| 【発明の名称】 |
土壌燻蒸剤の処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】関口 幹夫
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| 【要約】 |
【課題】土壌燻蒸用の農薬活性成分を簡便にかつ効率的に土壌燻蒸する方法を開発すること【解決手段】側面に穴を有するチューブを土壌表面又は土壌中に敷設後、ガスバリア性フィルムで土壌表面および前記チューブを覆い、常圧で沸点が40℃以上でかつ蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上である農薬活性成分を、ガス状及び/又は霧状にして前記チューブ内に送風することを特徴とする土壌燻蒸剤の処理方法
【解決手段】側面に穴を有するチューブを土壌表面又は土壌中に敷設後、ガスバリア性フィルムで土壌表面および前記チューブを覆い、常圧で沸点が40℃以上でかつ蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上である農薬活性成分を、ガス状及び/又は霧状にして前記チューブ内に送風することを特徴とする土壌燻蒸剤の処理方法 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】側面に穴を有するチューブを土壌表面又は土壌中に敷設後、ガスバリア性フィルムで土壌表面および前記チューブを覆い、常圧で沸点が40℃以上でかつ蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上である農薬活性成分を、ガス状及び/又は霧状にして前記チューブ内に送風し土壌表面又は土壌中に散布することを特徴とする土壌燻蒸剤の処理方法。 【請求項2】前記チューブの穴の大きさが直径0.1μm〜30mmであることを特徴とする請求項1記載の土壌燻蒸剤の処理方法。 【請求項3】前記チューブの太さが直径1mm〜300mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の土壌燻蒸剤の処理方法。 【請求項4】前記ガスバリア性フィルムの酸素ガス透過度が8000cc/平方メートル・hr・atm(25℃、50%RH)以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の土壌燻蒸剤の処理方法。 【請求項5】前記ガスバリア性フィルムの酸素ガス透過度が4000cc/平方メートル・hr・atm(25℃、50%RH)以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の土壌燻蒸剤の処理方法。 【請求項6】前記農薬活性成分がクロルピクリン及び/又はD−Dである請求項1〜5のいずれか1項に記載の土壌燻蒸剤の処理方法。 【請求項7】燻蒸面積1アール当り1.25kg/hr以上の速度で行うことを特徴とする請求項6に記載の土壌燻蒸剤の処理方法。 【請求項8】前記チューブの全体が加圧状態になるように送風することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の土壌燻蒸剤の処理方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、チューブの側面に穴を有するチューブ(以下、該チューブと記す)を土壌表面または土壌中に敷設し、ガスバリア性フィルムで土壌表面および該チューブを覆い、常圧で沸点が40℃以上でかつ蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上である土壌燻蒸用の農薬活性成分(以下、農薬成分と記す場合がある)を、ガス状及び/又は霧状にして該チューブ内に送風して土壌表面とフィルムの間及び/又は土壌中に拡散させ、土壌中の有害生物を安全かつ簡便に、更に効率的に防除するようにしたものであり、農業での土壌燻蒸に適用される。 【0002】 【従来の技術】農作物に被害を及ぼす有害生物を防除するために従来から土壌燻蒸用に使用される農薬成分、例えばクロルピクリン、D−D(1,3−ジクロロプロペン)、エチレンジブロマイド、二硫化炭素、メチルイソチオシアネート等の1種または2種以上を含有する混合物、及び/又は溶剤や安定剤等の補助剤を含む組成物(以下、総称して薬剤と記す)は、畑を耕起し整地する際、土壌に潅注して使用されるが、一般的に効力を高めたり刺激臭を抑えたりするために土壌表面に散水して水封したり、農業用フィルム、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどで被覆して、大気中に農薬活性成分が逃げるのを抑制する。しかし、土壌に薬剤を処理する際に特殊な処理専用機を準備しなければならないなど煩雑であり、又温室内のような空気がこもる条件では使用しにくい面があり、農薬成分の揮散やフィルムのガス透過のために有害生物の防除効率も低減することになる。又、農薬成分を取り扱いやすくするために、ゲル化剤や吸着剤を用いて固形化し水溶性フィルムで包装する方法や水で崩壊する容器に薬剤を封入する方法が、特公昭47−1799号、特公昭47−1800号、特開昭62−192301号、特開昭62−192301号、特開昭63−230602号、特開平6−345605号特開平7−112905号、特開平7−324002号、特開平7−330522号、特開平7−330523号、特開平8−59405号、特開平10−1406号、特開平10−120505号等に開示されている。