壊や変質の恐れがあり、又急激に表面が硬化するため内部まで乾きにくい欠点がある。高温の限界値は90℃である。好ましくは60℃以上、80℃以下がが望ましい。乾燥時間は10ないし20時間程度で、茎の部分がポキッと気持よく折れる程度まで乾燥するのが良い。これらの条件も乾燥棚に拡げる揉み解し処理した咸豊草の量や、通風乾燥機の能力に左右されるので、温度と時間は実情に応じて適切に決定しなければならない。
【0019】なお、植物は自然界の細菌が付着しているが、洗浄〜蒸煮〜圧潰〜揉み解し〜乾燥の工程を追って清浄度を増す。一般の食品加工工程と同様に途中で待ち時間が長くなるなど微生物が増殖する恐れのある条件を排除するような工程管理が必要である。
【0020】
【試験例1】以下試験例を挙げて具体的に説明する。
(風味の改善効果)根元から約10cmの所で刈り取り異物を除去した咸豊草36kgを流水で洗浄し、半分(試料B)はそのまま天日乾燥し、半分(試料A)は刻んで大型の蒸煮器で時々攪拌しながら約30分間蒸煮後直ちに揉解機に約20分間かけて茎の圧潰、揉み解し処理をし、70℃で一夜通風乾燥した。両者それぞれ3gに水1Lを加えて5分間煎じ、男女各5人に飲ませて香味を比較させたところ、全員が試料Bの煎液は「特有の臭みと、些か喉を刺すようないがらっぽさ」があるが、試料Aの煎液にはそれがほとんど感じられないと述べた。
【0021】
【試験例2】(ミネラルプロファイル)試験例1のAにつき蛍光X線分析の結果、多量元素としてはK、Ca、少量元素としてはMg、Cl、Fe、微量元素としてはP、S、Mn、Cu、Znなどが検出された。
【0022】
【試験例3】(エキス分抽出率の改善効果)試験例1の試料AとB、および台湾で市販の含風草(咸豊草の異名)を試料Cとして3者を比較した。予め80℃で5時間熱風乾燥して乾燥減量をほぼ揃え、各50gに1Lの水道水を加えて弱火で1時間静かに煎じ、室温に戻して遠心機で上清を集め、残渣を沸騰水で洗って上清に合わせて1Lに調整した。その結果は表1のようにAがBよりも明らかにエキス分抽出率が高かった。エキス分中の灰分は試料AよりもBが高かったが、これは蒸煮液中に流出した結果ではないかと考えられる。pHにはほとんど差がなかった。試料Cが試料A、Bよりエキス分も灰分も低かったのは成育した土壌の違いによるものではないかと思われる。
【0023】
【表1】

【0024】
【試験例4】(風味改善の理由の検討)試験例1の試料A、Bにつき、処理法の違いが大きく風味を左右することが分かったので、蒸煮中に蒸器の底に溜まる褐色の溜液にミネラルやタンニン分が失われた結果「特有の臭みと、些か喉を刺すようないがらっぽさ」が消えたのではないかと考え、ミネラルおよびタンニンの含量を分析してみた。その結果は表2のとおりである。この結果、意外にもこれらのミネラルやタンニンはカリウムを除いて試料Aの方が高く、「特有の臭みと、些か喉を刺すようないがらっぽさ」はこれらのミネラルやタンニンによるものではないことがわかった。しかも溜液にかなりの成分が流出していると考えられるのに、タンニンの含量(別のロットでは3.37の値を得ている)は却って増加していた。
【0025】
【表2】

【0026】
【試験例5】(蒸煮溜液の検討)試料Aを調製した時の蒸煮溜液は生の咸豊草108kg分で約70Lあり、この時の乾燥製品収量は13.5kgであった。その分析値は表3のとおりである。
【0027】
【表3】

