| 【発明の名称】 |
農薬包装体 |
| 【発明者】 |
【氏名】細田 仁
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| 【要約】 |
【課題】貯蔵中に包装袋が水に難溶性になりにくく、包装袋が破れにくく、貯蔵・輸送の間に不定形に固化しにくく、農薬有効成分の効果のムラやイネに対する薬害のない水田投込み用農薬製剤の開発。
【解決手段】水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤を水溶性不織布又はその積層材に分包した水田投込み用農薬製剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤を水溶性不織布又はその積層材に分包とした水田投込み用農薬製剤。 【請求項2】水溶性不織布が、ポリビニルアルコール又はその誘導体の繊維よりなるシートである、請求項1に記載の水田投込み用農薬製剤。 【請求項3】積層材が、ポリビニルアルコール又はその誘導体からなるフィルムによりラミネート加工した積層材である、請求項1又は2に記載の水田投込み用農薬製剤。 【請求項4】水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤が、拡展性指数5点以上の水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤である、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の水田投込み用農薬製剤。 【請求項5】水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤が、粉状剤、粒状剤又は錠剤である、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の水田投込み用農薬製剤。 【請求項6】水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤が、浮力剤を含有する、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の水田投込み用農薬製剤。 【請求項7】浮力剤が、高温で処理して膨化又は中空状とした鉱物質担体、植物担体、合成樹脂中空発泡体又は合成樹脂粉末若しくは粒状物である、請求項6に記載の水田投込み用農薬製剤。 【請求項8】水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤が、水面拡展剤を含有する、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の水田投込み用農薬製剤。 【請求項9】水面拡展剤が、モノ−又はジ−アルキルスルホコハク酸塩及びそれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−オレフィン脂肪酸塩、オレイルメチルタウライド塩、アルキル硫酸塩、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、グリコール類のエーテル類及びエステル類又はカルボン酸のアルキルエステルである、請求項8に記載の水田投込み用農薬製剤。 【請求項10】分包の重量が、1個当たり10乃至200gである、請求項1乃至9のいずれか1つに記載の水田投込み用農薬製剤。 【請求項11】請求項1乃至10のいずれか1つに記載の水田投込み用農薬製剤を、水田に投込み処理することにより、農薬を使用する方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤を水溶性不織布又はその積層材に分包した水田投込み用農薬製剤及びその使用方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、水田用農薬はその使用の便のために、種々の剤型、例えば粉剤、水和剤、乳剤、粒剤等に製剤され、水面又は稲体に散布されている。しかし、粉剤や水和剤は、粉立ちによる使用者や生産者の健康上の問題や環境汚染の問題があり、乳剤の場合は、有機溶剤の毒性の問題や火災の危険がある。また、粒剤はこのような欠点は少ないが、物流や経費の面で不利であるばかりでなく、有効成分によっては十分な防除効果が得られない場合も多い。 【0003】これらのことから、最近、フロアブルやドライフロアブルといわれる新しい剤型が開発されてきた。これらは水に稀釈して、水溶液、懸濁液又は乳化液としたのち、散布剤として使用される。これらフロアブルやドライフロアブルといわれる剤型は、粉立ちがなく流動性があるという点で、水和剤の欠点を解決した剤型といえる。しかし、従来の剤型を含めて、これらの剤型の水田用農薬を散布するためには、散布前にまずそれを水に溶解又は分散させ散布液を調整しなければならず、多くの場合、散布器具が必要である。また、散布に際し、水田に入ることが必要となる。特に、小規模な兼業農家にとって、溶解又は分散させる容器と散布器具を準備し、水田に入って散布することは、経済的負担や安全面の不安ばかりでなく、労力的にも時間的にも負担は大きい。特に、高齢者と女性に依存することの大きい最近の農家にとっては、このような負担は耐え難いものとなっている。 【0004】このため、最近、散布に特殊な器具を必要とせず、手軽に散布できる方法として、除草剤のフロアブルやドライフロアブルをプラボトルのような容器に入れ、ドライフロアブルの場合は少量の水を加えて稀釈した後、これらをキャップ部に開けた小孔から水田中に振り込む方法が開発された。この方法によれば、散布に特殊な器具を必要とせず、手軽に散布できる利点はあるが、散布に際しては、依然として水田に入る必要があり、労力を要することや、散布方法や風向きによっては、薬液の飛沫が作業者にかかる等の欠点があるため、従来法の欠点を完全に除去し得たとは言い難い。また、使用済みの空き容器の処理も、安全面や環境上の問題を引き起こす可能性がある。 【0005】また、最近、農薬有効成分に界面活性剤及び発泡剤を加えた水田用除草剤(特開平3−128301号公報);有効成分、界面活性剤及び結合剤を含有する水田除草用錠剤又はカプセル(特開平3−173802号公報);農薬有効成分、特定の界面活性剤及び水面浮遊性粒核を含有する水面浮遊性の農薬固形剤をポリビニルアルコール(以下、PVAとする。)又はその誘導体からなるフィルムに分包とした水田投込み用農薬製剤(特許第2815535号公報)等に関する技術が開示された。これらの製剤を散布するにあたっては、簡便性から手で水田中に投込む方法や、散布者の安全や環境保護の面から、PVAのような水溶性フィルムにこれらの製剤を分包とし、この分包を水田に入らずに畦畔等から投込む方法が提案され、ジャンボ剤やパック剤の名前で商品化されている。このような水溶性フィルムに包装した製剤は、使用時に計量する必要がなく、また散布者の手を汚染させることもなく、さらには使用後の包装の廃棄処理にわずらわされず、環境保全の面で利点があるため、近年、急速に増加している。 【0006】これら農薬製剤を包むPVAよりなる水溶性フィルムは、常温の水に容易に溶解又は分散して、その形態を失うことが必要である。また、フィルムとして包装時の機械的強度や、低温、低湿下での運搬に耐える衝撃強度が要求されることから、水溶性フィルムとしては最も強度の高い部分ケン化型のPVAフィルムが使用されている。例えば、クロトン酸含有量2〜20モル%のビニルアルコールクロトン酸共重合体又はその塩から簿膜を製造し、水溶性の包装袋とする方法(特公昭35−17335号公報);アクリル酸、メタクリル酸等により変性された水溶性PVAポリマーからなるフィルム(特開昭64−14244号公報);オキシアルキレン基、スルホン酸基の少なくとも一種を含有するPVAポリマーからなるフィルム(特公平6−27205号公報)等が提案されている。 【0007】しかしながら、これらの方法のうち、部分ケン化型のPVAフィルムを用いる方法の場合には、農薬製剤のアルカリ成分によりPVAがケン化反応をうけて、貯蔵中に次第に完全ケン化型のPVAに変化して低温水溶性を失い、難溶性になるといった問題を有している。また、これらの部分ケン化型のPVAや変性PVAを用いたフィルムの場合には、高温、高湿下で吸湿により、フィルム同士が引っ付き、これを剥がすと、包装袋が破袋するという問題点も有している。更に、小分けされたPVA分包を防湿袋等に乱雑に詰め、商品形態として保存すると、貯蔵・輸送の間に積載による加圧等の力が分包に加わって、見かけ上、不定形に固化したような状態となり、水田に投げ込んだときに、特に水田の水深が浅いときには、分包の底面が土面に接触してしまい、農薬製剤が十分に水田中に拡がらない場合がある。このような場合、手で十分に揉まないと固化した状態が解消されないばかりか、場合によっては、PVAフィルムが破れるおそれもある。また、フィルムを低温水溶性にするために、フィルムに可塑剤を添加するという方法もあるが、この方法では、可塑剤が農薬製剤に吸収されてフィルム性能が変化したり、農薬有効成分が可塑剤と化学反応を起こし、農薬製剤の効果が消失するという問題点を有している。 【0008】また、PVAフィルムに農薬製剤を包み、これを水田中に投込むと、水面が藻等で覆われていたり、投げ込んだ分包が土面と接触したりするなど、条件によってはPVAフィルムが農薬固形剤に覆い被さりドーム状になるため、水面での浮遊拡展性を阻害することがある。