これらの包装製剤は刺激臭が少なく手で持つことが出来る等の利点はあるが、土壌への薬剤の処理方法が土壌中に一個一個埋め込むか、あるいは特殊な処理専用機械を使用しなければならない。更に農薬成分の中で多量に使用されているクロルピクリンやD−Dは土壌中での拡散性からその液剤や錠剤を30cm間隔で10アールに1万ヵ所以上埋めこまなければならず、煩雑さがあったためにさらに簡便で安全な薬剤の処理方法が求められていた。一方、薬剤を土壌表面に処理し、ガスバリア性フィルムで覆う土壌消毒方法としては特開昭56−96648号、特開昭59−216534号等が開示されており、クロルピクリンのような常温でガス状でない農薬成分については土壌中に潅注した後、土壌をガスバリア性フィルムで覆うことによって農薬成分が大気中に逃げるのを抑え、土壌中に効率的に行き渡らせることができるとしているが、薬剤を土壌中に潅注する方法は土壌が拡散を阻害し、農薬成分が広く拡散しないため、クロルピクリンやD−Dは約30cm間隔で10アールに1万ヵ所以上潅注しなければならず、使用薬量を減少できても処理作業に煩雑さがあったため簡便で安全な薬剤の処理方法が求められていた。それらを解決するために特開平8−59405号や特開平8−238049号が開示されているが、これらの方法はコストが高い等の問題点がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】薬剤を使用して土壌中の有害生物を簡便かつ効率よく防除する方法を開発することが本発明の課題である。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したような課題を満足させられる技術を鋭意研究した結果、本発明に至ったものである。即ち、本発明は、(1)側面に穴を有するチューブを土壌表面又は土壌中に敷設後、ガスバリア性フィルムで土壌表面および前記チューブを覆い、常圧で沸点が40℃以上でかつ蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上である農薬活性成分を、ガス状及び/又は霧状にして前記チューブ内に送風し土壌表面又は土壌中に散布することを特徴とする土壌燻蒸剤の処理方法、(2)前記チューブの穴の大きさが直径0.1μm〜30mmであることを特徴とする(1)記載の土壌燻蒸剤の処理方法、(3)前記チューブの太さが直径1mm〜300mmであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の土壌燻蒸剤の処理方法、(4)前記ガスバリア性フィルムの酸素ガス透過度が8000cc/平方メートル・hr・atm(25℃、50%RH)以下である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の土壌燻蒸剤の処理方法、(5)前記ガスバリア性フィルムの酸素ガス透過度が4000cc/平方メートル・hr・atm(25℃、50%RH)以下である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の土壌燻蒸剤の処理方法、(6)前記農薬活性成分がクロルピクリン及び/又はD−Dである(1)〜(5)のいずれか1項に記載の土壌燻蒸剤の処理方法、(7)燻蒸面積1アール当り1.25kg/hr以上の速度で行うことを特徴とする(6)に記載の土壌燻蒸剤の処理方法、(8)前記チューブの全体が加圧状態になるように送風することを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の土壌燻蒸剤の処理方法、に関する。本発明によれば薬剤を短時間にガス状及び/又は霧状にして送風機で該チューブに送風して拡散させることにより、効力の安定化や薬量の低減化が可能となる。これによって農作業の手間や薬剤コストが大幅に減少できることになり、特に大型機械が入りにくく、ガスのこもりやすい温室などの施設内圃場では極めて効率的な土壌燻蒸法となる。 【0005】 【発明の実施の形態】以下に本発明を具体的に説明する。本発明に使用できる農薬成分は常圧で沸点が40℃以上でかつ蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上の揮散性を有するもので、ガス状で土壌中に拡散し、土壌中でその一生あるいは一時期を生息し、農作物等の有用植物や人間に害を及ぼす昆虫、雑草、病害等を防除する活性を有するものである。尚、農薬成分が使用時または薬剤処理後に分解して生物活性を示すものも本発明の農薬成分として使用することができる。具体的にはD−D(1,3−ジクロロプロペン)、DBCP(1,2−ジブロモ−3−3クロロプロパン)、DCIP(ジクロロジイソプロピルエーテル)、MITC(メチルイソチオシアネート)、クロルピクリン(トリクロロニトロメタン)、エチレンジブロマイド、ジメチルジクロルビニルホスフェート、二硫化炭素、ヨウ化メチルなどが挙げられる。また、農薬成分がカーバム(アンモニウムメチルジチオカーバメート)、ベーパム(ソジウムメチルジチオカーバメート)、ダゾメット(テトラヒドロ−3、5−ジメチル−1、3、5−チアジアジン−2−チオン)のように水や土壌で分解してMITCを生成して効力を示す化合物も例示することができる。本発明において好ましい農薬成分はクロルピクリン及び/又はD−Dであり、さらに好ましくはクロルピクリンである。農薬成分は上記に限定されるものではなく、また、1種類または2種類以上を併用してもよい。 【0006】本発明での農薬成分はそのまま使用してもよいが、必要に応じて固体の担体、溶剤、水、界面活性剤および安定剤などを添加した乳剤、水和剤、粉剤、粒剤などの薬剤としてもよい。