| 【発明の名称】 |
害虫駆除剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】皆川 文康
【氏名】武田 京子
【氏名】小浜 卓司
|
| 【要約】 |
【課題】昆虫幼若ホルモン様化合物を有効成分として含有する害虫駆除剤の所要量を、害虫体内に効率よく取り込ませ得るようにすることを目的とする。
【解決手段】メトプレン、ピリプロキシフェンその他の昆虫幼若ホルモン様化合物を0.1〜5重量%、ポリビニルピロリドン、液状ゴムエマルジョン、低分子量ポリブタジエン、低分子量ポリブテンその他の低粘着性の粘着剤を0.1〜20重量%、糖0〜20重量%、蛋白質0〜20重量%、フェロモン0〜0.1重量%、必要に応じてゲル化剤0.5〜10重量%、残量成分を水として、液状、ゲル状、シート状またはテープ状の害虫駆除剤とする。雌雄の成虫にその行動を制限しない程度に付着した害虫駆除剤の有効成分は、直接に雌を不妊化すると共に、雄を介して雌を不妊化し、さらには雄を死に至らしめて害虫個体群を効率よく減少させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の昆虫幼若ホルモン様化合物を有効成分として含有する害虫駆除剤において、この害虫駆除剤に粘着剤を添加して害虫の体表面に対する付着性を付与したことを特徴とする害虫駆除剤。 記イソプロピル(2E-4E)-11 -メトキシ-3,7,11-トリメチル-2,4 -ドデカジエノエート、プロピオンアルデヒド オキシム 0-2-(4-フェノキシフェノキシ) エチルエーテル、プロピオンアルデヒド オキシム 0-2-(4-フェノキシフェノキシ) プロピルエーテル、0-エチル N-[2-(4 -フェノキシフェノキシ) エチル] カーバメイトおよび1-(4- エチルフェノキシ)-6,7-エポキシ-3,7 -ジメチル-2 -オクテンからなる群から選ばれる一種以上の昆虫幼若ホルモン様化合物。 【請求項2】 下記の昆虫幼若ホルモン様化合物0.1〜5重量%、粘着剤0.1〜20重量%、糖0〜20重量%、蛋白質0〜20重量%、フェロモン0〜0.1重量%および残成分を水とする液状組成物からなり、害虫の体表面に対する付着性を有する害虫駆除剤。 記イソプロピル(2E-4E)-11 -メトキシ-3,7,11-トリメチル-2,4 -ドデカジエノエート、プロピオンアルデヒド オキシム 0-2-(4-フェノキシフェノキシ) エチルエーテル、プロピオンアルデヒド オキシム 0-2-(4-フェノキシフェノキシ) プロピルエーテル、0-エチル N-[2-(4 -フェノキシフェノキシ) エチル] カーバメイトおよび1-(4- エチルフェノキシ)-6,7-エポキシ-3,7 -ジメチル-2 -オクテンからなる群から選ばれる一種以上の昆虫幼若ホルモン様化合物。 【請求項3】 下記の昆虫幼若ホルモン様化合物0.1〜5重量%、粘着剤0.1〜20重量%、糖0〜20重量%、蛋白質0〜20重量%、フェロモン0〜0.1重量%、ゲル化剤0.5〜10重量%および残成分を水とするゲル状組成物からなり、害虫の体表面に対する付着性を有する害虫駆除剤。 記イソプロピル(2E-4E)-11 -メトキシ-3,7,11-トリメチル-2,4 -ドデカジエノエート、プロピオンアルデヒド オキシム 0-2-(4-フェノキシフェノキシ) エチルエーテル、プロピオンアルデヒド オキシム 0-2-(4-フェノキシフェノキシ) プロピルエーテル、0-エチル N-[2-(4 -フェノキシフェノキシ) エチル] カーバメイトおよび1-(4- エチルフェノキシ)-6,7-エポキシ-3,7 -ジメチル-2 -オクテンからなる群から選ばれる一種以上の昆虫幼若ホルモン様化合物。 【請求項4】 下記の昆虫幼若ホルモン様化合物0.1〜5重量%、糖0〜20重量%、蛋白質0〜20重量%、フェロモン0〜0.1重量%および粘着剤54.9〜99.9重量%からなり、害虫の体表面に対する付着性を有する組成物をシート状またはテープ状基材に塗着した害虫駆除剤。 記イソプロピル(2E-4E)-11 -メトキシ-3,7,11-トリメチル-2,4 -ドデカジエノエート、プロピオンアルデヒド オキシム 0-2-(4-フェノキシフェノキシ) エチルエーテル、プロピオンアルデヒド オキシム 0-2-(4-フェノキシフェノキシ) プロピルエーテル、0-エチル N-[2-(4 -フェノキシフェノキシ) エチル] カーバメイトおよび1-(4- エチルフェノキシ)-6,7-エポキシ-3,7 -ジメチル-2 -オクテンからなる群から選ばれる一種以上の昆虫幼若ホルモン様化合物。