| 【発明の名称】 |
魚釣用スピニングリール |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 明
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| 【要約】 |
【課題】迅速且つ簡単にドラグ機構の作動状態の切り換えを行なうことができる魚釣用スピニングリールの提供を目的としている。
【解決手段】本発明は、リール本体1aに回転可能に支持されたロータ8と、リール本体に支持されたスプール軸9に取り付けられ且つロータの回転によって釣糸が巻回されるとともにリール本体に対して回転可能なスプール10と、スプールの回転に抵抗を与えるドラグ機構と、ドラグ力の強弱切り換え、または、ドラグ機構の作動・非作動の切り換えを行なう切換機構と、切換機構を作動させるための操作部材5とを具備する魚釣用スピニングリールにおいて、操作部材5は、釣竿に取り付けられるリール本体1aの脚部1bにおいて、釣竿を握持した手の指で操作可能な位置に設けられていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リール本体に回転可能に支持されたロータと、リール本体に支持されたスプール軸に取り付けられ且つ前記ロータの回転によって釣糸が巻回されるとともにリール本体に対して回転可能なスプールと、スプールの回転に抵抗を与えるドラグ機構と、ドラグ力の強弱切り換え、または、ドラグ機構の作動・非作動の切り換えを行なう切換機構と、切換機構を作動させるための操作部材とを具備する魚釣用スピニングリールにおいて、前記操作部材は、釣竿に取り付けられるリール本体の脚部において、釣竿を握持した手の指で操作可能な位置に設けられていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は魚釣用スピニングリールに関する。 【0002】 【従来の技術】魚釣用スピニングリールには、スプールに制動力を付与しながらスプールの釣糸繰り出し方向への回転を許容する(スプールの回転力を制御する)ドラグ機構を備えているものがある。このようなドラグ機構によれば、ドラグを利かせて、釣糸にかかる力をスプールの回転によって逃がし、釣糸をスプールから滑り出させることにより、魚の急激な引き込みに対応することができ、ハリス切れや身切れによる魚のバレを防止できる。 【0003】また、例えば実開昭62−99975号公報には、前記ドラグ機構の作動状態を切り換える切換機構が開示されている。この切換機構は、スプールに回転抵抗(制動力)が付与されるドラグ作動状態と、スプールに回転抵抗(制動力)が全く付与されずスプールが自由に回転し得るフリー状態とを切り換える。また、前記切換機構はリール本体に回動可能に設けられた操作部によって作動される。また、前記フリー状態でリールハンドルが回転操作されると、その操作に連動して前記操作部が動作して、ドラグ機構がドラグ作動状態に切り換えられるようになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前記公報に開示されている技術では、ドラグ機構の作動状態を切り換えるための操作部がリール本体の後側に設けられている。そのため、釣竿を持ったままドラグ機構の作動状態を切り換える場合には、釣竿を握持する手と反対の手で操作部を操作する必要がある。したがって、ドラグの切換操作が煩わしく、また、迅速なドラグ切り換えを行なえないといった問題がある。 【0005】また、前記公報に開示されている切換機構は、ハンドルの回転操作によってドラグ機構がドラグ作動状態に復帰される構成であるため、瞬時の切換を行ないたい時に復帰がワンテンポ遅れてしまい、ロータの勢いある逆回転によって釣糸がバックラッシュを起こし易くなる。 【0006】本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、迅速且つ簡単にドラグ機構の作動状態の切り換えを行なうことができる魚釣用スピニングリールを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明は、リール本体に回転可能に支持されたロータと、リール本体に支持されたスプール軸に取り付けられ且つ前記ロータの回転によって釣糸が巻回されるとともにリール本体に対して回転可能なスプールと、スプールの回転に抵抗を与えるドラグ機構と、ドラグ力の強弱切り換え、または、ドラグ機構の作動・非作動の切り換えを行なう切換機構と、切換機構を作動させるための操作部材とを具備する魚釣用スピニングリールにおいて、前記操作部材は、釣竿に取り付けられるリール本体の脚部において、釣竿を握持した手の指で操作可能な位置に設けられていることを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。 