更には、低水温時に、PVAフィルムの溶解に時間を要することから、強風等の条件によっては、投げ込んだ分包から農薬製剤が拡散し終るまでに、分包がそのまま風下に流され、農薬有効成分が局所に偏在し、効果のムラやイネに対する薬害をもたらすおそれがあるという問題点も有している。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】このような現状から、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、40℃以下の低水温にて大部分が溶解消失し、しかも低温、低湿(例えば、−30℃×RH10%)から高温、高湿(例えば40℃×RH90%)の環境条件下においても物理性の変化が少なく、かつ可塑剤を含まない農薬包装体を求めて鋭意検討を続けた結果、水面で良好な浮遊拡展性を有する農薬固形剤を水溶性不織布又はその積層材に分包した水田投込み用農薬製剤が、特に低水温時における分包の破袋する時間及び破袋から全散するまでの時間が早いこと、更には農薬固形剤の水面における浮遊拡展性が良好であることから、上記の問題点を解決することができることを見出し、本発明を完成した。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤を水溶性不織布又はその積層材に分包とした水田投込み用農薬製剤及びその使用方法に関する。 【0011】本発明に用いられる水溶性不織布は、それ自体水中で容易に分散又は溶解し、農薬固形剤を水面に拡展させる性質を有するシートであり、樹脂からなる繊維を、熱や機械的、化学的作用により接着又は絡み合わせたものである。水溶性不織布に使用できる樹脂は数多くあるが、シートに加工できるものには制限がある。本発明の水溶性不織布の原料としては、例えば、PVA系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリサッカライド系樹脂等を挙げることができる。PVA系樹脂としては、例えば、酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルを完全ケン化又は部分ケン化して得られる水酸基を有するビニル樹脂;アニオン変性、カチオン変性又はその他変性されたビニル樹脂等が挙げられる。セルロース系樹脂としては、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。ポリエーテル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。ポリサッカライド系樹脂としては、例えば、プルラン、カラギーナン等が挙げられる。 【0012】また、本発明の水溶性不織布は、上記の水溶性不織布に、更にPVA等からなる適当な水溶性フィルムによりラミネート加工した積層材として使用することもできる。 【0013】これらの中で、本発明に用いられる水溶性不織布としては、ヒートシール性、機械加工性、保存安定性などが良いことと、汎用的な価格であること等の点で、PVA系不織布が好適である。その中でも、低温水溶性PVA系繊維よりなる水溶性不織布がより好適である。 【0014】本発明において、低温水溶性PVA系繊維とは、水中溶解温度が0℃〜40℃のものであり、好適には、融点が140℃〜220℃、目付が10〜80g/m2のものである。PVAの融点が220℃を超えると、水中溶解温度が40℃を越えるため、実際の水田の水温でシートが溶けにくくなり、逆にPVAの融点が140℃未満では、結晶性が低く、シートの強度が不足して実用に耐えなくなる。PVA系樹脂の融点は、より好適には160℃〜210℃であり、更により好適には170℃〜205℃である。 【0015】また、本発明に用いられる水溶性不織布の目付は、通常10〜80g/m2であり、好適には、30〜60g/m2である。目付が10g/m2未満では、繊維密度が低く、農薬製剤が不織布から洩れたり、不織布強度が低いため破れたりする。また、80g/m2を越えると、極めて細い繊維を製造する必要が生じ、コスト面や不織布化する上で製造方法に制約がかかる。 【0016】本発明に用いられる水溶性不織布としては、特に好適には、低温水溶性PVA系繊維よりなる水溶性不織布であり、かつ、その目付が10〜80g/m2のものであり、例えば、クラロンK−II(商品名、株式会社クラレ製)が挙げられる。 【0017】また、本発明の水溶性不織布を積層材として使用する場合に、水溶性不織布にラミネート加工する水溶性フィルムとしては、好適には、融点が140℃〜220℃の水溶性PVA系フィルムが挙げられる。なお、水溶性フィルムの材質は、ラミネート加工される水溶性不織布の材質と同じでも、異なっていてもよい。 【0018】本発明の積層材のフィルム及びシートの層の数は特に限定はないが、価格面からは、水溶性不織布一層及び水溶性フィルム一層が好適であり、性能面からは、水溶性フィルムを中間層にして、両面を水溶性不織布で覆った3層構造物が、高湿時のフィルム同士の引っ付きやフィルムに添加されているグリセリン等の可塑剤の影響を避けることができるため好適である。また、水溶性不織布層が水溶性フィルム層の外側にあると、本発明の水田投込み用製剤を水中に投入後、水溶性不織布の吸水が速く、それに伴い積層材全体の水溶解速度が速いため、より好適である。 【0019】本発明の積層材における水溶性不織布の目付は、通常60〜150g/m2であり、好適には、70〜100g/m2である。目付が60g/m2未満では十分な強度が得られず、150g/m2を越えると、ラミネート加工する上で製造方法に制約がある。 【0020】本発明の水溶性不織布又はその積層材の厚さは、通常10〜200μmであり、好適には、20〜100μmである。厚さが20μmより薄くなると、強度が不足して破れやすくなり、包装袋として使用するときに問題となることがある。 【0021】本発明における水溶性不織布又はその積層材の材質として用いられるPVA系樹脂は、重合度1000〜2000程度、ケン化度85〜95%程度のPVAで、重合体の中に少量のカルボン酸、スルホン酸等を共重合させたものを含む。PVAの重合度が高すぎたり、ケン化度が高すぎたりすると冷水に溶けにくくなるため好ましくない。また、PVAの物理性や安定性を改良するために、通常のPVAフィルムに添加される可塑剤や安定剤、色素等を含有させることもできる。 【0022】本発明に使用する水溶性不織布又はその積層材は、低温低湿及び高温高湿条件下で物性変化がなく、常温と感触が変わらず、0〜40℃の低温水に溶解分散し消失する特性を有しており、例えば、特開平8−118559号公報に記載の方法に準じて製造することができる。 【0023】本発明の水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤に含まれる農薬有効成分は、通常水田に水面施用される農薬であれば、それ自体の物理的性状に特に限定はなく、、例えば、除草剤、殺虫剤、殺菌剤及び植物調節剤が挙げられる。 【0024】除草剤としては、例えば、ベンスルフロンメチル、アジムスルフロン、イマゾスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、エトキシスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、ジメピペレート、メフェナセット、プレチラクロール、モリネート、ピリブチカルブ、テニルクロール、エスプロカルブ、ブタミホス、ブロモブチド、ダイムロン、カフェンストロール、シハロホップブチル、ベンゾフェナップ、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンフレセート、チオベンカルブ、シメトリン、ジメタメトリン、ペントキサゾン、エドベンザニド、ジチオピル、ブタクロール、オキサジアルギル、ナプロアニリド、シンメチリン、2,4−D及びそのアルキルエステル又はその塩、MCPA,MCPB及びそれらのアルキルエステル又はその塩、オキサジクロメホン、フェントラザミド、ベンゾビシクロン、インダノファン、クミルロン、ピラゾギル、アニロホス、ビフェノックス、ピペロホス、キノクラミン、ピリミノバックメチル、クロメクロップ及びベンタゾン等が挙げられる。 【0025】殺虫剤としては、浸透移行性を有する殺虫剤及びイネミズゾウムシ、イネドロオイムシ等の水面に生息する害虫に有効な殺虫剤であればよく、例えば、シラフルオフェン、シクロプロトリン、エトフェンプロックス、イソキサチオン、エチルチオメトン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ダイアジノン、チオシクラム、アセフェート、ベンフラカルブ及びアセタミプリド等を挙げることができる。 【0026】殺菌剤としては、浸透移行性を有するいもち病や紋枯病等に有効な殺菌剤であればよく、例えば、テクロフタラム、べノミル、7−フルオロ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3.2.1−i.j]キノリン−4−オン、オリブライト、アゾキシストロビン、カルプロパミド、ピロキロン、イソプロチオラン、プロベナゾール、イプロベンホス、トリシクラゾール、フィプロニル、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、チフルザミド及び(RS)−2−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−トリメチルシリルプロパン−2−オール(F−155)等を挙げることができる。 