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ゴキブリ、アリ、シロアリ、ハエ、カ、チョウバエ、アブ、ダニ、ノミなどの害虫用駆除剤に関する。 【0002】 【従来の技術】昆虫の幼若ホルモン(以下JHと略記する)は、脱皮ホルモンと共に昆虫の変態を司どる働きを持つ。昆虫は幼虫から蛹、あるいは幼虫から成虫への劇的な変態が行なわれる終齢幼虫期に最もJHに対する感受性が強くなり、この時期に過剰のJHを与えると蛹死、変態異常等の羽化阻害を起こし死に至る。そこで、JHと同様な作用を有する合成化合物(以下JHMと略記する)を利用して害虫駆除に応用しようとする考え方が生まれ、現在いくつかのJHMが実用に供されている。一方、JHMと並んで昆虫成長制御剤の範ちゅうに含まれる化合物群として、キチン形成阻害剤がある。キチン形成阻害剤は昆虫の脱皮の際の新しいクチクラの合成を阻害し死に至らしめる作用を特徴としており、JHMとは全く異なった作用性を有するものである。両者は従来の殺虫剤とは異なった全く新しい作用性を有し、また比較的哺乳類に安全で昆虫に対し特異的に効力を発揮するということから、昆虫成長制御剤を代表するものとして並び称されることが多い。 【0003】この両者の昆虫成長制御剤の害虫に対する主な効果は先に述べたように脱皮や変態を阻害することによる殺幼虫効果であるが、この他に成虫の繁殖能力を低下させる不妊効果をも有することが知られている。 【0004】ところが、現在行われているこれら昆虫成長制御剤の処理方法は従来の殺虫剤の処理方法と全く同様であり(例えば、ハエ防除では家畜糞表面への散布、またゴキブリやノミ防除では、エアゾール剤、燻煙剤などの使用や液剤の残留散布など)、これら従来の昆虫成長制御剤の従来の方法に従った処理では、害虫の成虫に対して不妊効果を及ぼすことは期待できなかった。この原因としては、従来の昆虫成長制御剤によって害虫の成虫に不妊効果をもたらすためには大量の薬量を害虫に取り込ませる必要があったこと、さらに、従来の処理方法によっては不妊効果をもたらすに必要な薬量を害虫に取り込ませることが不可能であったことによる。また、Masner et al.(1968)に報告されているように、昆虫成長制御の不妊効果は雌に対しては高いが、これに比べ雄に対しては低く、従来の昆虫成長制御剤を用いた従来の処理方法によっては、雄成虫に対する効果は全く期待できなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このように、前記従来技術においては、害虫の成虫を有効に不妊化させ、さらには雌成虫ばかりでなく雄成虫に対しても効果をもたらし、これと交尾した雌成虫を不妊状態に至らしめることを可能にするような薬剤がなく、成虫の不妊化に充分な量の昆虫幼若ホルモンを虫体内に取り込ませ得る害虫駆除剤とすることが課題であった。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明においては、下記の昆虫幼若ホルモン様化合物を有効成分として含有する害虫駆除剤において、この害虫駆除剤に粘着剤を添加して害虫の体表面に対する付着性を付与したのである。 【0007】記イソプロピル(2E-4E)-11 -メトキシ-3,7,11-トリメチル-2,4 -ドデカジエノエート、2-[1 -メチル-2-(4-フェノキシフェノキシ) エトキシ]ピリジン 、プロピオンアルデヒド オキシム 0-2-(4-フェノキシフェノキシ) エチルエーテル、プロピオンアルデヒド オキシム 0-2-(4-フェノキシフェノキシ) プロピルエーテル、0-エチル N-[2-(4 -フェノキシフェノキシ) エチル] カーバメイトおよび1-(4- エチルフェノキシ)-6,7-エポキシ-3,7 -ジメチル-2 -オクテンからなる群から選ばれる一種以上の昆虫幼若ホルモン様化合物。 【0008】上記害虫駆除剤は、昆虫幼若ホルモン様化合物0.1〜5重量%、粘着剤0.1〜20重量%、糖0〜20重量%、蛋白質0〜20重量%、フェロモン0〜0.1重量%および残成分を水として液状組成物とするか、さらにゲル化剤0.5〜10重量%を添加してゲル状組成物とするか、または、前記水分量に代えて残量を全て粘着剤(54.9〜99.9重量%)とした組成物をシート状またはテープ状基材に塗着した害虫駆除剤とすることもできる。 