農薬成分は薬剤中に均一に溶解させる必要はなく、フロアブル剤やEW剤のように農薬成分が溶剤または水の中に分散させたものでもよい。 【0007】本発明で使用する固体の担体は農薬活性成分を適度の濃度に稀釈するための増量剤、固体の原体の粉砕補助剤、液体原体の吸着剤などとして使用される。使用しうる固体の担体の具体例としては例えばクレー、タルク、ホワイトカーボン、珪藻土、塩化カリウム、尿素、硫安、可溶化澱粉、バーミキュライト、軽石、アタバルジャイトクレー、澱粉、澱粉発泡体、コルク、木粉、コーンコブ、発泡パーライト、発泡シラス、高分子発泡体などの固体状の担体で、粒子径は特に限定されないが好ましくは0.01μm〜50mmである。これらの固体状の担体を1種または2種類以上を併用して使用してもよい、またこれらに限定されるものではない。これらの担体の該製剤に対する使用量は特に限定されないが、製剤全体に対し、1〜90%好ましくは10〜60%である。 【0008】本発明で使用する溶剤は農薬活性成分等を混合・溶解したとき油状溶液の粘度を低下させたり、固体の活性成分を溶解或いは分散させたりするために用いる。本発明で使用しうる溶剤の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、キシレン、N−メチルピロリドン、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジイソノニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、ハイゾールSAS−296(日本石油化学社製)、二塩基酸エステル(デュポン社製)としてのコハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチルなど混合溶液、脂肪族あるいは芳香族の石油系溶剤、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の合成化合物溶剤、動植物油等が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用するがこれらに限定されるものではなく、使用量も活性成分の物理性、防除効力等を考慮して任意の割合で使用することができる。 【0009】本発明で使用する界面活性剤は農薬活性成分を乳化や分散させるために使用される、本発明で使用しうる界面活性剤の具体例として例えば、ポリオキシエチレンとポリオキシエチレンのブロックポリマー、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、等の非イオン界面活性剤、ドデシルベンゼンスルフォン酸金属塩(以下、金属塩とはNa塩、Ca塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属を示す)、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸の金属塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル、ナフタレンスルホン酸重縮合物の金属塩、アルキルナフタレンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸金属塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート金属塩、等の陰イオン界面活性剤などが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上を使用する活性成分や溶剤に合わせて使用できるが、これらに限定されるものではない。 【0010】本発明で使用する安定剤は主に農薬活性成分の分解を防止するために使用される。本発明で使用しうる安定剤の具体例としては例えば、ブチルハイドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、エポキシグリセライド、ジイソプロピルホスフェート、メチルアルコール、エチルアルコールなどが挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用できるが、これらに限定されるものではない。 【0011】本発明では農薬活性成分又は薬剤を取り扱い易いように水溶性フィルムで包装して、包装体にしてから用いてもよい。本発明で使用できる水溶性フィルムは水に溶解し、一定の強度を持ち、使用する農薬組成物を透過したり、使用する農薬組成物に溶けたりしないフィルムなら何でもよく、適用する農薬組成物の性質に合わせて選択すれば良い。通常、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、デンプン、ゼラチン等の1種または2種以上からなるフィルムから選択される。さらに、フィルムの厚さも農薬組成物の種類やフィルムの材質によって実用に供し得る範囲で選択され、特に限定されないが、例えば耐薬品性、強度、経済性等のよいポリビニルアルコールを使用する場合、5μm以上がよく、経済性や強度から特に好ましくは10μm〜80μm程度がよい。また、包装体の重量は1個当り50g〜10kgで好ましくは100g〜5kg程度がよい。又、同時に加工時の経済性も重視する必要があり、円筒、球形、角袋状等が好ましい。但し、これらの形状に限定されるわけではない。尚、水溶性フィルムは湿気や強度に弱いのでこのような包装体は1個ずつあるいは数個まとめて更に防湿性と強度が高い包材で包装したほうがよい。