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【発明の名称】 漂流検知可能な中層浮魚礁
【発明者】 【氏名】鷺澤 栄二郎

【氏名】市川 正和

【要約】 【課題】海底3に沈設されたアンカー部4に、係留索5を介して海中の中層部に浮遊状態で係留する中層浮魚礁1について、電源管理に手間がかかりしかも電波発信器11が損傷されやすいという問題を解消しつつ電波発信器11による漂流検知を可能にする。

【解決手段】中層魚礁1が海中の中層部に係留されているときは発信作動せず、係留が解除されて浮上したときに発信作動する電波発信器11を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 係留位置では発信作動せず、係留が解除されて浮上したときに発信作動する電波発信器を有することを特徴とする漂流検知可能な中層浮魚礁。
【請求項2】 中層浮魚礁に取り付けられ、中層浮魚礁の係留位置では発信作動せず、係留が解除されて浮上したときに発信作動する電波発信器と、この電波発信器の発信を検知して中層浮魚礁の浮上を知らせる電波受信器とを有することを特徴とする漂流検知可能な中層浮魚礁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海底に沈設されたアンカー部に、係留索を介して海中の中層部に浮遊状態で係留する中層浮魚礁であって、係留索の破断により漂流したときに警報を発する中層浮魚礁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、海底に沈設したアンカー部に、係留索を介して海面上に浮かせて係留する海面浮魚礁については、その上部に電波発信器を設けておき、この電波発信器から一定時間毎に発信される電波を、例えば通信衛星などを介して陸上でキャッチすることで、海面浮魚礁の位置を常に監視できるようにすることが行われている。これは係留索の破断による海面浮魚礁の漂流に備えたもので、係留索が破断して海面浮魚礁が漂流すると、陸上でキャッチされる海面浮魚礁の位置がずれることから、これによって漂流を検知することができ、また漂流位置も判ることから、その回収も容易となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記電波発信器を備えた海面浮魚礁の場合、一定時間毎に電波発信器を発信作動させなければならないことから、一定期間毎に電源を交換したり、太陽光などで充電する必要があり、電源の管理に手間がかかる問題がある。また、電波発信器が、風浪にさらされる海面上に位置することから、損傷されやすいという問題もある。
【0004】一方、海底に沈設されたアンカー部に、係留索を介して海中の中層部に浮遊状態で係留する中層浮魚礁についても、その係留索が破断した場合には漂流を生じる。このため、中層浮魚礁に連結索で連結されたブイなどの浮体を海面上に浮遊させ、この浮体に電波発信器を取り付けておくことが考えられる。このようにすれば、係留索が破断して中層浮魚礁が漂流すると、連結索で連結された浮体も漂流して位置が変わることから、前記従来の海面浮魚礁と同様にして漂流を検知することができる。
【0005】しかしながら、上記のようにして中層浮魚礁の漂流を検知できるようにしても、電源管理に手間がかかる問題や電波発信器が損傷されやすいという問題が残される。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、海底に沈設されたアンカー部に、係留索を介して海中の中層部に浮遊状態で係留する中層浮魚礁について、電源管理に手間がかかりしかも電波発信器が損傷されやすいという問題を解消しつつ電波発信器による漂流検知を可能にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このために本発明の第1は、係留位置では発信作動せず、係留が解除されて浮上したときに発信作動する電波発信器を有することを特徴とする漂流検知可能な中層浮魚礁を提供するものである。
【0008】また、本発明の第2は、中層浮魚礁に取り付けられ、中層浮魚礁の係留位置では発信作動せず、係留が解除されて浮上したときに発信作動する電波発信器と、この電波発信器の発信を検知して中層浮魚礁の浮上を知らせる電波受信器とを有することを特徴とする漂流検知可能な中層浮魚礁を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1及び図2に基づいて本発明の一例を説明する。
【0010】図中1は中層浮魚礁で、図示されるように、海面2と海底3間の中層領域に浮遊した状態で、例えばコンクリート構造物などの重量物であるアンカー部4に係留索5で係留されている。
【0011】中層浮魚礁1は、魚礁本体6の内部に浮体7を取り付けたものとなっている。
