| 【発明の名称】 |
淡水魚類等の飼育水の処理システム |
| 【発明者】 |
【氏名】木戸 茂貴
【氏名】大塚 雅広
【氏名】竹田 茂
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| 【要約】 |
【課題】淡水魚類等飼育水の薬剤を使用しない簡便な殺菌その他の処理システムを提供する。
【解決手段】淡水における魚類等飼育水の処理システムであって、飼育水である淡水中の微量塩分(Cl)を選択的に電気分解し、発生した次亜塩素酸(ClO)によって当該飼育水の殺菌、滅菌、水質改善等を行うようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 淡水における魚類等飼育水の処理システムであって、飼育水である淡水中の微量塩分を選択的に電気分解し、発生した次亜塩素酸によって当該飼育水の殺菌を行うようにしたことを特徴とする淡水魚類等の飼育水の処理システム。 【請求項2】 淡水における魚類等飼育水の処理システムであって、飼育水である淡水中の微量塩分を選択的に電気分解し、発生した次亜塩素酸によって、飼育システム中を循環する飼育水を、部分的に又は全体的に殺菌することにより、飼育システム中の飼育水全体の細菌数を低下させるようにしたことを特徴とする淡水魚類等の飼育水の処理システム。 【請求項3】 淡水における魚類等飼育水の処理システムであって、飼育水である淡水中の微量塩分を選択的に電気分解し、発生した次亜塩素酸によって当該飼育水中の高分子等の分解又はCOD物質の酸化を行うようにしたことを特徴とする淡水魚類の飼育水の処理システム。 【請求項4】 淡水における魚類等飼育水の処理システムであって、飼育水である淡水中の微量塩分を選択的に電気分解し、発生した次亜塩素酸によって、飼育システム中を循環する飼育水中の高分子の分解又はCOD物質の酸化を部分的に又は全体的に行わせることにより、飼育システム中の飼育水全体の透明度を向上させるようにしたことを特徴とする淡水魚類等の飼育水の処理システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、淡水魚類等の種苗生産場水槽、養魚場水槽、栽培場水槽、水族館水槽、鑑賞魚用水槽等における飼育水の殺菌その他の処理システムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に魚類等の水中における排泄物の多くはアンモニア等として排泄され、自然環境下では微生物その他の自然の浄化機構によって浄化されるが、上記種苗生産場水槽、養魚場水槽、栽培場水槽、水族館水槽、鑑賞魚用水槽等においては、当該排泄物がそのまま残留するか、または化学変化を起して蓄積され、当該魚類等の生育にとって重大な影響を与える危険性がある。 【0003】そこで、上記魚類等を効率的に生育させようとすると、上記アンモニア等の有害な排泄物を上記魚類等の生育にとって安全な濃度以下に低下させることが必要となる。そのために、従来から、その用途に応じて次のような飼育水の殺菌、浄化処理方法が採用されている。 【0004】例えば、先ず魚類の種苗生産場における親魚用の飼育水槽あるいは水族館等の水槽では、例えば飼育水槽から溢れ出した水を所定の浄化装置に導き、直接魚類等に害を与えるアンモニア等の排泄物を無毒化した後に、再び飼育水槽に導入する飼育水循環飼育方式がとられている。そして、上記浄化装置は、上述したアンモニアの他にも複雑な有機物を処理する必要があるため、例えば砂等の濾過材を充填した重力式の濾過槽を設置し、同濾過材の表面に繁殖した有用殺菌(微生物)によって汚濁物質を浄化処理する処理方法が用いられていた。 【0005】次に観賞魚用等の小型水槽では、例えば飼育水槽の底面に砂等の濾過材を敷き、飼育水が濾過材の間隙を通過する際に、上記飼育水循環飼育方式と同じ浄化処理効果を得ることのできる底面濾過方式がとられていた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記飼育水循環飼育方式や底面濾過方式では、砂等の濾過材の表面に発生した有用細菌によって魚類等に直接害を与えるアンモニア等の物質を比較的毒性の少ない硝酸等に化学変化させることができる反面、細菌(微生物)を利用する方法であるために、場合によっては有害な細菌(有害微生物)の出現に到る危険性がある他、細菌(微生物)の複合的な働きによってフミン酸等の高分子又はCOD物質(化学的酸素要求均質)が蓄積することから、定期的な換水が必要になる問題がある。 