| 【発明の名称】 |
活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具及び活魚のプラスチック袋式輸送方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】越川 禎士
【氏名】石原 孝雄
【氏名】田中 宏和
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| 【要約】 |
【課題】魚の呼吸により輸送用プラスチック袋内に生じた炭酸ガスを確実に吸収し、輸送用プラスチック袋内の炭酸ガス濃度の上昇による魚の活力の低下やへい死を防止することができる活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具及び活魚のプラスチック袋式輸送方法を提供すること。
【解決手段】水及び気体を透過させない軽量材料で成形され、上端に開口部を有していて水面に浮遊させることができる容器本体と、該容器本体内に上部空間が形成される程度の量で収容されたアルカリ土類金属水酸化物からなる炭酸ガス吸収剤と、該炭酸ガス吸収剤が前記上部空間側に移動しないように中蓋状に設けられた通気性を有する押さえ部材と、前記容器本体の開口部を覆うように配置され、常圧で水を通さない気体透過性材料からなるシール部材とからなり、水面での浮遊状態で転倒、転覆しても浮力によりシール部が常に上面側に位置するように復元する位置に重心を有している活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具及びそれを使った輸送方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水及び気体を透過させない軽量材料で成形され、上端に開口部を有していて水面に浮遊させることができる容器本体と、該容器本体内に上部空間が形成される程度の量で収容されたアルカリ土類金属水酸化物からなる炭酸ガス吸収剤と、該炭酸ガス吸収剤が前記上部空間側に移動しないように中蓋状に設けられた通気性を有する押さえ部材と、前記容器本体の開口部を覆うように配置され、常圧で水を通さない気体透過性材料からなるシール部材とからなり、水面での浮遊状態で転倒、転覆しても浮力によりシール部が常に上面側に位置するように復元する位置に重心を有していることを特徴とする活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具。 【請求項2】 水及び気体を透過させない軽量材料がプラスチック材であることを特徴とする請求項1記載の活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具。 【請求項3】 押さえ部材が炭酸ガス吸収剤よりも低比重の通気性材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具。 【請求項4】 炭酸ガス吸収剤よりも低比重の通気性材料がスポンジ状材料であることを特徴とする請求項3記載の活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具。 【請求項5】 容器本体がフランジ部付きのカップ状をなしていて該フランジ部にシール部材が貼着されている請求項1記載の活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具。 【請求項6】 容器本体がフランジ部付きの、底部の径の対する上部の径の比率が1.1〜1.3倍であり、高さに対する上部の径の比率が1.10〜1.85倍である逆円錐台状又は逆多角錘台状である請求項5記載の活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具。。 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項記載の活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具を輸送用プラスチック袋内の水面に浮遊させることを特徴とする活魚のプラスチック袋式輸送方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、活魚のプラスチック袋式輸送用の炭酸ガス吸収具とこの炭酸ガス吸収具を用いて活魚の活力低下やへい死を防止する活魚のプラスチック袋式輸送方法に関する。 【0002】 【従来の技術】食用の天然魚や養殖魚、あるいは観賞魚等を生きたまま輸送する活魚の輸送方法の一つとしてプラスチック袋式輸送方法がある。