| 【発明の名称】 |
殺ダニ剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 純二
【氏名】菊地 靖夫
【氏名】戸田 和哉
【氏名】伊藤 美明
【氏名】石田 達也
【氏名】池田 辰文
【氏名】月舘 洋吉
|
| 【要約】 |
【課題】優れた活性を有する殺ダニ剤を提供すること。
【解決手段】2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)−2−オキサゾリンを有効成分として含有する殺ダニ剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 式(I) 【化1】
で示される2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)−2−オキサゾリンを有効成分として含有することを特徴とする殺ダニ剤。 【請求項2】 請求項1記載の式(I)の化合物の有効量をダニ又はその生息場所に施用することを特徴とする殺ダニ方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、下記式(I) 【0002】 【化2】
【0003】で示される2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)−2−オキサゾリンを含有する殺ダニ剤に関する。 【0004】 【従来技術】従来から、2,4−ジフェニル−2−オキサゾリン化合物に関していくつかの報告がなされている。例えば、Tetrahedron Letters,22(45),4471−4474(1981);Chemical Abstracts,98,160087k(1983);及びJ.Org.Chem., 52,2523−2530(1987)等参照。 【0005】また、公表特許公報昭57−501962号公報(=PCT国際出願公開WO82/02046)には、医薬品の有効成分の製造のための中間体として及び/又はそれ自体例えば糖尿病薬としての生物学的作用を有する化合物として有用な、△2−N−ヘテロ環式化合物、例えば、2,4−ジフェニル−2−オキサ−又は−チア−ゾリン誘導体及び2−フェニル−4−ベンジル−2−オキサ−又は−チア−ゾリン誘導体が開示されている。 【0006】しかしながら、以上に掲げた文献には、そこに記載された化合物が農園芸作物に有害な病害虫、例えば昆虫、ダニ類等に対する活性については全く言及されていない。 【0007】一方、本発明者らは、先に、下記一般式(A) 【0008】 【化3】
【0009】式中、X1及びX2は同一もしくは相異なり、各々、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表わし;Y1及びY2は同一もしくは相異なり、各々、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子又はトリフルオロメチル基を表わし;Zは酸素又は硫黄原子を表わし;nは0又は1である;ただし、(1) Y1及びY2は同時に水素原子ではなく、(2) nが0であり且つX1及びX2が共に水素原子であるか、又はnが1であり且つX1及びX2が同一もしくは相異なり、各々水素原子、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子である場合、Y1及びY2は同一もしくは相異なり、各々低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、シアノ基、ヨウ素原子又はトリフルオロメチル基を表わし、そして(3) X1又はX2及びY1又はY2はベンゼン核の2−又は6−位における炭素数4〜6のアルキル基を表わすことはできない、で示される一連の2,4−ジフェニル−2−オキサ−又は−チア−ゾリン誘導体が有用植物に寄生する害虫に対し優れた殺虫、殺ダニ活性を有することを見い出し提案した(日本公開特許公報平2−85268号公報=米国特許第4,977,171号明細書及びヨーロッパ特許公開第345775A1号明細書参照)。 【0010】上記一般式(A)の化合物は、比較的少量の投与量で植物に有害な昆虫類やダニ類に対して高い活性を示すが、本発明者らは、上記一般式(A)の化合物の殺虫、殺ダニ活性についてさらに検討を重ねた結果、今回、上記一般式(A)に包含されるが上記公開公報には具体的には開示されていない下記式(I) 【0011】 【化4】
【0012】で示される2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)−2−オキサゾリンが、特異的に高い殺ダニ活性を示し、殊に現在防除が困難であるとされている抵抗性のミカンハダニや抵抗性のカンザワハダニに対しても優れた殺ダニ活性を有することが判明し、本発明を完成するに至った。 【0013】 【発明の開示】本発明により提供される上記式(I)の化合物は、格別顕著な殺ダニ活性を有しており、低薬量で有害ダニ類の防除が可能であり、しかも温血動物に対する安全性も極めて高く、殺ダニ剤の有効成分として有用である。 【0014】本発明の式(I)の化合物は、例えば、下記反応式Aに従って製造することができる。 【0015】 【化5】
【0016】上記式中、X1及びX2はそれぞれハロゲン原子を表わす。 【0017】上記反応式Aにおいて、第1段階の式(II)の2−アミノ−2−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)エタノールと式(III)の2,6−ジフルオロ安息香酸ハライドとの反応は、通常、適当な溶媒中で塩基の存在下に実施することができる。ここで、溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類やベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類などを用いることができ、また、塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等の3級有機塩基が有利に使用される。 【0018】式(II)の2−アミノ−2−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)エタノールに対する式(III)の2,6−ジフルオロ安息香酸ハライドの反応割合は厳密に制限されないが、通常、式(II)の化合物1モルあたり式(III)の化合物を0.8〜1.2モルの割合で用いるのが好都合である。 【0019】また、上記の反応は一般に約0℃〜約50℃間の温度で行なうことができ、上記条件下に反応は大体1〜6時間程度で終らせることができる。 