【0009】図1〜図4および図8は本発明の第1の実施形態を示している。図1および図2に示されるように、本実施形態の魚釣用スピニングリール1は、リール本体1aと、リール本体1aから延出する脚部1bと、脚部1bの端部に形成され且つ図示しない釣竿に取り付けられる竿取付部1cとを有している。リール本体1a内にはハンドル軸2が回転可能に支持されており、リール本体1aから突出するハンドル軸2の端部には図示しないハンドルが固定されている。 【0010】ハンドル軸2にはドライブギア3が取り付けられており、このドライブギア3には、ハンドル軸2に対して直交する方向に延在し且つ軸受け11を介して回転可能に支持されたピニオンギア13が噛合している。このピニオンギア13の先端部には、ベール6および釣糸案内装置15を備えたロータ8が一体的に取り付けられている。 【0011】また、ピニオンギア13の内部には、ハンドル軸2と直交する方向に摺動可能で且つ回転可能に支持されたスプール軸9が挿通されており、スプール軸9の先端部には釣糸が巻回されるスプール10が回転可能に取付けられている。この場合、スプール10は、公知のフロントドラグ60をきつく締め付けることによって、スプール軸9に回転不能に取付け固定される。すなわち、スプール10はスプール軸9と一体で回転できるようになっている。 【0012】また、ドライブギア3には、オシレーティング機構19が係合している。このオシレーティング機構19は、ドライブギア3と噛み合って回転するウォームシャフト19aと、ウォームシャフト19aの溝と噛み合い且つスプール軸9に対してその軸方向に移動不能に取り付けられたスライダ19bとからなり、ハンドル軸2が前記ハンドルの回転操作によって回転されると、スプール軸9を軸方向に沿って往復駆動する。 【0013】このような構成では、前記ハンドルを回転操作してハンドル軸2を回転させると、オシレーティング機構19を介してスプール軸9に取り付けられたスプール10が前後に往復動するとともに、ドライブギア3およびピニオンギア13を介してロータ8が回転駆動する。したがって、スプール10には、釣糸案内装置15を介して、釣糸が均等に巻回される。 【0014】また、リール本体1aには、ロータ8の逆回転を防止する逆転防止機構が設けられている。この逆転防止機構は、支軸7を介して脚部1bに回動可能に取り付けられた操作部材としての操作レバー5によって作動される。具体的には、操作レバー5が図1に示される初期位置からA方向に押し下げ操作されると、逆転防止機構が働くようになっている。なお、操作レバー5の一端部には指が引掛けられる操作部5aが形成されている。また、この操作部5aは、釣竿を握持した手の指で操作可能な位置に設けられている。また、操作レバー5とリール本体1aとの間には、操作レバー5を初期位置に常時保持する引張りバネ16が設けられている。 【0015】ピニオンギヤ13には一方向クラッチ20を介して回転体31が取り付けられている。また、回転体31の表面には、ビス90を介して、リング状の逆転防止板33が取り付け固定されている。 【0016】一方向クラッチ20は、ピニオンギア13に対して回り止め嵌合された内輪21と、内輪21の外側に配された保持器27と、保持器27の外側に配された外輪25とを有している。外輪25の外周には回転体31が回転不能に嵌合されている。図8にも示されるように、保持器27は複数の転動部材27aを保持しており、各転動部材27aは保持器27に設けられたバネ部材によって一方向に付勢されている。また、外輪25の内周面には、各転動部材27aがフリーに回転できるフリー回転領域と、各転動部材27aの回転を阻止する楔領域とが形成されている。このような構成の一方向クラッチ20は、ピニオンギア13とともに内輪21が正回転する(ロータ8が糸巻き取り方向に回転する)と、保持器27の転動部材27aが外輪25のフリー回転領域に位置され、内輪の21の回転力が外輪25に伝達されない。しかし、ピニオンギア13とともに内輪21が逆回転する(ロータ8が糸繰り出し方向に回転する)と、保持器27の転動部材27aが外輪25の楔領域に位置され、内輪21の回転力が外輪25に伝達される。 