【0027】植物調節剤としては、例えば、マレイン酸ヒドラジド及びその塩、アブシジン酸、過酸化カルシウム、イナベンフィド、パクロブトラゾール、ウニコナゾール、トリアペンテノール及びサイコセル等が挙げられる。 【0028】本発明における農薬有効成分としては、好適には、除草剤であり、より好適には、ベンスルフロンメチル、エトキシスルフロン、プレチラクロール、ブロモブチド、ダイムロン、カフェンストロール、シハロホップブチル、ピラゾレート、ブタクロール又はベンゾビシクロンである。 【0029】本発明に用いられる農薬有効成分は、上記の除草剤、殺虫剤、殺菌剤、植物調節剤の1種又は2種以上を用いることができ、除草剤の中で、作用機作や対象の異なる2種以上の有効成分を配合できるのはもちろんであるが、例えば、除草剤と殺菌剤や殺虫剤のように、全く対象の異なる2種以上の配合も可能である。 【0030】本発明に用いられる農薬有効成分の配合量は、経済性や省力を考えると処理に支障をきたさない範囲で高い方が望ましく、通常、農薬固形剤中に1〜90%であり、好適には、2〜80%であり、より好適には、5〜70%である。 【0031】本発明の水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤を得るには、農薬有効成分と水面に浮かせるために用いる浮力剤、水面で広範囲に広がらせるために用いる水面拡展剤、およびその他の補助剤を配合して調製することができる。 【0032】本発明に用いられる水面拡展剤は、農薬固形剤を水面で広範囲に拡展させるために配合するもので、例えば、アクリル酸、マレイン酸等のカルボン酸、スチレンスルホン酸又はビニル基等を重合させたスチレンスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩のようなカルボン酸型又はスルホン酸型のポリソープ;オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムのような石鹸類;モノ−又はジ−アルキルスルホコハク酸塩及びそれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−オレフィン脂肪酸塩、オレイルメチルタウライド塩等のようなアニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンのアルキルエステル、ソルビタンのアルキルエステル、シリコーン系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤、プルロニックタイプの界面活性剤等のノニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンのアルキルエステル等をリン酸又は硫酸のエステルとし、場合によっては、それらを適当なアルカリで中和した界面活性剤;フッ素系界面活性剤;各種のカチオン界面活性剤;両性イオン性界面活性剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール及びこれらの重合体のようなグリコール類のエステル及びエーテル類;カルボン酸のアルキルエステル;流動パラフィン、ナフテン系溶媒、芳香族系溶媒等の高沸点溶媒;低粘度のポリブテン、シリコンオイル、マシン油等の鉱物油類;種々の動植物油;松脂等種々の樹脂類;樟脳白油;αピネン;樟脳;ナフタレン;疎水性シリカ等が挙げられ、好適には、モノ−又はジ−アルキルスルホコハク酸塩及びそれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−オレフィン脂肪酸塩、オレイルメチルタウライド塩、アルキル硫酸塩、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、グリコール類のエーテル類及びエステル類又はカルボン酸のアルキルエステルが挙げられ、より好適には、α−オレフィンスルホン酸塩、α−オレフィン脂肪酸塩、アセチレン系界面活性剤又はグリコール類のエーテル類である。なお、これらの水面拡展剤の中には、崩壊・分散剤、結合剤、造粒性向上剤又は乳化剤としても用いられるものがある。 【0033】本発明に用いられるモノ−又はジ−アルキルスルホコハク酸塩及びそれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤は、農薬に一般的に使われるジ−アルキルスルホコハク酸塩ばかりではなく、モノ−アルキルスルホコハク酸塩、予めモノ−又はポリ−アルキレンオキサイドを付加したアルキルエーテルを調製しておき、スルホコハク酸1分子当り、この1分子又は2分子を反応させたものの塩を含み、例えば、ニューコール291PG(日本乳化剤株式会社製)、ネオコールSWCE、ネオコールSWC、ネオコールYSK(第一工業製薬株式会社製)、ニューカルゲンEP−70G(竹本油脂株式会社製)、GEROPON SDS(塩野義製薬株式会社製)、ペレックスOT−P(花王株式会社製)、エアロールCT−1(東邦化学工業株式会社製)、ゲナブアSB1970J(ヘキストジャパン株式会社製)、リパール860K、リパール870E等(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ライオン株式会社製)、ペレックスTR(ジトリデシルスルホコハク酸ナトリウム、花王株式会社製)、ペレックスCS(ジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、花王株式会社製)、リパールNTD(牛脂アミドスルホコハク酸ナトリウム、ライオン株式会社製)、ニューコール292PG(ジエチルヘキシルエトキシスルホコハク酸ナトリウム、日本乳化剤株式会社製)、ジェロポンACR/4(スルホコハク酸のラウリルエトキシハーフエステルのナトリウム塩、ローデイア・ゲロナッゾ製)等の商品名で市販されている。 【0034】本発明に用いられるα−オレフィンスルホン酸塩は、原油(石油)を原料としたスルホン化物の塩であり、生分解性に優れること、皮膚および眼に対しても非常に安全であること、酸アルカリに対して安定であること、耐硬水性に優れること等の人や環境にやさしい特徴を有しており、例えば、C12〜C16のα−オレフィンスルホン酸塩が挙げられる。α−オレフィンスルホン酸塩の塩としては、一般に農薬に用いられる塩であれば特に制限はないが、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム及び種々のアミン塩等が挙げられ、好適には、ナトリウム、アンモニウム又はカルシウム塩である。α−オレフィンスルホン酸塩の具体的例として、リポランLB−440、リポランLB−840、リポランPJ−400、KリポランPJ−400、リポランPB−800、Dt−95(ライオン株式会社製)、M−3801、M−3801G(第一工業製薬株式会社製)、ホスタファーOSB(ヘキストジャパン株式会社製)等が挙げられる。 【0035】本発明に用いられるα−スルホ脂肪酸塩は、天然油脂を原料としたスルホン化物であり、例えば、C10〜C14のα−スルホ脂肪酸塩が挙げられる。α−スルホ脂肪酸塩の塩としては、一般に農薬に用いられる塩であれば特に制限はないが、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム及び種々のアミン塩等が挙げられ、好適には、ナトリウム、アンモニウム又はカルシウム塩である。α−スルホ脂肪酸塩の具体例として、FA−615B、FA−616B、FA−617B(ライオン株式会社製)、サンベース、サンベースFM−2(日本油脂株式会社製)等が挙げられる。 【0036】本発明に用いられるα−オレフィン脂肪酸塩は、α−オレフィンにカルボン酸を反応させたもので、例えば、C12のα−オレフィンに3−メルカプトプロピオン酸を反応させたラウリルチオプロピオン酸の塩{具体例としては、ノバソルトSA−66T、ノバソルトSA−66TE(日本油脂株式会社製)}が挙げられる。 【0037】本発明に用いられるオレイルメチルタウライド塩は、オレイン酸クロライドをN−メチルタウリンと反応させたものの塩であり、その塩としては、一般に農薬に用いられる塩であれば特に制限はないが、例えば、ナトリウム、カルシウム、カリウム及びアンモニウム塩等が挙げられ、好適には、ナトリウム又はカルシウム塩である。オレイルメチルタウライド塩の具体例として、ダイヤポンTパウダー(日本油脂株式会社製)、ホスタポンTパウダー(ヘキストジャパン株式会社製)、ArkoponTパウダー(ヘキストジャパン株式会社製)等が挙げられる。 【0038】本発明に用いられるアルキル硫酸塩は、高級アルコールと硫酸のエステルとを反応させたものの塩であり、好適には、ラウリル硫酸塩であり、具体的には、エマール10パウダー(花王株式会社製)及びモノゲンパウダー(第一工業株式会社製)の商品名で市販されている。 