この方法は、プラスチックフィルム袋に水と活魚をいれ、ヘッドスペースのある状態で密封し、更に段ボール箱などに入れて輸送する方法であって、小規模、短時間の輸送に用いられる。 【0003】プラスチック袋式輸送方法は簡便で低コストな方法であるため、各種の養殖魚、天然魚、あるいは観賞魚の輸送に広く用いられている。しかしプラスチック袋式輸送方法では、輸送中の水温、溶存酸素濃度、水質をコントロールすることができないため、24時間以内の輸送でも、輸送中の魚の活力低下やへい死が発生しやすいという問題がある。そのため従来のプラスチック袋式輸送方法では、輸送中の魚の活力低下やへい死を防ぐため、魚と共に密封する水の温度を下げたり、ヘッドスペース部に酸素ガスを封入したり、餌止めするといった様々な工夫が施されている。 【0004】しかし、これらの手段を用いても、魚の呼吸により輸送用プラスチック袋内の炭酸ガス濃度が上昇することに伴う活魚の活力低下やへい死を防ぐことは難しく、特に気温が上昇する夏場や、24時間以上を要する遠方への輸送の場合は、活力が低下したり死滅する魚が多く発生し、活魚の商品価値がなくなってしまうという問題があった。 【0005】このような活魚のプラスチック袋式輸送方法の問題点に対処するために、アルカリ土類金属水酸化物を、常圧で水を通さないプラスチック製の気体透過性材料により包装してなる炭酸ガス吸収剤を活魚の輸送用プラスチック袋内に封入する活魚のプラスチック袋式輸送方法とそのための炭酸ガス吸収剤が提案されている(特開平10−286457号)。この炭酸ガス吸収剤及びこの炭酸ガス吸収剤を用いた活魚のプラスチック袋式輸送方法は、魚の活力の低下・へい死を有効に防止できて優れた効果を発揮している。 【0006】ところが、前記炭酸ガス吸収剤を輸送用プラスチック袋内に密封するに際し、該炭酸ガス吸収剤を輸送用プラスチック袋のヘッドスペース内に位置するように確実に保持させておくための手段として適切なものがなく、例えば、炭酸ガス吸収剤を輸送用プラスチック袋のヘッドスペースの内壁面に貼り付ける手段では手間がかかるばかりでなく、貼り付けたとしてもその輸送用プラスチック袋を段ボール箱などに梱包すると輸送用プラスチック袋の傾きや折れ曲りによりヘッドスペース部の位置が変わり、炭酸ガス吸収剤が水中に没してしまうなどして、炭酸ガス吸収が不充分となる恐れがあった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のような単なるプラスチック袋式輸送方法の欠点を解消すると共に炭酸ガス吸収剤を用いたプラスチック袋式輸送方法の利点を有効に活用することができる活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具とこの炭酸ガス吸収具を用いた活魚のプラスチック袋式輸送方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具は、請求項1記載のものにおいては、水及び気体を透過させない軽量材料で成形され、上端に開口部を有していて水面に浮遊させることができる容器本体と、該容器本体内に上部空間が形成される程度の量で収容されたアルカリ土類金属水酸化物からなる炭酸ガス吸収剤と、該炭酸ガス吸収剤が前記上部空間側に移動しないように中蓋状に設けられた通気性を有する押さえ部材と、前記容器本体の開口部を覆うように配置され、常圧で水を通さない気体透過性材料からなるシール部材とからなり、水面での浮遊状態で転倒、転覆しても浮力によりシール部が常に上面側に位置するように復元する位置に重心を有していることを特徴とする。 【0009】請求項2記載のものにおいては、水及び気体を透過させない軽量材料がプラスチック材であることを特徴とする。請求項3記載のものにおいては、押さえ部材が炭酸ガス吸収剤よりも低比重の通気性材料で形成されていることを特徴とする。 【0010】請求項4記載のものにおいては、炭酸ガス吸収剤よりも低比重の通気性材料がスポンジ状材料であることを特徴とする。請求項5記載のものにおいては、容器本体がフランジ部付きのカップ状をなしていて該フランジ部にシール部材が貼着されていることを特徴とする。請求項6記載のものにおいては、容器本体がフランジ部付きの逆円錐台状又は逆多角錐台状をなしていることを特徴とする。 【0011】本発明の活魚のプラスチック袋式輸送方法は、請求項1〜6のいずれか1項記載の活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具を輸送用プラスチック袋内の水面に浮遊させることを特徴とする。 