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【発明の名称】 釣り用干し芋の製造方法
【発明者】 【氏名】正岡 悟

【氏名】沢田 典大

【要約】 【課題】釣り針に対する針持ちが良く、かつバラけも良好に行われ、更に魚の摂餌力に優れた釣り用干し芋を得る。また、長期保存が可能な干し芋を得る。

【解決手段】サツマイモ1を加熱して表面を柔らかくした後に、表面の皮を除去する。次に、0.5〜3時間蒸した後、40〜70℃の温度下で8〜96時間燻蒸し、サツマイモ1の水分を減少して干し芋5を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 サツマイモを加熱して表面を柔らかくした後に、表面の皮を除去し、このサツマイモを0.5〜3時間蒸した後に、40〜70℃で8〜96時間燻蒸し、サツマイモの水分を減少する事により干し芋を得る事を特徴とする釣り用干し芋の製造方法。
【請求項2】 サツマイモを加熱して表面を柔らかくした後に、表面の皮を除去し、このサツマイモを0.5〜3時間蒸した後に、40〜70℃で8〜96時間燻蒸し、サツマイモの水分を減少して、次にこの水分を減少したサツマイモを真空包装して100〜121℃で4〜90分加熱殺菌する事により干し芋を得る事を特徴とする釣り用干し芋の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サツマイモを釣り餌用に加工する、釣り用干し芋の製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、釣り用の芋餌としては、サツマイモ等を蒸して練った芋羊羹、サツマイモを天日等で乾燥させた干し芋等が使用されていた。これらの芋餌は、釣り針に止着した際の針持ちを良くすると、硬過ぎて水中でのバラけが鈍く、集魚効果が低下したり、歯ごたえが悪くて魚の摂餌力に劣るものであった。逆に、魚の摂餌性が良くて、適度なバラけが得られるような芋餌だと、柔らか過ぎて針持ちが悪くなり、針から容易に外れたり、芋餌だけを魚に食い取られてしまっていた。
【0003】例えば、芋羊羹は、サツマイモをすり潰して製造するため、繊維質が破壊されるものとなる。そのため、バラけ性や摂餌性は良いが、針持ちを向上させるのは難しかった。また、干し芋は、芋羊羹に比べ繊維質の破壊が少なく、針持ちが向上する。しかし、この従来の干し芋は、サツマイモを適宜の小片に切り分けてから乾燥するので、この乾燥により表面の繊維質が破壊されたり、繊維の流れが乱れ易く、針持ちを良くするには限界があった。また、乾燥時の表面積が大きいので、成分が酸化し易く、うま味が失われて魚の食い付きが悪くなるとともに、保存性も低下する。このように、従来の芋餌では、針持ちが良く、かつ適度にバラけて魚の摂餌力に優れる芋餌は存在しなかった。また、使い残した芋餌は保存性が悪いため、捨てるしかなく、不経済であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、針持ちが良く、釣り時の容易な脱落を防止するとともに、表面から適度にバラけて集魚効果に優れ、しかも魚の摂餌力のあるうま味の高い釣り用干し芋を得る事を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課題を解決するため、第1の発明は、サツマイモを加熱して表面を柔らかくした後に、表面の皮を除去し、このサツマイモを0.5〜3時間蒸した後に、40〜70℃で8〜96時間燻蒸し、サツマイモの水分を減少する事により干し芋を得るものである。
【0006】また、第2の発明は、サツマイモを加熱して表面を柔らかくした後に、表面の皮を除去し、このサツマイモを0.5〜3時間蒸した後に、40〜70℃で8〜96時間燻蒸し、サツマイモの水分を減少し、次にこの水分を減少したサツマイモを真空包装して100〜121℃で4〜90分加熱殺菌する事により干し芋を得る事を特徴とする釣り用干し芋の製造方法。
【0007】
【作用】本発明は、上述の如く構成したもので、釣り用干し芋を製造するには、ベニアズマ、コウケイ等のサツマイモに、蒸気等をかけて加熱する事で表面を柔らかくした後に、表面の皮を除去する。次に、この皮を除去したサツマイモを、0.5〜3時間蒸した後、40〜70℃で8〜96時間、適宜の燻煙にて燻蒸する事により、サツマイモの水分を10〜35%に減少して、扁平状の干し芋を得る。
【0008】また、前記表面の皮を除去したサツマイモの蒸し時間は、0.5〜3時間としているが、0.5時間よりも少ないと、サツマイモの内部まで十分に柔らかくする事ができない。また、蒸し時間が3時間よりも長いと、水分含有量が多くてサツマイモの身が崩れたり、繊維質が破壊されたりして、燻蒸作業が困難となったり、針持ちが悪くなる。
【0009】また、燻蒸時の温度は、40〜70℃としているが、40℃よりも低いと、サツマイモの水分を十分に減少させる事ができず、保存性が低下する。また、燻蒸温度が70℃よりも高いと、サツマイモが硬化して、バラけ性や摂餌性が低下する。また、燻蒸時間を8〜96時間としているが、8時間より短いと、十分な燻蒸が行われず、保存性や酸化・腐敗防止効果が低下する。燻蒸時間が96時間よりも長いと、燻煙の臭気が強すぎてうま味が損なわれたり、身が硬化してバラけが良好に行われず、集魚効果が低下する。そして、上述の如き温度と時間で燻蒸する事により、サツマイモの水分を10〜35%に減少させ、保存性や摂餌性に優れた干し芋を得る事ができる。
