| 【発明の名称】 |
衣類用防虫ほこりよけシート |
| 【発明者】 |
【氏名】岡野 隆良
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 不織布もしくはフィルム、または両者を組み合わせてなるシート材にピレスロイド系殺虫剤、防カビ剤、紫外線保護剤、酸化防止剤の内から少なくとも1種あるいは2種以上の薬剤の混合物を含有させて得られる被覆式衣類用保護シート【請求項2】 クローゼットやオープンハンガー等の懸架式収納器のポールに固定するための係止具を使用した請求項1の被覆式衣類用保護シート |
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、シート材とその固定用具からなり、オープンハンガーやクローゼットのように、ハンガー等の懸架具を使用し衣類を収納する方式の収納器において利用される。 【0002】 【従来の技術】衣類の収納方法としてハンガー等の懸架具を使用することを目的とした衣類の収納器がある。一般的なところでは洋ダンス、クローゼット等が挙げられ、手軽さや収納スペースの問題から、最近ではオープンハンガー等もよく見ることができる。従来よりこれらの収納具に衣類を収納するときには衣類をそのまま吊した状態で放置したり、衣類を1枚ずつカバーで覆っていた。 【0003】これらの収納方法の他にも衣装ケースや和だんすのように衣類を折りたたんで収納する収納器も数多くある。これらの収納器では比較的多くの衣類が収納できること、衣類を劣化する虫、カビ、ほこり、光やガスなどから衣類を防護し易いという利点がある。 【0004】またクローゼットやオープンハンガーにも衣類を手軽に取り出せる、たたみジワが付かないといった利点があり、それぞれ用途に応じて使い分けられている。 【0005】しかしながらクローゼットやオープンハンガー等の懸架式収納器の欠点である虫、カビ、ほこり、光、ガス等の被爆に対しての解決策はいまだに少ない。 【0006】現在、これらの外的劣化要因から衣類を守るために懸架式収納器によく使われる保護材としては防虫カバーがある。これは袋状の不織布でできており、衣類害虫がこないように防虫剤などの忌避剤を不織布に含浸しており衣類一着ごとに包むようにして保管するものである。 【0007】これを使用することによって外的劣化要因に曝されやすい懸架式衣類収納器においても衣類を比較的安全に保管することができる。しかしながら、防虫カバーには問題点が数多く存在し、それらについて現在まで解決出来ずにいた。すなわち防虫カバーは一着ごとに必要なため収納する衣類の量に従って防虫カバーの数を増やさざるを得ない。特に薬剤の有効期限が切れた時には全ての防虫カバーを一度に換えねばならず、使用者の金額的な負担は大きくなり、利便性も悪い。 【0008】また、一着ごとにカバーで包む保存方法においては収納時、取り出し時共にカバーをめくり衣類を取り出さねばならないので懸架式収納器の一番の利点である手軽に取り出せるという利便性を欠くことにもなる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】つまり上記のようにオープンハンガーにそのまま吊した状態で放置すると、衣類が衣類害虫に食害される、ホコリが付着する、色あせする等の問題が生じる。また、既存の防虫カバーを使用すればこれらの外的劣化要因を避けることができるが、衣類を収納または取り出す際に手間がかかり、全ての衣類に使用するとかなりの費用がかかることとなる。 【0010】本発明が解決しようとする課題はそれら外的劣化要因から衣類を守り、かつ使用者が簡便に衣類を出し入れすることができる被覆式衣類用保護シートを提供することにある。 【課題を解決するための手段】そこで鋭意研究の結果、衣類一着ごとを保存するという方法ではなく、衣類の集合体を一つの保護対象と考えた保存材を発明するに至った。従来カバー状であった防虫カバーをシート状にし、衣類を懸架しているポールの上に設置する事によって衣類の集合全体を保護することができる。またこれによって不便であった衣類の収納、取り出しもカバーを使用した場合に比べて簡易になる。 【0011】以下に本発明の構成を記す。すなわち本発明は不織布、フィルムのどちらか一方、又は両方で構成されたシート状の外観を持ち、ピレスロイド系殺虫剤、防カビ剤、紫外線保護剤、酸化防止剤の内から少なくとも1種もしくは2種以上の薬剤の混合物を含有させてなる被覆式衣類用保護シートである。 【0012】本発明の製造方法としては前述の薬剤を使用目的に合わせて選択し、適宜混合した液剤をあらかじめグラビア塗工、滴下含浸、噴霧塗工などの方法により不織布又はフィルムに含有させるものである。また、薬剤によっては不織布やフィルムの樹脂中に直接練り込むことが出来、それによって徐放的な効果を持たせることが出来る場合もある。それら薬剤を含有した不織布及びフィルムは裁断され、形を整えられる。不織布とフィルムを両方用いる場合は熱溶着、超音波溶着バインダーでの接着、もしくはリベットやホッチキス等での機械的接着や縫製を行い製造される。 【0013】使用する不織布については、前述の液剤を含有できるものであれば良い。材質としてはポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン等があり、コストや工程の適性から10〜50g/m2の目付のものを選択することが好ましいが、設定する薬剤量や有効期間によってはこれを適宜調整することが好ましい。 【0014】使用するフィルムの材質としてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、セロハン等があり、コストや機械適性よりその厚さは10〜50μmであることが好ましいが、これによって厚さを特定するものではない。またフィルムは被覆された内部の様子が分かるように透明であることが望ましいがこれに限定されるものでもない。 【0015】被覆式衣類用保護シートは係止具を使用してポール上に設置することを想定しているが係止具としては樹脂製のクリップが付け外しに適しており、その他にも金属製クリップや粘着テープなどが存在するが、係止する能力を有していればその材質、形状を問うものではない。 