【0039】本発明に用いられるアセチレン系界面活性剤とは、分子内にアセチレン構造を有する界面活性剤であり、例えば、アセチレンアルコール、アセチレンジオール及びこれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤が含まれる。 【0040】本発明に用いられるアセチレンアルコールは、一般式HOC(R1)(R2)−C≡CH(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、C1〜C8のアルキル基を示し、好適には、同一又は異なって、C1〜C4のアルキル基であり、より好適には、同一又は異なって、メチル、エチル又はイソブチル基である。)で表される化合物であり、R1がメチル基かつR2がイソブチル基のものがサーフィノール61、R1及びR2がともにメチル基のものがオルフィンB、R1がメチル基かつR2がエチル基のものがオルフィンPの商品名(いずれも、エアロプロダクツ社製、日信化学株式会社販売)で市販されている。 【0041】本発明に用いられるアセチレンジオールは、一般式HOC(R1)(R2)−C≡C−CR1R2OH(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、C1〜C8のアルキル基を示し、好適には、同一又は異なって、C1〜C4のアルキル基であり、より好適には、同一又は異なって、メチル、エチル、ブチル又はイソブチル基である。)で表される化合物であり、R1がメチル基かつR2がエチル基のものがサーフィノール82、R1がメチル基かつR2がイソブチル基のものがサーフィノール104、R1がエチル基かつR2がブチル基のものがサーフィノールDF110、R1及びR2がともにメチル基のものがオルフィンYの商品名(いずれも、エアロプロダクツ社製、日信化学株式会社販売)で市販されている。 【0042】本発明に用いられるアセチレンアルコール又はアセチレンジオールにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤は、上記のアセチレンアルコール又はアセチレンジオールに、アルキレンオキサイドを付加した界面活性剤であり、アルキレンオキサイドとしては、好適には、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが挙げられる。また、2種類以上のアルキレンオキサイドを付加させる場合、付加の順序は任意である。アルキレンオキサイドを付加したアセチレンアルコール又はアセチレンジオールの具体例として、サーフィノール400シリーズ(サーフィノール104にエチレンオキサイドを付加したもの)が挙げられる。また、サーフィノール104(ワックス状)と無晶形二酸化ケイ素を40:60の重量比率で混合粉砕した粉末状のプレミックスがサーフィノール104S、サーフィノールDF110(ワックス状)と無晶形二酸化ケイ素を40:60の比率で混合粉砕した粉末状のプレミックスがサーフィノールDF110Sの商品名(共に、エアロプロダクツ社製、日信化学株式会社販売)で市販されている。 【0043】本発明に用いられるシリコーン系界面活性剤は、分子内に珪素原子を含有する界面活性剤であり、好適には、メチル又はジメチルポリシロキサンの末端又は側鎖のメチル基の一部に、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド又はその両者を導入し、場合によっては、末端の水酸基をアルキル基でエーテル又はエステル化した、ポリエーテル変性シリコンオイルを主成分とするノニオン界面活性剤であり、例えば、シルガードシリーズ(ダウコーニングシリコーン株式会社製)、シルウェットシリーズ(日本ユニカー株式会社製)、シリコーンオイルKFシリーズ(信越化学株式会社製)、カイネチック(ヘレナケミカル株式会社製)等の商品名で市販されている。 【0044】本発明に用いられるフッ素系界面活性剤は、分子内にフッ素原子を含有する界面活性剤であり、好適には、通常のアニオン、ノニオン、カチオン又は両性イオン系界面活性剤の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した界面活性剤であり、これらは表面張力低下力に優れることで知られている。フッ素系界面活性剤は、例えば、ユニダインシリーズ(ダイキン工業株式会社製)、メガファックシリーズ(大日本インキ化学工業株式会社製)、フタ−ジェントシリーズ(株式会社ネオス製)、サーフロンシリーズ(旭硝子株式会社製)、エフトップ(トーケムプロダクツ株式会社製)等の商品名で販売されている。 【0045】本発明に用いられるグリコール類のエーテル及びエステル類は、例えば、エチレングリコ−ル、プロピレングリコール、ブタンジオール又はこれらの重合体のようなグリコール類の末端水酸基の一方又は双方を、例えば、ヘキシル又は2−エチルヘキシルのようなアルキル基又はカルボン酸基で置換したエーテル又はエステル類であり、具体的には、例えば、ヘキシルグリコール(HeG、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、日本乳化剤株式会社)、ヘキシルジグリコール(HeDG、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、日本乳化剤株式会社)、2−エチルヘキシルグリコール(EHG、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、日本乳化剤株式会社)、2−エチルヘキシルジグリコール(EHDG、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、日本乳化剤株式会社)等の商品名で販売されている。 【0046】本発明に用いられるカルボン酸のアルキルエステルは、例えば、ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸、オレイン酸、乳酸等のカルボン酸又はマレイン酸、クエン酸、フマ−ル酸、アジピン酸、グルタール酸、フタル酸等の多塩基カルボン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、ラウリル、オレイル等のアルキルエステルであり、具体的には、エキセパールMC(ヤシ脂肪酸メチル、花王株式会社)、エキセパールM−OL(オレイン酸メチル、花王株式会社)、ビニサイザー30(オレイン酸イソブチル、花王株式会社)、ビニサイザー124(フタル酸ジアルキル、花王株式会社)、乳酸ブチル(株式会社武蔵野化学研究所)等の商品名で販売されている。 【0047】本発明に用いられる水面拡展剤の配合量は、農薬有効成分の種類と含有量、水面拡展剤の種類とその添加方法及びその他の成分の種類と配合量など製剤処方や剤型によって異なるが、通常、農薬固形剤中に0.1〜30%であり、好ましくは0.3〜20%であり、より好ましくは0.5〜10%である。 【0048】本発明に用いられる浮力剤は、農薬固形剤を水面に浮かせるために用いるものであり、見掛け比重が1未満であり、水に浮く性質を有する粉状や粒状物であれば特に限定はないが、例えば、焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡軽石、発泡パーライト、発泡セラミック、中空マイクロバルーン、発泡フェライト、発泡クレー等の高温で処理して膨化又は中空状とした鉱物質担体;コルク、木粉、米ヌカ、フスマ、ケナフ粉末、籾殻等の植物担体;発泡スチロール、発泡プラスチック、発泡サラン樹脂、発泡尿素樹脂、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアクリロニトリル、発泡セルロース等の合成樹脂中空発泡体;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、生分解性プラスチック等の合成樹脂粉末又は粒状物;これらの1種または2種以上を配合して水に浮く性質を付与した成形された浮力剤が挙げられ、好適には、焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡軽石、発泡パーライト、コルク、木粉、発泡プラスチック及び発泡サラン樹脂であり、より好適には、焼成バーミキュライト、発泡シラス、発泡パーライト、コルク、発泡プラスチック及び発泡サラン樹脂である。 【0049】本発明に用いられる浮力剤の配合量は、農薬固形剤が水面に浮遊する量であれば十分であり、浮力剤の種類、農薬有効成分の種類やその他の補助剤の種類、配合量等により異なるが、通常、農薬固形剤中に0.1〜90%であり、好ましくは0.2〜70%であり、より好ましくは0.5〜60%である。 【0050】 【発明の実施の形態】本発明の農薬固形剤には、崩壊・分散剤、湿潤剤、増量剤、結合剤、不揮発性液状物質、乳化剤、撥水剤、滑沢剤及びその他の補助剤を配合することができる。 【0051】本発明において、農薬固形剤を水中で崩壊させ、農薬有効成分を水中に懸濁分散させるために、崩壊・分散剤を用いることができる。 