【0020】上記反応で得られる式(IV)のN−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−2−アミノ−2−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)エタノールは、次いで、溶媒なしで又は適当な溶媒中で、ハロゲン化剤で処理することにより、式(V)のN−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−2−アミノ−2−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)−1−ハロゲン化エタンに変えられる。ここで使用しうる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類などが挙げられ、また、ハロゲン化剤としては、例えば、塩化チオニル、五塩化リン、三塩化リン、三臭化リン等を用いることができる。 【0021】上記ハロゲン化剤の使用量も厳密には制限されないが、通常、式(IV)の化合物1モルに対して1〜5モル、好ましくは1.5〜2.5モルの範囲内で使用するのが好適である。 【0022】反応温度は、溶媒の使用の有無、溶媒の種類、ハロゲン化剤の種類等により異なるが、反応は、一般には約0℃ないし溶媒の還流温度の範囲内の温度で1〜4時間程度行なうことが望ましい。 【0023】このようにして得られる式(V)のN−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−2−アミノ−2−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)−1−ハロゲン化エタンは、さらに適当な溶媒中で塩基で処理して閉環させることによって式(I)の本発明化合物に導くことができる。ここで使用する溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、また、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基を好適に用いることができる。 【0024】上記の塩基の使用量は厳密に制限されないが、一般には式(V)の化合物1モルあたり1〜5モル、好ましくは2〜4モルの割合で使用することができる。反応温度は通常約0℃ないし溶媒の沸点間の温度とすることができ、該温度で反応は0.5〜3時間程度で終らせることができる。 【0025】以上述べた反応で得られる本発明の式(I)の化合物は、それ自体既知の方法、例えばカラムクロマトグラフイー、再結晶などの手段により単離、精製することができる。カラムクロマトグラフイー及び再結晶のための溶媒としては、例えば、ベンゼン、クロロホルム、n−ヘキサン、酢酸エチル、ジイソプロピルエーテルなど、またはこれらの混合物を用いることができる。 【0026】本発明により提供される式(I)の化合物は、後記試験例に示すとおり、極めて強力な殺ダニ活性を有しており、殊に、現在農園芸上問題となっている例えば、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、ミカンハダニ(Panonychus citri)等のハダニ類に対して卓越した防除効果を発揮する。 【0027】しかも、本発明の化合物は、野菜、果樹等の有用作物に対する薬害が極めて少なく、温血動物に対する毒性も低い。 【0028】従って、本発明の化合物は殺ダニ剤(又は殺ダニ性組成物)の有効成分として有利に使用することができる。 【0029】本発明の化合物を殺ダニ剤の有効成分として実際の使用に供する場合、式(I)の化合物をそのまま用いてもよいが、通常は適当な無毒性の補助剤と共に種々の形態に製剤化することができる。 【0030】製剤化に用いうる補助剤としては、担体、乳化剤、分散剤、安定剤等が挙げられ、必要により適宜添加すれば良い。 【0031】担体としては、固体担体と液体担体とが包含され、固体担体としては、例えば珪藻土、タルク、クレー、アルミナ、カオリン、モンモリナイト、ケイ酸、ホワイトカーボン等の鉱物性粉末;澱粉、大豆粉、小麦粉、魚粉等の動植物性粉末等が挙げられ、液体担体としては、水;メチルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ケロシン、灯油、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミド等の酸アミド類;酢酸エチルエステル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド等の含硫化合物類などが挙げられる。 【0032】乳化剤としては、例えば非イオン型のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、陰イオン型のアルキルアリル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリル硫酸エステル塩、あるいはこれらの混合物が挙げられる。 【0033】分散剤としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、リグニンスルホン酸塩、メチルセルロース、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、あるいはこれらの混合物が挙げられる。 【0034】安定剤としては、例えばリン酸エステル類、エピクロルヒドリン、フェニルグリシジルエーテル、グリコール類、非イオン界面活性剤、芳香族ジアミン類等が挙げられる。 【0035】さらに本発明の化合物を含む製剤には、必要に応じて他の農薬、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、誘引剤、植物生長調節剤等と混用又は併用することができ、それによって一層の優れた効果を示すこともある。 