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【発明の名称】 焼骨の保存方法
【発明者】 【氏名】黒木 貴之

【要約】 【課題】腐敗を防止して、身近かに保存することができるとともに、自然な態様で土に戻すことができる焼骨の保存方法を提供する。

【解決手段】人体または動物を火葬した後の焼骨を、粉砕して骨微粉1とし、これを、水を電気分解して得た、好ましくはPH値が10.0以上の強アルカリ性を示すイオン水2中に浸漬した状態で、容器3中に封入して保存する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 人体または動物を火葬した後の焼骨を、粉砕して骨微粉とし、これを、水を電気分解して得たイオン水中に浸漬混入した状態で、容器中に封入して保存することを特徴とする焼骨の保存方法。
【請求項2】 PH値が10.0以上の強アルカリ水になるまで電気分解して得たイオン水を用いることを特徴とする請求項1記載の焼骨の保存方法。
【請求項3】 人体または動物を火葬した後の焼骨を粉砕して骨微粉とし、これを、乾燥剤および酸素吸収剤とともに、容器中に密封して保存することを特徴とする焼骨の保存方法。
【請求項4】 焼骨が、火葬場から収集した残骨であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の焼骨の保存方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体または動物を火葬した後の焼骨を保存する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人または愛護用動物が死亡した後は、一般に火葬に付され、焼骨の主要部分を遺骨として骨壺に収納し、墓地に埋葬したり、寺院などの納骨堂に収蔵したりされている。また、骨壺に収納されなかった残りの残骨は、産業廃棄物として処理されている。
【0003】しかし、上記した従来の処理方法には、次のような問題がある。
(1) 墓地は、一般に居住地から遠方に位置し、特に近年、都会にあっては、その傾向が著しく、また納骨堂も、近くに存在する場合は少ない。そのため、墓参りや管理も容易でない。
【0004】(2) 一方、遺骨の一部を身近かに保存して、日常的に供養したいとの願いがあり、特に、死亡直後の数ケ月間は、それを希望する者が多い。しかし、衛生上、法規上などの理由もあり、現状では、遺骨の一部を身近かに保存することは、余り行なわれていない。
【0005】(3) 遺骨を、焼骨そのままの形状で、住居内などの身近かに保存した場合、遺族や親族以外の第三者にとっては、一種の不快感を生ずる場合がある。
【0006】(4) 人間を初めとするすべての生物は、最終的には、土に戻って、大自然の輪廻に従うのが、魂の永続性に繋がり、無上の幸福であるとの思想があるが、陶器などの骨壺に収納された遺骨は、土に戻ることはなく、前記の思想に反する。
【0007】(5) 残骨が、産業廃棄物として処理されているという事実については、知る者が少ないために、現状では、さほど問題としてクローズアップされていないが、遺族にとっては、心情として耐え難いことである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の現状に鑑み、違和感や不快感を与えることなく、かつ衛生的な状態として身近かに保存することができ、しかも、遺族の意思により、随時、自然な態様で土に戻すことができるようにした、焼骨の保存方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 人体または動物を火葬した後の焼骨を、粉砕して骨微粉とし、これを、水を電気分解して得たイオン水中に浸漬混入した状態で、容器中に封入して保存する。
【0010】(2) 上記(1)項において、PH値が10.0以上の強アルカリ水になるまで電気分解して得たイオン水を用いて行なう。
【0011】(3) 人体または動物を火葬した後の焼骨を粉砕して骨微粉とし、これを、乾燥剤および酸素吸収剤とともに、容器中に密封して保存する。
【0012】(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、焼骨として、火葬場から収集した残骨を用いる。
【0013】
【発明の実施の形態】人体を火葬した後の焼骨は、1,000℃前後の高温で火葬されるため、それ自体は、殺菌処理されている。しかし、長期間の保存中には、湿気や雑菌の付着によって、腐敗したり、崩壊したりし易い。
【0014】従って、焼骨をそのままの形状で保存すると、腐敗等により、形状がくずれて、外見が悪くなるばかりでなく、遺族の心情のうえからも好ましくない。
【0015】本発明においては、かかる保存中の腐敗によって、形状がくずれて、好ましくない状態となることを防止するために、まず、焼骨を粉砕して骨微粉とする。
【0016】この粉砕には、焼骨の硬度や大きさなどの関係から、通常、たとえばミキシング粉砕機が、好ましく用いられる。粉砕の程度は、数μm〜数百μmに微粉砕することが望ましい。
