トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 釣り用浮き
【発明者】 【氏名】西村 耕一

【要約】 【課題】水中において浮きのふらつきによる釣り針をくわえた魚に対する抵抗を抑え、空中を飛行中の浮きのバランスを保つことによって風や雨の影響を従来浮きより少なくし、さらに遠方の目的地へ的確に浮きを飛ばすことを可能とする浮きを提供すること。

【解決手段】本発明は、図1及び図2のように縦方向に3つの層が接合されて成る浮きであり、前記浮き上段の層を密度0.0ないし1.0の素材とする浮き本体とし、前記浮き中段の層を密度1.0ないし2.0の素材とする錘体とし、前記浮き下段の層を浮き本体の密度の値と錘体の密度の値に挟まれる値を持つ密度の木あるいは樹脂で構成することにより高重心の浮きが製作できる。高重心設計の浮きにすることにより従来の低重心設計の浮きによる欠点を補う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】縦方向に3つの層が接合されて成る浮きと、前記浮き下段の層の下部中心に釣り糸通し孔を有する金属を備えた釣り用浮きにおいて、前記浮き上段の層を密度0.0ないし1.0の素材とする浮き本体、中段の層を密度1.0ないし2.0の素材とする錘体とし、下段の層を浮き本体の密度の値と錘体の密度の値に挟まれる値を持つ密度の木あるいは樹脂とすることを特徴とする釣り用浮き。
【請求項2】縦方向に3つの層が接合されて成る浮きと、この浮きの中心に釣り糸を挿通するための糸通し孔を有する糸通し管を備えた釣り用浮きにおいて、前記浮き上段の層を密度0.0ないし1.0の素材とする浮き本体、中段の層を密度1.0ないし2.0の素材とする錘体とし、下段の層を浮き本体の密度の値と錘体の密度の値に挟まれる値を持つ密度の木あるいは樹脂とすることを特徴とする釣り用浮き。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、海釣り等で使用する釣り用浮きに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の釣り用浮きは、木材を切削加工して出来た浮き本体、あるいは樹脂によって製作された浮き本体下部に鉛等の金属を錘体として嵌入接着したものである。また浮き自体の全形は球形や紡錘形に形成されており、錘体が浮き全体の下方一部分に位置するため、低重心になるよう製作されている。
【0003】浮力の大きい従来浮きは、一旦海水中へ沈むと、浮力が大きいためすぐに浮き上がろうとする。これは、魚が釣り針をくわえたとき、つまり魚が釣り糸を下向きに引っ張った時に大きな力が上向きにかかり、これが魚にとっての抵抗となる欠点があった。
【0004】この縦方向の浮力による抵抗を抑えるための手段として、浮力の小さな浮きも従来の浮きとして挙げられる。その浮力の小さな浮きの製作方法は単純であり、前記浮きに含まれる錘体の量を増やしただけのことであり、やはり低重心になるよう設計されている。この浮きによって縦方向の浮力による抵抗を抑えることは出来るが、低重心であるため横方向の振動、つまり、ふらつきが次に発生する。
【0005】前記ふらつきは、後述するが回転力によって生じるものである。前記ふらつきは振り子のような運動であり、潮に流されることによって絶えずふらついた状態になっている。後述するが、ふらつきは空中においても発生するため、十分な飛距離を得ることは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の浮きは低重心設計であるため、魚が釣り針をくわえた時、縦方向の浮力による抵抗は抑えられるものの、横方向の振動つまりふらつきの発生を抑えることは困難であった。また、空中を飛行中の浮きのバランスも悪いため、十分な飛距離を得ることは困難であった。
【0007】本発明は、上記欠点に鑑み、水中でのふらつきを抑え、空中を飛行する際においてもバランスをよくするため、高重心設計の浮きを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に係わる本発明は、縦方向に3つの層が接合されて成る浮きと前記浮き下段の層の下部中心に釣り糸通し孔を有する金属を備えた釣り用浮きにおいて、前記浮き上段の層を密度0.0ないし1.0の素材とする浮き本体とし、中段の層を密度1.0ないし2.0の素材とする錘体とし、下段の層を浮き本体の密度の値と錘体の密度の値に挟まれた値を持つ密度の木あるいは樹脂とすることにより高重心設計の浮きとすることを要旨とするものである。
