| 【発明の名称】 |
水産生物養殖方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 勝彦
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| 【要約】 |
【課題】水質管理を簡素化することができて、大幅な養殖管理コストを引き下げることができると共に、水産生物の身体に砂が混入することもなく、天然物の約二倍の速さで成長し、しかも動脈硬化、脳血栓、心筋梗塞、老人性痴呆症などの老人病予防に効果があるとされているエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸、水産生物の鮮度を長く保つ働きをする成分であるβ−カロチンを豊富に含んだ水産生物の養殖方法を提供する。
【解決手段】藻類の培養環境下に軟体動物又は棘皮動物をおき、藻類を培養しながらこの藻類を飼料として、軟体動物又は棘皮動物の養殖を行なう。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 藻類の培養環境下に軟体動物又は棘皮動物をおき、藻類を培養しながらこの藻類を飼料として、軟体動物又は棘皮動物の養殖を行なうことを特徴とする水産生物養殖方法。 【請求項2】 藻類の培養環境下に濾過マットを敷いたことを特徴とする請求項1記載の水産生物養殖方法。 【請求項3】 軟体動物が、アサリ、シジミ、ハマグリ、アワビなどの貝類に属するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の水産生物養殖方法。 【請求項4】 棘皮動物が、ウニ、ナマコ類に属するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の水産生物養殖方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、藻類を培養しながら、軟体動物又は棘皮動物である水産生物の養殖を行う方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の水産生物養殖方法は、魚養殖用の水槽を用いて、水槽の底に砂を敷き、固形飼料や液体飼料などの人工飼料を用いて養殖するのが一般的であるが、近年藻類を飼料として、貝類などの水産生物を養殖する方法が行われている。 【0003】この水産生物養殖方法では、魚養殖用の水槽で養殖している水産生物に、市販品の藻類を購入し、飼料として与えるか、別途水槽で培養した藻類を飼料として与えていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の水産生物養殖方法では、水槽内の水が汚染されると養殖環境が悪化し、水産生物の生産量に影響するので、水槽内の水を常に浄化していたが、この水質管理が非常に面倒で、養殖管理コストが高くつくという課題を有していた。 【0005】また、従来の水産生物養殖方法では、養殖用の水槽底に砂を敷くため、養殖した水産生物の身体に砂が混入することがあり、水産生物の品質が悪くなるという課題を有していた。 【0006】そこで、この発明は、水質管理を簡素化することができて、大幅な養殖管理コストを引き下げることができると共に、水産生物の身体に砂が混入することもなく、天然物の約二倍の速さで成長し、しかも動脈硬化、脳血栓、心筋梗塞、老人性痴呆症などの老人病予防に効果があるとされているエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸、水産生物の鮮度を長く保つ働きをする成分であるβ−カロチンを豊富に含んだ水産生物の養殖方法を提供することを目的としてなされたものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明の水産生物養殖方法は、藻類の培養環境下に軟体動物又は棘皮動物をおき、藻類を培養しながらこの藻類を飼料として、軟体動物又は棘皮動物の養殖を行なおうとするものである。 【0008】そして、この発明の水産生物養殖方法では、前記藻類の培養環境下に濾過マットを敷いたものとしている。 【0009】また、この発明の水産生物養殖方法で養殖する軟体動物は、アサリ、シジミ、ハマグリ、アワビなどの貝類に属するものとすることができる。 【0010】さらに、この発明の水産生物養殖方法で養殖する棘皮動物は、ウニ、ナマコ類に属するものとすることができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、この発明の水産生物養殖方法を実施の形態に基づいて、詳細に説明する。 【0012】先ず、この発明の水産生物養殖方法を実施するには、藻類の培養環境下を用意する。すなわち、藻類の培養に必要な無機物、ビタミン、ミネラルを添加した海水や淡水を入れた藻類培養水槽を用意する。 【0013】次に、前記藻類培養水槽で藻類を培養しながら、この藻類の培養環境下に軟体動物又は棘皮動物をおく。