【0012】魚礁本体6は、中心軸方向に所要の間隔で位置する複数の支持リング8をつないで複数本の骨組索体9を設けると共に、この支持リング8と骨組み索体9とを囲んで網状物10を取り付けた筒状体となっている。支持リング8は、例えば繊維強化プラスチックや防食処理を施した金属などで構成された環状体で、魚礁本体6の径方向の骨格をなすものである。骨組索体9は、例えば合成繊維ロープや防食処理を施した金属ワイヤーなどで構成された線材で、魚礁本体6の長さ方向の骨格をなすものである。網状物10は、漁網様のもので、魚礁本体6に藻や微生物の繁殖を促す表面積を付与するものである。
【0013】浮体7は、例えば繊維強化プラスチックや紡織処理を施した金属で構成された中空密閉容器状のもので、本中層浮魚礁1全体を浮揚させるに充分な浮力を有するものとなっている。
【0014】係留索5は、上記骨組索体9を束ねたものでも、骨組索体9と連結した別の線材であってもよい。
【0015】本中層浮魚礁1の上部に位置する浮体7部分には、電波発信器11が取り付けられている。この電波発信器11は、中層浮魚礁1が係留位置にあるときには中層浮魚礁1と共に海中の中層部に没しており、発信作動はしておらず、休止状態にある。ここで係留位置とは、中層浮魚礁1が浮遊状態で係留されるべき海中の中層領域をいう。
【0016】一方、中層浮魚礁1は、係留索5が破断すると係留が解除され、その浮体7の浮力によって海面2へと浮上する(図2参照)。浮体7に取り付けられている電波発信器11は、中層浮魚礁1の係留が解除されて浮上すると共に浮上して発信作動し、アンテナ12より電波信号を発信する。電波発信器11は、中層浮魚礁1が海面2上に浮上したときに、少なくともそのアンテナ12が海面2上に露出する位置に取り付けられているものである。
【0017】上記浮上に伴う電波発信器11の発信作動は、例えば浮上に伴う圧力変化に基づいて電源スイッチが入るようにしておくことによって行うことができる。また、場合によっては、海中の中層領域から海面2へと浮上したときの光の感知によって電源スイッチを入れて発信作動させることもできる。
【0018】中層浮魚礁1に取り付けられた電波発信器11は、この電波発信器11の発信を検知して中層浮魚礁1の浮上を知らせる電波受信器(図示されていない)と組み合わされて漂流検知装置を構成するものである。電波受信器は、通常、陸地に設置されるもので(船に設置することもできる)、電波発信器11の発信を、直接もしくは衛星などを介して受信し、中層浮魚礁1の漂流を知らせるものである。また、電波受信器は、中層浮魚礁1の漂流を知らせるだけでなく、その漂流位置をも知らせるものとすると、回収が容易となる。
【0019】次に、図3及び図4に基づいて本発明の他の例を説明する。尚、図1及び図2と同じ符号は同様の部材を示す。
【0020】本例における中層浮魚礁1は、骨組索体9と網状物10で構成された魚礁本体6と、魚礁本体6内に包まれるようにして収納された多数の浮体7とから構成されている。
【0021】本例のような中層浮魚礁1の場合、係留索5が破断して係留が解除されると、図4に示されるように、海面2上に展開した状態となる。また、浮体7も比較的小型であることから、浮体7に直接電波発信器11を取り付けておいたのでは、中層浮魚礁1の係留が解除されて浮上したときに、アンテナ12を確実に海面2上に露出させにくくなる。このため、本例における電波発信器11は、中層浮魚礁1に連結された連結索13に補助浮体14を設け、この補助浮体14に電波発信器11を取り付けてある。このようにしておくことによって、中層浮魚礁1が漂流したときに、確実に電波発信器11のアンテナを12海面2上に露出させることができる。
【0022】本例においても、中層浮魚礁1の係留が解除されて浮上したときに電波発信器11が発信し、この発信を電波受信器(図示されていない)が検知して中層浮魚礁1の浮上を知らせるのは前述の例と同様である。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりのものであり、電波発信器11が、中層浮魚礁1が係留位置にあるときには発信作動していない休止状態にあり、中層浮魚礁1の係留が解除されて浮上するとはじめて発信作動することから、中層魚礁1が係留位置にある平常時にはほとんど電源の消費がなく、電源管理の手間が大幅に軽減される。また、電波発信器11は通常海中の中層領域に位置し、風浪の影響を受けにくいので、損傷の危険も小さい。
【出願人】 【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
【識別番号】000220468
【氏名又は名称】東京製綱繊維ロープ株式会社
【識別番号】000182247
【氏名又は名称】サカイオーベックス株式会社
【識別番号】000204321
【氏名又は名称】泰東製綱株式会社
【出願日】 平成12年5月9日(2000.5.9)
【代理人】 【識別番号】100096828
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敬介 (外1名)
【公開番号】 特開2001−314135(P2001−314135A)
【公開日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願番号】 特願2000−135327(P2000−135327)