【0007】一方、上記飼育水循環飼育方式や底面濾過方式では実現できないほどの高いレベルの水質を必要とする魚類の種苗生産場水槽、特に稚仔魚期の飼育用水槽では、例えば地先の天然水を汲み上げて当該飼育用水槽に導入し、排泄物等を当該稚仔魚期の魚類にとって安全な濃度にまで確実に希釈すると同時に溢れた水は排出するという方法がとられるが、その場合、当然に大量の天然水が必要となる一方、天然水の環境汚染が原因と考えられる病原微生物の発生に対応することができない問題がある。 【0008】本願発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、飼育水である淡水中の微量塩分を選択的に電気分解し、発生した次亜塩素酸によって当該飼育水の殺菌等の処理を行うことにより、淡水における魚類飼育水の有効な殺菌その他の浄化処理を可能とした飼育水の処理システムを提供することを目的とするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本願各発明は、該目的を達成するために、それぞれ次のような課題解決手段を備えて構成されている。 【0010】(1) 請求項1の発明この発明の淡水魚類等飼育水の処理システムは、淡水における魚類等飼育水の処理システムであって、飼育水である淡水中の微量塩分を選択的に電気分解し、発生した次亜塩素酸によって当該飼育水の殺菌を行うようにしたことを特徴としている。 【0011】このように、淡水中に含まれている微量の塩分を選択的に電気分解すると、それによって次亜塩素酸が析出される。 【0012】したがって、それにより飼育水そのものを利用して有効に淡水中の細菌の殺菌を行うことが可能となる。 【0013】(2) 請求項2の発明この発明の淡水魚類等飼育水の処理システムは、淡水における魚類等飼育水の処理システムであって、飼育水である淡水中の微量塩分を選択的に電気分解し、発生した次亜塩素酸によって、飼育システム中を循環する飼育水を、部分的に又は全体的に殺菌することにより、飼育システム中の飼育水全体の細菌数を低下させるようにしたことを特徴としている。 【0014】このように、淡水中に含まれている微量の塩分を選択的に電気分解すると、それによって次亜塩素酸が析出される。 【0015】したがって、それにより飼育水そのものを利用して淡水中の細菌の殺菌を飼育システム中を循環する飼育水に対して部分的に又は全体的に行うことが可能となり、飼育システム中を循環する飼育水全体の細菌数を有効に低下させることができるようになる。 【0016】(3) 請求項3の発明この発明の淡水魚類等飼育水の処理システムは、淡水における魚類等飼育水の処理システムであって、飼育水である淡水中の微量塩分を選択的に電気分解し、発生した次亜塩素酸によって当該飼育水中の高分子物質の分解又はCOD物質の酸化を行うようにしたことを特徴としている。 【0017】このように、淡水中に含まれている微量の塩分を選択的に電気分解すると、それによって次亜塩素酸が析出される。 【0018】したがって、それにより飼育水そのものを利用して飼育水中の高分子物質の分解又はCOD物質の酸化を有効に行わせることができる。 【0019】(4) 請求項4の発明この発明の淡水魚類等飼育水の処理システムは、淡水における魚類等飼育水の処理システムであって、飼育水である淡水中の微量塩分を選択的に電気分解し、発生した次亜塩素酸によって、飼育システム中を循環する飼育水中の高分子の分解又はCOD物質の酸化を部分的に又は全体的に行わせることにより、飼育システム中の飼育水全体の透明度を向上させるようにしたことを特徴としている。 【0020】このように、淡水中に含まれている微量の塩分を選択的に電気分解すると、それによって次亜塩素酸が析出される。 【0021】したがって、それにより飼育水そのものを利用して飼育水飼育システム中を循環する飼育水に対して部分的に又は全体的に当該飼育水中の高分子物質の分解又はCOD物質の酸化を行わせることにより、飼育システム中を循環する飼育水全体の透明度を有効に向上させることができる。 【0022】 【発明の効果】以上の結果、本願発明の淡水魚類等の飼育水の処理システムによると、効果的に殺菌、滅菌効果をあげることができ、また水質を改善浄化することができるので、飼育魚類等に対する悪影響を最小限に阻止することが可能となる。 【0023】また、それらの結果、自動的な殺菌浄化管理システム等を構成するのに特に最適なものとなる。 