【0052】用いられる崩壊・分散剤は、通常の農薬固形剤に用いられるものであれば特に限定はなく、例えば、リグニンスルホン酸塩、(アルキル)ナフタレンスルホン酸塩及びその縮合物、フェノールスルホン酸塩及びその縮合物、スチレンスルホン酸塩の縮合物、マレイン酸とスチレンスルホン酸との縮合物の塩、アクリル酸やマレイン酸などのカルボン酸縮合物の塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル及びその塩等のアニオン界面活性剤;トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等のリン酸塩を挙げることができ、また、ノニオン系、カチオン系、両性イオン性界面活性剤でも適当なものを選択して使用できる。これら崩壊・分散剤は、湿潤剤としても有用なものが多い。 【0053】本発明で用いられる崩壊・分散剤及び湿潤剤の配合量は、通常、農薬固形剤中に0.01〜30%であり、好ましくは0.1〜20%であり、より好ましくは0.2〜15%である。 【0054】本発明において、農薬有効成分を希釈し、投げ込みやすい量に調製するために、増量剤を用いることができる。 【0055】用いられる増量剤は、通常農薬に用いられるものであれば特に限定はなく、例えば、ベントナイト、タルク、クレー、珪藻土、無晶形二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の鉱物質微粉;塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン等種々の樹脂粉末;グルコース、砂糖、乳糖等の糖類;澱粉及びその誘導体、微結晶セルロース、木粉、オガクズ、米糠、ふすま、籾殻の粉末、コーヒー豆粉末、ヤシ殻粉末、活性炭、セルロース粉末、甘草粉末等の有機物;硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム等の水溶性無機塩類;及び尿素等が挙げられ、木粉又はやオガクズは安価で軽く、水中で粒を浮かせ易いという利点があり好適である。 【0056】本発明に用いられる増量剤の配合量は、一般的に、0.1〜80%、好ましくは0.2〜50%、より好ましくは0.5〜20%である。 【0057】本発明において、浮力剤及びその他の補助剤、又は、農薬有効成分、界面活性剤及びその他の水面拡展剤等の混合物を、農薬固形剤に成形するために、結合剤を用いることができる。 【0058】用いられる結合剤は、通常の農薬固形剤に使用されるものであれば特に限定はなく、例えば、デキストリンやポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースの塩、リグニンスルホン酸塩、カルボン酸タイプ及びスルホン酸タイプのポリソープ、メチルセルロース、アラビアゴム、ポリエチレングリコール及びその誘導体、タブ粉及びベントナイト等が挙げられる。このうち、リグニンスルホン酸塩、カルボン酸タイプ及びスルホン酸タイプのポリソープは、分散剤と兼用でき、ベントナイト及びリグニンスルホン酸塩は、比較的安価なため増量剤としても用いることができ、ベントナイト、リグニンスルホン酸塩、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩及びデキストリンは結合力が強く、水中での粒の崩壊時間を調節することができ、一旦崩壊した後は粒状剤を完全に分散させることができるという利点を有するため、いずれも好適である。 【0059】本発明に用いられる結合剤の配合量は、結合剤の種類、浮力剤の種類、農薬粒状剤の処方、製造方法や形状、農薬有効成分の種類や物理性及びその他の補助剤の種類や配合量等処方によって異なるが、ベントナイトの場合、通常、農薬固形剤中に0.1〜70%であり、好ましくは1〜30%であり、その他の結合剤の場合は、通常0.05〜30%であり、好ましくは0.5〜20%である。 【0060】本発明において、常温で固体、半固体又は液状の農薬有効成分を希釈したり、被覆・含浸するために、不揮発性液状物質を用いることができる。 【0061】用いられる不揮発性液状物質は、農薬有効成分に粒子成長、分解等の悪影響を与えず、浮力剤に農薬有効成分を均一に被覆・含浸できる性質を有するものであれば、特に限定はないが、高沸点・低毒性で引火点が高く、低粘度で比重が1より小さいものが望ましい。不揮発性液状物質として、例えば、低粘度の流動パラフィン、イソパラフィン、マシン油、ポリブテン、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の各種高沸点溶媒等の鉱物油;ヤシ油、大豆油、なたね油等の植物油;鯨油、鰯油等の動物油;シリコーンオイル及びその誘導体;オレイン酸、乳酸、ヤシ油脂肪酸、マレイン酸、フマール酸、フタール酸、アジピン酸等のモノ−又は多価カルボン酸及びそれらの種々のエステル;トリブチルホスフェートやトリスクロルエチルホスフェート等のリン酸の種々のエステル等の可塑剤;ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;N−メチルピロリドン;及び種々の液状界面活性剤等が挙げられ、好適には、低粘度の流動パラフィン、マシン油、イソパラフィン又はモノ−又は多価カルボン酸のエステルであり、具体例として、スーパーオイルシリーズ、スモイルPシリーズ(日本石油化学株式会社製)、流動パラフィンNoシリーズ(中央化成株式会社製)等の流動パラフィン;ダフニーオイルシリーズ(出光興産株式会社製)等のマシン油;アイソパーシリーズ、アイソゾールシリーズ(日本石油化学株式会社製)等のイソパラフィン等が挙げられる。もちろん、本発明において、2種以上の不揮発性液状物質を混ぜ合わせて使用することもできる。 【0062】本発明に用いられる不揮発性液状物質の配合量は、農薬有効成分の種類やその他の補助剤の種類、配合量等により異なるが、農薬固形剤の経時安定性や物理性に影響を与えない限りできるだけ少ない方がよく。通常、農薬固形剤中に0.1〜60%であり、好ましくは0.2〜40%であり、より好ましくは1〜30%である。 【0063】本発明において、液状の農薬有効成分又は農薬有効成分の溶液を水中に乳化させるために必要に応じて、乳化剤を用いることができる。 【0064】用いられる乳化剤は、通常の乳剤の乳化剤を選択するのと同様に選択することができる。 【0065】本発明で用いられる乳化剤の配合量は、通常、農薬固形剤中に0.01〜30%であり、好ましくは0.03〜15%である。 【0066】本発明において、主として農薬有効成分の水溶性が高い場合に、農薬有効成分の溶出を抑制して水面にできるだけ広範囲に広げたのち、水中に溶解させるために撥水剤を用いることができる。 【0067】用いられる撥水剤は、通常の農薬固形剤に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸塩、ステアリルアルコール等の高級アルコール、ステアリン酸等の高級脂肪酸、シリコンオイルおよびその誘導体、フッ素系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、疎水性シリカ、流動パラフィン及びマシン油等が挙げられる。 【0068】本発明で用いられる撥水剤の配合量は、農薬有効成分の種類や物理性により異なるが、通常、農薬固形剤中に0.05〜10%であり、好ましくは0.1〜5%である。 【0069】本発明において、錠剤を調製する際に、臼と杵の滑りをよくするために、少量の滑沢剤を用いることができる。滑沢剤は、通常、錠剤を成形する直前に添加し混合することが多い。 【0070】用いられる滑沢剤は、通常の錠剤に用いられるものであれば特に限定はなく、例えば、疎水性であるステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が挙げられる。 【0071】本発明に用いられる滑沢剤の配合量は、通常、農薬固形剤中に0.1〜5%であり、好ましくは0.2〜3%である。 【0072】本発明において、その他の補助剤として、必要があれば、粒子成長防止剤、安定化剤、色素、苦味剤、その他の種々の補助剤を用いることができる。 【0073】本発明の水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の剤型は、通常の固形製剤であれば特に限定はないが、好適には、粉状剤、粒状剤又は錠剤であり、形状は円柱状でも不定形状でもよい。 【0074】本発明の水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤は、水面を拡展した後、農薬有効成分が速やかに水中に分散、乳化又は溶解するものが好ましく、水中に投じたときに崩壊するものでもよく、非崩壊性のものでもよい。 【0075】本発明において、農薬有効成分が固体の場合、生物活性を発揮するのに十分な粒度にまで粉砕しておくことが望ましい。この場合、粉砕方法として、ハンマーミルやジェットミル等による乾式粉砕が好ましいが、サンドミル、アトライター、ビーズミル等により湿式粉砕することもできる。 【0076】本発明の農薬固形剤が粒状剤である場合、例えば、原料粉末を適当な造粒機を用いて造粒する(造粒法)、予め調製した浮遊性の粒核に適当な不揮発性液状物質を用いて農薬有効成分を被覆する(被覆法)、又は、農薬有効成分を適当な不揮発性液状物質に溶解させ、これを予め調製した浮遊性の粒核に吸収させる(吸収法)ことにより、本発明の農薬固形剤を得ることができる。 