【0009】 【作用】この発明による害虫駆除剤は、ゴキブリ、アリ、シロアリ、ハエ、カ、ノミなどの害虫の成虫に接触した際、直ちにその粘着力で虫体表面にその虫の行動を妨げない程度に充分量付着し、体内に浸透するかあるいは食餌として取り込まれることにより、雌成虫はこれを不妊化し、雄成虫はこれと交尾を行なった雌成虫に上記化合物を伝播させることによりこれを不妊化させ、繁殖能力を失った個体を増加させるばかりでなく、雄成虫自体を死にいたらしめたり、寿命を短くすることにより、最終的には害虫個体群の減少をもたらすという画期的な作用を呈するものである。 【0010】すなわち、昆虫幼若ホルモン様化合物を接触あるいは食餌として取り込むことにより、害虫の雌成虫は不妊化されて繁殖能力を失うが、さらに他の雄がこの雌との交尾を企てるために雄側の繁殖能力の低下を来すという、2つの効果をもたらす。また害虫の雄成虫は上記化合物を取り込むことによって自身は不妊化されないがこれと交尾を行った雌成虫が不妊となるために、複数の雌に不妊性を伝播することが可能である。さらに、上記化合物を取り込んだ雄成虫は化合物の特性により死亡したり、あるいは正常な雄に比べて寿命が短くなるという、これまで全く報告されていなかった新しい作用を受ける。 【0011】 【実施例】まず、この発明において、有効成分として使用する昆虫幼若ホルモン様化合物としては、表1で示されるような、ドデカジエノエート系化合物、オキシムエーテル系化合物、ピリジルエーテル化合物、カーバメイト系化合物などが挙げられ、また、これらの幾何異性体および光学異性体も含まれる。 【0012】 【表1】
【0013】つぎに、このような害虫駆除化合物からなる群の中から選ばれる1種以上の害虫駆除化合物の使用量は、化合物の種類および対象害虫の種類にもよるが、通常毒餌剤全量に対し、0.1〜5重量%である。 【0014】この発明で用いる粘着剤としては、ヒトその他の動物に対して安全性の高い粘着剤であって、所定の付着性すなわち害虫の脚部等の体表面にその動作を防げない程度に有効成分を付着させ得る低粘着性を有するものが好ましい。 【0015】このような低粘着性は、以下に示すボールタック試験により、規定される。すなわち、傾斜角30度の斜面でニッケル球(50g)を長さ100mmの非粘着面で助走させ、続いて粘着面(粘着剤塗着面)をころがす時、この粘着面に入ってから静止するまでの距離が30mm以上であることを前記規定の条件とした。 【0016】上記条件を満たす粘着剤としては、たとえば、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、低分子量ポリエチレン(分子量500〜10000、以下カッコ内に分子量を示す)、低分子量ポリプロピレン(600〜11000)、オリゴエステルアクリレート、ポリブデン(270〜2350)、液状ポリブタジエン(500〜5000)、液状ゴム、液状ポリクロロプレン、液状ポリサルファイド、液状ポリイソプレン、液状ポリイソブチレン、液状ブチルゴム、石油樹脂(800〜2000)、ジシクロペンタジエン、低分子量ポリスチレン(30000〜45000)、ポリヒドロキシポリオレフィン(150〜200)、α−メチルスチレンオリゴマー、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。このような粘着剤の使用量は、液状、ゲル状の害虫駆除剤の全量に対して0.1〜20重量%、シートまたはテープ状基材に塗着させる場合は、54.9〜99.9重量%である。 【0017】この発明に用いる糖としては、グルコース、フルクトース、マンニット、デンプン糖、D−ソルビット、ショ糖、乳糖、黒砂糖、赤砂糖、きび砂糖、三温糖などが挙げられる。 【0018】また、この発明に用いる蛋白質としては、魚粉、スキムミルク、さなぎ粉、オキアミ等の甲殻類の粉などが例示でき、またその使用量は害虫駆除剤全量に対し、通常0〜20重量%である。 【0019】この発明におけるフェロモンとしては、害虫である特定の昆虫に誘引性を示す性フェロモン、集合フェロモンとして、たとえばトリコセン、ボンビコール、ラードリュア、ペリプラノン−A、イプスジエノール、オレアン、ジャポニリュア、ゴシプリュアなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらフェロモンの添加量は、害虫駆除剤全量に対し、通常0〜0.1重量%である。 