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【発明の名称】 ステーキ肉の製造方法及びステーキ肉
【発明者】 【氏名】鈴木 博

【要約】 【課題】レストラン等において美味しいステーキを安価に提供する。

【解決手段】1種又は2種以上の肉塊(例えば硬い肉1と柔らかい肉2)をスライスして複数枚の薄いスライス片3、4を得る。その複数枚の薄いフライス片3、4を積層して加圧することにより、その加圧力によってスライス片同士を圧着させステーキ肉に適した厚さの一体的な積層体5とする。さらにその積層体5の厚さ方向に貫通して又は所定の深さで、多数の小孔を複数枚のスライス片3、4にまたがり肉を押し退けるように形成してステーキ肉とする。これを焼いてステーキとして供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1種又は2種以上の肉塊をスライスして複数枚の薄いスライス片を得、その複数枚の薄いスライス片を積層して加圧することにより、その加圧力でスライス片同士を圧着させてステーキ肉に適した厚さの一体的な積層体とし、その積層体をステーキ肉として用いることを特徴とするステーキ肉の製造方法。
【請求項2】 1種又は2種以上の肉塊を0.2mm〜0.5mmの厚さに薄くスライスして複数枚の薄いスライス片を得、その複数枚の薄いスライス片の20枚〜100枚を積層して加圧することにより、その加圧力でスライス片同士を圧着させてステーキ肉に適した厚さの一体的な積層体とし、その積層体をステーキ肉として用いることを特徴とするステーキ肉の製造方法。
【請求項3】 1種又は2種以上の肉塊をスライスして複数枚の薄いスライス片を得、その複数枚の薄いスライス片を積層して加圧することにより、その加圧力でスライス片同士を圧着させてステーキ肉に適した厚さの一体的な積層体とし、さらにその積層体の厚さ方向に貫通して又は所定の深さで多数の小孔を複数枚のスライス片にまたがり肉を押し退けて形成してステーキ肉とすることを特徴とするステーキ肉の製造方法。
【請求項4】 1種又は2種以上の肉塊を0.2mm〜0.5mmの厚さに薄くスライスして複数枚の薄いスライス片を得、その複数枚の薄いスライス片の20枚〜100枚を積層して加圧することにより、その加圧力でスライス片同士を圧着させてステーキ肉に適した厚さの一体的な積層体とし、さらにその積層体の厚さ方向に貫通して又は所定の深さで多数の小孔を複数枚のスライス片にまたがり肉を押し退けて形成してステーキ肉とすることを特徴とするステーキ肉の製造方法。
【請求項5】 1種又は2種以上の肉塊をスライスして得られた複数枚の薄いスライス片を積層して加圧することにより、その加圧力でスライス片同士が圧着されて一体的な積層体とされたことを特徴とするステーキ肉。
【請求項6】 1種又は2種以上の肉塊を0.2mm〜0.5mmの厚さに薄くスライスして得られた複数枚の薄いスライス片の20枚〜100枚を積層して加圧することにより、その加圧力でスライス片同士が圧着されて一体的な積層体とされたことを特徴とするステーキ肉。
【請求項7】 1種又は2種以上の肉塊をスライスして得られた複数枚の薄いスライス片を積層して加圧することにより、その加圧力でスライス片同士を圧着させてステーキ肉に適した厚さの一体的な積層体とし、さらにその積層体の厚さ方向に貫通して又は所定の深さで多数の小孔を複数枚のスライス片にまたがり肉を押し退けて形成したことを特徴とするステーキ肉。
【請求項8】 1種又は2種以上の肉塊を0.2mm〜0.5mmの厚さに薄くスライスして得られた複数枚の薄いスライス片の20枚〜100枚を積層して加圧することにより、その加圧力でスライス片同士を圧着させてステーキ肉に適した厚さの一体的な積層体とし、さらにその積層体の厚さ方向に貫通して又は所定の深さで多数の小孔を複数枚のスライス片にまたがり肉を押し退けて形成したことを特徴とするステーキ肉。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ステーキ肉の製造方法及びステーキ肉に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、いわゆるビーフステーキが一般にも多く食されるようになった。ステーキ肉に適するのはサーロイン、ヒレ、ロースといった比較的柔らかい食感が得られるものであるが、これらは一般に高級肉として価格が高い。