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【発明の名称】 押し花・押し葉の製造方法およびその装置
【発明者】 【氏名】西川 勢津子

【要約】 【課題】電子レンジの電磁エネルギーを利用して色の美しい押し花または押し葉を迅速に製造する方法およびその装置の提供。

【解決手段】表面にエンボス加工のない平坦で、厚み方向に弾性を有する紙タオル風不織布よりなる多数の厚手吸水体を積層する。そしてその積層体内に花又は葉を挿入し、その上下に木製板を配置すると共に、両木製板間を圧縮する加圧手段を設ける。そして全体を電子レンジに挿入し、数分以内マイクロ波加熱する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面にエンボス加工のない平坦で、厚み方向に弾性を有する紙タオル風不織布よりなる多数の厚手吸水体を積層すると共に、その積層体内に花又は葉を挿入し、それらの積層体の上下両面に木製板を配置する工程と、両木製板間を圧縮する方向に加圧する手段を設け、全体を電子レンジに挿入し、数分以内その電子レンジを通電してマイクロ波加熱させる工程と、を具備する押し花・押し葉の製造方法。
【請求項2】 請求項1において、前記マイクロ波加熱の後に、前記積層体をそのまま放置して自然冷却する工程を設けた、押し花・押し葉の製造方法。
【請求項3】 表面にエンボス加工のない平坦で、厚み方向に弾性を有する紙タオル風不織布よりなる多数の厚手吸水体の積層体と、それらの積層体の上下両面に配置される木製板と、両木製板間を圧縮する方向に加圧する手段と、を具備し、その積層体内に花又は葉を挿入し、全体を電子レンジに挿入して、数分以内その電子レンジを通電してマイクロ波加熱させて押し花・押し葉を製造するための押し花・押し葉の製造装置。
【請求項4】 請求項3において、前記厚手吸水体は、その厚みが自由状態で0.3 〜0.7 mm程で、加圧によりその厚みが0.1 mm以上圧縮可能なものであり、その厚手吸水体の積層体の全体の厚みは1〜3cm程である押し花・押し葉の製造装置。
【請求項5】 請求項3または請求項4において、前記木製板の代わりに耐熱製プラスチックを採用した押し花・押し葉の製造装置。
【請求項6】 請求項3〜請求項5のいずれかにおいて、厚手吸水体に酢、重炭酸ナトリューム(重曹)等の、ペーハー調整剤を含浸させた押し花・押し葉の製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジを利用して美しい押し花または、押し葉を迅速に製造する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子レンジの乾燥機能を利用してドライフラワーや押し花を迅速に作る方法が提案されている。従来の押し花の製造方法は、上下一対のセラミックプレート間に給水紙と発泡スチロール板とを配置し、給水紙間に花を挿入し、上下一対のセラミックプレートをセラミック製保持体で挟持し、全体を電子レンジに挿入し、それに通電することによりマイクロ波加熱して花の水分を脱水し、押し花を作るものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】給水紙と発泡スチロール板とをセラミックプレートで挟持した押し花の製造方法は、それに電磁エネルギーを照射した場合、花の色が褪色し綺麗な押し花に仕上げ難い欠点があった。その理由は明らかではないが、電子レンジ内でセラミックと発泡スチロールとの影響により、花が異常に高温に加熱され易いものと思われる。さらには、水分の放出が円滑に行われ難いことに基づくとも推測される。また、このようなセラミックプレートは、それに花の水分が付着すると電子レンジ内で割れ易い欠点がある。そして上下に配置されたセラミックプレートは、電子レンジ内で異常に高温となる場合があり、火傷し易い欠点があった。また、蕾や花芯の厚いものはそのまま使用することができず、取扱いが面倒である欠点があった。そこで本発明者は各種実験研究の結果、電子レンジを用い、家庭において誰にでも色の美しい押し花及び押し葉を簡易に且つ迅速に作ることができる条件を見出し、それに基づいて本発明を完成したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、表面にエンボス加工のない平坦で、厚み方向に弾性を有する紙タオル風不織布よりなる多数の厚手吸水体を積層すると共に、その積層体内に花又は葉を挿入し、それらの積層体の上下両面に木製板を配置する工程と、両木製板間を圧縮する方向に加圧する手段を設け、全体を電子レンジに挿入し、数分以内その電子レンジを通電してマイクロ波加熱させる工程と、を具備する押し花・押し葉の製造方法である。次に、その製造方法において好ましくは、電子レンジによるマイクロ波加熱の後に、積層体をそのまま放置して自然冷却する工程を設ける。