そして、その藻類を飼料として、軟体動物又は棘皮動物の養殖を行なう。 【0014】前記藻類培養水槽の底には、ロックマットなどの濾過マットを敷いておく。 【0015】この発明で用いる藻類としては、緑藻網、珪藻網、真正眼点藻網、ハプト藻網などに属するすべての種を含むものとする。例えば、緑藻網に属するクロレラ、クラミドモナス、ドナリエラ、珪藻網に属するフェオダクチラム、イトマキケイソウ、真正眼点藻網に属するモノダス、ナンノクロロプシス、ハプト藻網に属するイソクリシスなどが挙げられる。 【0016】藻類の培養に必要な無機物としては、硫酸マグネシウム、硝酸カリウム、塩化カルシウム、リン酸二水素カリウムなどが挙げられ、ビタミンとしては、ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB 12 などが挙げられ、ミネラルとしては、塩化鉄、塩化マンガン、塩化亜鉛、モリブデンなどが挙げられる。 【0017】藻類培養水槽としては、円形水槽、薄層水槽、レースウエイ水槽などが挙げられる。 【0018】そして、この発明で養殖する軟体動物は、アサリ、シジミ、ハマグリ、アワビなどの貝類に属するものとすることができる。 【0019】さらに、この発明で養殖する棘皮動物は、ウニ、ナマコ類に属するものとすることができる。 【0020】以上に述べたようなこの発明の水産生物養殖方法では、養殖する軟体動物および棘皮動物が食べ残した藻類は、市販の固形飼料や液体飼料のような人工飼料のように腐敗して培養環境を汚すことはなく、逆に藻類が軟体動物および棘皮動物の排泄物を分解して培養環境の浄化作用を促進するので、特別な浄化装置を取り付ける必要がなく、養殖管理コストを低く抑えることができる。 【0021】さらに、この発明の水産生物養殖方法では、藻類培養水槽の底にロックマットなどの濾過マットを敷いているので、水産生物の身体に砂が混入することがない。 【0022】また、この発明の水産生物養殖方法では、軟体動物および棘皮動物の成長に必要な栄養成分を豊富に含んだ藻類が飼料として与えられるので、天然物の約二倍の速さで成長し、しかも動脈硬化、脳血栓、心筋梗塞、老人性痴呆症などの老人病予防に効果があるとされているエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸、水産生物の鮮度を長く保つ働きをする成分であるβ−カロチンを豊富に含んだ水産生物を養殖することができるものとなった。 【0023】 【実施例】(実施例1)先ず、海水1リットル当たり、1gの硝酸カリウム、70mgのリン酸二水素カリウム、14mgの塩化鉄、20mgのエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、20mgの硝酸カリウム、40ngの塩化亜鉛、0.6μgの硼酸、1.5ngの塩化カルシウム、40ngの塩化銅、0.4μgの塩化マンガン、0.37μgのモリブデン酸、0.2μgのチアミン塩酸、1ngのビチオン、1ngのビタミンB12を添加した海水800リットルを、直径3.5m、深さ1mの円形水槽に入れる。 【0024】次に、藻類であるイソクリシスを50,000細胞/ミリリットルになるように濃度調製して、前記海水800リットルが入った円形水槽に入れる。 【0025】前記円形水槽底には、濾過マットであるロックマットを敷きつめ、その上に底面オーバーフローフィルターを設置してエアーレーションを行う。 【0026】そして、前記円形水槽の底面オーバーフローフィルター上に、平均殻長1cmのアサリ200kgを均一になるように並べて養殖を行った。養殖開始日から50日間のアサリの可食部の成分を表1に示した。 【0027】なお、イソクリシスの培養に必要な光源は、太陽光を利用し、海水中に添加した無機物、ビタミン、ミネラルは、定期的に測定して、減少した分量を添加した。また、イソクリシスの濃度が100,000細胞/ミリリットルを越えた場合は、添加成分の添加量を少なくして、イソクリシスの増殖速度を調整した。 【0028】 【表1】
【0029】表1より、この発明の水産生物養殖方法により養殖されたアサリは、成長に必要な栄養成分を豊富に含んだイソクリシスを与えられた結果、タンパク質、脂質、糖質の含有量が増加することが確認できた。さらに、脂質中に含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の含有量も増加することが確認できた。エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸は、動脈硬化、脳血栓、心筋梗塞、老人性痴呆症などの老人病予防に効果があるとされている成分である。 【0030】また、表1より、養殖期間が30日以上であれば、タンパク質、脂質、糖質、さらに脂質中に含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の含有量が増加したアサリを得られることが確認できた。 