【0077】造粒法による場合は、例えば、予め農薬有効成分を含有するスラリー又は粉末プレミックスを調製し、これと浮力剤、水面拡展剤及び必要であれば他の助剤を混合後、造粒・乾燥・整粒することにより、本発明の農薬固形剤を得ることができる。造粒には、押出し造粒機、混合造粒機、流動層造粒機、転動造粒機、噴霧乾燥機等の造粒機を用いることができるが、浮力剤を強く加圧すると浮力効果が低下するので、強いせん断力がかからない造粒機を選択するのが好ましい。 【0078】被覆法による場合は、例えば、浮力剤を含有する浮遊性の粒核を予め調製し、該粒核を攪拌混合機に仕込み、必要であれば、不揮発性液状物質を加えて表面を湿潤させたのち、農薬有効成分、水面拡展剤及び必要であれば他の助剤を含有する粉末プレミックスを加えて更に攪拌することにより、粒の表面に被覆した本発明の農薬固形剤を得ることができる。 【0079】吸収法による場合は、例えば、浮力剤のみ又は浮力剤、水面拡展剤及び必要であれば他の助剤を含有する浮遊性の粒核を予め調整し、該粒状剤を攪拌混合機に仕込み、液状又は不揮発性液状物質等により液状化させた農薬有効成分、又は、予め農薬有効成分、水面拡展剤及び必要であれば他の助剤を含有させ攪拌した濃厚プレミックスを加えて吸収させ、本発明の農薬固形製剤を得ることができる。 【0080】被覆法や吸収法で粒状剤を調製する場合、水面拡展剤はその効果を最大限に発揮させるには、農薬有効成分やその他の補助剤を被覆又は吸収させた後、最後に水面拡展剤を被覆又は吸収させるのが望ましい。このように、被覆又は吸収の工程は、2段階以上に分けてもよい。また、農薬有効成分の一部と浮力剤等を練り込み造粒して浮遊性の粒核を得、これに残部の農薬有効成分を被覆、吸収させることや、被覆法と吸収法を同一の農薬固形剤に適用することも可能である。 【0081】使用する攪拌混合機は、通常の農薬固形剤に使用されるものであれば特に限定はないが、好適には、ナウターミキサー、リボンブレンダー、ロータリーブレンダー、V型混合機等の低速で混合する粒の破砕の少ない機種である。 【0082】粒状剤の粒度は、粒径が0.6mmより小さいと水中で沈みやすかったり、粒の崩壊が早すぎたりし、逆に粒径が5mmより大きいものが多いと、風で吹き寄せられやすくなるうえ、粒の崩壊分散に時間がかかり、吹き寄せられた場所で崩壊分散し、農薬有効成分の偏析の原因になるため、通常、50%以上が0.710mm〜4.760mmの区分に入るものであり、好適には、70%以上が0.710mm〜4.760mmの区分に入るものであり、より好適には、90%以上が0.710mm〜4.760mmの区分に入るものである。 【0083】本発明の農薬固形剤が錠剤の場合、農薬有効成分、水面拡展剤、浮力剤、結合剤、滑沢剤及び必要であれば発泡剤等のその他の補助剤を混合後、打錠機、ブリケッテイングマシン等を用いて加圧成形することができ、また、水を加えて練合したものを適当な型枠にはめて加圧することなく成形して製造することも可能である。 【0084】錠剤の重さは、通常、1錠が0.05〜5gであり、好適には0.1〜3gであり、より好適には0.2〜2gである。また、錠剤の厚みは、錠剤の重さにより異なるが、通常薄い方が錠剤が水に浮きやすい。 【0085】本発明の農薬固形剤が粉状剤の場合は、農薬有効成分、水面拡展剤、浮力剤及び必要であれば他の助剤を混合し、更に必要であれば適当な粉砕機を用いて粉砕することにより製造することができる。粉砕する場合は、浮力剤が中空状の鉱物質や合成樹脂等の場合、粉砕すると浮力剤が粉砕されてしまい、浮力が低下する場合があるので、粉砕する必要のあるものだけを予め粉砕しておき、そのあとで浮力剤を含む粉砕する必要のないものを混合して調製することができる。 【0086】これらの剤型のうちで、粒状剤は浮かせやすく、また水面で拡展させやすいので特に好ましい。 【0087】本願の農薬固形剤は、以下に示す方法により、拡展性指数5点以上の水面浮遊拡展性を示すことが必要である。 【0088】本発明において、「拡展性指数」とは、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の水面における拡展性を0〜15点の範囲(15点満点)で数値化したものであり、点数が大きい程、水面拡展性がよく、好適には5点以上であり、より好適には7点以上であり、更により好適には9点以上である。水面拡展性の試験法は、次の通りである。 【0089】長さが4m、幅が14cmの樋に水道水25リットルを入れ、水温を20℃に調節する。田面水上の障害物(浮遊物)を想定して、スミセルコ(住金物産株式会社製、籾殻を粉末化したもの)2gを水面に均一に浮かべる。静置後、試験農薬固形剤280mgを該樋の一方の端から10cmの地点に投入し、投入後の各農薬固形剤の投入地点から1.5m到達時間、投入地点からの最長到達距離及び投入5分後の拡展状態について目視により調査し、下記表1記載の評価基準にしたがって判定し、各項目の評価点を合計することにより、それぞれの拡展性指数を求める。 【0090】 【表1】 拡展性の評価項目ならびに評価基準―――――――――――――――――――――――――――――――――――評価項目 判定基準 評価点―――――――――――――――――――――――――――――――――――1.5m到達時間 2分以上 0 1分以上、2分未満 1 30秒以上、1分未満 2 20秒以上、30秒未満 3 10秒以上、20秒未満 4 10秒未満 5―――――――――――――――――――――――――――――――――――最長到達距離 0.5m未満 0 0.5m以上、1.0m未満 1 1.0m以上、1.5m未満 2 1.5m以上、2.0m未満 3 2.0m以上、2.5m未満 4 2.5m以上、3.0m未満 5 3.0m以上、3.5m未満 6 3.5m以上 7―――――――――――――――――――――――――――――――――――処理5分後の拡展状態 拡展した先端が処理地点まで戻される 0 最長到達地点から1m以上戻される 1 最長到達地点から1m未満戻される 2 最長到達地点から戻されない 3―――――――――――――――――――――――――――――――――――合計 15―――――――――――――――――――――――――――――――――――かくして得られた本発明の水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤は、水溶性不織布又はその積層材に分包とする。農薬固形剤を水溶性不織布又はその積層材に分包する場合、1包みの重量は、投込みやすさを考慮すると、通常、10〜200gであり、好ましくは、20〜100gであり、より好ましくは、25〜70gである。この程度の重さであれば、子供、女性、高齢者でも容易に15m以内の目標とした地点に投込むことが可能である。これ以上重いと、投込むのが苦痛となり、広い面積を処理するのは容易ではなく、また、これ以下では、風の影響を受けて目標とした地点に到達し得ない。本発明の農薬固形剤は、水面で広範囲に拡展し、農薬有効成分の拡散も広範囲に達するから、通常の水田では無理に遠くまで投げ入れる必要はなく、畦畔から2〜3m先の水面に落とす程度で十分である。 【0091】水田に投込む分包の個数は、多すぎると省力化にならず、経済的にも不利であり、通常、10アール当たり1〜30個を投下することにより、十分な生物効果を発揮させることができ、好ましくは、10アール当たり1〜20個である。 【0092】分包の形状としては、一辺が1〜30cmの長方形又は正方形が一般的であるが、これらに限らず、多角形、円形、球形、円筒形、不定形等であってもよい。 【0093】分包にする方法としては、各辺を糊で封じてもよいが、超音波、高周波及びヒートシール等を用いることができ、作業性よりヒートシールが好適である。 【0094】ヒートシールの方法としては、例えば、ヒートシーラーを用い、水溶性不織布の融点より20〜150℃低い温度で、3〜100kg/cmの線圧で熱圧着することができる。 【0095】得られた固形剤の分包は、紙袋、樹脂袋又はアルミ箔貼り合わせやシリカ蒸着した樹脂袋等の袋や箱等で外装するため、吸湿に対して経時的に安定である。従って、吸湿に対して注意を払う必要はないが、水溶性不織布は水がかかると破れてしまうので、適当な防水加工を施した外装を用いることが望ましい。 【0096】これら水面拡展剤及び浮力剤を配合した農薬固形剤を水溶性不織布又はその積層材に分包とした水田投込み用農薬製剤は、畦畔等から水田中に投込み処理をする。得られた農薬製剤を水田に投込むと水溶性不織布又はその積層材の溶解分散にともない、内部の農薬固形剤は水面を迅速に且つ広い範囲にわたって拡展した後に、有効成分が水中に分散、乳化または溶解し、土壌表面における農薬有効成分の局在は実用上問題にならない程度に小さくすることができる。 【0097】以下に実施例、比較例、参考例及び試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の部は、質量部を意味する。 【0098】 【実施例】 【0099】 【実施例1】水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の水溶性不織布による分包ベンスルフロンメチル原体(純度99.4%、2.73部)、カフェンストロール原体(純度98.3%、11.37部)、ダイムロン原体(純度99.4%、24.09部)、KP1436(ポリオキシエチレントリスチリルエーテルの燐酸エステル塩、花王株式会社製、0.9部)、パールレックスNP(リグニンスルホン酸ナトリウム、日本製紙株式会社製、5.64部)及び水(55.27部)を混合し、その混合物をアトライター1S型(三井鉱山株式会社製)により粉砕し、スラリーを得た。