そのような殺虫又は殺ダニ剤としては、例えば、Fenitrothion(O,O−ジメチルO−4−ニトロ−m−トリルホスホロチオエート)、Diazinon(O,O−ジエチルO−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエート)、Chlorpyrifos−methyl(O,O−ジメチルO−(3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル)ホスホロチオエート)、Acephate(O,S−ジメチルアセチルホスホロアミドチオエート)等の有機リン酸エステル系化合物;Carbaryl(1−ナフチルメチルカーバメート)、Carbofuran(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルメチルカーバメート)、Methomyl(S−メチルN−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミデート)等のカーバメイト系化合物;Dicofol(2,2,2−トリクロロ−1,1−ビス(4−クロロフェニル)エタノール)等の有機塩素系化合物;Fenbutatin oxide(ヘキサキス(β,β−ジメチルフェネチル)ジスタンノキサン)のような有機金属系化合物;Fenvalerate((RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート)、Permethrin(3−フェノキシベンジル(1RS)−シス、トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)等のピレスロイド系化合物;Diflubenzuron(1−(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア)、Chlorfluazuron(1−[3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア)等のベンゾイルウレア系化合物;Buprofezin(2−t−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,3,5−チアジアジン−4−オン)、Hexythiazox(トランス−5−(4−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソチアゾリジノン−3−カルボキサミド)等の化合物が挙げられる。 【0036】殺菌剤としては、例えばIprobenfos(S−ベンジルO,O−ジイソプロピルホスホロチオエート)、Edifenphos(O−エチルS,S−ジフェニルホスホロジチオエート)等の有機リン系化合物;Phthalide(4,5,6,7−テトラクロロフタリド)等の有機塩素系化合物;Zineb(ジンクエチレンビス(ジチオカーバメート)の重合物)、Polycarbamate(ジジンクビス(ジメチルジチオカーバメート)等のジチオカーバメート系化合物;Captan(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−N−(トリクロロメタンスルフェニル)フタルイミド)、Captafol(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−N−(1,1,2,2−テトラクロロエタンスルフェニル)フタルイミド)等のN−ハロゲノチオアルキル系化合物;Iprodione(3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)、Vinclozolin((RS)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メチル−5−ビニル−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン)、Procymidone(N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシミド)等のジカルボキシミド系化合物;Benomyl(メチル1−(ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾール−2−イルカーバメート等のベンズイミダゾール系化合物;Bitertanol(1−(ビフェニル−4−イルオキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール)、Triflumizole(1−(N−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−2−プロポキシアセトイミドイル)イミダゾール)等のアゾール系化合物;Mepronil(3′−イソプロポキシ−o−トルアニリド)、Flutolanil(α,α,α−トリフルオロ−3−イソプロポキシ−o−トリアニリド)等のベンズアニリド系化合物が挙げられる。 【0037】誘引剤としては、例えば、安息香酸、4−アリル−2−メトキシフェノール、4−(p−アセトキシフェニル)−2−ブタノン等の化合物が挙げられる。 【0038】以上に記述した配合成分を用いて本発明の式(I)の化合物はそれ自体既知の製剤化方法に従い、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、フロアブル剤等の剤型に製剤化することができる。 【0039】これらの製剤中における式(I)の活性化合物の配合割合は、化合物の種類や剤型等に応じ広範囲にわたって変えることができるが、一般的には該化合物を0.01〜80重量%の範囲内で含有するのが適当であり、更に好ましくは、個々の剤型に応じて、例えば液剤、乳剤及び水和剤の場合には、式(I)の化合物を0.01〜50重量%、更に好ましくは、0.1〜20重量%の濃度で含ませることができ、また、粉剤及び粒剤の場合には、式(I)の化合物を0.01〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%の濃度で含ませることができる。 【0040】本発明による式(I)の化合物を含む製剤は、農園芸作物に有害なダニの成虫、幼虫又は卵に直接、または該成虫、幼虫又は卵が生息している場所に施用することにより有害ダニ類を防除するために使用することができる。この際の式(I)の化合物の投薬量は剤型、害虫の発生状況等によって適当に変更することができるが、一般には、10アール当り0.01g〜100g、好ましくは0.1〜100gの範囲内とすることができ、より具体的には、例えば前述した乳剤、液剤及び水和剤の場合には、通常それらを式(I)の化合物の濃度で一般に0.001〜10,000ppm、好ましくは0.01〜1,000ppmの濃度に希釈し、10アール当り100〜1,000Lの割合で散布することができ、また、粉剤及び粒剤の場合には、通常それらを10アール当り0.2〜4Kgの割合で散布するのが適当である。 【0041】 【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。 