| 【発明の名称】 |
乾燥鶏肉及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】安室 朝由
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| 【要約】 |
【課題】加工工程が単純で従来の乾燥肉製造工程と比べて製造コストを著しく低減でき、老廃鶏であっても乾燥肉にジューシー感があり、鶏肉本来の味覚を有し且つ軟らかくて良好な食感が得られる安価で美味な乾燥鶏肉を得る。
【解決手段】屠殺処理された鶏肉成体を丸ごと圧力鍋で水煮して油脂を抽出する高圧煮沸工程、その後皮と骨を取り除いて肉を繊維に沿ってちぎって細片状に解す解し工程、前記細片肉を熱い調味液に浸漬して調味液がなくなるまで炒める炒め工程、調味液で炒めた細片肉を加熱乾燥させる乾燥工程、細片肉を薫煙処理する薫煙処理工程からなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鶏肉を高圧加熱処理して油脂を抽出し、皮、骨を除去して肉部を引き裂いて解した状態で調味液に浸漬して炒め、さらに乾燥処理してビーフジャーキー状にしてなることを特徴とする乾燥鶏肉。 【請求項2】 乾燥処理後に薫煙してなる請求項1記載の乾燥鶏肉。 【請求項3】 屠殺処理された鶏肉成体を丸ごと圧力鍋で水煮して油脂を抽出する高圧煮沸工程、皮と骨を取り除いて肉を繊維に沿ってちぎって細片肉に解す解し工程、前記細片肉を熱い調味液に浸漬して調味液がなくなるまで炒める炒め工程、調味液で炒めた細片肉を加熱乾燥させる乾燥工程からなることを特徴とする乾燥鶏肉の製造方法。 【請求項4】 前記炒め工程では、調味液がなくなってからさらにマーガリンで炒めることを特徴とする請求項3記載の乾燥肉の製造方法。 【請求項5】 乾燥工程の後で、前記細片肉を薫煙処理する薫煙処理工程を含んだ請求項3又は4記載の乾燥肉の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥鶏肉及びその製造方法、特に廃鶏を軟らかく美味で食し易いように加工した乾燥鶏肉及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、乾燥肉としては牛肉の乾燥肉であるビーフジャーキーが主に市場に出回っているが、高価なビーフジャーキーに代えて鶏肉を加工した乾燥鶏肉も提案されている。従来提案されている乾燥鶏肉の製造方法として、例えば、所定大きさに切断した鶏肉を硫酸カルシュウム等の添加剤の水溶液で加熱して脂質と繊維状肉を分離し、分離工程後に繊維状肉から添加剤を除去するために煮沸し、その後脱水工程、乾燥工程を経てファイバーチキンを得る方法(特開平7−111880号公報)や、生のコラーゲンの多い獣肉類(例えば心臓肉)や鳥肉類(むね肉)を筋肉繊維に沿って短冊状にスライスカットし、その後オーブンで加熱処理して原反を作り、それを歯車間に通すことによって筋肉繊維をほぐして筋肉繊維間に間隙を形成するようにしたもの(特公平7−55136号)が知られている。また、鶏肉から脂肪、膜、皮、骨を取り除いて前処理をし、清酒をふりかけて10〜20分間静置し、その後調味液に漬け込み、冷蔵庫で一昼夜熟成させた後、肉たたきで成形し、熱風乾燥とオーブンレンジによる乾燥工程を経て脂肪を除去し、水分及び油分の調整を行い、自然乾燥させた後切断してチキンジャーキーを得るようにしたもの(特許第2694846号)も提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、鶏肉を乾燥鶏肉に加工することは種々提案されているが、養鶏場で発生する産卵期を終えた大量の廃鶏は、肉が硬いため食用肉に供されることは殆どなく、一部が調味料やスープ用等の原料肉として、あるいはペットフード用原料肉として利用される以外は殆ど利用されることがなく、産業廃棄物として処分されているのが実情である。その理由は、従来提案されている上記のような鶏肉の乾燥加工方法は、複雑な加工工程を必要として割高になると共に、従来提案された方法で特に廃鶏を加工すると肉がバサバサとなって鶏肉本来の味覚が得られず、且つ硬くて良好な食感が得られないことに起因している。 【0004】本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであって、加工工程が単純で従来の乾燥肉製造工程と比べて製造コストを著しく低減でき、しかも老廃鶏であっても乾燥肉にジューシー感があり、鶏肉本来の味覚を有し且つ軟らかくて良好な食感が得られる安価で美味な乾燥鶏肉を得て、廃鶏の食用への有効利用を図ることを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を達成するために種々実験を重ねた結果、鶏肉は不飽和脂肪酸が多いため、従来脂質の分離を促進するために成体を解体して皮、脂肪を分離除去して、且つ残った肉塊を複数に切断分割した状態で加熱することによって脂質を分離していたが、逆に鶏肉を皮ごとそのままの状態で加圧加熱処理することによって、筋肉繊維が縮むことがなくて肉が硬くなることがなく、且つ量的減少もなく、しかも鶏肉本来の旨みを維持しながら脂質の分離が良好に行われることを知見し、さらに研究した結果本発明に到達したものである。 【0006】即ち、上記課題を達成するための本発明の乾燥鶏肉は、鶏肉を皮付きのまま丸ごと圧力鍋で加圧水煮にした後、鶏肉を高圧加熱処理して油脂を抽出し、皮、骨を除去して肉部を引き裂いて解した状態で調味液に浸漬して炒め、さらに乾燥処理してビーフジャーキー状にしてなることを特徴とするものである。そして、乾燥処理後に薫煙処理することによって、より風味のある乾燥鶏肉が得られる。 