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【発明の名称】 両軸受リール
【発明者】 【氏名】片桐 尚久

【要約】 【課題】ドラグレバーをフリー回転位置に回動すると、自動的にスプールのフリー回転が制動されるようにすることで、左手と右手の持ち替え時間を省き、しかもサミングに依存することなく、効率よく釣りが行えるレバードラグ式の両軸受リールの提供。

【解決手段】ドラグレバー1をフリー回転位置に回動させたときにのみ、スプール4と一体回転する接触部41に摩擦抵抗力を与えるブレーキシュー7を有し、このブレーキシュー7と接触部41との摩擦抵抗力によってスプール4のフリー回転を制動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドラグレバーの回動操作で、左右フレーム間に遊転可能に支持されたスプールとクラッチ板とを接離させることにより、ハンドルの回転をスプールに伝達するとともに、回転伝達を切り離してスプールをフリー回転させる両軸受リールであって、上記ドラグレバーをフリー回転位置に回動させたときにのみ、スプールと一体回転する接触部に摩擦抵抗力を与えるブレーキシューを有し、このブレーキシューと接触部との摩擦抵抗力によってスプールのフリー回転を制動するようにしたことを特徴とする両軸受リール。
【請求項2】 上記ブレーキシューをスプールの貫通孔内に位置するスプールシャフトの外周面から放射方向に突出状に配し、接触部を貫通孔に一体的、且つブレーキシューと対向状に配していることを特徴とする請求項1に記載の両軸受リール。
【請求項3】 上記ブレーキシューと接触部との摩擦抵抗力が、強弱調節可能であることを特徴とする請求項1、又は、請求項2に記載の両軸受リール。
【請求項4】 上記ブレーキシューを、スプールシャフトに軸方向スライド可能、且つ接触部から離反する方向に付勢して設けるとともに、フレームに左右動可能に設けられた操作ノブの左右動に連動して左右動するようにしたことしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1項に記載の両軸受リール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドラグレバー式の両軸受リールに関し、詳しくは、ドラグレバーをフリー回転位置に回動すると自動的にスプールのフリー回転が制動される両軸受リールに関する。
【0002】
【従来背景】従来、ドラグレバー式の両軸受リールにおいては、ドラグレバーの回動により、スプールとクラッチ板を接離して、ハンドルの回転をスプールに伝達するとともに、その伝達を切り離してスプールがフリー回転するようにしている。
【0003】この両軸受リールは例えば図7に示す構造のものがある。この構造を説明すると、左右フレーム100,101間にスプールシャフト102が左右動可能に支持されており、右フレーム101に設けられたドラグレバー103の回動によって作動するカム機構104により左右動するようになっている。符号105はクラッチ板であり、軸受106を介してスプールシャフト102に遊転可能に支持されて、ハンドル107と一体回転するメインギア108と噛合ってスプールシャフト102上を遊転するピニオンギア109と一体回転するように連結されている。上記スプールシャフト102に、軸受110,111を介してスプール112が遊転可能に支持されている。上記スプール112は、スプールシャフト102の左端部に設けられた太径部の端部と軸受110との間に設けられた皿バネ群113と、軸受106,111間に設けられたスプリング114とで挟まれており、これによって、スプール112のフリー回転時のがたつきを防止している。そして、上記スプール112の右フランジ115には、ドラグ板116が固着されており、このドラグ板116がクラッチ板105に接触することで発生するドラグ力によって、クラッチ板105の回転がスプール112に伝わるようになっている。