【0042】実施例12−アミノ−2−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)エタノール23.6g(0.10モル)トリエチルアミン12.2g(0.12モル)及びテトラヒドロフラン200mlの混合物を冷却撹拌し、これに2,6−ジフルオロ安息香酸クロライド17.7g(0.10モル)を滴下した後、室温で5時間撹拌した。この反応液を濾過し、ろ液を減圧濃縮してN−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−2−アミノ−2−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)エタノール32.5gを得た。 【0043】このN−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−2−アミノ−2−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)エタノール5.21g(13.8ミリモル)と、塩化チオニル3.94g(33.12ミリモル)及びベンゼン50mlの混合物を撹拌下、油浴上で2時間還流した。反応液を室温に戻した後、減圧濃縮し、濃縮物に酢酸エチル100mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後減圧濃縮した。この濃縮物にメタノール50ml、20%水酸化ナトリウム水溶液10mlを順次加え、70℃で30分撹拌した。この反応液を減圧濃縮し、濃縮物にベンゼン100mlを加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。 【0044】この乾燥液を減圧濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(移動相はヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製した。この精製物をヘキサン50mlに加温溶解後、室温で一夜放置した。晶析した結晶を濾集して、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)−2−オキサゾリン3.60g(無色結晶、融点101.0〜102.0℃、収率62.5%)を得た。 核磁気共鳴スペクトル(溶媒CDCl3) δTMSppm1.30(s) 9H1.37(t) J=7.2Hz 3H4.01(q) J=7.2Hz 2H4.11(t) J=8.0Hz 1H4.78(dd) J1=9.6Hz、J2=8.0Hz 1H5.58(dd) J1=9.8Hz、J2=8.5Hz 1H6.6〜7.6(m) 6H赤外線吸収スペクトル(KBr板):νmaxcm-12850〜2960(C−H)、1660(C=N) 製剤例1(乳剤) 本発明の化合物10部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル12部及びキシロール78部を均一に混合して乳剤を得る。 製剤例2(水和剤) 本発明の化合物10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル3部、クレー30部及び珪藻土52部を均一に混合粉砕して水和剤を得る。 製剤例3(フロアブル剤) ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート塩5部、スメクタイト系鉱物質3部及び水62部を均一に溶解し、ついで本発明の化合物10部を加えよく撹拌した後、サンドミルにて湿式粉砕し、その後1%ザンサンガム水溶液20部を加えよく撹拌してフロアブル剤を得る。 試験例1:ミカンハダニの殺卵試験アイスクリーム容器(径9cm)に水を入れ、蓋の一部に穴を開けそこへ一部に短冊状の切り込みを入れた濾紙を差し込み、濾紙全体が吸水して湿った状態とし、その上にモモ葉をのせた。葉に各種殺ダニ剤に抵抗性を有するミカンハダニ雌成虫20頭ずつを接種して24時間産卵させた後、雌成虫を除去した。所定濃度の薬剤(製剤例1に準じて製剤した乳剤を水で希釈)を散布して恒温室(25℃)に静置し、8日後に孵化幼虫数を顕微鏡下で調査し、殺卵率を求めた。試験は1区3連制で行った。その結果を第1表に示す。 【0045】 【表1】
【0046】a)化合物1(特開平2−85268号公報における化合物番号44) 【0047】 【化6】
【0048】b)化合物2(特開平2−85268号公報における化合物番号64) 【0049】 【化7】
【0050】c)化合物3(特開平2−85268号公報における化合物番号76) 【0051】 【化8】
【0052】試験例2:カンザワハダニの殺卵試験アイスクリーム容器(径9cm)に水を入れ、蓋の一部に穴を開けそこへ一部に短冊状の切り込みを入れた濾紙を差し込み、濾紙全体が吸水して湿った状態とし、その上にインゲン葉をのせた。葉に各種殺ダニ剤に抵抗性を有するカンザワハダニ雌成虫20頭ずつを接種して24時間産卵させた後、雌成虫を除去した。所定濃度の薬剤(製剤例3に準じて製剤したフロアブル剤を水で希釈)を散布して恒温室(25℃)に静置し、8日後に孵化幼虫数を顕微鏡下で調査し、殺卵率を求めた。試験は1区3連制で行った。その結果を第2表に示す。 【0053】 【表2】
【0054】a)〜c):第1表と同じ【0055】 【産業上の利用可能性】以上述べたとおり、本発明により提供される2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−エトキシ−4−tert−ブチルフェニル)−2−オキサゾリンは、極めて極力な殺ダニ活性を有しており、温血動物に対する毒性が少なく有用作物に対して薬害を生ずることがなく、殺ダニ剤として有用である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000234890 【氏名又は名称】八洲化学工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成4年4月28日(1992.4.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100060782 【弁理士】 【氏名又は名称】小田島 平吉 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−158706(P2001−158706A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月12日(2001.6.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−374723(P2000−374723) |
|