【0020】この発明に用いるゲル化剤としては。前記粘着剤の物性と同様に、ヒト、その他の動物の誤食等を考慮して、無害であるものが適当であり、たとえば、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース、トラガント、ペクチンまたはその誘導体、サポニン、寒天、アルギン酸またはその誘導体、レシチン、ゼラチン、カゼイン、卵黄、ラノリン、コレステリンまたはその誘導体、カラギーナン、グアーガムまたはその誘導体、ローカストビーンガム、カラヤガム、グルテン、デンプンまたはその誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、マクロゴール脂肪酸エステル、ラウロマクロゴール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリアクリル酸ナトリウム誘導体、D−ソルビトール・ベンズアルデヒド縮合物またはその誘導体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、上記ゲル化剤の使用量は、通常0.5〜10重量%である。 【0021】上記した材料からなる成分を塗着するシート状またはテープ状基材は、たとえば、クラフト紙、段ボール原紙、和紙等の紙類、編織生地、ポリオレフィンその他の合成樹脂フィルムなどであってもよく、前記紙類の使用にあって、ロウ引き等の耐水処理を行なってもよいのはもちろんである。 【0022】なお、この発明の害虫駆除剤においては、必要に応じて特定の昆虫に誘引性を示すある範囲の波長、周波数の光や音波、ある範囲の温度の熱源などの物理的誘引源を用いた誘引法または装置、炭酸ガス、ジメチルアミン、有機酸、高級アルコール類、アンモニウム塩、食品用フレーバーなどの摂食刺激、あるいは誘引物質などの化学的誘引源を用いた誘引法または装置、さらには羽化したばかりの成虫が接触するように発生源に設置した羽化トラップのような装置を併用することもできる。また、この発明による害虫駆除剤は、液剤、ペイント剤、泡剤、ゲル化剤、シート剤またはテープ剤などの剤型となるよう処理すれば、簡便に使用し得て害虫の種類にも対応するものとなる。 【0023】上記の害虫駆除剤の施用処理に適当な量は、害虫の種類によって必ずしも一定でないが、好ましくは1m2あたり有効成分で500mg以上、または誘引装置の1つあたり有効成分量で50mg以上を目安とする。 実施例1、2、4および5(実施例3は欠番とする。):昆虫幼若ホルモン様化合物としてメトプレン、ピリプロキシフェン、フェノキシカーブまたはS−21149、粘着剤としてポリビニルピロリドン、糖としてショ糖、分散剤としてショ糖脂肪酸エステル、蛋白質としてスキムミルク、ハエの性フェロモンとしてトリコセンおよび水分を表2に示すような割合で配合し、均一に混合して液状の害虫駆除剤とした。 【0024】得られた害虫駆除剤に対して、その効果を確認するため、繁殖抑制効果および成虫死亡率を評価した。その評価方法はつぎのとおりである。 繁殖抑制効果および成虫死亡率:羽化後3〜5日の未交尾のイエバエ雌成虫あるいは雄成虫各20頭を20×30×40cmのナイロン製のケージの中に水と餌(スキムミルク)と共に入れ、実施例1〜5の害虫駆除剤を上面開口の容器に入れてケージの床面中央部においた。1週間経過後に成虫を取り出し(以下、この成虫を処理成虫という)、1頭の処理雄成虫に対し1頭の無処理(害虫駆除剤のないケージに入れる処理、以下同じ)雌成虫が、あるいは1頭の処理雌成虫に対し1頭の無処理雄成虫がペアとなるように上記と同じ形状のケージに水、餌と共に入れ、以降各区の雌成虫の産卵を観察した。雌雄とも駆除剤への接触を行わなかった区を無処理区として、無処理区の産卵量に対する処理区の産卵量の減少の程度により、80%以上の抑制率が得られた場合を++、抑制率70〜80%の場合を+、抑制率50〜70%の場合±、抑制率50%以下の場合を−として表した。また、処理より20日後の成虫の死亡率が80%以上の場合を++、死亡率70〜80%の場合を+、死亡率50〜70%の場合を±、死亡率50%以下の場合を−で表した。その結果を表2に併記した。 【0025】 【表2】