【0004】このような構造においては、スプール112のフリー回転状態から、ドラグレバー103をハンドル巻き上げ状態に回動すると、カム機構104の作動によってスプールシャフト102が右フレーム101方向にスライドする。このスプールシャフト102は、上記皿バネ群113を介してスプール112を伴ってスライドするとともに、スプリング114の反発力に抗してスライドする。そして、スプールシャフト102に伴ってスライドしたスプール112のドラグ板116がクラッチ板105に接触してスプール112がハンドル巻上げ回転可能状態となる。この状態からドラグレバー103をフリー回転状態に回動すると、上記カム機構104の作動と上記スプリング114の反発力によって、スプールシャフト102がスプール112を伴って左フレーム100側へスライドし、ドラグ板116がクラッチ板105から離れて、スプール112がフリー回転可能状態となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ジグを落とすときには、ドラグレバー103をフリー回転位置に回動してスプール112をフリー回転させるが、このとき、スプール112を指で押さえてスプールが回転しないようにし、その状態を保持してドラグレバー103を回動し、スプール112から指を離してスプール112をフリー回転させている。例えばジギング釣りのように、釣竿を手で持ちながらキャストとリトリーブを繰り返す釣りでは、右ハンドルの場合で説明すると、左手でリール前方に位置する釣竿のグリップを持ち、右手でハンドル107を握ってリトリーブをするが、仕掛けを落としこむときには、左手をリール側に持ち替えて釣竿を落とさないように握りながらスプール112を押さえ、その状態で右手でドラグレバー103を回動させる。又、スプール112の過回転によるバックラッシュを防止するために、フリー回転しているスプール112のフランジや繰り出されるライン上をサミングするが、このとき、スプール112を押さえた左手をそのままに、右手で釣竿を握りながらスプール112をサミングし、上記左手を釣竿のグリップに持ち替えてジグをキャストする。そして、ジグが目的の棚に至ると同時にサミング力を大きくしてスプール112の回転を止め、再び左手をリール側に持ち替えてスプール112を押さえ、その状態で右手でドラグレバー103を回動させる。さらに、右手で釣竿を保持しながら左手でグリップを握り、右手をハンドル107に持ち替えてリトリーブする。この行動を一つのルーチンとして、キャストとリトリーブを繰り返している。
【0006】しかしながら、キャストからリトリーブを繰り返す毎に、左手と右手の位置を換えることが極めて面倒であり、又、手の位置を換える一つ々の時間はわずかであっても、この時間が積み重なると相当の時間となり、キャストとリトリーブの回数が釣果に影響するジギング釣りにおいてその効率の低下が顕著であった。さらに、サミングするとき、繰り出されるライン上、又は、スプールのフランジに指を押し当てるが、ライン上へのサミングの場合、勢いよく繰り出される指や爪によってラインを傷める可能性がある。しかも、スプール幅が広い場合にはラインの左右移動に伴う親指の移動が難しく、その移動によってラインへのサミング力が強弱してしまい適正なサミング操作が行なえないことがあった。又、スプール112へのサミングの場合、上記親指の移動によるサミング操作の難しさはないものの、フランジ115等に付着した水分や釣人自身が有する油脂分によって親指が滑りやすい。つまり、親指が滑った場合,スプール112の回転数によっては強いサミング力であっても、適正なスプール112の制動ができないことがあるし、サミング中における水分量や油脂分量の増減によって、スプール112に対する必要なサミング力が強弱変化してしまうので、適正なスプール112の制動が極めて難しいものであった。すなわち、サミングが確実に行なえないと、ジグをキャストする際に投入を失敗したり、バックラッシュの発生が生じたりしてしまい、釣果に大きな影響を与えてしまう可能性がある。
【0007】そこで本発明は、ドラグレバーをフリー回転位置に回動すると、自動的にスプールのフリー回転が制動されるようにすることで、左手と右手の持ち替え時間を省き、しかもサミングに依存することなく、効率よく釣りが行えるレバードラグ式の両軸受リールを提供することを目的とする。又、請求項2及び請求項4の発明は、上記目的に加えて、接触部の磨耗を減少させることにより、長期間に亘ってスプールの制動機能を保持できるようにすることを目的とする。又、請求項3及び請求項4の発明は、上記目的に加えて、フリー回転するスプールへの抵抗を強弱可能にして、スプールの回転数に応じた制動力を発揮できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために本発明が採用した技術的手段は、ドラグレバー1の回動操作で、左右フレーム2,3間に遊転可能に支持されたスプール4とクラッチ板5とを接離させることにより、ハンドル6の回転をスプール4に伝達するとともに、回転伝達を切り離してスプール4をフリー回転させる両軸受リールA,Bであって、上記ドラグレバー1をフリー回転位置に回動させたときにのみ、スプール4と一体回転する接触部41に摩擦抵抗力を与えるブレーキシュー7を有し、このブレーキシュー7と接触部41との摩擦抵抗力によってスプール4のフリー回転を制動するようにしたことを特徴とする両軸受リールA,Bにしたことである。 (請求項1)【0009】