得られたスラリー(95部)にトキサノンGR31A(ポリアクリル酸ナトリウム、三洋化成株式会社製、5部)を添加し、更に混合攪拌し、これをスラリー2とした。コルク(粒度:0.2〜0.5mm、20.0部)、セロゲン5A(カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、第一工業製薬株式会社製、8.0部)、ロカヘルプ439(発泡パーライト粉末、三井金属工業株式会社製、10.0部)、パールレックスNP(8.0部)、木粉(ネオライト興産株式会社製、6.0部)、M−3801G(1.0部)、サーフィノール104S(3.0部)及びベントナイト(ネオライト興産株式会社製、16.0部)をニーダー中で混合し、前記スラリー2(65.94部)を加えて練合した。得られた練合物をエックペレッターEXK−1型(不二パウダル株式会社製、スクリーン1.2mmφ)により押出し造粒した。得られた造粒物を、送風棚型乾燥機(送風温度70℃)にて乾燥後、710〜4760μmに篩分し、ベンスルフロンメチル1.7%、カフェンストロール7.0%及びダイムロン15%を含有する粒剤を得た。得られた粒剤をクラロンK−IIに1袋30gの割合で小分けして分包を得た。 【0100】 【実施例2】吸収法により水面拡展剤EHDGを含有させた、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の水溶性不織布による分包ベンスルフロンメチル原体(3.94部)、カフェンストロール原体(15.11部)及びダイムロン原体(31.69部)を混合し、SK−ジェット・オー・マイザー0101型(ジェットミル、株式会社セイシン企業製)により粉砕してプレミックス粉末を得た。得られたプレミックス粉末(50.74部)、タモールPP(フェノールスルホン酸塩、BASFジャパン株式会社製、5.00部)、M−3801G(3.00部)、アミコールNo.7H(デキストリン、日澱化学株式会社製、18.00部)、コルク(15.00部)、ベントナイト(3.00部)、オレイン酸Na(ナカライテスク株式会社製)、2.00部)及びロカヘルプ439(0.26部)を混合し、ニーダーFM−NW−5型(富士産業株式会社)中で、更に水(16部)を添加して練合した。得られた練合物を、ドームグランDG−L1型(不二パウダル株式会社製、スクリーン1.5mmφ)により押出し造粒した。得られた造粒物を、送風棚型乾燥機(送風温度70℃)を用いて2時間乾燥後、850〜2820μmに篩分した。得られた粒をナウターミキサーに仕込み、EHDG(1.50部)とサーフィノールDF110(1.50部)の混合溶液を均一に吸収混合させ、ベンスルフロンメチル3.4%、カフェンストロール14%及びダイムロン30%を含有する粒剤を得た。得られた粒剤をクラロンK−IIに1袋30gの割合で小分けして分包を得た。 【0101】 【実施例3】浮力剤としてシラスバルーンを含有する、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の水溶性不織布による分包ベンスルフロンメチル原体(3.94部)、カフェンストロール原体(15.11部)及びダイムロン原体(31.69部)を混合し、この混合物をSK−ジェット・オー・マイザー0101型により粉砕し、プレミックス粉末を得た。得られたプレミックス粉末(50.74部)、タモールPP(5.00部)、M−3801G(2.00部)、アミコールNo.7H(15.00部)、シラスバルーン(ネオライト興産株式会社製、平均粒径75μm、20.00部)、ベントナイト(3.00部)、オレイン酸Na(1.00部)及びロカヘルプ439(0.26部)を混合し、ニーダー中で、更に水(16部)を添加して練合した。得られた練合物を、ドームグランDG−L1型(スクリーン径1.0mm)により押出し造粒した。得られた造粒物を、送風棚型乾燥機(送風温度70℃)を用いて2時間乾燥後、850〜1410μmに篩分した。得られた粒をナウターミキサーに仕込み、EHDG(3.00部)を均一に吸収混合させ、ベンスルフロンメチル3.4%、カフェンストロール14%及びダイムロン30%を含有する粒剤を得た。得られた粒剤をクラロンK−IIに1袋30gの割合で小分けして分包を得た。 【0102】 【実施例4】浮力剤として発泡プラスチックを含有する、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の水溶性不織布による分包ベンスルフロンメチル原体(3.94部)、カフェンストロール原体(15.11部)及びダイムロン原体(31.69部)を混合し、この混合物をSK−ジェット・オー・マイザー0101型により粉砕し、プレミックス粉末を得た。得られたプレミックス粉末(50.74部)、タモールPP(5.00部)、M−3801G(2.00部)、アミコールNo.7H(15.00部)、発泡プラスチック(サラン樹脂発泡体10%含水品、ネオライト興産株式会社製、10.00部)、ベントナイト(3.00部)及びロカヘルプ439(11.26部)を混合し、ニーダーFM−NW−5型中で、更に水(15部)を添加して練合した。得られた練合物を、ドームグランDG−L1型(スクリーン径1.0mm)により押出し造粒した。得られた造粒物を、送風棚型乾燥機(送風温度70℃)を用いて2時間乾燥後、850〜1410μmに篩分した。得られた粒をナウターミキサーに仕込み、EHDG(3.00部)を均一に吸収混合させ、ベンスルフロンメチル3.4%、カフェンストロール14%及びダイムロン30%を含有する粒剤を得た。得られた粒剤をクラロンK−IIに1袋30gの割合で小分けして分包を得た。 【0103】 【実施例5】エトキシスルフロン及びブタクロールを含有する、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の水溶性不織布による分包エトキシスルフロン原体(純度99%、0.54部)及びロカヘルプ439(4.85部)を混合し、この混合物をエックサンプルミル(ハンマーミル、不二パウダル株式会社製)により粉砕し、エトキシスルフロンを10%含有する粉末プレミックスを得た。得られた粉末プレミックス(5.39部)、パールレックスNP(5.00部)、セロゲン5A(15.00部)、M−3801G(1.00部)、サーフィノール104S(3.00部)、コルク(20.00部)、ベントナイト(5.00部)、ネオペレックスNo.6Fパウダー(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、花王株式会社製、3.00部)及びロカヘルプ439(7.61部)を混合し、これをニーダーFM−NW−5型中で、更に水(60部)を添加し練合した。得られた練合物を、バスケット型造粒機RG−5M型(菊水製作所株式会社製、スクリーン1.2mmφ)により押出し造粒した。得られた造粒物を、送風棚型乾燥機(送風温度70℃)を用いて2時間乾燥後、870〜2380μmに篩分した。得られた粒剤をナウターミキサーに仕込み、ブタクロール原体(純度90%、30.00部)、EHDG(3.00部)、ニューコール2609(ポリオキシエチレントリスチリルエーテル、日本乳化剤株式会社製、1.00部)及びDBC(アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム、日本乳化剤株式会社製、1.00部)の混合液を加えて、均一に吸収混合し、エトキシスルフロン0.5%及びブタクロール27%を含有する粒剤を得た。得られた粒剤をクラロンK−IIに1袋35gの割合で小分けして分包を得た。 【0104】 【実施例6】ピロキロンを含有する、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の水溶性不織布による分包ピロキロン原体(純度97.2%、87.45部)、M−3801G(3.4部)及びカープレックス#80D(無晶形シリカ、塩野義製薬株式会社製、6.55部)を混合し、この混合物をエックサンプルミルにより粉砕し、ピロキロンを85%含有するプレミックスを得た。ヒルコンSI−600(焼成バーミキュライト、ヒルイシ化学工業株式会社製、33.09部)をナウターミキサーに仕込み、スーパーオイルC(流動パラフィン、日本石油化学株式会社製、36部)を加えて粒の表面を湿らせ、次いで、前記プレミックス(29.41部)を加えて混合し、粒の表面に被覆した後、更に、サーフィノール104S(1.5部)を加えて混合し、粒の表面に被覆することにより、ピロキロンを25%含有する粒剤を得た。得られた粒剤をクラロンK−IIに1袋50gの割合で小分けして分包を得た。 【0105】 【実施例7】F−155を含有する、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の水溶性不織布による分包F−155原体(純度96.7%、77.56部)、M−3801G(4.76部)及びカープレックス#1120(無晶形シリカ、塩野義製薬株式会社製、17.68部)を混合し、この混合物をSK−ジェット・オー・マイザー0101型により粉砕し、F−155を75%含有するプレミックス粉末を得た。