防湿包装剤としてはポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ナイロン、アルミニウム箔等のフィルムの他に、アルミニウムやシリカを蒸着したフィルムなどもよくこれらを1種又は2種以上の共重合物および混合物或いは貼り合わせなどが挙げられる。又、水溶性フィルムと防湿性や強度を高めたフィルムを弱接着(疑似はりあわせた)のフィルムとしてエコピール(共同紙工製)などを用いてもよい。 【0012】本発明に使用できる側面に穴を有するチューブ(該チューブ)とは、チューブの側面(周面)に穴があけられているものであり、例えば、散水チューブ(灌水チューブ)や粉剤、粒剤、肥料などの散布に用いられる多口ホースなどが挙げられるが、これらに限定されない。また穴があいていないチューブ、例えば水道のホース、塩化ビニルの水道パイプ、雨樋のパイプなどに穴を開けて用いることもできるがこれらに限定されない。灌水チューブとしては例えばエバフローA、スーパーエバフローA−100、エバフローM(噴霧型)、エバフローD(点滴型)、エバフローS(散水型)、エバフローKW(片側散水型)、KIRICO BIG HOLE SIDE SPRAAY、キリコA、キリコ(マルチ)、KIRIKO H(ハウス用)、片側散水型、キリコ=R=KIRIKO(以上、三井東圧化学(株)製の散水チューブ)、スミサンスイマルチ100−3(住友化学工業(株)製)などが使用できるがこれらには限定されない。多口ホースとしては例えばナイアガラホース、粒剤ホース、散粒ホース(以上、有光工業(株)製)、カーペット噴頭、粒剤用多口ホース噴頭NまたはS((株)丸山製作所製)などが挙げられるがこれらに限定されない。 【0013】該チューブの材質としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、ナイロン、塩化ビニリデン、塩化ビニル(硬質)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合物、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの1種または2種類以上の共重合物および混合物或いは貼り合わせなどが挙げられる。 【0014】該チューブの太さは特に限定されないが直径1mm〜300mm程度がよい。 【0015】該チューブ側面の穴の大きさは、燻蒸面積にもよるが大きすぎると空気の量が多く必要になるので、穴の大きさは直径が好ましくは30mm以下、より好ましくは10mm以下がよく、また、小さすぎると薬剤を処理するのに時間がかかるため、穴の大きさは直径が好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上がよい。穴はチューブの側面に10〜200cmの等間隔またはランダムに一列または二列あるいは全面に開いていれば良いが、これらに限定されるものではない。 【0016】本発明で使用できる被覆フィルムはガスバリア性があれば特に限定されない。ガスバリア性はフィルム自体の性質によって異なり、その厚さによってもまた数種類の張り合わせなどでも異なる。土壌を被覆するための強度、経済性などを考慮するのは当然であるが、ガスバリア性は高いほど良く、酸素ガス透過度(ガス透過度の測定条件および測定方法は25℃、相対湿度50%でASTMD1434−66に準じ、フィルム厚については測定したフィルムの厚さを基準に反比例するとして補正計算する)が8000cc/平方メートル・hr・atm以下、好ましくは4000cc/平方メートル・hr・atm以下がよい。具体例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、ナイロン、塩化ビニリデン、塩化ビニル(硬質)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合物、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの1種または2種類以上の共重合物および混合物或いは貼り合わせなどからなるフィルムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 【0017】フィルムの厚さは、酸素透過度とも関連し、ポリエチレンや軟質塩化ビニルなどの単層フィルムの様なガスバリア性があまり高くないフィルムは、ガス透過性がほぼ厚さに反比例することを目安に厚くすることによってガスバリア性を高めることができる。また、使用する農薬成分又は薬剤や土壌水分などとの接触によって変質しガスバリア性が失われたりしにくく、取り扱いやすいフィルム、経済的にも優れているフィルム等を用いることが好ましく、厚さは素材にもよるが10μm〜500μm、好ましくは10μm〜200μm程度が適している。 【0018】ガスバリア性のあまり高くない軟質ポリ塩化ビニルやポリエチレンなど厚さ20μm以下の被覆フィルムを用いた場合では、農薬成分又は薬剤が上方に透過してしまい、農薬成分による燻蒸効率が悪くなるばかりか、温室などの施設園芸や住宅地近郊の圃場では作業者や住民に影響を与えかねない。 【0019】農薬成分又は薬剤をガス化及び/又は霧状にする方法は、農薬成分又は薬剤を自然熱または加温して蒸散化させガス化させるか、農薬成分又は薬剤を洗気瓶のような容器に入れてエアーを通してガス化させるか、農薬成分又は薬剤を直接ポンプで加圧してノズルの先から噴霧するか、空気ボンベ、炭酸ガスボンベ、コンプレッサーなどで圧縮された気体で農薬成分又は薬剤を噴霧するか、農薬成分又は薬剤に超音波の振動を与えて噴霧するか、遠心力を利用したロータリーノズルで空気中に噴霧して微粒子を拡散させたるか、農薬成分又は薬剤を固体担体に含浸させた薬剤にホットエアー又はエアーを通するかして、農薬成分又は薬剤を所望に応じて水に希釈した後、ガス状及び/又は霧状にして送風機で該チューブに送り出すなどの方法があるが、これらの方法に限定されるものではない。