【発明の実施の形態】本発明の両軸受リールAにおけるスプール4とクラッチ板5との接離は、スプール4がスライドしてクラッチ板5に対して接離する構造、又は、クラッチ板5がスライドしてスプール4に対して接離する構造のいずれも包含するが、具体的に例示するならば、図1に示すように、ドラグレバー1の回動操作で左右動するスプールシャフト8に伴って左右動するスプール4がクラッチ板5に接離することによって、ハンドル6の回転がスプール4に伝達されるとともに、回転伝達が切り離されてスプール4がフリー回転する両軸受リールAや、図5に示すように、巻き取り方向に回転し、逆方向には回転が阻止され、ドラグレバー1の回動操作で左右動するスプールシャフト8と一体に回転、且つ左右動するクラッチ板5Aがドラグ板44に接離することによって、ハンドル6の回転がスプール4に伝達されるとともに、回転伝達が切り離されてスプール4がフリー回転する両軸受リールBである。
【0010】上記摩擦抵抗力をスプール4に与える構成としては、図1乃至図4に示すように、ドラグレバー1をフリー回転位置に回動させたときにのみ、上記接触部41とブレーキシュー7が接触することによって摩擦抵抗力が発生するものが挙げられる。例えば、両軸受リールAの場合、スプール4が左右スライドすることによって、スプール4と一体回転する接触部41を定位置が保持されたブレーキシュー7に対して接触、離間させ、両軸受リールBの場合、スプールシャフト8が左右スライドすることによって、スプールシャフト8と一体回転するブレーキシュー7を定位置が保持された接触部41に対して接触、離間させる。又、両軸受リールBの場合においては、図5及び図6に示すように、スプールシャフト8にブレーキシューを設けて、常にブレーキシュー7と接触部41を接触させておく構成も挙げられる。つまり、巻き取り回転ではスプール4とスプールシャフト8が一体回転することから、ブレーキシュー7と接触部41は接触した状態で一体回転するので、両者間には摩擦が生じない。そして、スプール4のフリー回転では、スプール4のみが回転することによって、非回転のブレーキシュー7と回転する接触部41間に摩擦が発生する。
【0011】上記請求項1の発明によれば、ドラグレバー1をフリー回転位置に回動すると、自動的にブレーキシュー7と接触部41の接触による摩擦抵抗力がスプール4のフリー回転に作用し、ドラグレバー1を回転伝達方向に回動させると、自動的に摩擦抵抗力が解除されるようにした両軸受リールA,Bであるので、キャストからリトリーブ、そして再びキャストする一つのルーチンにおいて、一々、釣竿を握る手を持ち替えてスプール4を押さえたりする必要がなく、しかもボトム釣りの際のジグの落とし込み時においてサミングをする必要もない。したがって、左手と右手の持ち替え時間を省き、しかもサミングに依存することがないので効率よく釣りが行える。
【0012】上記ブレーキシュー7と接触部41の位置としては、両軸受リールAであれば、スプールがフリー回転時にスライドする方向に面するフレーム内に配設することが挙げられ、スプールがフリー回転方向へスライドしたときにスプールフランジ(接触部)に接触し、両軸受リールBであれば、スプールのスプールフランジ(接触部)と対面するクラッチ板の面に配設することが挙げられ、クラッチ板が右方向にスライドしたときにスプールフランジに接触する。
【0013】又、両軸受リールA、Bともに、図1乃至図6に示すように、ブレーキシュー7をスプール4の貫通孔42内に位置するスプールシャフト8の外周面から放射方向に突出状に配し、接触部41を貫通孔42に一体的、且つブレーキシュー8と対向状に配することが挙げられる。(請求項2)
請求項2の発明によれば、ブレーキシュー7がスプール4の回転中心近くにある接触部41で接触してスプール4のフリー回転に抵抗を与えることになる。すなわち、ブレーキシュー7が接触する部位のスプール1回転毎の距離が、スプール4のスプールフランジに接触するときにおけるその接触部位のスプール1回転毎の距離に比べて短くなる。したがって、ブレーキシャフト7がスプール4のスプールフランジに接触する構造とのものとスプール4の回転数が同回転数である場合において、接触部41に対するブレーキシュー7の接触総距離が大幅に短くなるので、ブレーキシュー7及び接触部41の磨耗を低減することができる。