【0031】さらに、アサリが食べ残したイソクリシスは、腐敗して海水を汚すことはなく、逆にイソクリシスがアサリの排泄物を分解して海水の浄化作用を促進するので、特別な浄化装置を取り付ける必要がなく、養殖管理コストを低く抑えることができる。 【0032】(実施例2)先ず、淡水1リットル当たり、1gの硝酸カリウム、50mgのリン酸二水素カリウム、12mgの塩化鉄、10mgのエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、20mgの硝酸カリウム、40ngの塩化亜鉛、0.6μgの硼酸、1.5ngの塩化カルシウム、40ngの塩化銅、0.4μgの塩化マンガン、0.37μgのモリブデン酸、0.2μgのチアミン塩酸、1ngのビチオン、1ngのビタミンB12を添加した淡水500リットルを、縦10m、横2m、深さ0.1mの薄層水槽に入れる。 【0033】次に、藻類であるモノダスを20,000細胞/ミリリットルになるように濃度調製して、前記淡水500リットルが入った薄層水槽に入れる。 【0034】前記薄層水槽底には、濾過マットであるロックマットを敷きつめ、このロックマット上に、平均殻長1.5cmのシジミ100kgを均一になるように並べて養殖を行った。養殖開始日から50日間のシジミの可食部の成分を表2に示した。 【0035】なお、モノダスの培養に必要な光源は、太陽光を利用し、淡水中に添加した無機物、ビタミン、ミネラルは、定期的に測定して、減少した分量を添加した。また、モノダスの濃度が40,000細胞/ミリリットルを越えた場合は、添加成分の添加量を少なくして、モノダスの増殖速度を調整した。 【0036】 【表2】
【0037】表2より、この発明の水産生物養殖方法により養殖されるシジミの養殖期間は、30日以上とする必要がある。最低30日はモノダスを豊富に与えて養殖しないと、シジミに含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の含有量が増加しないからである。シジミは、成長に必要な栄養成分を豊富に含んだモノダスを与えられた結果、タンパク質、脂質、糖質の含有量が増加することが確認できた。さらに、脂質中に含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の含有量も増加することが確認できた。エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸は、動脈硬化、脳血栓、心筋梗塞、老人性痴呆症などの老人病予防に効果があるとされている成分である。 【0038】また、表2より、養殖期間が30日以上であれば、タンパク質、脂質、糖質、さらに脂質中に含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の含有量が増加したシジミを得られることが確認できた。 【0039】さらに、シジミが食べ残したモノダスは、腐敗して淡水を汚すことはなく、逆にモノダスがシジミの排泄物を分解して淡水の浄化作用を促進するので、特別な浄化装置を取り付ける必要がなく、養殖管理コストを低く抑えることができる。 【0040】(実施例3)先ず、海水1リットル当たり、1gの硝酸カリウム、50mgのリン酸二水素カリウム、12mgの塩化鉄、10mgのエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、20mgの硝酸カリウム、40ngの塩化亜鉛、0.6μgの硼酸、1.5ngの塩化カルシウム、40ngの塩化銅、0.4μgの塩化マンガン、0.37μgのモリブデン酸、0.2μgのチアミン塩酸、1ngのビチオン、1ngのビタミンB12を添加した海水500リットルを、縦10m、横2m、深さ0.1mの薄層水槽に入れる。 【0041】次に、藻類であるフェオダクチラムを20,000細胞/ミリリットルになるように濃度調製して、前記海水500リットルが入った薄層水槽に入れる。 【0042】前記薄層水槽底には、濾過マットであるロックマットを敷きつめ、このロックマット上に、平均殻長3cmのハマグリ100kgを均一になるように並べて養殖を行った。養殖開始日から50日間のハマグリの可食部の成分を表3に示した。 【0043】なお、フェオダクチラムの培養に必要な光源は、太陽光を利用し、海水中に添加した無機物、ビタミン、ミネラルは、定期的に測定して、減少した分量を添加した。また、フェオダクチラムの濃度が40,000細胞/ミリリットルを越えた場合は、添加成分の添加量を少なくして、フェオダクチラムの増殖速度を調整した。 【0044】 【表3】