ヒルコンSI−600(47.5部)をナウターミキサーに仕込み、ダフニーオイルSY−15(マシン油、出光興産製、30.0部)を加えて粒の表面を湿らせ、次いで、前記プレミックス粉末(21.0部)を加えて混合し、粒の表面に被覆し、更に、サーフィノールDF110S(1.5部)を加えて混合し、粒の表面に被覆することにより、F−155を15.0%含有する粒剤を得た。得られた粒剤をクラロンK−IIに1袋30gの割合で小分けして分包を得た。 【0106】 【実施例8】チオシクラムを含有する、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の水溶性不織布の積層材による分包チオシクラム原体(純度86%、58.6部)、シュウ酸(12.0部)、リポランPJ−400(8.0部)及びクレー(21.4部)を混合し、この混合物をエックサンプルミルにより粉砕し、チオシクラムを50.4%含有するプレミックスを得た。ヒルコンSI−600(40.0部)をリボンブレンダーに仕込み、スーパーオイルC(30部)を加えて粒の表面を湿らせ、次いで、前記プレミックス(25.0部)を加えて混合し、粒の表面に被覆し、更に、サーフィノール104S(5.0部)を加えて混合し、粒の表面に被覆し、チオシクラムを12%含有する粒剤を得た。得られた粒剤をクラロンK−IIと重合度1700・ケン化度88モル%の部分ケン化PVAフィルム(厚さ15μm)との積層材(株式会社クラレ製)に1袋50gの割合で小分けして分包を得た。 【0107】 【実施例9】イソキサチオン及びエトフェンプロックスを含有する、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の水溶性不織布による分包イソキサチオン原体(純度96%、5.2部)、エトフェンプロックス原体(純度98%、1.0部)、ニューコール2607(ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、日本乳化剤株式会社製、0.5部)、ニューコール702X(ポリオキシエチレンジスチリルクレシルエーテル、日本乳化剤株式会社製、4.0部)、YSレジンA800(α−ピネン樹脂、川原油化株式会社製、2.0部)、ヌカ油(12.5部)、ガムテレピン油(日精産業株式会社製、15.0部)及びキシロール(9.8部)を混合溶解し、イソキサチオンとエトフェンプロックスの溶液を得た。ヒルコンSI−600(47.0部)をナウターミキサーに仕込み、前記イソキサチオンとエトフェンプロックスの溶液(50.0部)を加えて粒に吸収混合させ、次いで、サ−フィノール104S(3.0部)を加え、混合して粒の表面に被覆し、イソキサチオン5.0%、エトフェンプロックス1.0%を含有する粒剤を得た。得られた粒剤をクラロンK−IIに1袋50gの割合で小分けして分包を得た。 【0108】 【比較例1〜9】水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤のPVAフィルムによる分包実施例1〜9において、分包の包装体として、ハイセロンC−200AX−40(日合フィルム株式会社製、PVAフィルム、厚さ40μm)を用いた以外は、実施例1〜9と同様にして、分包を得た。 【0109】 【比較例10】水面浮遊拡展性の悪い農薬固形剤の水溶性不織布による分包F−155原体(77.56部)及びカープレックス#1120(22.44部)を混合し、この混合物をSK−ジェット・オー・マイザー0101型により粉砕して、F−155を75%含有するプレミックス粉末を得た。ヒルコンSI−600(51.54部)をナウターミキサーに仕込み、ダフニーオイルSY−15(35.86部)を加えて粒の表面を湿らせ、次いで、前記プレミックス粉末(12.6部)を加えて混合し、粒の表面に被覆することにより、F−155を9.0%含有する粒剤を得た。得られた粒剤50gをクラロンK−IIに小分けして分包を得た。 【0110】 【参考例1】粒剤の拡展性試験上記「拡展性試験法」により、実施例1〜9及び比較例10により得られた粒剤の拡展性指数を求めた。その結果を表2に示す。なお、試験粒剤は実施例又は比較例番号で表す。 【0111】 【表2】 粒剤の拡展性試験―――――――――――――――――――――――――――――――――――試験粒剤 1.5m到 拡展距 処理5分後の状態 拡展性指数 達時間 離(m) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――実施例1 45秒 2.4 最長到達地点から戻されない 9実施例2 25秒 2.8 最長到達地点から戻されない 11実施例3 32秒 2.6 最長到達地点から戻されない 10実施例4 33秒 2.4 最長到達地点から戻されない 9実施例5 25秒 2.6 最長到達地点から戻されない 11実施例6 20秒 2.3 最長到達地点から戻されない 10実施例7 19秒 2.6 最長到達地点から戻されない 11実施例8 23秒 2.1 最長到達地点から戻されない 10実施例9 39秒 1.8 最長到達地点から1m未満戻される 7― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―比較例10 2分以上 1.3 最長到達地点から1m未満戻される 4―――――――――――――――――――――――――――――――――――【0112】 【試験例1】水田投込み用農薬製剤の水田投込み試験約27m×28mの水田に水を張り、水深を5cmに保った。実施例1〜9及び比較例1〜10の分包を水田に投込み、分包から粒が出始めるまでの時間(破袋時間)及び分包から全ての粒が出終わる時間(全散時間)を測定した。また、分包を投入10分後に、投入点から粒剤が拡展した距離を観察測定した。その結果を表3に示す。なお、処理時の風速は2m/秒、水温13℃であった。 【0113】 【表3】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――試験製剤 破袋時間 全散時間 拡展距離(m) ―――――――――――――――――――――――――――――――――実施例1 20秒 1分 9.5実施例2 10秒 50秒 10.5実施例3 15秒 1分20秒 9.0実施例4 10秒 1分 8.5実施例5 10秒 45秒 9.0実施例6 20秒 1分20秒 10.0実施例7 17秒 1分 10.0実施例8 12秒 55秒 7.5実施例9 10秒 42秒 6.0― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―比較例1 45秒 6分 3.0比較例2 50秒 一部ドーム状になり全散しない 3.5比較例3 30秒 一部ドーム状になり全散しない 3.0比較例4 30秒 6分 3.0比較例5 35秒 5分 2.5比較例6 30秒 7分 3.0比較例7 30秒 6分 3.0比較例8 30秒 一部ドーム状になり全散しない 2.0比較例9 30秒 5分 2.0比較例10 12秒 50秒 0.7―――――――――――――――――――――――――――――――――表3に示すように、良好な水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤を水溶性不織布又はその積層材に分包とした実施例1〜9の製剤は、いずれも分包から粒が短時間に拡展し始め、短時間に全散し、水面で粒剤が良好な拡展を示したが、通常のPVAフィルムに分包とした比較例1〜9の製剤は、フィルムの破袋が遅く、粒の全散にも時間を要した。また、水面浮遊拡展性の悪い農薬固形剤を水溶性不織布に分包とした比較例10の製剤は、破袋時間、全散時間は早かったが、粒の拡展が悪く、充分な拡がりを示さなかった。 【0114】 【発明の効果】本発明の水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤を、水溶性不織布又はその積層材に分包とした農薬包装袋は、農薬固形剤の拡展力を阻害することなく、速やかに農薬有効成分を田面全体に均一に分散させることが可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001856 【氏名又は名称】三共株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月27日(2000.4.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081400 【弁理士】 【氏名又は名称】大野 彰夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−302404(P2001−302404A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月31日(2001.10.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−127487(P2000−127487) |
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