【0014】又、請求項3の発明では、上記ブレーキシュー7を、接触部41に対して離間接近、又は、接触圧力を強弱可能に配設したことを特徴としている。すなわち、ブレーキシュー7の位置を接触部41に対して接近させ、又は、接触部41に対する接触圧力を強くすれば、スプール4、又は、スプールシャフト8がフリー回転位置にスライドしたとき、接触部41に与える摩擦抵抗力が強くなり、逆に離間させ、又は、接触圧力を弱くすればスプール4、又は、スプールシャフト8がフリー回転位置にスライドしたとき、接触部41に与える摩擦抵抗力が弱くなる。したがって、スプール4の回転速度に応じてブレーキシュー7と接触部41との摩擦抵抗力を強弱することができる。この場合、フレームの外側からブレーキシュー7を左右動操作する操作体10を設けることが好適であり、例えば、フレームに左右動可能にねじ込んだり、押し引きによって左右動させたりする構成により達成できる。又、ブレーキシューをスプールのスプールフランジと対面するクラッチ板の面に配設したものである場合、厚みの異なるブレーキシューを用意して、任意にこれを交換することによって、スプールフランジに接近離間させる。(例えば,両軸受リールBの構造)
【0015】請求項4の発明は、上記ブレーキシュー7を、スプールシャフト8に軸方向スライド可能、且つ接触部41から離反する方向に付勢して設けるとともに、フレーム(図面では左フレーム2)に左右動可能に設けられた操作ノブ10の左右動に連動するようにしたことによって、ブレーキシュー7を接触部41に対して離間接近、又は、接触圧力を強弱することを特徴としている。このブレーキシュー7の作動は、操作ノブ10を操作して図面上右側へ移動させると、その移動に連動してブレーキシャフト7が右側に移動して接触部41に接近、又は、接触部41に対する接触圧力が強くなる。そして、操作ノブ10を操作して図面上左側へ移動させると、付勢力によって操作ノブの移動に連動してブレーキシュー7が左側に移動して接触部41から離反、又は、接触部41に対する接触圧力が弱くなる。したがって、請求項4の発明では、ブレーキシュー7及び接触部41の磨耗を減少させることができるとともに、フリー回転するスプール4への抵抗を強弱可能にすることができる。
【0016】
【実施例1】以下、本発明の実施例1を図面に基づいて説明すると、図1乃至図4は本発明に係る両軸受リールAを例示している。本実施例の両軸受リールAは、左右フレーム2,3間に支持されたスプールシャフト8が、ドラグレバー1によって作動するカム機構Cにより左右動するようになっている。符号5はクラッチ板であり、軸受B1を介してスプールシャフト8に遊転可能に支持されて、ハンドル6と一体回転するメインギアMと噛合ってスプールシャフト8を遊転するピニオンギアPと一体回転するように連結されている。上記スプールシャフト8に、軸受B2,B3を介してスプール4が遊転可能に支持されている。上記スプール4は、スプールシャフト8の左端部に固着されたキャップ部84と軸受B2との間に設けられた皿バネ群S2と、軸受B3,B1間に設けられたスプリングS3とで挟まれており、これによって、スプール4のフリー回転時のがたつきを防止している。そして、上記スプール4の右フランジ43には、ドラグ板44が固着されており、このドラグ板44がクラッチ板5に接触することで発生するドラグ力によって、クラッチ板5の回転がスプール4に伝わるようになっている。
【0017】符号7はブレーキシューであり、略細長板状に形成されてスプールシャフト8に左右スライド可能に配されている。具体的には、上記スプールシャフト8の周面に、径方向に貫通し側面において軸方向に長い長孔状のスライド孔81が形成されており、このスライド孔81にブレーキシュー7が左右動可能に嵌合されている。このブレーキシュー7の両端はスライド孔81の両側から突出し、スプール4の貫通孔42に配設された接触部41と対向している。符号9は、スライドシャフトであり、円柱状に形成されて、スプールシャフト8の左端面から軸方向に、上記スライド孔81を越えた深さに形成されたスライド凹部82に軸方向スライド可能に挿入されており、右端部91がブレーキシュー7に固定されている。又、左端部92は、左フレーム2に開口された開口部21に左右動可能にねじ込んだ操作ノブ10に連結されており、具体的には、操作ノブ10の端面に設けられた凹部11の側壁面12に当接させて遊嵌合している。