【0045】表3より、この発明の水産生物養殖方法により養殖されたハマグリは、成長に必要な栄養成分を豊富に含んだフェオダクチラムを与えられた結果、タンパク質、脂質、糖質の含有量が増加することが確認できた。さらに、脂質中に含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の含有量も増加することが確認できた。エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸は、動脈硬化、脳血栓、心筋梗塞、老人性痴呆症などの老人病予防に効果があるとされている成分である。 【0046】また、表3より、養殖期間が30日以上であれば、タンパク質、脂質、糖質、さらに脂質中に含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の含有量が増加したハマグリを得られることが確認できた。 【0047】さらに、ハマグリが食べ残したフェオダクチラムは、腐敗して海水を汚すことはなく、逆にフェオダクチラムがハマグリの排泄物を分解して海水の浄化作用を促進するので、特別な浄化装置を取り付ける必要がなく、養殖管理コストを低く抑えることができる。 【0048】(実施例4)先ず、海水1リットル当たり、1gの硝酸カリウム、50mgのリン酸二水素カリウム、12mgの塩化鉄、10mgのエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、20mgの硝酸カリウム、40ngの塩化亜鉛、0.6μgの硼酸、1.5ngの塩化カルシウム、40ngの塩化銅、0.4μgの塩化マンガン、0.37μgのモリブデン酸、0.2μgのチアミン塩酸、1ngのビチオン、1ngのビタミンB12を添加した海水5,000リットルを、縦20m、横3m、深さ1mのレースウエイ水槽に入れる。 【0049】次に、藻類であるナンノクロロプシスを100,000細胞/ミリリットルになるように濃度調製して、前記海水5,000リットルが入ったレースウエイ水槽に入れる。 【0050】前記レースウエイ水槽底には、濾過マットであるロックマットを敷きつめ、このロックマット上に、平均殻長2cmのハマグリ500kgを均一になるように並べて養殖を50日間行った。 【0051】なお、ナンノクロロプシスの培養に必要な光源は、太陽光を利用し、海水中に添加した無機物、ビタミン、ミネラルは、定期的に測定して、減少した分量を添加した。また、ナンノクロロプシスの濃度が200,000細胞/ミリリットルを越えた場合は、添加成分の添加量を少なくして、ナンノクロロプシスの増殖速度を調整した。 【0052】この発明の水産生物養殖方法により養殖されるハマグリの養殖期間は、30日以上とする必要がある。最低30日はナンノクロロプシスを豊富に与えて養殖しないと、ハマグリに含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の含有量が増加しないからである。 【0053】また、ハマグリが食べ残したナンノクロロプシスは、腐敗して海水を汚すことはなく、逆にナンノクロロプシスがハマグリの排泄物を分解して海水の浄化作用を促進するので、特別な浄化装置を取り付ける必要がなく、養殖管理コストを低く抑えることができる。 【0054】(実施例5)先ず、淡水1リットル当たり、1gの硝酸カリウム、50mgのリン酸二水素カリウム、12mgの塩化鉄、10mgのエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、20mgの硝酸カリウム、40ngの塩化亜鉛、0.6μgの硼酸、1.5ngの塩化カルシウム、40ngの塩化銅、0.4μgの塩化マンガン、0.37μgのモリブデン酸、0.2μgのチアミン塩酸、1ngのビチオン、1ngのビタミンB12を添加した淡水5,000リットルを、縦20m、横3m、深さ1mのレースウエイ水槽に入れる。 【0055】次に、藻類であるクロレラを100,000細胞/ミリリットルになるように濃度調製して、前記淡水5,000リットルが入ったレースウエイ水槽に入れる。 【0056】前記レースウエイ水槽底には、濾過マットであるロックマットを敷きつめ、このロックマット上に、平均殻長2cmのシジミ500kgを均一になるように並べて養殖を50日間行った。 【0057】なお、クロレラの培養に必要な光源は、太陽光を利用し、淡水中に添加した無機物、ビタミン、ミネラルは、定期的に測定して、減少した分量を添加した。また、クロレラの濃度が200,000細胞/ミリリットルを越えた場合は、添加成分の添加量を少なくして、クロレラの増殖速度を調整した。 【0058】この発明の水産生物養殖方法により養殖されるシジミの養殖期間は、30日以上とする必要がある。最低30日はクロレラを豊富に与えて養殖しないと、シジミに含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の含有量が増加しないからである。 【0059】また、シジミが食べ残したクロレラは、腐敗して淡水を汚すことはなく、逆にクロレラがシジミの排泄物を分解して淡水の浄化作用を促進するので、特別な浄化装置を取り付ける必要がなく、養殖管理コストを低く抑えることができる。 