【0007】そして、上記乾燥鶏肉を得る本発明の乾燥鶏肉製造方法は、屠殺処理された鶏肉成体を丸ごと圧力鍋で水煮して油脂を抽出する加熱処理工程、皮と骨を取り除いて肉を繊維に沿ってちぎって細片肉に解す解し工程、前記細片肉を熱い調味液に浸漬して調味液がなくなるまで炒める炒め工程、調味液で炒めた細片肉を加熱乾燥させる乾燥工程からなることを特徴とするものである。前記炒め工程では、調味液がなくなってからさらにマーガリンで炒めることによって、よりしっとり感のある乾燥鶏肉が得られる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態の乾燥鶏肉製造方法は、高圧煮沸処理工程、解し工程、炒め工程、乾燥工程、薫煙処理工程からなり、以下各工程毎に説明する。まず、高圧煮沸処理工程では、屠殺処理された廃鶏の成体を皮付きのまま丸ごと圧力鍋で水煮し、圧力鍋の安全弁から蒸気噴出が開始されてから約30分間高圧で加熱する。それにより、肉が軟らかく煮えた状態となると共に、肉から脂肪分が汁に抽出されて表面に浮き、脂肪分を取り除くことができる。その際、肉は皮付きのまま炊いてあるので、肉から脂肪が適度に抜け、且つ旨みの抜けも適度に押さえられ、廃鶏肉であってもバサバサに硬くなることがない。 【0009】その後、鶏肉を鍋から取り出し皮を取り除き、肉部を適当な大きさにほぐす。皮を外した成体は肉部を手で繊維方向に沿ってちぎって簡単に解すことができ、肉と骨を容易に分離することができる(解し工程)。 【0010】繊維状にちぎられた肉片を、鍋で加熱状態になっている調味液に浸漬し、その状態で水分が無くなるまで炒める。水分がなくなった状態で、さらにマーガリンで軽く炒める。それにより、味にしっとり感が出てきて、乾燥肉特有のバサバサ感を効果的に解消することができる(炒め工程)。なお、調味液は、醤油、砂糖、ミリン、泡盛、唐辛子、バターを調合して作られるが、本発明における調味液は、醤油、砂糖、ミリンの外に泡盛、唐辛子及びバターを加えることに特徴があり、特に泡盛はその成分割合が、20重量%を超えると泡盛の風味が強くなり、また3重量%よりも少ないと泡盛の効果が少ないので、添加する泡盛の量は3〜20重量%、より望ましくは10〜15%の範囲が望ましい。 【0011】ついで、赤外線乾燥機により、70℃〜80℃の温度条件で30分〜60分間乾燥させる(乾燥工程)。しかしながら、乾燥工程の温度条件は、必ずしも前記条件に限るものでなく、量や乾燥時間と温度との兼ね合いで適宜選択できる。例えば、高温雰囲気で撹拌しながら乾燥させると短時間で乾燥させることができる。以上の工程を経ることにより、ビーフジャーキー状の美味で軟らかくて酒の肴等に最適な乾燥鶏肉が得られるが、さらに薫煙処理することによって、より風味豊な乾燥鶏肉が得られる。 【0012】 【実施例】実施例頭、脚部、内臓が除去された廃鶏の成体を、上記工程を経て加工処理した。その際の使用した調味液は、次のような原料割合で調合して得たられたものを、肉1Kgに対して340g〜370gの割合で使用した。 醤油 50 重量部砂糖 22 重量部ミリン 13 重量部泡盛 13 重量部唐辛子 少々バター 0.5〜2 重量部【0013】本実施形態の上記調味液は、特に泡盛及び唐辛子を使用しているので、鶏肉の風味を増すと共に、鶏肉が硬くなるのを押さえ、且つ殺菌効果により長期保存しても風味を損なうことなく維持することができる。また、乾燥条件は市販の食品乾燥用赤外線乾燥機を用いて、炉内温度75℃で40分間乾燥させた。得られた乾燥鶏肉をさらに、薫製機によって桜薫材を使用して略4時間薫煙処理した。 【0014】以上のようにして得られたビーフジャーキー状の乾燥鶏肉を、合成樹脂製包装袋に小袋入り脱酸素剤を同封して密封して3ヶ月間保存し、3ヶ月後に開封して食してみた。その結果、鶏肉は乾燥肉特有のバサバサ感やくさみはまったくなく、鶏肉特有の旨みがあり、且つしっとりして軟らかく、従来提供されているビーフジャーキー等の乾燥肉と比べて一段と食し易った。また、本実施例では、薫煙処理してあるため、独特の風味が得られ、一段と美味であった。このようにして得られた乾燥鶏肉を男女及び子供を含めて10人に食させたところ、10人とも軟らかくて美味であり、食べ飽きしないので、酒の肴や子供のおやつに最適であるとの回答であった。 【0015】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来と比べて簡単な製造工程で安価に乾燥鶏肉を得ることができ、且つ得られた鶏肉は乾燥肉特有のバサバサ感やくさみはまったくなく、鶏肉特有の旨みがあり、且つしっとりして軟らかく、従来提供されているビーフジャーキー等の乾燥肉と比べて一段と食し易いものである。それにより、従来殆ど食肉に利用されることがなかった廃鶏の有効利用を図ることができ、養鶏農家の経営に多大に寄与するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599115918 【氏名又は名称】安室 朝由
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| 【出願日】 |
平成11年8月18日(1999.8.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092200 【弁理士】 【氏名又は名称】大城 重信 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−54369(P2001−54369A) |
| 【公開日】 |
平成13年2月27日(2001.2.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−231321 |
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