【0012】活魚のプラスチック袋式輸送方法において、プラスチックフィルム袋内に水と魚と、通常は更に酸素ガスを入れ、炭酸ガス吸収具を投入して密封する。投入された炭酸ガス吸収具は容器本体内の底部側に炭酸ガス吸収剤が収容されて容器本体の上部空間側に移動したりしないように押さえ部材で保持されており、重心が常に容器本体の底部側にあるようになっているから、容器本体の上端開口部が常時上を向く姿勢で水面に浮遊し、転覆したりすることはない。また、仮に転倒、転覆の姿勢になっても起きあがりこぼし状に復元する。炭酸ガス吸収具を投入して密封された輸送用プラスチック袋は段ボール箱などに詰められて輸送される。 【0013】容器本体内の炭酸ガス吸収剤は押さえ部材及びシール部材を介して輸送用プラスチック袋のヘッドスペース部と通気できるから、魚の呼吸により輸送用プラスチック袋内のヘッドスペース部に貯留した炭酸ガスを吸収し、輸送用プラスチック袋内の炭酸ガス濃度の上昇による魚の活力の低下やへい死を防止することができる。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明に係る活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具及びこの炭酸ガス吸収具を用いた活魚のプラスチック袋式輸送方法の実施例を図1及び図2に基づいて説明する。 【0015】図1は活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具の例を示す断面図であり、この炭酸ガス吸収具10は、プラスチック材などの軽量材料で且つ水も気体も透過させない材料で成形され上端に開口部2を有していて水面に浮遊させることができる容器本体1と、該容器本体1内に上部空間3が形成される程度の量で収容されたアルカリ土類金属水酸化物等の炭酸ガス吸収剤4と、該炭酸ガス吸収剤4が前記上部空間3側に移動しないように中蓋状に設けられた押さえ部材5と、前記容器本体1の開口部2を覆うように配置され、常圧で水を通さない気体透過性材料からなるシール部材6とで構成されている。 押さえ部材5は多孔の隔壁であってもよいが、詰め物として構成する場合には前記炭酸ガス吸収剤4よりも低比重で通気性のよいもの、例えば、実施例で使用されているスポンジ状材料などが好適である。 【0016】前記容器本体1はプラスチック材などの、軽量で水も気体も透過させない材料により射出成形や絞り成形によってカップ状に成形され、開口縁にフランジ部1aが設けられている。このフランジ部1aの存在により容器本体1がより安定的に水面に浮遊すると共に前記シール部材6の貼着部となる。ここで、「気体を透過させない」とは、完全に気体を透過させないということではなく、例えば酸素透過度が3000ml/m2 ・atm・24h程度以下のものを意味する。また、「カップ状」とは、逆円錐台状又は逆多角錘台状を意味し、底部の径の対する上部の径の比率が1.1〜1.3倍であり、高さに対する上部の径の比率が1.10〜1.85倍、特に1.24〜1.70倍であるものが好ましい。但し、底面は必ずしも平面である必要はなく、多少の膨らみを有していても差し支えない。前記炭酸ガス吸収剤4はアルカリ土類水酸化物からなり、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウムが用いられる。水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウムは、炭酸ガスの吸収速度を確保するため粉末又は顆粒になっている。 【0017】この炭酸ガス吸収剤4を容器本体1内に充填するが、上部空間3が形成される程度に充填して重心を下げるようにする。上部空間は、容器本体の高さの5%以上であることが、好ましい。これは容器本体が転覆したりしないで安定的に水面に浮遊するようにするためである。しかし、前記上部空間3が形成されたままの状態では容器本体1が傾いたり転覆した際に炭酸ガス吸収剤4が上部空間3側に移動し、傾いたり転覆したままの状態で浮遊することとなるから、この炭酸ガス吸収剤4が上部空間3側に移動しないように、押さえ部材5を配置する。この押さえ部材5を詰め物として構成する場合には通気性を有すると共に前記炭酸ガス吸収剤4よりも比重の小さい材料のものである必要があり、実施例ではスポンジ体を円盤状に形成したものを用いた。 【0018】前記のようにして押さえ部材5を挿入した後、開口部2をシールするが、このシール部材6は常圧で水を通さない気体透過性材料のものである。このシール部材6の材料としては前記特開平10−286457号公報に示されている炭酸ガス吸収剤におけるプラスチック製の気体透過性材料をそのまま使用することができる。 