【0024】 【発明の実施の形態】(実施の形態)先ず図1は、例えば水族館の淡水魚類等飼育システムに適用した本願発明の実施の形態に係る魚類等飼育水における殺菌その他の処理システムの構成を示している。 【0025】図中、符号1は、例えば水族館における淡水魚類等飼育システムの中心部を構成する淡水魚類等の飼育水槽であり、該飼育水槽1内には例えば複数種の淡水魚が飼育されている。そして、この飼育水槽1の上方には第1,第2の淡水貯留タンク2,3が設けられている。該第1,第2の淡水貯留タンク2,3には、後述するように飼育水槽1中で殺菌その他の処理が行われ、かつ濾過装置7で排泄物中のアンモニア等が浄化された一定量の新しい淡水が貯留されるようになっている。そして、一定量を超えた新しい淡水は、オーバーフロー配管2a,3aを介して飼育水槽1に供給される。一方、それらの内の第2の淡水貯留タンク3内の淡水の一部は、さらに流出配管3bを介して一旦電解槽4に供給された後、さらに上記飼育水槽1内に供給され、常時オーバフロー状態で流出するようになっている。 【0026】上記電解槽5内には、上記第2の淡水貯留タンク3から流入した新しい淡水中の微量塩分(Cl)を電気分解して次亜塩素酸(ClO)を析出させるための電極5が設けられており、該電極5は電源ケーブル5aにより印加電流調整手段6を介して直流電源8に接続されている。直流電源8は、具体的にはAC電源を整流した整流電源により構成される。 【0027】上記電極5は、例えば図2に詳細に示すように、白金層をコーティングしたチタン金属製のラス部材51a,51bを正負電極とし、中間にスペーサ部材52を介して多段構造に一体化することによって、バイポーラ方式の電解部を形成している。そして、同電解部を上記電解槽4内に浸漬し、上記電解槽4内の淡水中に含まれている塩素イオン(Cl-)に直流電流を負荷して電気分解することによって、殺菌作用および高分子物質分解作用、COD物質酸化作用等のある次亜塩素酸イオン(ClO-)を酸化生成させる。 【0028】従って、上記第2の淡水貯留タンク3より上記電解槽4内に供給された新しい淡水は当該電解槽4内で上記電極5によって電気分解されて先ず同淡水中の塩素イオン(Cl-)から次亜塩素酸イオン(ClO-)が析出され(Cl-+H2O→ClO-+H2)、該次亜塩素酸イオン(ClO-)の混入水が上記飼育水槽1中に供給されて飼育水槽1中の飼育水中の細菌を殺菌するとともに高分子物質を分解処理し、またCOD物質を酸化処理することになる。なお、上記電解時において同時に水素ガス(H2)も発生するが、この水素ガス(H2)はそのまま外部空間中に放出される。 【0029】一方、上記飼育水槽1中の飼育水は、第1の循環配管1aを介して砂等の濾過材70を有する重力式の濾過装置7内に供給されて、砂等の濾過材70の表面に発生している有用細菌によって魚類等に直接害を与えるアンモニア等の物質を比較的毒性の少ない硝酸等に化学変化させることによって浄化される。 【0030】そして、該濾過装置7によって浄化された飼育水は、飼育水循環ポンプ9を備えた第2の循環配管7aを介して、上記飼育水槽1、第1,第2の淡水貯留タンク2,3側に戻され、それぞれ個別に分岐された主戻し配管71,副戻し配管72,73を介して魚類飼育水槽1、第1,第2の淡水貯留タンク2,3に、それぞれ流入せしめられる。 【0031】このようにして、図1に示す本実施の形態の淡水魚類等の飼育システムでは、飼育水槽1中の飼育水が、常時循環されながら、飼育水槽1部分で殺菌、高分子物質分解、COD物質酸化等の処理が、また濾過装置7部分で微生物によるアンモニア等の浄化処理が行われ、飼育システム中を循環する飼育水全体中の細菌数を可能な限り少なくするようになっている。 【0032】次に、上記の殺菌等処理システムを使用した殺菌その他の処理方法について説明する。 【0033】先ず、従来の一般的な殺菌方法のように、上記飼育水槽1中の飼育水に対して殺菌剤としての塩素を混入すると、当該塩素自体の毒性からその濃度によっては殺菌作用とともに魚類自体の生命力にも相当な悪影響を及ぼす。従って、上記電気分解によって得られた次亜塩素酸イオン(ClO-)の飼育水槽1内への混入に際しても、混入後の飼育水槽1内の残留塩素濃度を充分に検討しなければならない。 【0034】このことを前提にして、先ず本願発明者等は、種々の実験を行った。 【0035】それによると、先ず次亜塩素酸イオン(ClO-)注入による残留塩素濃度が0.05ppm以上の場合には比較的短かい処理時間(1〜5時間)の範囲でも魚類に異常が生じ、死亡してしまう。