符号S1はばねであり、上記ブレーキシュー7とスライド凹部82の側壁面821との間に位置しており、スライドシャフト9を操作ノブ10側に付勢して、左端面部92を側壁面12に押し付けている。この構成によって、図3に示すように操作ノブ10を一方向へ回動させると該操作ノブ10が右方向に移動する。すると、スライドシャフト9が移動する操作ノブ10に押されて同方向に移動し、スライドシャフト9と一体のブレーキシュー7が接触部41に接近する。又、操作ノブ10を他方向に回動させると該操作ノブ10が左方向に移動する。すると、スライドシャフト9がばねS1の付勢力により、操作ノブ10の移動に伴って同方向に移動し、スライドシャフト9と一体のブレーキシュー7が接触部41から離間する。この構成によって、スプール4の回転数に応じた摩擦抵抗力を強弱調節することができる。上記スライド孔81の長さは、ブレーキシュー7が接触板41に対して接近離間するときに影響がない長さであるとともに、最も離間したときにおいてスプール4がフリー回転位置にある場合、接触板41がブレーキシュー7に接触しない位置となる長さである。
【0018】上記接触部41はスプール4と一体回転するように軸受B3が嵌合する貫通孔42の大径部45に左右スライド可能に挿入されている。具体的には、接触部41は、大径部45に適合する径の略円盤状を呈し、図面上縁部の上下2箇所に突起411,411を形成してある。そして、接触部41は、上記大径部43の内周面における図面上上下2箇所に形成された嵌合溝451,451に、突起411,411を嵌合した状態で大径部43に挿入され、大径部43の段部46と軸受B3に挟まれるとともに、ばねS3の付勢力によって常に段部46に押し付けられている。この構成によって、接触部41がスプール4と一体回転する。又、ブレーキシュー7との距離が、スプール4がフリー回転位置に至るスライド量よりも短いときに、接触部41がブレーキシュー7に押されて右方向にスライドし、スプール4のスライド量を確保する。
【0019】本実施例の両軸受リールAは上記構成により、ドラグレバー1をフリー回転位置に回動させると、カム機構Cによりスプールシャフト8とスプール4が左側に移動し、スプール4とクラッチ板5とが離間するとともに、接触板41がブレーキシュー7に接触して、スプール4のフリー回転に制動を与える。そして、ドラグレバー1をハンドル巻き取り位置に回動させると、カム機構Cによりスプールシャフト8とスプール4が右側に移動し、ドラグ板44とクラッチ板5とが接触するとともに、接触板41がブレーキシュー7から離間して、ハンドル6の回転がスプール4に伝達される。
【0020】
【実施例2】次に、本発明の実施例2を図5及び図6に基づいて説明すると、本実施例の両軸受リールBは、図に示すように、左右フレーム2,3間に支持されたスプールシャフト8が、ドラグレバー1によって作動するカム機構Cにより左右動するとともに、ハンドル6と一体回転するメインギアMと噛合うピニオンギアPと一体回転するようになっていて、巻き取り方向にのみ回転するようになっている。上記スプールシャフト8には、軸受B2,B3を介してスプール4が遊転可能に支持されている。又、スプールシャフト8の左フレーム2側には、該スプールシャフト8と一体回転する2枚のクラッチ板5A,5Bが支持されており、スプールシャフト8の左右スライドによりクラッチ板5Aがクラッチ板5Bに対して接近離間するようになっている。又、クラッチ板5A,5B間には、ばねS4が両クラッチ板を離間させる方向に付勢力を作用させて、離間状態を保持するように介在してある。そしてクラッチ板5A,5Bの間には、スプール4と一体回転するドラグ板44があり、ドラグレバー1をハンドル巻取り方向へ回動すると、クラッチ板5Aがスプールシャフト8の左側へのスライドによってクラッチ板5Bに近接し、このクラッチ板5A,5Bでドラグ板44を挟むことによって、ハンドルの回転がスプール4に伝達される。又、ドラグレバー1をフリー回転位置に回動すると、スプールシャフト8が右側にスライドするとともに、ばねS4の付勢力によってクラッチ板5Aがクラッチ板5Bから離間することによって、ドラグ板から44両クラッチ板が離れて、スプール4がフリー回転するようになっている。
