| 【発明の名称】 |
晒し粉成形体 |
| 【発明者】 |
【氏名】土信田 章
【氏名】釜土 良則
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| 【要約】 |
【課題】次亜塩素酸カルシウムを主成分とする無機系晒し粉の溶解槽の薬注ポンプや導入配管にスケールの発生を長期間にわたり防止することができる晒し粉成形体を提供すること。
【解決手段】次亜塩素酸カルシウムを主成分とする無機系晒し粉と、硬度成分と結合して水溶性の金属錯体を形成する、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、EDTA、アクリル酸又はメタアクリル酸の重合体、ポリマレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マロン酸等から選ばれる1種又は2種以上の有機酸の塩、好ましくは酒石酸ナトリウムとを、例えば有機酸塩の配合量が無機系晒し粉に対し0.1〜20重量%となるように配合し、かかる配合物を錠剤等に成形する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 次亜塩素酸カルシウムを主成分とする無機系晒し粉と、硬度成分と結合して水溶性の金属錯体を形成する有機酸塩との配合物を含有する成形体材料を成形することを特徴とする晒し粉成形体。 【請求項2】 有機酸塩が、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、EDTA、アクリル酸又はメタアクリル酸の重合体、ポリマレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マロン酸から選ばれる1種又は2種以上の有機酸の塩であることを特徴とする請求項1記載の晒し粉成形体。 【請求項3】 有機酸塩が酒石酸塩であることを特徴とする請求項2記載の晒し粉成形体。 【請求項4】 有機酸塩の配合量が無機系晒し粉に対し0.1〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の晒し粉成形体。 【請求項5】 成形体が錠剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の晒し粉成形体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、新規な晒し粉成形体に係り、詳しくは、次亜塩素酸カルシウムを主成分とした無機系晒し粉に、硬度成分と結合して水溶性の金属錯体を形成する有機酸塩を配合した晒し粉成形体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、水道水、プール水、汚水及び屎尿処理施設の排水等の殺菌消毒、機械装置の冷却水系のスライムコントロール等の水処理は、水処理設備に付設した塩化ビニール、ポリエチレンなどのプラスチック製の溶解槽の中で次亜塩素酸カルシウム系の晒し粉を溶解し、その溶解水を上記設備に導入することにより行われている。 【0003】次亜塩素酸カルシウム系の晒し粉を、塩化ビニール、ポリエチレン等のプラスチック製の溶解槽の中で溶解した場合、溶解水のカルシウム濃度が高くなるため、薬注ポンプや溶解水をプール等に導入するための配管内に炭酸カルシウムを主成分とするカルシウムスケールが生成し、溶解水の流れが悪くなり、甚だしい場合には配管を閉塞する等の障害が発生することもあり、問題となっていた。 【0004】従前は、溶解設備や配管に生成したカルシウムスケールを塩酸を使用して定期的に除去する等のカルシウムスケールによる障害防止対策が定期的に実施されていたが、塩酸によるカルシウムスケールの除去は、カルシウムスケール中に残存している次亜塩素酸カルシウムと塩酸との反応により毒性の強い塩素ガスが発生したり、また塩酸が処理設備や機械装置の金属部分を腐食させる恐れがあるなどの問題があり、これら問題を回避するために、本出願人は既に、次亜塩素酸カルシウムを主成分とする無機系晒し粉にポリリン酸化合物を配合した晒粉組成物を提案している(特開平3−42094号公報)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、次亜塩素酸カルシウムを主成分とする無機系晒し粉にポリリン酸化合物を配合した晒粉組成物を用いることでカルシウムスケールの防除をほぼ達成することが可能になったが、最もカルシウム濃度が高い溶解槽の薬注ポンプや出口付近の配管での長期間にわたるスケール防除作用が十分とはいえないことが判明した。本発明の課題は、次亜塩素酸カルシウムを主成分とする無機系晒し粉の溶解槽の薬注ポンプや導水配管にスケールの発生を長期間にわたり防止することができる晒し粉成形体を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、次亜塩素酸カルシウムを主成分とする無機系晒し粉溶解液に発生するスケールを長期間にわたり安定的に防止するには、晒し粉溶解液中の晒し粉とスケール防除剤との濃度を所定の濃度範囲に保つことが必要であるとの知見を得て、スケール防除剤として有機酸塩を使用し、かつ無機系晒し粉と有機酸塩との配合物を成形体とすることにより、晒し粉溶解液中の無機系晒し粉とスケール防除剤との濃度を所定の濃度範囲に保つことができ、無機系晒し粉溶解液に発生するスケールを長期間にわたり安定的に防止することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。 【0007】すなわち本発明は、次亜塩素酸カルシウムを主成分とする無機系晒し粉と、硬度成分と結合して水溶性の金属錯体を形成する、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、EDTA、アクリル酸又はメタアクリル酸の重合体、ポリマレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マロン酸等から選ばれる1種又は2種以上の有機酸の塩、好ましくは酒石酸塩とを、例えば有機酸塩の配合量が無機系晒し粉に対し0.1〜20重量%となるように配合し、かかる配合物あるいはかかる配合物に他の任意成分が添加された配合物を錠剤等に成形することを特徴とする晒し粉成形体に関する。