一方、これに対して、上記残留塩素濃度を0.03ppmに低下させると、処理時間を共通に7時間まで増加させても、さらにより多くの供試魚に対して何等の影響を与えないことが判明した。 【0036】また、上記残留塩素濃度およびその処理時間(次亜塩素酸イオン混入時間)と殺菌効果との関係は、0.02ppm〜0.04ppmの範囲の残留塩素濃度下で1日当たり8時間程度の処理時間をとって、この状態を毎日繰り返して行けば充分に安全な範囲内で殺菌効果を維持させることができることが判明している。 【0037】従って、本実施の形態の殺菌等処理方法においては、先ず上記図1の殺菌等処理システムの印加電流調整手段6を、例えば実測結果に基く図3、図4の特性に基づいて上述の電気分解による塩素発生量並びにそれに対応した飼育水槽1内の残留塩素濃度が0.02ppm〜0.04ppmの範囲となるようにその出力電流値を設定する。次に、その上で上記処理時間(8〜20hr/日)の範囲で、上述の電極5に対して上記設定値に対応する所定の電解電流が通電され、上記飼育水槽1内の残留塩素濃度を最適濃度0.02ppm〜0.04ppmの範囲内に維持する。 【0038】その結果、飼育水槽1内の淡水が上記安全かつ有効レベル以下の生長安全範囲内の細菌数に確実に殺菌されるとともに、残留塩素濃度も魚類の生命力に対して悪影響を与えない範囲の値に固定される。 【0039】この結果、該殺菌等処理方法によると、有効な淡水魚類飼育水の殺菌および滅菌を行うことができる。 【0040】次に、上記次亜塩素酸イオン(ClO-)は、また当該飼育水中の透明度を左右する高分子物質の分解やCOD物質(化学的酸素要求物質)の酸化処理に対しても有効である。 【0041】その効果を、図5のグラフに示す。 【0042】すなわち、今例えば図5においては、上記飼育水槽1内の飼育水について、光の各波長毎(紫外線350nm、あい色400nm、青色450nm)の吸光度の変化を測定した結果を示しており、電解槽4の運転(魚類飼育水槽1中への次亜塩素酸の供給)を行うと、各波長帯域のすべてにおいて吸光度が低下、つまり透明度が向上していることが分かる。 【0043】特に400nm〜450nmの波長帯域における吸光度の低下は、マリンブルーと言われる青色の光を通しやすい澄んだ水になることを示しており、ブルーの照明を伴う水族館等の展示水槽の飼育水の水質改善に最適であることを意味している。 【0044】(他の実施の形態)以上の説明では、本願発明の適用対象となる飼育水として、例えば水族館における淡水魚類の飼育水槽内における飼育水を対象として説明したが、これは同水族館における魚類以外の水性哺乳類の飼育水槽における飼育水であっても良いことは言うまでもない。 【0045】また、本願発明が適用される淡水魚類等の飼育システムは、上記水族館の展示又は飼育水槽等に限られるものではなく、例えば淡水魚類等の種苗生産場水槽、養魚場水槽、栽培場水槽、鑑賞魚用水槽等の種々の水槽又はそれらに類する飼育水貯留部内の飼育水に対して全く同様に適用することができるものである。 【0046】さらに、上記次亜塩素酸注入による殺菌等の処理を行うに際しては、上記飼育水槽1内の飼育水の全体に対して行う場合の他に、例えば循環される飼育水の配管途中において部分的に行うようにしても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000228349 【氏名又は名称】日本カーリット株式会社 【識別番号】598169941 【氏名又は名称】大塚 雅広 【識別番号】500005343 【氏名又は名称】ホクト環境システム株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月27日(1999.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075731 【弁理士】 【氏名又は名称】大浜 博
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| 【公開番号】 |
特開2001−178307(P2001−178307A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月3日(2001.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−370370 |
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