【0005】次に、請求項3に記載の本発明は、表面にエンボス加工のない平坦で、厚み方向に弾性を有する紙タオル風不織布よりなる多数の厚手吸水体の積層体と、それらの積層体の上下両面に配置される木製板と、両木製板間を圧縮する方向に加圧する手段と、を具備し、その積層体内に花又は葉を挿入し、全体を電子レンジに挿入して、数分以内その電子レンジを通電してマイクロ波加熱させて押し花・押し葉を製造するための押し花・押し葉の製造装置である。また、上記製造装置に用いられる厚手吸水体は、好ましくはその厚みが自由状態で0.3 〜0.7 mm程で、加圧によりその厚みが0.1 mm以上圧縮可能なものを採用する。そして、その厚手吸水体の積層体の全体の厚みが1〜3cm程になるように積層されるものである。さらに、上記木製板の代わりに耐熱製プラスチックを採用することも考えられる。さらには、厚手吸水体に酢、重炭酸ナトリューム(重曹)等の、ペーハー調整剤を含浸させることもできる。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。図1〜図4は、本発明の製造方法の各工程を順に示す説明図である。本発明の装置は、多数のタオル風不織布よりなる厚手吸水体1と、上下一対の木製板3とを有する。厚手吸水体1は表面にエンボス加工のない平坦で厚み方向に弾性を有する不織布であって、紙タオルとして市販されているものが利用できる。一例として、ライオン株式会社の紙タオル「リード」を用いることができる。これは自由状態で厚さが 0.5mm程で、厚み方向に弾性を有する不織布である。そして表面にエンボス加工がなく平坦で加圧することにより、その厚みを半分以下に圧縮できる弾性を有する。これを二つ折りにし、厚さを1〜2cm程に重ねる。そして図1及び図2の如く、その厚手吸水体1内に花4や葉を挟み、上下に一対の木製板3を配置する。
【0007】木製板3は、加熱によって変形し難い合板や適宜な板材を用いることができる。そして上下一対の木製板3間を押圧する加圧手段を加える。加圧手段の一例としては、上側木製板3の上面にガラス器に水を入れたものを置き、その自重によって積層体2に常に一定の圧力を加圧することができる。また、他の加圧手段として合板等を変形または加工してなる図3に示すような木製クランプ6を一対の木製板3の縁部に複数係止させてもよい。このようにした加圧状態の木製板3と積層体2との組み合わせ体を、図4の如く電子レンジ5に挿入し、1〜3分程通電して、その電磁エネルギーによりマイクロ波加熱し、花や葉の水分を放出させる。その加熱時間は、各種花や葉の状態により加減する必要がある。次いで、マイクロ波加熱の後にそれを電子レンジから取り出し、その積層状態のまま自然冷却する。或いは、電子レンジ内で自然冷却させてもよい。このようにして押し花または押し葉を製造することができる。
【0008】なお、実験によれば、厚手吸水体1に酢、重炭酸ナトリューム(重曹)等の、ペーハー調整剤を適宜含浸させると、より一層鮮明な色の押し花等を得ることができる。あるいは、それらにより元の色と違う別の色を発色させることができる。このような装置及び方法において、特に重要なのは厚手吸水体1の材質及び積層の厚さである。厚手吸水体1が余りにも少ないと、花や葉の水分を均一に且つ充分に放出することが困難となる。また、エンボス加工された紙タオル等の不織布等では、エンボスが花の表面に形成され好ましくない。さらに多数の厚手吸水体1を積層することにより、それらの間に多数の花や葉を挿入することができ、同時に多数の花や葉を短時間で製造することができる。
【0009】
【発明の作用・効果】請求項1に記載の発明によれば、表面にエンボス加工のない平坦で、厚み方向に弾性を有する紙タオル風不織布よりなる多数の厚手吸水体を積層して、その積層体内に花又は葉を挿入し、その積層体を加圧状態で電子レンジ内に挿入するものであるから、その積層体全体の弾性が利用でき、花や葉の形を壊すことなく鮮やかな色を保持した状態で、極めて短時間で押し花又は押し葉を製造することができる。また、積層体の上下両面に配置されるのは木製板であり、吸水性を有するから、花や葉から放出される水を吸収し、その水により電子レンジ内でセラミックのように割れを生ずるおそれがない。それと共に、異常に加熱することがなく、火傷等のおそれが少ない。
【0010】請求項2に記載の製造方法によれば、電子レンジのマイクロ波加熱の後に、その内部に積層体を放置して冷却する工程を設けたから、急冷による花や葉の色落ちを防止して、美しい押し花及び押し葉を製造することができる。請求項3に記載の製造装置によれば、手軽に家庭で迅速に美しい押し花又は押し葉を製造することができる。請求項4に記載の製造装置によれば、厚手吸水体の弾性を充分利用し、理想的な押し花又は押し葉を製造することができる。請求項5に記載の製造装置によれば、耐久性の高いものとなる。請求項6に記載の製造装置によれば、厚手吸水体1に酢、重炭酸ナトリューム(重曹)等の、ペーハー調整剤を適宜含浸させて、より一層鮮明な色の押し花等を得ることができる。あるいは、それらにより元の色と違う別の色を発色させることができる。
【出願人】 【識別番号】500194670
【氏名又は名称】西川 勢津子
【出願日】 平成12年4月26日(2000.4.26)
【代理人】 【識別番号】100082843
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 卓美
【公開番号】 特開2001−302401(P2001−302401A)
【公開日】 平成13年10月31日(2001.10.31)
【出願番号】 特願2000−125899(P2000−125899)