一方、スジや筋肉類の多い肉は硬いためステーキ肉には適さないものとされ、価格は安く栄養価も柔らかい肉に劣らないが、その用途は限られている。従来、硬い雑肉をミンチにしてステーキ形状に成形し、これを焼いて疑似ステーキとして提供することが行われているが、食感はハンバーグに近いもので、ステーキの食感とは言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、レストラン等において美味しいステーキを安価に提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】この発明では、1種又は2種以上の肉塊をスライスして複数枚の薄いスライス片を得、その複数枚の薄いスライス片を積層して加圧することにより、その加圧力でスライス片同士を圧着させてステーキ肉に適した厚さの一体的な積層体とし、この積層体をステーキ肉として用いる。また、その積層体の厚さ方向に貫通して又は所定の深さで、多数の小孔を複数枚のスライス片にまたがり肉を押し退けて形成してステーキ肉とすることができる。これを焼いてステーキとして供する。
【0005】これにより、スジや筋肉等が多くて硬く、従来ではステーキ肉には不向きとされた肉でも、柔らかく食することができ、レストラン等でステーキを安価に提供することができる。また、従来では用途が限られていた硬い肉(いわゆる雑肉)を、ステーキ肉の一部又は全部として用いることにより、その用途が拡大し、食肉として有効利用が可能になる。ここで、複数枚のスライス片を加圧力により接触面同士で圧着することにより、食品用の接着剤をスライス片に塗布する必要がないため、製造が簡単であり、また接着剤により食感が損なわれることもない。さらに、多数の小孔を上記のように形成することで、その小孔の付近の肉部分が変形してスライス片同士の一体性を増加させ、またステーキ肉として焼いたときに内部まで火が通りやすくなる。
【0006】なお、より好ましくは、1種又は2種以上の肉塊を0.2mm〜1mm(中でも0.2mm〜0.5mm)の厚さに薄くスライスして複数枚の薄いスライス片を得、その複数枚の薄いスライス片を20枚〜100枚の範囲(中でも30枚〜50枚程度)で積層して加圧することにより、その加圧力によりスライス片同士を圧着させてステーキ肉に適した厚さの一体的な積層体とし、さらにその積層体の厚さ方向に貫通して又は所定の深さで多数の小孔を複数枚のスライス片にまたがり肉を押し退けて形成してステーキ肉とすることが望ましい。
【0007】ここで、スライス片の厚さが厚いと、焼いたときにスライス片同士が離され、開き易くなり、薄すぎるとスライスが困難か、積層が煩雑になるため、上記の範囲が望ましいと言える。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を実施例を参照して説明する。図1において、スジや筋肉質が多い硬い肉(以下、雑肉とも称する)1のブロック、並びに柔らかい食感のあるサーロイン、ヒレ、ロース等の柔かい肉(ステーキ肉)2のブロックをそれぞれ薄くスライスして、厚さが例えば0.3mm程度の多数のスライス片3、3、3…並びに4、4、4…を多数枚得る。このスライス加工に際しては、雑肉1やステーキ肉2の冷凍されているブロックを冷蔵庫等で一定時間保持すること等により半解凍状態とし、その半解凍状態のブロックを、所定のスライサー(例えば回転型や、シャー型のもの等)により薄くスライスすることができる。
【0009】そして、それらの薄いスライス片3、4を例えば1枚毎ランダム又は交互に、あるいは適当な枚数の群を単位にしてランダム又は交互に組み合わせ、若しくには全くランダムに、混成されるように重ねて(積層して)積層体5とする。スライス片3、4の積層する枚数は、得ようとするステーキ肉の厚さに応じて適宜に定められるが、例えば、厚さが0.3〜0.5mm程度のスライス片3、4を30〜50枚程度積層することができる。さらに、図2に概念的に示すように積層体5を厚さ方向に加圧して個々のスライス片3、4同士を圧着させて一体化を図る。この一体化は、スライス片3、4に食品類の接着剤を用いることなく、加圧によりスライス片同士を圧着させてその面同士をある程度の強さで結合させるものであり、接着剤を用いないので、その塗布等を必要とせずに工程が複雑にならず、また接着剤により肉の風味が損なわれることもない。