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明における次亜塩素酸カルシウムを主成分とする無機系晒し粉としては、次亜塩素酸カルシウムを主成分とするものであればどのようなものでもよいが、例えば、70重量%高度晒し粉(次亜塩素酸カルシウム無水塩、1水塩、2水塩、3水塩)、60%高度晒し粉及びこれらの配合組成物を具体的に挙げることができる。 【0009】本発明における、硬度成分と結合して水溶性の金属錯体を形成する有機酸塩としては、カルシウム、マグネシウム等の硬度成分と結合して水溶性の金属錯体を形成することができる有機酸塩であれば特に制限されるものでなく、具体的には、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、EDTA、アクリル酸又はメタアクリル酸の重合体、ポリマレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マロン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、好ましくはナトリウム塩やカリウム塩を例示することができ、これらは1種単独でもまた2種以上を併用して配合してもよい。これら有機酸塩の中でも、特に優れたスケール防止作用を有する点で、酒石酸塩が好ましく、かかる酒石酸塩としては、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、及びそれらの1水和物、2水和物、1/2水和物等の水和物を具体的に例示することができ、これらは2種以上混合して用いることもできる。 【0010】本発明の晒し粉成形体は、上記無機系晒し粉と上記有機酸塩との配合物を含有する成形体材料を成形することにより得られる。かかる無機系晒し粉と有機酸塩からなる配合物における有機酸塩の配合量は、無機系晒し粉に対し0.1〜20重量%、特に0.3〜10重量%とすることが、長期間にわたりスケール防止効果を有効に維持する上で好ましい。また、配合する次亜塩素酸カルシウムや有機酸塩の粒径を適宜選択することにより、成形体からの溶解速度を調節することもできる。そして、本発明の晒し粉成形体には、上記無機系晒し粉と有機酸塩の他に、必要に応じて溶解速度調節剤、滑沢剤、腐食防止剤等を配合することもできる。溶解速度調節剤は、晒し粉成形体における有機酸塩等の溶解速度を調節するために添加されるものであり、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の撥水性の微粉末が好ましく用いられる。 【0011】上記次亜塩素酸カルシウムを主成分とする無機系晒し粉と有機酸塩からなる配合物等の成形体材料を成形して錠剤等の成形体とすることも長期間にわたりスケール防止効果を有効に維持する上で好ましく、かかる錠剤等の成形体の形状としては、球状、立方体状、円柱状、円板状、蒲鉾状、孔穿き円板状等を例示することができる。また、成形体の成形方法としては、前記無機系晒し粉と有機酸塩とを均一に攪拌後、配合物を金型に充填後加圧する加圧成形法や打錠成形法を具体的に例示することができる。 【0012】 【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。 実施例1顆粒状70%高度晒し粉(日本曹達株式会社製「日曹ハイクロン」)100重量部に酒石酸ナトリウム1重量部を添加し、リボンミキサーを用いて混合した後、打錠圧60tで成形し200gの本発明の晒し粉成形体(直径65mmの錠剤)を得た。 【0013】比較例1顆粒状70%高度晒し粉(日本曹達株式会社製「日曹ハイクロン」)100重量部にヘキサメタリン酸ナトリウム1重量部を添加し、リボンミキサーを用いて混合した後、打錠成形し200gの晒し粉成形体(錠剤)を得た。 【0014】比較例2顆粒状70%高度晒し粉(日本曹達株式会社製「日曹ハイクロン」)を打錠成形し200gの晒し粉成形体(錠剤)を得て、対照とした。 【0015】(溶解試験)図1に示す晒し粉成形体溶解装置を用いて、上記実施例1及び比較例1,2の晒し粉成形体(錠剤)を使用した連続溶解試験を行い、配管に付着したカルシウムスケールの付着量を測定した。200gの錠剤からなる晒し粉成形体(1)を1日1回4kg溶解器(2)に投入し、晒し粉成形体(1)の溶解にはカルシウム濃度200ppmの27℃の水を用い、5リットル/分で8時間/日の条件で流し、晒し粉成形体(1)を試験期間毎日投入して30日間継続した。角部や湾曲部を有する複雑な形状の配管(3)における試験前後の乾燥重量を測定し、その差をスケール付着量とした。また、配管(3)付着物がカルシウムスケールであることはX線回折により確認した。 【0016】実施例1の酒石酸ナトリウムを含む晒し粉成形体を用いた場合のカルシウムスケール付着量は20.0g、比較例1のヘキサメタリン酸ナトリウムを含む晒し粉成形体を用いた場合のカルシウムスケール付着量は42.2g、比較例2の対照の晒し粉成形体を用いた場合のカルシウムスケール付着量は204.9gであった。これらの結果は、本発明の晒し粉成形体を用いると、カルシウムスケールの発生が効果的に抑制されうることを示している。 【0017】 【発明の効果】本発明の晒し粉成形体は、次亜塩素酸カルシウムを主成分とする無機系晒し粉に、硬度成分と結合して水溶性の金属錯体を形成する有機酸塩を添加して成形体としたことにより、カルシウムスケールの発生を大幅に抑制することができることから、晒し粉溶解設備を設置したプール水の循環消毒、排水の消毒等に従来品に代えて好適に使用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004307 【氏名又は名称】日本曹達株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年8月16日(1999.8.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107984 【弁理士】 【氏名又は名称】廣田 雅紀
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| 【公開番号】 |
特開2001−55305(P2001−55305A) |
| 【公開日】 |
平成13年2月27日(2001.2.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−229898 |
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