【0028】表3の分析値と試験例4の試料Aの値から見掛けの損失率(%)は表4のとおりである。
【0029】
【表4】

【0030】すなわち蒸煮工程によるミネラルの損失はほとんどなく、タンニンは3分の1が流出しているにも拘らず、本発明に係わる製品の分析値は試験例4に見られるように天日乾燥のものより高かったことになる。これはタンニンが天日乾燥の場合、空気と光のために重合して固くなり抽出されにくくなって値が低く測定されたものと考えられる。このように考えると、試験例3のエキス分の抽出率が高かったのは単に圧潰、揉み解しによって組織が軟らかくほぐされているだけでなく、重合しやすいタンニンが除去されることによって、煎じた時に成分の抽出を容易ならしめているものと理解できる。また灼熱残分がBよりもAが低かったのは、水溶性のミネラルが蒸煮中にまず流出したものと考えられる。
【0031】冒頭に述べたように咸豊草は民間薬として外用として打撲や外傷の局部を洗ったり、うがいにも用いられるとの記載があるので、たまたま本発明実施作業中に指を刃物で怪我した者が傷口をこの溜液で洗ったところ出血もすぐに止まり、しみることもなく翌日には傷口もわからないほどきれいになっていた。次の試験例6に認められているように、咸豊草には抗炎症作用が証明されている上、タンニンによる収斂作用や静菌ないし殺菌作用も考えられ、また傷の回復が速かったのは皮膚末梢の血行促進作用もあるのではないかと考えられる。なおこの溜液は薄めて飲むとほのかな風味があり清涼飲料として利用できる可能性もある。
【0032】
【試験例6】(抗炎症作用)本発明の製品4kgを9Lの酢酸エチルで抽出し、残渣をさらに9Lのメタノールで抽出し、溶媒を蒸発させてエキスを調製した。1週間予備飼育した6週令の雄マウスを1群3匹とし、マウス右耳介の内外にそれぞれのエキス計1mg/20μLを塗布、対照群にはアセトン20μLを、陽性対照群にはインドメタシン0.5mg/20μLを塗布した。30分後TPA(12−O−Tetradecanoylphorbol−13−acetate)0.5mg/20μLを全マウスの同じ部位に塗布して人工的に炎症を起こさせ、5時間後耳介の厚さを測定した。その結果、対照群と比較して医療用消炎剤であるインドメタシンの炎症抑制効果は79.4%、本発明品の酢酸エチルエキスは53.3%、メタノールエキスは79.1%の抑制率を示し、特にメタノールエキスはインドメタシンに匹敵する抗炎症作用を示した。
【0033】
【試験例7】(発がんプロモーター抑制作用)大腸がん抑制の短期スクリーニングに用いられる、アゾキシメタンで誘発したマウス大腸異常腺窩の抑制効果を試験した。すなわち、1週間予備飼育した6週令の雄マウスを1群6匹とし、体重kgあたりアゾキシメタン10mgをマウス右下肢皮下に投与し、さらに1週間後に同様に2度目の投与を行なった。第1回投与の前日から各群ともサンプル濃度を73ppmとした飲料水を自由に摂取させた。陽性対照群にはこの系で抑制効果の認められている抗炎症剤ピロキシカムを15ppm含む飲料水を自由摂取させた。週に1度体重を測定し、最初のアゾキシメタン投与から4週間後に大腸を摘出し、ホルマリン固定後、メチレンブルーで染色される大腸異常腺窩の数を顕微鏡下で測定した。この間、体重の減少はなく、飲水量も群間に差はなく、試料による毒性は認められなかった。試料投与群は酢酸エチルエキスもメタノールエキスも大腸あたりの病巣数を有意に抑制したが、病巣あたりの異常腺窩数は対照群とあまり差がなかった。すなわち、病巣の進展よりも病巣の形成を主に抑制すると考えられるので、発がんプロモーターの抑制効果が示唆された。
【0034】
【試験例8】(抗糖尿作用)4週齢の雄のC3Hマウスを対照群(6匹)、STZ群(9匹)、試験群(11匹)の3群に分け、STZ群と試験群には体重kgあたりストレプトゾトシン150mgを初日と翌日に腹腔内注射した。対照群とSTZ群は日本クレア製標準飼料CE-2を、試験群は標準飼料CE-2に本発明製品粉末0.25%を混入した飼料を自由に摂取させた。2週間後、各群の血糖、血中コレステロール、GPTを測定し下記表5のとおりの結果を得た。
【0035】
【表5】