【0017】一方向クラッチ20を介したピニオンギア13と回転体31との以上のような連結構造によれば、回転体31と逆転防止板33は、ピニオンギア13が逆回転した時にのみ、一方向クラッチ20を介してピニオンギア13(したがってロータ8)と直結され、ロータ8と一体に回転する。 【0018】図2に拡大して示されるように、ロータ8の逆転を防止する逆転防止機構は、操作レバー5の他端部に突出形成された作動体50と、支軸52に回動可能に支持され且つ作動体50によって回動される制御カム54と、リール本体1aのフレーム1fに移動可能に保持され且つ制御カム54の回動によって逆転防止板33に向けて移動される係止爪56と、逆転防止板33の内周面に形成され且つ係止爪56と噛み合う複数の係止溝33aとから成る。制御カム54は、作動体50と当接する第1および第2の当接部54a,54bと、係止爪56と当接する第3の当接部54cとを有している。第1の当接部54aと第2の当接部54bとの間には作動体50が位置され、また、第3の当接部54cは係止爪56の端部から側方に突出する突出部56aと当接している。制御カム54は、制御カム54とリール本体1aとの間に設けられた振り分けバネ58によって回動方向に常時付勢されている。また、係止爪56は、支軸52に巻回保持されたバネ57によって、逆転防止板33の係止溝33aと噛み合う方向に常時付勢されている。 【0019】前記構成では、操作レバー5が図1に示される初期位置に位置している場合、振り分けバネ58の付勢力(制御カム54に対しこれを図中反時計回りに回動させる方向に作用する)によって制御カム54の第1の当接部54aが作動体50に当接されるとともに、係止爪56の突出部56aと当接する第3の当接部54cがバネ57の付勢力に抗して係止爪56を逆転防止板33から離間させた状態に保持する。また、操作レバー5が初期位置からA方向に押し下げ操作されると、作動体50が振り分けバネ58の付勢力に抗して制御カム54を図中時計回りに回動させる。この時、振り分けバネ58は、制御カム54の回動に伴って揺動するが、そのデットポイントを超えた時点で制御カム54に対しこれを時計回りに回動させる方向で付勢力を付与するようになる。したがって、その後、制御カム54は、作動体50によらず、振り分けバネ58の付勢力によって時計回りに回動することとなる。これにより、第1の当接部54aが作動体50から離間するとともに、第3の当接部54cに当接する係止爪56が逆転防止板33に向けて移動される。そして、逆転防止板33の係止溝33aに係止爪56が噛み合い、第2の当接部54bが作動体50と当接した時点で、制御カム54の回動が停止される。すなわち、係止溝33aと係止爪56との噛み合い状態が保持され、また、操作レバー5がA方向に押し下げられたロータ逆転防止位置に保持される。 【0020】また、本実施形態のスピニングリール1には、スプール10に制動力を付与しながらスプール10の釣糸繰り出し方向への回転を許容する(スプール10の回転力を制御する)リヤドラグ方式のドラグ機構が設けられている。図1および図2に示されるように、このドラグ機構は、スプール軸9に取り付けられてリール本体1aのフレーム1fに圧接される略筒状の圧接部材62と、リール本体1aの後部に設けられ且つリール本体1aのフレーム1fに螺合されるドラグ調整ツマミ64と、圧接部材62とドラグ調整ツマミ64との間に配設された複数の摩擦板66と、摩擦板66とドラグ調整ツマミ64との間に介挿された圧縮バネ68とを備えている。この場合、圧接部材62は、スプール軸9に対して回転不能に取り付けられる(スプール軸9と一体に回転する)とともに、スプール軸9に対してその軸方向に相対的に移動できる。また、圧接部材62の外周面には、後述する切換機構の係止部材72が係止される複数の係止溝62aが周方向に沿って形成されている。 【0021】このようなドラグ機構では、バネ68の付勢力に抗してドラグ調整ツマミ64が締込み操作される(ドラグ調整ツマミ64がフレーム1fに捩じ込まれる)と、その締込み力に応じた押圧力で、圧接部材62が摩擦板66によりリール本体1aのフレーム1fに圧接され、スプール軸9の回転が規制される(したがって、スプール軸9と一体で回転するスプール10の回転が規制される)。また、ドラグ調整ツマミ64が緩められると、その緩め具合に応じてスプール軸9すなわちスプール10の回転が許容される。 