【0026】比較例1および2:昆虫幼若ホルモン様化合物としてメトプレンを用い、粘着剤を添加せずに表2に示すような割合で各成分または水だけを配合し、液状の害虫駆除剤とした。 【0027】得られた害虫駆除剤に対して前記した繁殖抑制効果および成虫死亡率の評価試験を行ない、その結果を表2に併記した。 【0028】表2の結果から明らかなように、粘着剤を添加しなかった比較例1または2に比べ、実施例1〜5のものは、繁殖抑制効果が優れると共に、成虫雄の死亡率が高く、また不妊化される雌の死亡率は低いことが認められた。 実施例6および7:昆虫幼若ホルモン様化合物としてピリプロキシフェン、粘着剤として、液状ゴムエマルジョン、糖として黒砂糖、蛋白質としてオキアミ粉、フェロモンとしてトリコセン、ゲル化剤としてカラギーナン、界面活性剤としてポリオキシエチレンモノオレートおよび水分を表3に示すような割合で配合し、均一に混合してゲル状の害虫駆除剤とした。 【0029】得られた害虫駆除剤に対して前記した繁殖抑制効果および成虫死亡率の評価試験を行ない、その結果を表3に併記した。 【0030】 【表3】
【0031】比較例3:実施例6および7の成分から粘着剤、糖、蛋白質、フェロモンを除いた配合割合(表3参照)とし、均一に混合してゲル状の害虫駆除剤とし、また、実施例6および7と同じ評価試験を行ない、この結果を表3に併記した。 【0032】表3の結果から明らかなように、比較例3の害虫駆除剤は、ゲル状でハエがとまり易く、接触の機会が増すものの、繁殖抑制効果が低く、成虫死亡率も50%以下と低いものであった。これに対し、粘着剤を含有するゲル状の実施例6および7は、繁殖抑制効果、成虫死亡率(♂)ともに優れた結果が得られた。 実施例8:昆虫幼若ホルモン様化合物としてピリプロキシフェン、粘着剤として低分子量ポリブタジエンおよび低分子量ポリブテン、糖としてきび砂糖、蛋白質としてサナギ粉、フェロモンとしてトリコセンを表4に示す割合で配合し、均一に混合してシート状基材1m2 当り50g塗着しシート状の害虫駆除剤を得た。 【0033】得られた害虫駆除剤に対して、前記した繁殖抑制効果および成虫死亡率の評価試験を行ない、その結果を表4に併記した。 【0034】 【表4】
【0035】比較例4:実施例8の2種の粘着剤に代えて、高粘着性のポリブタジエンおよびポリブテンを用いる以外は全く同様にして(表4参照)、シート状の害虫駆除剤を製造し、また、前記した繁殖抑制効果および成虫死亡率の評価を行ない、この結果を表4に併記した。 【0036】表4の結果からシート状の害虫駆除剤の比較例4では過剰な粘着力を付与したため、イエバエがトラップされて飛び去ることができず、直接接触したもの以外に有効成分が伝播されないため効果が低い。これに対して所定の付着性を得るよう粘着剤を添加した実施例8は、シート状に製造して優れた繁殖抑制効果および高い成虫死亡率が認められた。 【0037】 【効果】以上述べたことから明らかなように、この発明の害虫駆除剤は、ゴキブリ、アリ、シロアリ、ハエ、カ、ノミなどの害虫に付着性を有して、これを食餌として取り込むか、またはこれに接触する虫の体表面に充分量付着して、雌成虫を直接に不妊化すると共に、雄成虫を介してこれと交尾した雌成虫を不妊化し、さらに、有効成分を所要期間雌に伝播させた後の雄成虫を殺虫することにより、害虫個体群をきわめて効率よく減少させる。したがって、昆虫幼若ホルモン様化合物を有効成分とする害虫駆除剤の効率を飛躍的に高めるものであるから、この発明の意義は非常に大きいということができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000250018 【氏名又は名称】有恒薬品工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成3年4月8日(1991.4.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074206 【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−58902(P2001−58902A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月6日(2001.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2000−280231(P2000−280231) |
|