【0036】血糖に関してはSTZ群では対照群に比し有意(危険率0.1%)に上昇し、試験群ではこれを有意(危険率5%)に抑制した。尚同時に測定したコレステロールとGPTもSTZ群では対照群に比し有意に(危険率1%)に上昇し、試験群ではこれを抑制する傾向を示した。即ちストレプトゾトシンにより誘発された人工的高血糖や肝障害に抑制効果があった。
【0037】また別に、4週齢の雄S.D.ラットを対照群(8匹)、CPH群(8匹)、試験群(7匹)の3群に分け、試験群とCPH群は日本クレア製標準飼料CE-2を、試験群は標準飼料CE-2に本発明製品粉末0.25%を混入した飼料を自由に摂取させた。CPH群と試験群には1週間後から毎日体重kgあたり45mgのサイプロへブタジンを経口投与し、5週間後には体重kgあたり40gのグルコース負荷試験を行い、20分ごとに100分まで血糖値の経過を測定した。その結果は、表6のとおりである。
【0038】
【表6】

【0039】即ちCPH群では対照群に比し各時間とも有意(危険率0.1%)な高値を示したが、試験群ではこれを有意(危険率は0分で1%、その後0.1%)に抑制し高度の耐糖性を示した。同時に測定した。尚同時に測定したGOT,GPTについても試験群では上昇する傾向を示した。即ちサイプロヘプタジンにより誘発される人工的膵臓障害の抑制効果が認められ、膵臓切片の顕微鏡的観察によっても組織の空洞化が抑えられていることが観察された。
【0040】
【試験例9】(健康茶の試作)本発明の製品の一般分析値は表7のとおりで、活性酸素消去能があり、前記ミネラル分析の結果と併せ考えると、日常の健康茶として好適な条件を備えている。
【0041】
【表7】

【0042】咸豊草は野生のものを採集することもできるが、昨今の環境状態では不特定の物質による汚染が懸念されるので、発明者らは沖縄県宮古島の清浄な環境下で咸豊草を栽培し、宮古ビデンス・ピローサと名付けて使用している。宮古ビデンス・ピローサは健康茶の素材としてカルシウムやカリウム含量が他の一般の健康茶素材よりも高い特徴がある。宮古島では珊瑚礁の土壌に成育するためか、カルシウム含有量は1.91%に達し、四訂日本食品成分分析表記載の煎茶(0.44%)、ほうじ茶(0.49%)、紅茶(0.47%)などの4〜5倍である。またカリウム(2.69%)は玉露(2.80%)や抹茶(2.70%)に匹敵し、煎茶・番茶・紅茶・ウーロン茶などと比較すると2〜5割高い。またタンニンは三分の一ないし七分の一程度である。カフェインは不含である。
【0043】本発明の宮古ビデンス・ピローサ加工品50部、焙煎大麦45部、乾燥生姜5部を混合し、3gに水1Lを加えて5分間煎じたものは、身体が温まり独特の芳香と淡い甘みのある黄金色のおいしい健康茶となった。その成分は表8のとおりで、分析値の中、金属は原子吸光光度法、タンニンはFOLIN−DENIS法によった。
【0044】
【表8】

【0045】本発明の宮古ビデンス・ピローサ加工品を、115℃で30分間焙じたもの1gに熱湯300mLを注いで飲むと香ばしくて甘みがあり、全くクセのないおいしい健康茶であった。
【0046】また本発明の宮古ビデンス・ピローサ加工品35部、焙煎鳩麦30部、焙煎大麦30部、乾燥生姜5部を混合し、3gに水1Lを加えて5分間煎じたものは、身体が温まりクセがなく誰にも飽きのこない健康茶となった。
【0047】
【試験例10】(健康食品の試作)本発明の宮古ビデンス・ピローサ加工品5部、サンザシおよびスギナ各2部、ショウガ、ホップ各1部を微粉末とし、結合剤としてアルファでんぷん少量を加えて定法により顆粒とした。これを餌に加えて中性脂肪の増加した老齢マウス(1 群4匹)を飼育し、投与開始後0,2,4,6,8週に採血し、血中コレステロール(tCho)と中性脂肪(TG)の経過を測定したところ、個体ごとに差はあるがtChoはスタート120±10mg/dLから対照群はほぼそのまま推移したのに対し、実験群は4週から低下しはじめ4匹とも8週では100以下になった。
【0048】TGは140±10mg/dLから対照群はほぼそのまま推移したのに対し、投与群は4週から低下しはじめ97±6まで低下した。
【出願人】 【識別番号】591035391
【氏名又は名称】株式会社武蔵野免疫研究所
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100065765
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 悌二
【公開番号】 特開2001−178390(P2001−178390A)
【公開日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【出願番号】 特願平11−372564