また、エアーを通す代わりに又はエアーとともに水蒸気を用いてもよい。また、農薬成分又は薬剤を水溶性フィルムで包装した包装体を用いる場合、包装体は使用に際して水に投入・希釈するか、破袋するなどしてから前記のようにガス化及び/又は霧状にすることができる。農薬成分又は薬剤を霧状に噴霧する場合の噴霧粒子は細かい方が望ましく、具体的には2000μm以下、好ましくは100〜0.01μm程度が良い。噴霧粒子は該チューブの穴の大きさより細かいものに調製しておくことも好ましいといえるが、穴の大きさよりも大きな噴霧粒子であっても、該チューブ内で気化しチューブの側面の穴から放散される。このため、全ての粒子がエアロゾルとなる必要は必ずしもなく、一部がチューブ内に付着してもチューブ内に送り込まれる気体によってやがて蒸発し本発明の効果を十分に奏することができる。 【0020】本発明で使用できる蒸散機あるいはミスト機は、薬液蒸散部、加熱部分、ノズル、送風部分、薬液タンク、ポンプ、加圧空気などからなり、これらの中で必要な部分を集め一つのユニットにまとめても、それぞれの必要な部分を単独ユニットにして組み合わせて使用してもよく、そのユニットに該チューブを取り付けて使用する。要するに薬剤の自己拡散力だけに頼らないで、農薬成分又は薬剤を蒸散機またはミスト機でガス状及び/又は霧状にし送風機で強制的に土壌表面とガスバリア性フィルムの間又は土壌中に敷設した該チューブに農薬成分または薬剤を送風・拡散させる装置であればよい。薬液タンクは蒸散機本体に取り付けたり、取扱いやすいようにカートリッジ方式にしても良い、また薬剤のボトルやドラムを蒸散機に直接取り付けたり或いは蒸散機本体より離れた場所に置いて落下またはポンプで蒸散機に供給してもよい。 【0021】薬剤処理時の気温が低いときには、農薬成分又は薬剤及び被覆内の空気を暖めるために蒸散機又はミスト機の薬液蒸散部や送風機にヒーターを取付け、農薬成分又は薬剤や空気を加温し蒸散を加速させることも可能である。加温の熱源としては無機物等の発熱反応、ガス、蒸気および電気等が使用されうるが、温度や時間などをコントロールしやすい点では電気を用いるのがよい。電気を熱源とする電気ヒーターは温度調節のできるものが良く、例えば加温温度は50〜250℃位の範囲で調節できるものが好ましい。蒸散機又はミスト機には始動時間や稼動時間を調節するためにタイマーを取付けることも可能である。これらの蒸散機又はミスト機は被覆フィルムの中に入れて農薬成分又は薬剤をガス状及び/又は霧状にして該チューブに送風して被覆内に拡散させてもよいし、大きな面積の畑などを効率的に燻蒸消毒する場合には、被覆フィルム外に蒸散機又はミスト機を置き、蒸散機/ミスト機の空気吹き出し口に該チューブを取り付け、該チューブを被覆フィルム内に空気の流れを良くするように設置して農薬成分又は薬剤を円滑に拡散させることもできる。例えば、ミスト機としては動力散布機、手動式噴霧機、背負動力散布機、常温煙霧機などを使用してもよい。 【0022】土壌の燻蒸を効果的に行う本発明の処理方法の具体的方法としては、耕運機やトレンチャーなどによって5〜100cmに耕起後1ヶ月以内好ましくは7日以内に土壌表面または地表面土壌中に、先端部の切り口が必要に応じて閉じられた該チューブを敷設し、土壌表面および該チューブをガスバリア性フィルムで覆い、該チューブの中に農薬成分又は薬剤をガス状及び/又は霧状にして送風機で該チューブに送り出すなどの方法があるが、これらの方法には限定されない。この他に、ガスバリア性フィルムで土壌を覆う方法としては、トンネル支柱を弓形にしてフィルムを被覆してトンネルにしたり、ビニールハウス等でもよい。 【0023】農薬成分又は薬剤をガス状及び/又は霧状にして該チューブに送風する場合は、該チューブの一端から送風するだけでなく、該チューブの両端や中央部などの中間から送風しても良い。送風圧力は該チューブ全体から農薬成分又は薬剤が拡散できれば特に限定されないが、好ましくは該チューブが全体的に膨らむ程度の加圧状態が好ましい。そのため、該チューブに設けられる穴は、該チューブが加圧程度になるように、送風速度との関係から、その大きさ、数などが調整されていることが好ましい。例えば、送風圧力が0.001〜100kgf/cm2、好ましくは0.01〜10kgf/cm2になるような風量にするとよい。また、蒸散機又はミスト機が取付けられていない該チューブの端は、塞がれていることが好ましい。 【0024】本発明において使用される該チューブの敷設方法は、燻蒸する面積と形状、ガスバリア性フィルムのガスバリア性能、対象病害虫、土壌中の水分、地温・気温、農薬成分の該チューブからの有効蒸散距離、薬剤の使用量、農薬成分の拡散速度、処理時間、送風速度などを考量して該チューブを敷設するのが好ましい。該チューブの配置方式としては、直列方式あるいは分岐管を用いた並列方式等を例示することができる。また複数の該チューブを略平行に敷設する場合における該チューブ同士の敷設間隔は、土壌表面に敷設する場合は50〜1000cm、好ましくは100〜300cmであり、土壌中に敷設する場合は30〜300cm、好ましくは30〜100cmである。また、土壌中に該チューブを敷設する場合、その深さは1〜100cm、好ましくは5〜60cmであり、また深さの異なる数層に敷設してもよい。 【0025】本発明の処理方法において農薬成分又は薬剤による処理を行う処理時間は特に限定されないが、面積に関係なくできるだけ短時間に燻蒸することが望ましく、具体的には農薬成分又は薬剤を処理開始から48時間以内で、好ましくは4時間以内に所定量の薬剤の処理が終了するようにすると、農薬成分または薬剤による防除効果も良く、農薬成分又は薬剤の使用量の低減化につながる。