【0009】請求項2に係わる本発明は、縦方向に3つの層が接合されて成る浮きと、この浮きの中心に釣り糸を挿通するための糸通し孔を有する糸通し管を備えた釣り用浮きにおいて、前記浮き上段の層を密度0.0ないし1.0の素材とする浮き本体、中段の層を密度1.0ないし2.0の素材とする錘体とし、下段の層を浮き本体の密度の値と錘体の密度の値に挟まれる値を持つ密度の木あるいは樹脂とすることにより高重心設計の浮きとすることを要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】請求項1の本発明により、同質量・同体積の従来浮きと比べると高重心の浮きが製作され、従来浮きの欠点である水中におけるふらつき、飛行中における不安定なバランスを改善する。
【0011】請求項2の本発明によっても同質量・同体積の従来浮きと比べると高重心の浮きが製作され、従来浮きの欠点である水中におけるふらつき、飛行中における不安定なバランスを改善する。
【0012】
【実施例】本発明浮きの浮き本体を木材とし、錘体を黒檀として、以下図示によって本発明を説明する。なお以下の説明において使用する記号の意味は次の通りである。
【0013】アルファベットF,d,Vはそれぞれ浮力、密度、体積を表し、前記アルファベットの添え字は、図1及び図2及び図3における各浮きの部分を表すものとし、添え字の0は海水を表すものとする。
【0014】本発明浮きと対照比較するため、図3は図1及び図2と同質量・同体積の浮きである。ここで浮きの全体積をVとし全質量をMとする。また、前記本発明の浮き下段の層は魚が釣り針をくわえた時に生じる錘体の重力による復元力を小さく保つ役目を果たす部分であり、ここではその体積V3を全体積Vの10分の1,密度を0.8とし、浮力ゼロの浮きとして説明を続ける。
【式1】V=V1+V2+V3=V5+V6【式2】M=V1×d1+V2×d2+V3×d3=V5×d5+V6×d6【式3】F=(V1+V2+V3)×d0=(V5+V6)×d0=V×d0【0015】上記式において、アルキメデスの法則を適用すると、M=Fなる関係が得られる。ここで上記式をV2及びV6について解くと、以下のような結果が導かれる。
【式4】V2={(0.94−0.9×d1)/(d2−d1)}×V【式5】V6={(1.02−d5)/(d6−d5)}×V【0016】上記式において、資料より海水の密度d0を1.02と定めた。さて、上記例において本発明浮き錘体の黒檀の密度d2を1.2、従来浮き錘体である鉛の密度d6を11.3を固定値とし、浮き本体1及び5の木材の密度d1=d5をヒノキ材とすると前記木材の密度は0.5となり、式4及び式5に適用すると、V2及びV6はそれぞれ全体積Vの70%及び4.8%を占める。
【0017】上記実施例により、本発明浮きは高重心の浮きであることが数式的に表せた。次に、水中におけるふらつきを抑える原理を図示によって説明する。
【0018】前記体積割合及び密度を適用すると、図4及び図5において各部分に働く力の向きはそれぞれ垂直方向であり、これらの力の合力をPと定義する。このとき、それぞれの合力の向きは図示の方向であり、アルキメデスの法則を適用すると、P1=0.10×V、P2=0.13×V、P3=0.02×V、P5=0.49×V、P6=0.49×Vで表せる。図5においてP5とP6は共に作用線が一致しないため、回転し始め、慣性によってつり合いの位置を越えると、次は逆方向に回転を始め、前記作用を繰り返し結局振り子のような運動をする。つまりこれが復元力である。一方、図4においてP1とP2とP3は図なる関係にあるため、本発明の浮きの復元力は従来浮きの復元力より小さくてすみ、ふらつきを抑えることが出来る。さらに、ふらつきが小さいため、釣り針をくわえた魚に対して、復元力による抵抗の影響も少なくてすむ。ここで、穏やかな水面を浮いている浮きの位置を、つり合いの位置とする。
【0019】一般に、浮きを使用する際、目標とする位置へ浮きを飛ばす訳だが、空中における浮きのバランスが目標位置への到達並びに飛距離に大きく関与する。以下、空中における浮きのバランスについて説明する。
【0020】本来浮きは釣り糸を4あるいは7bに通して使用するため、飛行中の浮きには常に前記釣り糸による張力が失速方向つまり後方にかかるため、従来の低重心浮きの場合、浮き前方は軽く、浮き後方は重い状態で飛行するため、風や雨による抵抗に弱いものだが、本発明浮きの場合、高重心であるため、重心は浮きの中心附近に位置し、バランスのとれた飛行状態を継続でき、風や雨により受ける抵抗の影響も少なくてすむため、目標位置への到達並びに飛距離の向上へと繋がる。
【0021】
【発明の効果】本発明は高重心設計の浮きとすることで、魚が釣り針を引っ張っても復元力による抵抗を抑えることが出来るため、魚に対する違和感を与えないと共に、空中におけるバランスも保つため、風や雨等の悪影響下でも威力を発揮する。
【出願人】 【識別番号】500096396
【氏名又は名称】西村 兼一
【出願日】 平成12年1月31日(2000.1.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−211794(P2001−211794A)
【公開日】 平成13年8月7日(2001.8.7)
【出願番号】 特願2000−62704(P2000−62704)