【0010】ここで、図3に示すように、型6を用い、それの成形用の凹部7に上述のスライス片3、4を所定厚さまで積み重ねて、最終的に押し板8等の押圧部材で加圧して、一体的な積層体5を得ることができる。その際、型6の凹部7の内面に食品包装用の樹脂フィルム(ラップ)9を装着して、その上にスライス片3、4を積み重ねていき、所定量まで積層したら、上記フィルム9で積層体5の上部を覆い、その状態で押し板8により凹部7の底部に向けて加圧し、スライス片同士を圧着して積層体5としての一体化を図る。このような型6を用いれば、スライス片3、4の形状や大きさが正確に揃っていなくても、凹部7にスライス片3、4が充填されるように重ねられることで、積層体5の外周形状は凹部7の内面で与えれる外周形状に強制的に沿わされるため、スライス片3、4の大きさや形がある程度不揃いでもかまわない。また、樹脂フィルム9を介して凹部7にスライス片3、4を充填することで、その樹脂フィルム9を介して積層体5を凹部7から容易に取り出すことができる。
【0011】加圧により一体性が高められた積層体5には、図4に示すように、孔開け具11により厚さ方向に多数の小孔14が開けらてステーキ肉15(図5)となる。孔開け具11は基部12、及びそこに直接又は図示しないクッション部を介して保持された多数の針状の突起13を備え、それら針状の突起13が積層体5の内部に肉を押し退けて入り込むことで、多数の小孔14が積層体5を貫通して又は所定の深さで形成される。ここで、積層体5の片面から、又は裏返して両面から孔開けをすることができる。この多数の小孔14の形成により、積層体5を構成する多数のスライス片は、小孔14の内周面において孔開け方向に食い込まされて歪められ(図5)、その部分でスライス片同士の密着性が高まり、積層体5の全体として一体性をより強化できる。また、このようにして得られた図6に例示するステーキ肉15を焼く際に、多数の小孔14により内部まで火が通りやすくなる。
【0012】以上の説明では、硬い肉、柔らかい肉等の複数種類の肉塊をスライスして複合的に積層・一体化する例を示したが、図7に示す実施例のように、スジや筋肉質が多く普通はステーキ肉に適さないいわゆる雑肉1のブロックだけを原材料とすることもできる。この例では雑肉1のブロックを薄くスライスして、多数のスライス片3、3、3…とし、これらのスライス片3をステーキ肉に適する厚さに積層し、かつ厚さ方向に加圧して一体化し、上述のような積層体5とする。この積層体5の形成、加圧の手法は図2、3と同様であり、また図4で説明したように多数の小孔14を開けて、図5、6のようなステーキ肉とする。スライス片3の厚さや積層枚数等も先の実施例と同様である。
【0013】先の実施例のように、硬い肉と柔らかい肉の各スライス片をミックスすれば、低コストで食感もよいステーキ肉が得られる。また、脂質の多い肉と少ない肉等をスライスして混合すれば、その混成の割合により客の好みに応じた(脂肪が多い少ない・硬め柔らかめといった嗜好を考慮した)ステーキ肉に調整することができる。一方、後の実施例のように硬い肉のスライス片の単独とすれば、一層安価なステーキ肉になり、またスライスしたものを積層・加圧して再度合体させることで、スジや筋肉類等の硬い部分が分断されて、より柔らかな食感が得られるため、ステーキ肉として用いることができる。
【0014】なお、いずれにしても、積層・加圧して一体的な積層体5としてから、孔開けをすることなく、この状態で冷凍又は冷蔵保存することもできる。そして、ステーキ肉として焼く前に、図4のような小孔14の孔開けをすることもできる。
【0015】また、この発明で使用される(スライスされる)肉類は、牛肉を代表例として、これ以外に豚肉、鶏肉等でもよく、ステーキ肉になり得るものであれば、種類は問わない。
【出願人】 【識別番号】599115907
【氏名又は名称】株式会社広小路キッチンマツヤ
【出願日】 平成11年8月18日(1999.8.18)
【代理人】 【識別番号】100095751
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 正倫
【公開番号】 特開2001−54368(P2001−54368A)
【公開日】 平成13年2月27日(2001.2.27)
【出願番号】 特願平11−231200