【0021】本実施例における接触部41とブレーキシュー7の配設形態は、上記実施例1と基本的には同様であるため、異なっている点のみを説明する。本実施例における接触部41は、図示するように大径部45に嵌め込まれたクリップリング47で抜止された軸受B3と、段部46とで挟まれて定位置が保持されている。本実施例では、ブレーキシュー7を接触部41に対して常に接触させており、スプール4のフリー回転時において摩擦が生じるようにしてある。つまり、巻き取り回転ではスプール4とスプールシャフト8が一体回転することから、ブレーキシュー7と接触部41は接触した状態で一体回転するので、両者間には摩擦が生じない。そして、スプール4のフリー回転では、スプール4のみが回転することによって、非回転のブレーキシュー7と回転する接触部41間に摩擦が発生する。
【0022】又、スプールシャフト8が回転することから、スライドシャフト9と操作ノブ10との連結形態を図6に示すようにしている。具体的には、スライドシャフト9の左端部を小径とするとともに、その小径部91に軸受B5を嵌合してあり、この軸受B5を、小径部91にしたことによって形成された段部92に軸受B5の右側端部を当接させた状態で、操作ノブ10の凹部11に嵌合してある。上記凹部11は2段上に形成され、この凹部11の大径凹部111に軸受B5を嵌合し、段部112に軸受B5の左側端部を当接させている。上記凹部11の小径凹部113は、スライドシャフト9の小径部91よりも大径、且つ軸受B5のから突出したスライドシャフト9の突出量よりも深く形成されている。つまり、スライドシャフト9は、軸受B5を介して操作ノブ10に支持されて、しかも、操作ノブ10に一切接触していない。すなわち、操作ノブ10を一方向に回動させて右方向に移動させると、軸受B5が段部112で押され、その軸受B5がスライドシャフト9を右方向にスライドさせることにより、ブレーキシュー7の接触部41に対する接触圧力が強くなる。又、操作ノブ10を方向に回動させて左方向に移動させると、ばねS1の付勢力によってスライドシャフト9が左側にスライドしてブレーキシュー7の接触部41に対する接触圧力が弱くなる。この構成によって、スプール4の回転数に応じた摩擦抵抗力を強弱調節することができるとともに、スプールシャフト8を軸受B5によって抵抗なくスムースに回転させることができる。
【0023】本実施例における両軸受リールAは上記構成により、ドラグレバー1をフリー回転位置に回動させると、カム機構Cによりスプールシャフト8が左側に移動し、ドラグ板44からクラッチ板5A,5Bが離間してスプール4がフリー回転し、スプール4と一体回転する接触部41とブレーキシュー7間に接触摩擦力が発生してして、スプール4のフリー回転に制動を与える。そして、ドラグレバー1をハンドル巻き取り位置に回動させると、カム機構Cによりスプールシャフト8が右側に移動し、ドラグ板44をクラッチ板5A,5Bが挟み、接触板41とブレーキシュー7が接触した状態で、ハンドル6の回転がスプール4に伝達される。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、ドラグレバーをフリー回転位置に回動すると、自動的にスプールのフリー回転が制動されるものであるので、左手と右手の持ち替え時間を省き、しかもサミングに依存することなく、効率よく釣りが行えるレバードラグ式の両軸受リールを提供することができる。又、ブレーキシューがスプールシャフトの軸心に位置しているので、スプールのスプールフランジに接触する構造とのものとスプール4の回転数が同回転数である場合において、接触部に対するブレーキシューの接触する総距離が大幅に短くできるため、ブレーキシューの磨耗を低減することができる。したがって、接触部の磨耗が少ないので、長期間に亘ってスプールの制動機能を保持することができる。又、ブレーキシューを接触部に対して接近離間可能、又は、接触圧力を強弱可能にしたことによって、フリー回転するスプールへの抵抗を強弱可能にしたので、スプールの回転数に応じた制動力を発揮させることができる。したがって、回転数が低ければ制動力を弱くし、高ければ強くすることにより、常にバックラッシュの危険性がない安定したスプール回転が実現する。
【出願人】 【識別番号】000128946
【氏名又は名称】マミヤ・オーピー株式会社
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100068607
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 政名 (外3名)
【公開番号】 特開2001−340042(P2001−340042A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−163599(P2000−163599)