【0010】そして、上述の如き工程で形成する事により、サツマイモの有効成分を保持しながら、身が締まって気密性が高く、適度な弾力と粘りのある干し芋を得る事ができる。即ち、従来の芋羊羹や干し芋の如く、すり潰したり、小片に切り分けてから乾燥するのではなく、サツマイモを丸ごと乾燥するので、繊維質の破壊や乱れも少なく、成分の酸化やうま味成分の消失も抑える事ができる。更に、本発明の干し芋は、燻煙にて燻蒸しているので、従来の干し芋に比べ、うま味が増して魚の摂餌性が向上するとともに、酸化防止効果や腐敗防止効果も高まり、保存性に優れたものとなる。
【0011】そして、釣り時には、この扁平状の干し芋を、使用者が適度な大きさに切断して針付けし、釣り用餌として使用する。この芋餌は、前述の如く、乾燥した後に小片に切り分けるので、繊維質の破壊や乱れが少なく、しかも適度な弾力と粘りを持つ。従って、適宜のバラけ性を保ちながら、針持ちが良好なものとなり、使用中に容易に針から脱落したり、芋餌だけ魚に食い取られる事がない。そして、干し芋の身がふやけて表面から適度に水中にバラけるので、その独特の匂いと味で優れた集魚効果を発揮するとともに、良好な歯ごたえとうま味により魚の食い付きが良いため、優れた釣果を得る事ができる。
【0012】また、第2の製造方法は、第1の製造方法と同様の工程を経て形成した扁平状の干し芋を、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン等から構成される適宜の樹脂フィルムで真空包装し、100〜121℃の温度下で、4〜90分加熱殺菌する。このように真空状態で加熱殺菌を行う事により、干し芋の長期常温保存が可能となる。また、保存日数の経過に伴い、干し芋の糖化による熟成が進み、干し芋の甘み、うま味が更に増して魚の摂餌力の良好なものとなり、釣果の向上につながる。
【0013】尚、加熱殺菌温度が100℃より低かったり、加熱殺菌時間が4分よりも短いと、十分な殺菌効果が得られず、保存性が低下する。また、温度が121℃よりも高かったり、時間が90分よりも長いと、熱で干し芋の繊維質が破壊され、針持ちの悪いものとなる。
【0014】
【実施例】本発明の釣り用干し芋の製造工程の一実施例を図1に於いて説明する。まず、図1の(a)に示す如く、材料としてベニアズマ、コウケイ等の生のサツマイモ(1)を用意する。次に、(b)で示す如く、サツマイモ(1)を蒸し器(2)等に収納して、蒸気をかけて表面を柔らかくした後に、(c)に示す如く、サツマイモ(1)の表面の皮を除去する。この皮を除去したサツマイモ(1)を、次工程の(d)で、蒸し器(2)にて1時間蒸した後に、(e)に示す如く、燻煙室(3)に複数個収納して、60℃の温度下で適宜の燻煙(4)をかけながら72時間燻蒸する。この燻蒸作業により、サツマイモ(1)の水分含有量が減少し、(f)に示す如き扁平状の干し芋(5)が得られる。
【0015】次に、この干し芋(5)を、(g)に示す如く、適宜の樹脂フィルム(6)により真空包装する。そして、(h)に示す如く、この真空包装した干し芋(5)を複数個、加熱殺菌機(7)に収納し、117℃の温度下で25分間、加熱殺菌する事により、(i)に示す釣り用干し芋製品を得る事ができる。
【0016】上述の如く形成した釣り用干し芋は、燻蒸を行う事により酸化・腐敗防止効果が向上し、保存性に優れたものとなるとともに、うま味も増して、魚の摂餌力が向上する。また、サツマイモを切り分けずに乾燥しているので、繊維質の破壊や乱れが少なく、成分の酸化やうま味成分の消失も防ぐ。また、真空包装し加熱殺菌しているので、常温での長期保存が可能となるとともに、日数の経過とともに糖化による熟成が進み、甘み、うま味が増して、更に魚の食い付きが良くなる。
【0017】そして、釣りに使用する際は、樹脂フィルムから干し芋(5)を取り出し、適度な大きさの小片に切断して、釣り針に針付けする。この干し芋(5)は、小片に切断しても、繊維の破壊や乱れが少なく、しかも適度な弾性と粘りを持つので、針持ちが良好であり、釣りの最中に針から外れたり、魚に容易に食い取られる事がない。そして、この適度な弾性と粘りを持つ干し芋(5)の身が、ふやけて表面から少しずつ水中にバラけるので、その独特な匂いと味で魚を良好に引き寄せるとともに、魚の摂餌性も良く、釣果を向上させるものとなる。
【0018】
【発明の効果】本発明の釣り用干し芋は、上述の如く構成したものであるから、サツマイモを丸ごと燻蒸して乾燥する事により、適宜のバラけ性を保ちながら、針付けをした際の針持ちが良好なものとなり、容易に脱落する事のない使用が可能となるとともに、うま味が増して魚の摂餌力に優れたものとなる。また、適度な弾性と粘りを持つので、直ちに水中に拡散する事はなく、表面側から少しずつ水中にバラけ、その独特の匂いと味で魚を引き寄せるとともに、魚の摂餌性も良好で、優れた釣果を得る事ができる。
【0019】また、真空包装して加熱殺菌する事により、常温での長期保存が可能となるとともに、熟成による甘み、うま味が増し、魚の摂餌性を更に向上させる事ができる。
【出願人】 【識別番号】591128659
【氏名又は名称】マルキユー株式会社
【識別番号】500030541
【氏名又は名称】東邦物産株式会社
【識別番号】500030552
【氏名又は名称】浙江省國興進出口公司
【出願日】 平成12年1月20日(2000.1.20)
【代理人】 【識別番号】100068191
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 修
【公開番号】 特開2001−204334(P2001−204334A)
【公開日】 平成13年7月31日(2001.7.31)
【出願番号】 特願2000−11868(P2000−11868)