所定量とは農薬成分ごとに定められるものであり、従って薬剤においては薬剤中の農薬成分の含有量を基に所定量が算出される。例えば、農薬成分がクロルピクリンである場合、その所定量は1アール当り2〜3リットル(約3.3〜5kg)であり、1アールの面積に5kgを48時間以内に処理を終えるためには0.105kg/hrの処理速度(単位時間当りに送り込む農薬成分の量)で、さらに4時間以内に処理を終えるためには1.25kg/hrの速度で処理を行うことが好ましい。 【0026】農薬成分または薬剤はガス状及び/又は霧状にされ該チューブから土壌表面とフィルムの間に送り込まれることにより気中に水平方向に拡散しながら、同時に下方にも拡散して土壌全体が有効に燻蒸消毒される。一方、土壌中に該チューブを敷設した場合は、土壌中の該チューブから強制的に農薬成分又は薬剤が吹き出され、土壌中に拡散するため、広範囲に速やかに拡がり土壌全体が有効に燻蒸消毒される。この時、一部が土壌表面に達するがガスバリア性フィルムによって揮散することが抑えられる。この他に揮散を抑制する方法としては、土壌表面を鎮圧または水で水封してもよい。なお、本発明の処理方法における処理時後も、農薬成分を土壌全体に拡散させるために、ガスバリア性フィルムをそのまま放置し置くのが好ましい。燻蒸時間は、用いる農薬成分にもよるが、通常10日ほどである。 【0027】また、従来のクロルピクリン点注等で行われる土壌深度15〜20cmの処理では、農薬成分の土壌中での自然拡散は水平方向拡散が少なく、約30cm間隔で処理する必要があるが、本発明の方法では農薬成分又は薬剤を霧状及び/又はガス状で送風機で強制的に該チューブを通じて被覆フィルム内および土壌中に拡散させるだけで有効に土壌燻蒸ができるため、非常に簡便で省力的になり、大型機械が入りにくく、人手作業に頼る温室などの施設園芸に適している。更に、農薬成分を強制的に拡散させるためロスが少ないため従来の方法より薬量も少なくてすみ、経済性、環境への影響など種々の点でメリットは大きい。また、以上は作物の作付け前における土壌燻蒸を説明したが、これ以外のタイミングでも本発明の処理方法を実施することもできる。例えば、除草効果を併せ持つクロルピクリンを農薬活性成分として用い、作物の収穫後に処理すれば、収穫済みの植物体(実などを収穫し終えたが、まだ生きており、通常、抜き取りや個別に除草剤を散布するなどする必要がある植物本体)を極めて簡便に除草/処分することができる。 【0028】 【実施例】次に、実施例と試験例を示すが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。 【0029】実施例10.9m×10mの圃場の土壌表面中央部に、スミサンスイマルチ100−3(住友化学工社製の散水チューブ)の先端部を閉じたチューブを10m敷設した。土壌ふすま培地で60日間培養したトマト萎凋病菌汚染土壌を乾土で10g相当量をガーゼで包んで試料とし、長尺部10mの送風側から1mと9mの位置に土壌深度30cmで埋め込んだ。次に、圃場全体をポリエチレンフィルム(厚み;20μm、酸素ガス透過度;9875cc/平方メートル・hr・atm)で全体を被覆した。耐圧性のある洗気瓶にクロルピクリン270ml(30リットル/10a)を入れ、洗気瓶の短口側に前記チューブを取り付け、洗気瓶の長管の口から送風機で空気を送り込み24時間以内にクロルピクリンがなくなるように土壌燻蒸を行った。2週間後に被覆フィルムを剥いで土壌深度20、30cmに埋め込んだ試料を取り、希釈平板法にて7日間25℃で培養し、培地上に形成されたコロニー数を数え、乾土1g当たりのトマト萎凋病菌数を算出した。その結果を表1に示す。 【0030】実施例2圃場の被覆にポリエチレンフィルム(厚み;40μm、酸素ガス透過度;4940cc/平方メートル・hr・atm)を用いた点を除き、実施例1と同様にクロルピクリン270mlで土壌燻蒸を行った。その結果を表1に示す。 【0031】実施例3圃場の被覆にポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)を用いた点を除き、実施例1と同様にクロルピクリン270mlで土壌燻蒸を行った。その結果を表1に示す。 【0032】実施例4圃場の被覆にポリエチレンでエチレンビニルアルコール共重合物をサンドイッチ状に共押し出ししたフィルム(厚み;60μm、酸素ガス透過度;5cc以下/平方メートル・hr・atm)を用い、クロルピクリン90ml(10リットル/10a)を用い3時間でなくなるようにした点を除き、実施例1と同様に土壌燻蒸を行った。その結果を表1に示す。 【0033】実施例5圃場の被覆にポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)で全体を被覆しクロルピクリン180ml(20リットル/10a)を用い4時間でなくなるようにした点を除き、実施例1と同様に土壌燻蒸を行った。その結果を表1に示す。 【0034】実施例6圃場の被覆にポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)を用い、クロルピクリン180ml(20リットル/10a)を洗気瓶ごとウォーターバスで約50℃に加温し、更に洗気瓶の長管の口から送風機で約60℃に加温した空気を送り込み、2時間でなくなるようにした点を除き、実施例1と同様に土壌燻蒸を行った。その結果を表1に示す。 