【0022】また、本実施形態のスピニングリール1には、前記ドラグ機構の作動状態を切り換えるための切換機構が設けられている。この切換機構は、操作レバー5によって作動され、ドラグ機構によってスプール10の回転に抵抗力(制動力)を付与可能なドラグ作動状態と、スプール10の回転が阻止されてドラグ機能が働かないドラグ非作動状態とを切り換える。 【0023】具体的には、切換機構は、支軸70に回動可能に取り付けられた係止部材72を有している。この係止部材72は、ドラグ機構を構成する圧接部材62の係止溝62aに係止される係止部72aを有している。また、係止部材72は、支軸70に巻回保持されたバネ71によって、係止部72aが係止溝62aに係止される回転方向に常時付勢されている。また、係止部材72には、支軸70に対して係止部72aと反対側に、逆転防止機構を構成する制御カム54と当接可能な当接部72bを有している。 【0024】次に、前記構成のスピニングリール1の動作について説明する。 【0025】まず、操作レバー5が初期位置に保持された状態(図1、図2、図3参照)では、制御カム54は、振り分けバネ58によって付勢されてその第1の当接部54aが作動体50と当接されており、係止部材72の当接部72bから離間されて係止部材72にこれを回動させる力を作用させない。そのため、係止部材72は、バネ71の付勢力によって、その係止部72aがドラグ機構を構成する圧接部材62の係止溝62aに係止された状態を維持する。したがって、圧接部材62の回転が阻止され、圧接部材62と回り止め嵌合するスプール軸9の回転が規制される。すなわち、スプール軸9に回転不能に取り付けられたスプール10の回転が阻止されてドラグ機能が働かないドラグ非作動状態に設定される。 【0026】この状態で、ハンドルを介してピニオンギア13を正回転させると、ピニオンギア13に取り付けられたロータ8も一体で正回転する(糸巻き取り方向に回転する)。しかしながら、この時、ブレーキロータ31は、一方向クラッチ20の前記連結作用により回転しない。 【0027】また、操作レバー5が初期位置に保持された状態で、ピニオンギア13が逆回転されると、ピニオンギア13に取り付けられたロータ8も一体で逆回転する(糸繰り出し方向に回転する)。この時、回転体31も一方向クラッチ20の前記連結作用によりロータ8とともに逆回転する。 【0028】一方、操作レバー5がA方向に押し下げ操作されると(図4参照)、前述したように、作動体50を介して制御カム54が図中時計回りに回動される。これにより、第3の当接部54cに当接する係止爪56が逆転防止板33に向けて移動され、逆転防止板33の係止溝33aに係止爪56が噛み合って回転体31の回転が阻止される(図3参照)。したがって、この状態で、ハンドルを介してピニオンギア13を逆回転させようとしても、一方向クラッチ20を介してピニオンギア13に直結された回転体31の回転が阻止されているため、ピニオンギア13したがってロータ8は逆回転しない。無論、この状態でピニオンギア13を正回転させれば、一方向クラッチ20を介した回転体31とピニオンギア13との直結状態が解除されるため、ロータ8は正回転することができる。 【0029】また、操作レバー5の押し下げ操作に伴って回転する制御カム54は、係止部材72の当接部72bと当接し、係止部材72を図中反時計回りに回動させて、係止部72aと係止溝62aとの係止状態を解除する。したがって、圧接部材62とスプール軸9とスプール10は、設定されたドラグ力で一体で回転することができる。すなわち、ドラグ機構によってスプール10の回転に抵抗力(制動力)を付与可能なドラグ作動状態に設定される。 【0030】なお、操作レバー5を初期位置に戻すと、作動体50および振り分けバネ58によって制御カム54が図中反時計回りに回動され、制御カム54の第3の当接部54cと当接する係止爪56がバネ57の付勢力に抗して初期位置に戻される(図1参照)。これにより、逆転防止板33Bの係止溝33aと係止爪56との噛み合いが外れ、回転体31の回転が可能となる。また、制御カム54が反時計回りに回動されると、係止部材72もバネ71の付勢力によって時計回りに回動され、係止部72aが係止溝62aに係止される。すなわち、ドラグ非作動状態に設定される。 【0031】以上説明したように、本実施形態のスピニングリール1において、ドラグの作動状態を切り換える操作レバー5は、釣竿に取り付けられるリール本体1aの脚部1bに設けられている。