【0016】使用する薬剤の内、防虫成分としてピレスロイドが使用される。ピレスロイドは人体への影響が比較的緩和で分解しやすく、室内での使用に向いている薬剤である。ピレスロイドはその構造によっていくつか誘導体が存在し、主なものとしてフェノトリン、ペルメトリン、エンペントリン、アレスリン、レスメトリン、プラレトリン、テラレスリン等が挙げられる。 【0017】また衣類は保存状況によりカビを発生することも多く、そのために防カビ剤が混合される。防カビ剤としては揮散性のあるものがよく、フェノール類の防カビ剤であるオルトフェニルフェノール、チモール、パラクロルフェノール等が好ましい。 【0018】紫外線保護剤については波長300nm付近の光を吸収できるものが良く、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、サリチル酸オクチル、サリチル酸ホモメンチル、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノンパラアミノ安息香酸、パラジメチル安息香酸2−エチルヘキシル、オクチルトリアゾンなどが挙げられる。また厳密には吸収しないが、酸化チタンなどの紫外線反射剤も反射によって紫外線から衣類を保護することが可能であり紫外線保護剤とする。紫外線保護剤は特にオープンハンガーでの使用など日光が直接あたるような状況で衣類のヤケや色落ちを防ぐ。酸化チタンなどの無機化合物の紫外線保護剤においては原体が液体ではなく、不織布やフィルムから剥落する可能性があるので適宜バインダーを入れて含有させたり、不織布やフィルムの材料となる樹脂に練り込むと良い。 【0019】酸化防止剤は発生した活性酸素を取り除き、衣類のヤケや繊維の劣化を防ぐ為に混合される。ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、トコフェロール等が挙げられる。種々の薬剤を含浸又は練り込むことが可能である。例えばこれまでの防虫カバーのように防虫剤を含浸し、防虫効果を持たせることが可能であるし、防カビ剤を配合し防カビ効果を持たせることも出来る。 【0020】 【実施例】[試験例1]厚さ20μmのフィルムに紫外線保護剤を塗工したものを適当な大きさに切り取り、分光光度計で波長285nmにおける透過率を測定した。その結果、図1のAに示した通り、紫外線保護剤を塗工していないフィルムでは285nmにおける紫外線の透過率は約80%もあるのに対し、Bの紫外線保護剤を塗工したものはそれが約5%と低く抑えられている。他の波長においても図1の通り紫外線と呼ばれる400nm以下の波長領域で顕著な透過率の減少が見られた。さらに、400〜800nmの可視光線と呼ばれる波長領域では紫外線保護剤を塗工したフィルムの透過率は紫外線保護剤を塗工していないフィルムの透過率とほとんど変わらず内部の衣類はよく見えるという特長も有する。 【0021】[試験例2]目付40g/m2のポリプロピレン不織布にフェノトリンを0.240g/m2含浸させる。これを直径9cmの円形に切り取り、直径9cmのガラスシャーレに敷き詰める。そのシャーレの中にウールモスリンと供試虫としてコイガ20日齢幼虫20頭を入れたものを3つ用意し薬剤処理区とした。26℃・60%RH条件下で放置し、5日後それぞれの検体について観察を行った。同様にポリプロピレン不織布にフェノトリンを含浸せずに供試したものを無処理区とし、同様に観察した。その結果、表1に示されるような顕著な効果が現れ、薬剤処理区においては100%の死虫率、無処理区においては0%の死虫数であり衣類害虫についての殺虫効果が示された。 【表1】
【0022】図2においてポリプロピレン不織布とポリプロピレンフィルムを接着した被覆シートの実使用例を図示する。すなわちオープンハンガー等の構造物1に備わっているポール3に対し、係止具6を用い被覆シート2を懸架式衣類収納器に固着する。このことにより内部に位置する5のごときハンガーや衣服を虫、カビ、ほこり、光、ガスから継続的に守るものである。衣類の収納時は側面のフィルムをめくり上げるだけで普段のハンガーと同様の取り扱いができ、薬剤の有効期間終了後でも係止具6を外すだけで、一括で被覆シートを交換することができる。 【0023】図3は被覆式衣類用保護シートのみを展開したものである。不織布とフィルムからなるこの構成は、不織布2aがポールにかかりやすい柔らかさを提供し、フィルム2bの透明性によって衣類を保護している間でも外部から衣類を認識することもできるといった点で優れており、両者の組み合わせを行うことは両者それぞれを単独で使うより好ましいと考えられる。また係止具の例として係止具6が固着されているが、係止具はシート上に固着しない方が好ましい。 【0024】図4は各部位の位置関係をより明白にするためにポールに対して垂直面に切ったときの断面図であり、被覆式衣類用保護シートに係止具が固着されている場合の位置関係を示し、図2の一部を拡大した断面図である。また図5も位置関係を示すものであり、係止具がシート上にあらかじめ固定されていない場合の使用方法を透視図として例示している。係止具をシート上に固定していない場合はシートのズレが多少見られるが、ポール上の好きな位置にシートを配置することができ、製造工程上も労力が少なくなるなど利点が多い。 【0025】 【発明の効果】以上のように本発明による被覆式衣類用保護シートは1枚で衣類をまとめて覆うため非常に簡便で、手間もかからず経済的である。なおかつ、衣類に対し防虫効果、防塵効果、色あせ防止効果を付与することが可能なため、新規の衣類保護材として期待できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000149181 【氏名又は名称】株式会社大阪製薬
|
| 【出願日】 |
平成11年8月23日(1999.8.23) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−57837(P2001−57837A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月6日(2001.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−234840 |
|