【0035】実施例7圃場の被覆に敷設しポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)を用い、チューブに送風機とポンプに接続したノズルを取り付けクロルピクリン270ml(30リットル/10a)をスプレーしながら送風機で空気を送り込んだ点を除き、実施例1と同様に土壌燻蒸を行った。その結果を表1に示す。 【0036】実施例8クロルピクリン135ml(15リットル/10a)を用い1時間以内になくなるようにした点を除き実施例1と同様に土壌燻蒸を行った。その結果を表1に示す。 【0037】対照例14m×5mの圃場に土壌ふすま培地で60日間培養したトマト萎凋病菌汚染土壌を乾土で10g相当量をガーゼで包んで試料とし、土壌深度30cmで埋め込んだ。次に、クロルピクリンを約2.7mlずつ30cm間隔に深さ15cmの深度で合計600ml土壌潅注し(30リットル<11,000箇所>/10aに相当)、ポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。なお、クロルピクリンは試料から最も離れるように潅注位置を決定した。2週間後に被覆フィルムを剥いで土壌深度20、30cmに埋め込んだ試料を取り、希釈平板法にて7日間25℃で培養し、培地上に形成されたコロニー数を数え、乾土1g当たりのトマト萎凋病菌数を算出した。その結果を表1に示す。 【0038】
【0039】以上のように無処理に比較して、実施例はいずれもトマト萎凋病菌をむらなく効率的に防除した。また、実施例4のように薬量を1/3にしても防除効果は良好であった。また、対照例1では薬剤の処理時に目や鼻に刺激があり、防毒マスクや保護めがねを必要とし、薬剤処理箇所数が多いので作業に手間が掛かったが、実施例はいずれも簡便に作業ができた。 【0040】実施例91.8m×2.5mの圃場の土壌表面(気温:−1〜10℃)に、先端部を閉じた灌水チューブ(片面×穴灌水チューブ、日新化学工業(株)製)2本を長尺部の端から45cmと135cmの位置に敷設した。土壌ふすま培地で60日間培養したトマト萎凋病菌汚染土壌を乾土で10g相当量をガーゼで包んで試料とし、圃場の中央部に試料を埋め込んだ。次に、圃場全体をポリエチレンフィルム(厚み;20μm、酸素ガス透過度;9875cc/平方メートル・hr・atm)で全体を被覆した後、耐圧性のある洗気瓶にクロルピクリン22.5ml(5リットル/10a)を入れ、洗気瓶の短口側に前記チューブを取り付け、洗気瓶の長管の口からコンプレッサーで空気を送り込みながら、洗気瓶を80℃の温水に入れ30分以内にクロルピクリンがなくなるように土壌燻蒸を行った。土壌燻蒸処理後1日後、4日後、7日後に試料を採取し、希釈平板法にて7日間25℃で培養し、培地上に形成されたコロニー数を数え、乾土1g当たりのトマト萎凋病菌数を算出した。その結果を表2に示す。 【0041】実施例10圃場の被覆にポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)を用い、洗気瓶を80℃の温水に入れ1時間以内にクロルピクリンがなくなるようにした点を除き、実施例9と同様に土壌燻蒸を行った。その結果を表2に示す。 【0042】実施例113m×2.5mの圃場の土壌表面(気温:−1〜10℃)に、先端部を閉じた灌水チューブ(片面×穴灌水チューブ、日新化学工業(株)製)2本を長尺部の端から75cmと225cmの位置に敷設した。土壌ふすま培地で60日間培養したトマト萎凋病菌汚染土壌を乾土で10g相当量をガーゼで包んで試料とし、圃場の中央部に試料を埋め込んだ。次に、圃場全体をポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)で全体を被覆した後、耐圧性のある洗気瓶にクロルピクリン75ml(10リットル/10a)を入れ、洗気瓶の短口側に前記チューブを取り付け、洗気瓶の長管の口からコンプレッサーで空気を送り込みながら、洗気瓶を80℃の温水に入れ1時間以内にクロルピクリンがなくなるように土壌燻蒸を行った。土壌燻蒸処理後1日後、4日後、7日後に試料を採取し、希釈平板法にて7日間25℃で培養し、培地上に形成されたコロニー数を数え、乾土1g当たりのトマト萎凋病菌数を算出した。その結果を表2に示す。 【0043】実施例12クロルピクリン37.5ml(5リットル/10a)を用いた点を除き、実施例11と同様に土壌燻蒸を行った。その結果を表2に示す。 【0044】対照例21.5m×1.8mの圃場(気温:−1〜10℃)に土壌ふすま培地で60日間培養したトマト萎凋病菌汚染土壌を乾土で10g相当量をガーゼで包んで試料とし、土壌深度30cmで埋め込んだ。次に、クロルピクリンを約1.8mlずつ30cm間隔に深さ15cmの深度で合計54ml(20リットル/10a)土壌に潅注し、ポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。なお、クロルピクリンは試料から最も離れるように潅注位置を決定した。土壌燻蒸処理後1日後、4日後、7日後に試料を採取し、希釈平板法にて7日間25℃で培養し、培地上に形成されたコロニー数を数え、乾土1g当たりのトマト萎凋病菌数を算出した。その結果を表2に示す。 【0045】 表2実施例 トマト萎凋病菌密度 1日後 4日後 7日後実施例9 1.2×107 0 0実施例10 0 0 0実施例11 0 0 0実施例12 0 0 0対照例2 1.1×107 2×107 0無処理 5.3×107 (4、7日後も1日後と同数) 【0046】以上のように無処理に比較して、実施例はいずれもトマト萎凋病菌をむらなく効率的に防除した。また、気温が低い条件下でも実施例は薬剤処理後1〜4日後で良好な効果があった。