しかも、この操作レバー5は、釣竿を握持した手の指で操作可能な位置に設けられている。したがって、釣竿を片手で握って、その握った手の指でドラグ切り換えを行なうことができる。すなわち、釣竿の握持と魚とのやりとりとを1アクションで行なうことができるようになる(迅速且つ簡単にドラグ機構の作動状態の切り換えを行なうことができるようになる)。 【0032】また、本実施形態のスピニングリール1は、ロータ8の逆回転が防止されている状態で、常に、ドラグ作動状態に設定される。言い換えると、ドラグ非作動状態の時には、常に、ロータ8が逆転可能状態に設定される。したがって、ロータ8とスプール10のいずれか一方の回転によって、釣糸にかかる力を常に逃がすことができ、魚の急激な引きで糸切れや魚の身切れが発生して魚をバラしてしまうといったことを防止できる。 【0033】一般に、操作レバー5がA方向に押し下げ操作されてロータ8の逆回転が防止されている状態で、急激な魚の引き込みがあった場合には、釣糸を迅速且つ滑らかに繰り出してハリス切れを防止することが重要である。特にハリスが細い場合には、釣糸の瞬時の繰り出し操作が要求される。しかし、実際には、魚信(魚の当たり)があってからロータ8が逆転可能状態に完全に切り換えられるまで、すなわち、操作者が魚の急激な引き込みに反応してA方向に押し下げられた操作レバー5を図1に示される初期位置に戻すまでには、若干のタイムラグがあるため、その間に仕掛けが魚の引きに耐え切れず、ハリス切れや魚の身切れで、魚がバレてしまう場合がある。また、仮に、タイムラグが短く、即座にロータ8を逆転可能状態に切り換えることができたとしても、釣糸にテンションがかかっている状態でいきなりロータ8が逆転を始めると、その反動で魚が針から外れたり、バックラッシュが生じてしまう場合がある。 【0034】しかし、本実施形態のスピニングリール1によれば、操作レバー5の切換操作が完了してロータ8が逆転可能状態になるまでの間、ドラグ機構を利用して釣糸にかかるテンションを逃がすことができるため、前述した事態を回避できる。すなわち、ロータ逆転防止状態では、常に、ドラグ作動状態であるため、ロータ8の逆回転が防止されている状態で急激な魚の引き込みがあった場合には、操作レバー5の切換操作が完了してロータ8が逆転可能状態になるまでの間、釣糸にかかる力をスプール8の回転によって逃がす(釣糸をスプール8から滑り出させる)ことができ、その後の魚との微妙なやりとりに対応することができる。つまり、逆転防止状態で魚がかかった時にドラグを利かせてタイムラグによる不都合を回避し、ドラグによって釣糸が滑り出している時に操作レバー5によってロータ8の逆転防止状態を解除するようにすれば、魚とのやりとり操作へとスムーズに移行でき、魚のバレを防止して掛かった魚をトラブルなく捕り込むことが可能となる。また、ドラグ機構の作用により、釣糸にテンションがかかった状態でロータ8が急に逆回転するといった事態を回避できるため、バックラッシュも防止できる。 【0035】また、本実施形態では、リヤドラグとは別にフロントドラグ60が設けられている。そのため、フロントドラグ60の締め付け状態を調整して、所定の力でスプール10がスプール軸9に対して回転できるようにしておくと、操作レバー5および切換機構は、前述したようにドラグの作動・非作動を切り換える機構というよりは、むしろ、ドラグ力の強弱切り換えを行なう機構として機能するようになる。 【0036】すなわち、予め、フロントドラグ60側のドラグ力を強く設定する(ドラグをきつく締め付ける)とともに、リヤドラグ側のドラグ力を弱く設定した(ドラグ調整ツマミ64の締め付け状態を軽くした)状態では、操作レバー5が初期位置に保持されていると、スプール軸9の回転は阻止されるが、スプール10は所定の力でスプール軸9に対し回転できる。この状態は、リヤドラグ非作動状態であると同時に、フロントドラグ作動状態(強ドラグ状態、あるいは、通常のフロントドラグ付きのスピニングリール)でもあり、スプール10は、フロントドラグ60側で設定された強いドラグ力を越える力が働いた時に回転できる。 【0037】一方、操作レバー5がA方向に押し下げ操作されると、ロータ8の逆回転が防止されるとともに、スプール軸9の回転が許容され、スプール10はリヤドラグ側で設定された弱いドラグ力で回転することができる(リヤドラグ側で設定された弱いドラグ力を越える力がかかれば即座に回転する)。この状態は、リヤドラグ作動状態、すなわち、弱ドラグ状態である。 