【0019】前記特開平10−286457号公報に示されている炭酸ガス吸収剤においては、包装袋としてプラスチック製の気体透過性材料が使用され、プラスチック製の気体透過性材料としてガーレー式透気度(JIS P8117 )が0.1〜3000秒/空気100ml、好ましくは1〜1000秒/空気100mlであり、かつ常圧で水を通さないマイクロポーラスフィルム又は不織布を用いた気体透過性材料が用いられている。マイクロポーラスフィルムは、0.01〜50μmの微細孔を有するポリオレフィン製のフィルムであり、異物を含有するフィルムの延伸やフィルムへの電子線照射などの方法により製造される。また、不織布は、ポリオレフィン繊維の束の交錯分散後の熱プレスによってその長繊維同士を接合させたものである。マイクロポーラスフィルムや不織布は、そのままあるいは補強やシール性付与のため他のフィルムをラミネートさせた材または熱接着性を有するメルト剤を塗布した材が用いられる。プラスチック製の気体透過性材料としては、たとえば、「NFシート」(トクヤマ製)、「FPー2」(三菱化学製)、「NOP」(日本石油化学製)、「セルボアNWO1」(積水化学工業製)、「タイベック」(デュポン製)、「エルベス」(ユニチカ製)、「ルクサー」(旭化成製)等が例示される。 【0020】前記のような材料からなるシール部材6を容器本体1のフランジ1aに貼着して図1に示すような活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具10が完成する。 【0021】活魚のプラスチック袋式輸送方法として、図2に示すように、プラスチックフィルム袋11にヘッドスペース12が形成されるように水Wと魚Fと、通常は更に酸素ガスを入れ、前記炭酸ガス吸収具10を投入して密封13する。この状態で段ボール箱などに詰められて輸送されるが、投入された炭酸ガス吸収具10は常に水面に浮遊し、箱詰めなどに際して輸送用プラスチック袋が傾いたり折れ曲げられたりしても容器本体1の開口部2側(シール部材6側)が常時上向きになって転覆することはない。 【0022】 【発明の効果】本発明の活魚のプラスチック袋式輸送用炭酸ガス吸収具によれば、プラスチックフィルム袋内に水と魚を入れ、炭酸ガス吸収具を投入して密封すると、投入された炭酸ガス吸収具は容器本体内の底部側に炭酸ガス吸収剤が収容されていると共に炭酸ガス吸収剤が容器本体の上部空間側に移動しないように押さえ部材で保持されており、重心は常に容器本体の底部側にあるから、容器本体の上端開口部が常時上を向く姿勢で水面に浮遊し、転覆したりすることはない。 【0023】容器本体内の炭酸ガス吸収剤は押さえ部材及びシール部材を介して輸送用プラスチック袋のヘッドスペース部と通気できるから、魚の呼吸により輸送用プラスチック袋内に生じた炭酸ガスを吸収し、輸送用プラスチック袋内の炭酸ガス濃度の上昇による魚の活力の低下やへい死を防止することができる。 【0024】本発明の活魚のプラスチック袋式輸送方法によれば、プラスチックフィルム袋に水と魚を入れ、炭酸ガス吸収具を投入するだけで活魚の活力低下を防止することができ、炭酸ガス吸収剤を貼り付けたりする手間を要しないと共に輸送用プラスチック袋を箱詰めするに際して該輸送用プラスチック袋が傾いたり折れ曲がったりしてヘッドスペース部の状態が変化しても常に炭酸ガス吸収具の上面側が輸送用プラスチック袋のヘッドスペース部で上向きとなるようにでき、輸送梱包作業を簡単且つ迅速に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500251825 【氏名又は名称】エージレスサービスセンター株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月31日(2000.5.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078732 【弁理士】 【氏名又は名称】大谷 保
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| 【公開番号】 |
特開2001−340040(P2001−340040A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月11日(2001.12.11) |
| 【出願番号】 |
特願2000−161940(P2000−161940) |
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