【0060】(実施例6)先ず、海水1リットル当たり、1gの硝酸カリウム、50mgのリン酸二水素カリウム、12mgの塩化鉄、10mgのエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、20mgの硝酸カリウム、40ngの塩化亜鉛、0.6μgの硼酸、1.5ngの塩化カルシウム、40ngの塩化銅、0.4μgの塩化マンガン、0.37μgのモリブデン酸、0.2μgのチアミン塩酸、1ngのビチオン、1ngのビタミンB12を添加した海水5,000リットルを、縦20m、横3m、深さ1mのレースウエイ水槽に入れる。 【0061】次に、藻類であるナンノクロロプシスを200,000細胞/ミリリットルになるように濃度調製して、前記海水5,000リットルが入ったレースウエイ水槽に入れる。 【0062】前記レースウエイ水槽底には、濾過マットであるロックマットを敷きつめ、このロックマット上に、平均殻長3cmのアワビ600kgを均一になるように並べて養殖を50日間行った。 【0063】なお、ナンノクロロプシスの培養に必要な光源は、太陽光を利用し、海水中に添加した無機物、ビタミン、ミネラルは、定期的に測定して、減少した分量を添加した。また、ナンノクロロプシスの濃度が400,000細胞/ミリリットルを越えた場合は、添加成分の添加量を少なくして、ナンノクロロプシスの増殖速度を調整した。 【0064】この発明の水産生物養殖方法により養殖されるアワビの養殖期間は、30日以上とする必要がある。最低30日はナンノクロロプシスを豊富に与えて養殖しないと、アワビに含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の含有量が増加しないからである。 【0065】また、アワビが食べ残したナンノクロロプシスは、腐敗して海水を汚すことはなく、逆にナンノクロロプシスがアワビの排泄物を分解して海水の浄化作用を促進するので、特別な浄化装置を取り付ける必要がなく、養殖管理コストを低く抑えることができる。 【0066】(実施例7)先ず、海水1リットル当たり、1gの硝酸カリウム、50mgのリン酸二水素カリウム、12mgの塩化鉄、10mgのエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、20mgの硝酸カリウム、40ngの塩化亜鉛、0.6μgの硼酸、1.5ngの塩化カルシウム、40ngの塩化銅、0.4μgの塩化マンガン、0.37μgのモリブデン酸、0.2μgのチアミン塩酸、1ngのビチオン、1ngのビタミンB12を添加した海水5,000リットルを、縦20m、横3m、深さ1mのレースウエイ水槽に入れる。 【0067】次に、藻類であるイソクリシスを100,000細胞/ミリリットルになるように濃度調製して、前記海水5,000リットルが入ったレースウエイ水槽に入れる。 【0068】前記レースウエイ水槽底には、濾過マットであるロックマットを敷きつめ、このロックマット上に、平均殻長3cmのウニ700kgを均一になるように並べて養殖を50日間行った。 【0069】なお、イソクリシスの培養に必要な光源は、太陽光を利用し、海水中に添加した無機物、ビタミン、ミネラルは、定期的に測定して、減少した分量を添加した。また、イソクリシスの濃度が200,000細胞/ミリリットルを越えた場合は、添加成分の添加量を少なくして、イソクリシスの増殖速度を調整した。 【0070】この発明の水産生物養殖方法により養殖されるウニの養殖期間は、30日以上とする必要がある。最低30日はイソクリシスを豊富に与えて養殖しないと、ウニに含まれるエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の含有量が増加しないからである。 【0071】また、ウニが食べ残したイソクリシスは、腐敗して海水を汚すことはなく、逆にイソクリシスがウニの排泄物を分解して海水の浄化作用を促進するので、特別な浄化装置を取り付ける必要がなく、養殖管理コストを低く抑えることができる。 【0072】(実施例8)先ず、海水1リットル当たり、1gの硝酸カリウム、50mgのリン酸二水素カリウム、12mgの塩化鉄、10mgのエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、20mgの硝酸カリウム、40ngの塩化亜鉛、0.6μgの硼酸、1.5ngの塩化カルシウム、40ngの塩化銅、0.4μgの塩化マンガン、0.37μgのモリブデン酸、0.2μgのチアミン塩酸、1ngのビチオン、1ngのビタミンB12を添加した海水5,000リットルを、縦20m、横3m、深さ1mのレースウエイ水槽に入れる。 【0073】次に、藻類であるドナリエラを200,000細胞/ミリリットルになるように濃度調製して、前記海水5,000リットルが入ったレースウエイ水槽に入れる。 【0074】前記レースウエイ水槽底には、濾過マットであるロックマットを敷きつめ、このロックマット上に、平均殻長8cmのアワビ600kgを均一になるように並べて養殖を50日間行った。養殖開始日から50日間のアワビの可食部の成分を表4に示したなお、ドナリエラの培養に必要な光源は、太陽光を利用し、海水中に添加した無機物、ビタミン、ミネラルは、定期的に測定して、減少した分量を添加した。また、ドナリエラの濃度が400,000細胞/ミリリットルを越えた場合は、添加成分の添加量を少なくして、ドナリエラの増殖速度を調整した。 【0075】 【表4】