【0038】図5は本発明の第2の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。 【0039】図示のように、本実施形態のスピニングリール1Aにおいて、スプール10は、フロントドラグを介することなく、スプール軸9に直接に固定されている。すなわち、スプール10はスプール軸9と一体で回転できるようになっている。それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。 【0040】したがって、このような構成でも、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。ただし、フロントドラグ60が設けられていないため、切換機構は、ドラグ力の強弱切換を行なうことはできず、ドラグ機構の作動・非作動を切り換える機構としてのみ機能する。 【0041】図6および図9は本発明の第3の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。 【0042】図示のように、本実施形態のスピニングリール1Bにおいて、逆転防止機構は、その構成が第1の実施形態のそれと異なり、操作レバー5と別個に設けられた切換部材95によってのみ作動される。すなわち、操作レバー5は、ドラグの作動状態(ドラグ力の強弱切換またはドラグ機構の作動・非作動)を切り換える操作部材としてのみ機能する。 【0043】図9に詳しく示されるように、逆転防止機構は、一方向クラッチ20の外輪25に嵌合されてこれと一体に回転するラチェット爪車96と、切換部材95の内端部に当て付いて支軸99を中心に回動可能なストッパ爪97とを備えている。また、ラチェット爪車96の外周には、その爪部96a間に、ストッパ爪97が噛合可能な複数の係合凹部96bが設けられている。 【0044】このような構成では、切換部材95が一方向に回動されてストッパ爪97がラチェット爪車96の係合凹部96bに噛み合うと、ロータ8の逆回転が防止される。また、切換部材95が他方向に回動されてストッパ爪97とラチェット爪車96の係合凹部96bとの噛み合い状態が解除されると、ロータ8の逆回転が可能になる。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。 【0045】以上のように、本実施形態においても、ドラグの作動状態を切り換える操作レバー5は、釣竿に取り付けられるリール本体1aの脚部1bに設けられている。しかも、この操作レバー5は、釣竿を握持した手の指で操作可能な位置に設けられている。したがって、迅速且つ簡単にドラグ機構の作動状態の切り換えを行なうことができる。 【0046】図7は第3の実施形態の変形例を示している。すなわち、本変形例に係るスピニングリール1Cにおいて、スプール10は、フロントドラグを介することなく、スプール軸9に直接に固定されている。すなわち、スプール10はスプール軸9と一体で回転できるようになっている。なお、それ以外の構成は第3の実施形態と同一である。 【0047】したがって、このような構成でも、第3の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。ただし、フロントドラグ60が設けられていないため、切換機構は、ドラグ力の強弱切換を行なうことはできず、ドラグ機構の作動・非作動を切り換える機構としてのみ機能する。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の魚釣用スピニングリールによれば、迅速且つ簡単にドラグ機構の作動状態の切り換えを行なうことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002495 【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月30日(1999.11.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−157535(P2001−157535A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月12日(2001.6.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−340314 |
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