実施例9、10、12は対照例に比べ薬量を一般的なクロルピクリンの散布量である対照例2(20リットル/10a)の1/4(5リットル/10a)にしても防除効果は良好であった。また、対照例2では薬剤の処理時に目や鼻に刺激があり、防毒マスクや保護めがねを必要とし、薬剤処理箇所数が多いので作業に手間が掛かったが、実施例はいずれも作業性が良好で省力的かつ簡便で短時間に薬剤処理できた。 【0047】実施例13サツマイモネコブセンチュウに汚染された1.8m×2.5mの圃場の土壌表面に、先端部を閉じた灌水チューブ(片面×穴灌水チューブ、日新化学工業(株)製)2本を長尺部の端から45cmと135cmの位置に敷設しポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)で全体を被覆した後、耐圧性のある洗気瓶にクロルピクリン50重量部、D−D(DC油剤)25重量部を混合した油剤135ml(30リットル/10a)を入れ、洗気瓶の短口側に前記チューブを取り付け、洗気瓶の長管の口からコンプレッサーで空気を送り込みながら、洗気瓶を80℃の温水に入れ1時間以内にクロルピクリンとD−Dがなくなるまで蒸散させて土壌燻蒸を行った。10日後被覆を取り除き、5日間ガス抜きのために放置した後、トマト(品種:シュガーレディー)を移植し1日1回表面潅水を行い27日後の根りゅう程度を調査した。その結果を表3に示す。 【0048】実施例14サツマイモネコブセンチュウに汚染された1.8m×2.5mの圃場の土壌表面に、先端部を閉じた灌水チューブ(片面×穴灌水チューブ、日新化学工業(株)製)2本を長尺部の端から45cmと135cmの位置に敷設しポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)で全体を被覆した後、耐圧性のある洗気瓶にD−D(DC油剤)135ml(30リットル/10a)を入れ、洗気瓶の短口側に前記チューブを取り付け、洗気瓶の長管の口からコンプレッサーで空気を送り込みながら、洗気瓶を80℃の温水に入れ1時間以内にD−Dがなくなるまで蒸散させて土壌燻蒸を行った。10日後被覆を取り除き、5日間ガス抜きのために放置した後、トマト(品種:シュガーレディー)を移植し1日1回表面潅水を行い27日後の根りゅう程度を調査した。その結果を表3に示す。 【0049】対照例3サツマイモネコブセンチュウに汚染された1.5m×1.8mの圃場にD−D(DC油剤)を約2.7mlずつ30cm間隔に深さ15cmの深度で合計54ml(30リットル/10a)土壌に潅注し、ポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。10日後被覆を取り除き、5日間ガス抜きのために放置した後、トマト(品種:シュガーレディー)を移植し1日1回表面潅水を行い27日後の根りゅう程度を調査した。その結果を表3に示す。 【0050】対照例4サツマイモネコブセンチュウに汚染された1.5m×1.8mの圃場にクロルピクリン50重量部、D−D(DC油剤)25重量部を混合した油剤を3mlずつ約30cm間隔に深さ15cmの深度で合計51ml(30リットル/10a)土壌に潅注し(10,000箇所/10アールに相当)、ポリエチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;3950cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。10日後被覆を取り除き、5日間ガス抜きのために放置した後、トマト(品種:シュガーレディー)を移植し1日1回表面潅水を行い27日後の根りゅう程度を調査した。その結果を表3に示す。 【0051】 表3 根りゅう指数(4連制で試験したものの平均値) 実施例13 0.75実施例14 1.0対照例3 0.75対照例4 1.0無処理 3.25根りゅう指数: 根りゅう形成状態 指数 根りゅう形成全く認められない 0 僅かに根りゅう形成を認める 1 中程度に根りゅう形成を認める 2 多数に根りゅう形成を認める 3 連続して根りゅう形成を認める 4【0052】以上のように無処理に比較して、実施例はいずれも効率的に防除し、極めて実用的であることがわかった。また、実施例13,14は刺激性などは特に感じず作業できたが、対照例は潅注器への薬液の投入や土壌潅注時に目や鼻に刺激があり、防毒マスクや保護めがねを必要とした。 【0053】 【発明の効果】本発明の処理方法は、従来の燻蒸法と同等の効果を得ると共に農薬成分の刺激などを感ずることなく安全にかつ簡便に薬剤を処理できる。また、薬剤ロスが少ないために使用する薬量が少なくて済み、有害生物を効率的に防除することが可能となった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004086 【氏名又は名称】日本化薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年9月20日(2000.9.20) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−157543(P2001−157543A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月12日(2001.6.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−284916(P2000−284916) |
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