【0076】表4より、この発明の水産生物養殖方法により養殖されたアワビは、成長に必要な栄養成分を豊富に含んだドナリエラを与えられた結果、タンパク質、脂質、糖質の含有量が増加することが確認できた。さらに、β−カロチンの含有量も増加することが確認できた。β−カロチンは、水産生物の鮮度を長く保つために必要な成分である。 【0077】また、表4より、養殖期間が30日以上であれば、タンパク質、脂質、糖質、さらにβ−カロチンの含有量が増加したアワビを得られることが確認できた。 【0078】さらに、アワビが食べ残したドナリエラは、腐敗して海水を汚すことはなく、逆にドナリエラがアワビの排泄物を分解して海水の浄化作用を促進するので、特別な浄化装置を取り付ける必要がなく、養殖管理コストを低く抑えることができる。 【0079】(実施例9)先ず、海水1リットル当たり、1gの硝酸カリウム、50mgのリン酸二水素カリウム、12mgの塩化鉄、10mgのエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、20mgの硝酸カリウム、40ngの塩化亜鉛、0.6μgの硼酸、1.5ngの塩化カルシウム、40ngの塩化銅、0.4μgの塩化マンガン、0.37μgのモリブデン酸、0.2μgのチアミン塩酸、1ngのビチオン、1ngのビタミンB12を添加した海水5,000リットルを、縦20m、横3m、深さ1mのレースウエイ水槽に入れる。 【0080】次に、藻類であるドナリエラを150,000細胞/ミリリットルになるように濃度調製して、前記海水5,000リットルが入ったレースウエイ水槽に入れる。 【0081】前記レースウエイ水槽底には、濾過マットであるロックマットを敷きつめ、このロックマット上に、平均殻長5cmのウニ650kgを均一になるように並べて養殖を50日間行った。養殖開始日から50日間のウニの可食部の成分を表5に示したなお、ドナリエラの培養に必要な光源は、太陽光を利用し、海水中に添加した無機物、ビタミン、ミネラルは、定期的に測定して、減少した分量を添加した。また、ドナリエラの濃度が300,000細胞/ミリリットルを越えた場合は、添加成分の添加量を少なくして、ドナリエラの増殖速度を調整した。 【0082】 【表5】
【0083】表5より、この発明の水産生物養殖方法により養殖されたウニは、成長に必要な栄養成分を豊富に含んだドナリエラを与えられた結果、タンパク質、脂質の含有量が増加することが確認できた。さらに、β−カロチンの含有量も増加することが確認できた。β−カロチンは、水産生物の鮮度を長く保つために必要な成分である。 【0084】また、表5より、養殖期間が30日以上であれば、タンパク質、脂質、さらにβ−カロチンの含有量が増加したウニを得られることが確認できた。 【0085】さらに、ウニが食べ残したドナリエラは、腐敗して海水を汚すことはなく、逆にドナリエラがアワビの排泄物を分解して海水の浄化作用を促進するので、特別な浄化装置を取り付ける必要がなく、養殖管理コストを低く抑えることができる。 【0086】 【発明の効果】この発明は、以上に述べたように構成されているので、水質管理を簡素化することができ、大幅な養殖管理コストを引き下げることができると共に、水産生物の身体に砂が混入することもなく、天然物の約二倍の速さで成長し、しかも動脈硬化、脳血栓、心筋梗塞、老人性痴呆症などの老人病予防に効果があるとされているエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸、水産生物の鮮度を長く保つ働きをする成分であるβ−カロチンを豊富に含んだ水産生物の養殖方法を提供することができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】399127603 【氏名又は名称】株式会社日健総本社
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| 【出願日】 |
平成12年4月5日(2000.4.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072213 【弁理士】 【氏名又は名称】辻本 一義
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| 【公開番号】 |
特開2001−286234(P2001−286234A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月16日(2001.10.16) |
| 【出願番号】 |
特願2000−104003(P2000−104003) |
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