【0017】焼骨は、その硬度にばらつきがあるため、粉砕方式としては、粉砕したものを分級し、細かい粒子を、製品として取出し、粗いものを、再び粉砕機にリサイクルさせる閉回路方式が推奨される。
【0018】また、通常、火葬場において、焼骨のうちの主要部分は、骨壺に収納して、墓地に埋葬されたり、寺院の納骨堂などに収蔵されるため、本発明における焼骨は、主として、骨壺に収納された残りの残骨が対象となる。
【0019】一般に、残骨は、遺族の希望により、火葬場において、遺族、または遺族の依頼を受けた業者が、容易に入手することができる。
【0020】微粉砕して得られた骨微粉は、表面積が大きいために、吸湿や雑菌が付着し易く、そのまま大気中に放置したのでは、黴が発生したり、腐敗したりし易い。
【0021】そのため、短中期の保存には、乾燥剤、酸素吸収剤とともに、容器中に密封して保存するのが好ましい。
【0022】乾燥剤としては、たとえばシリカゲル、合成ゼオライト、活性アルミナが、好ましく用いられる。
【0023】なお、五酸化ニリンは、吸湿力は強力であるが、使用中に生成するメタリン酸の膜が吸湿作用を妨げるとともに、メタリン酸の膜が含有する水分が、骨微粉に付着し、黴発生の原因になる場合があるので好ましくない。
【0024】酸素吸収剤としては、たとえば「エージレス(商品名)」があげられる。
【0025】上記の骨微粉を、乾燥剤、酸素吸収剤とともに、容器中に密封することは、短中期の保存には適するが、長期間に亘って保存した場合、乾燥剤または酸素吸収剤の効力が失われ、骨微粉に黴の発生や腐敗が生ずる。
【0026】これを防止するために、本発明の好ましい形態では、図1に示すように、骨微粉(1)を、水を電気分解して得られたイオン水(2)中に混入浸漬した状態で、容器(3)中に封入し、蓋(4)で密封して保存する。
【0027】一般に、水には、各種の物質が微量、溶存しており、長期間に亘って保存すると腐敗し易い。
【0028】しかし、水を電気分解すると、水中の残留塩素は除去される。残留塩素は、水中に骨微粉を浸漬して保存した場合、骨微粉の腐敗を促進する性質があるが、この残留塩素の除去によって、骨微粉の腐敗の促進が防止される。
【0029】水の電気分解の程度は、得られたイオン水のPH値が、10.0以上の強アルカリ水になるまで行なうことが好ましい。
【0030】イオン水のPH値が10.0以上になると、イオン水の酸化還元電位が−400mV程度となり、イオン水自体が顕著に腐敗しにくくなるとともに、その中に浸漬した骨微粉を、腐敗させずに、長間期に亘り保存することが可能になる。
【0031】骨微粉をイオン水中に浸漬する場合、骨微粉の全量をイオン水中に浸漬する状態とし、骨微粉を空気から遮断することが望ましい。
【0032】骨微粉の一部が、イオン水から露出していると、もし露出した部分の骨微粉に黴が発生した際、イオン水中の骨微粉にまで、黴が広がるおそれがある。
【0033】骨微粉を浸漬したイオン水(2)を封入する容器(3)としては、経済的および化学的に安定な厚手のプラスチック容器、または、陶器が好ましい。この容器(3)に、骨微粉(1)を浸漬した状態のイオン水(2)を、漏洩防止と大気からの遮断を意図して、気密的に封入し、蓋(4)で密閉して長期保存に堪えるようにする。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果を奏する。請求項1記載の発明によれば、焼骨を粉砕して骨微粉としているため、遺族以外の第三者に対しても、不快感や違和感を与えることがなく、かつ、コンパクトな形態で、身近かに保存することができる。
【0035】たとえば、家庭の仏壇や仏像の台座の中に、簡便に保存して、日々礼拝供養することができる。また、イオン水中に浸漬した状態で保存するため、腐敗することはなく、衛生的に長期間に亘って保存できる。
【0036】さらに、年忌などの後に、遺族が、残骨を土に戻したいと希望する場合には、骨微粉状態となっている残骨を、簡単に容器から取り出して、自然な態様で、土に戻すことができる。
【0037】請求項2記載の発明によれば、骨微粉を腐敗させずに、長期間に亘り保存することができる。
【0038】請求項3記載の発明によれば、骨微粉を腐敗させずに短中期の間、保存することができる。
【0039】請求項4記載の発明によれば、従来、産業廃棄物として廃棄されていた残骨を、簡便に、かつ、身近かに保存して、日々供養することができるため、遺族が心情的に大きな安らぎを得ることができる。
【出願人】 【識別番号】500260724
【氏名又は名称】黒木 貴之
【出願日】 平成12年6月5日(2000.6.5)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外3名)
【公開番号】 特開2001−342101(P2001−342101A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−167036(P2000−167036)