| 【発明の名称】 |
漁 網 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷口 龍
【氏名】森田 徹
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 漁獲用網地において、網糸を構成する繊維の少なくとも一部に、オレフィンと一酸化炭素の共重合してなるポリケトンポリマーから構成されたポリケトン繊維を用いることを特徴とする漁網。 【請求項2】 ポリケトン繊維の強度が5cN/dtex以上、弾性率が100cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1記載の漁網。 【請求項3】 ポリケトン繊維の強度が10cN/dtex以上、弾性率が200cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1または2記載の漁網。 【請求項4】 ポリケトンポリマーを構成する繰返単位の97重量%以上が1−オキソトリメチレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の漁網。 【請求項5】 ポリケトンポリマーを構成する繰返単位が1−オキソトリメチレンのみからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の漁網。 【請求項6】 網糸を構成する繊維の50重量%以上がポリケトン繊維であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の漁網。 【請求項7】 網糸を構成する繊維がポリケトン繊維のみからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の漁網。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性に優れ、さらには耐水性、耐熱性、耐湿熱特性を有し、安定して優れた漁獲性能を有する漁網に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、刺網、曳網、施網、定置網、海苔網、養殖網などの漁獲用・養殖用の漁網においては、網糸を構成する繊維としてナイロン6・6やナイロン6等のポリアミド繊維、ポリエステル繊維、塩化ビニリデン繊維、塩化ビニル繊維、ポリプロピレン繊維等が用いられてきた。漁網に用いられる網糸には使用時に破断しないだけの強力が必要とされるが、これらの汎用繊維は強度が十分ではなく、結果として繊度の大きい繊維を用いることで強力を持たせてきていた。しかし、繊度の大きい繊維からなる網糸では、漁獲時の海水の抵抗が大きい問題、漁網の重量が重くなり操作性及び取扱性が悪い問題などがあり、より細い繊度の繊維からなる軽量で取扱性のよく、また、漁獲時の抵抗の少ない漁網が要求されている。 【0003】これらの要求を受けて、近年、超高分子量ポリエチレン繊維やポリビニルアル000繊維を用いた漁網も検討されている(特開平7−135872号公報、特開平8−70732号公報)。しかしながら、ポリエチレン繊維は融点が低く、漁網の繰出し・取入れ時などの網と金属との摩擦による発熱によって繊維が融着したり、染色が困難である問題があった。また、ポリビニルアルコール繊維は耐水性、特に耐湿熱性が悪く、海水を含んだ状態で日光等によって加熱されると強度が著しく低下する問題があった。以上のように、これまで漁網において、機械的特性に優れ、かつ、耐熱性、耐湿熱性にも優れる網糸からなる漁網は知られていない。 【0004】 【本発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、機械的特性、耐熱性、耐湿熱性に優れる漁網を提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、漁獲用網地において、網地を構成する繊維の少なくとも一部に、オレフィンと一酸化炭素の共重合してなるポリケトンポリマーから構成されたポリケトン繊維を用いることにより、従来の漁網では見られない機械的特性、耐熱性、耐湿熱性に優れた漁網が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明:■ 漁獲用網地において、網糸を構成する繊維の少なくとも一部に、オレフィンと一酸化炭素の共重合してなるポリケトンポリマーから構成されたポリケトン繊維を用いる漁網を提供する。また、■ ポリケトン繊維の強度が5cN/dtex以上、弾性率が100cN/dtex以上である点にも特徴を有する。また、■ ポリケトン繊維の強度が10cN/dtex以上、弾性率が200cN/dtex以上である点にも特徴を有する。また、■ ポリケトンポリマーを構成する繰返単位の97重量%以上が1−オキソトリメチレンである点にも特徴を有する。また、■ ポリケトンポリマーを構成する繰返単位が1−オキソトリメチレンのみからなる点にも特徴を有する。また、■ 網糸を構成する繊維の50重量%以上がポリケトン繊維である点にも特徴を有する。また、■ 網糸を構成する繊維がポリケトン繊維のみからなる点にも特徴を有する。 【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の漁網を構成する繊維の少なくとも一部、あるいは全部として用いられるポリケトン繊維を構成するポリマーは、オレフィンと一酸化炭素の共重合ポリマーである。強度・弾性率などの機械的特性、耐熱性、耐湿熱性、耐水性の観点からエチレンと一酸化炭素が結合した1−オキソトリメチレンを主たる繰返単位とするポリマーが好ましい。繰返単位中の1−オキソトリメチレンの割合は、多ければ多いほど高融点、高力学物性の繊維が得られるため90重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは97重量%以上、特に好ましくは100重量%である。このオレフィンと一酸化炭素が結合した繰返単位同士は、部分的にケトン基同士、オレフィン同士がつながっていてもよいが、90重量%以上がオレフィンと一酸化炭素が交互に配列したポリケトンポリマーであることが望ましい。耐光性、耐熱性、高温時の物性の低下の観点からオレフィンと一酸化炭素が交互に配列した部分の含有率は多ければ多いほどよく、好ましくは97重量%以上、最も好ましくは100重量%である。 【0007】また、必要に応じてプロペン、ブテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ペンテン、シクロペンテン、オクテン、ノネン等のエチレン以外のオレフィンやメチルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルピロリドン、塩化ビニル等の不飽和炭化水素を有する化合物を共重合してもよい。その他の共重合成分の割合は特に制限されないが、通常3重量%未満、好ましくは1重量%未満である。 【0008】本発明の漁網に用いられるポリケトン繊維は強度が5cN/dtex以上、弾性率が100cN/dtex以上であることが推奨される。繊維の強度は高いほど同一重量当たりの漁網の強力が強くなり細繊度化、軽量化が可能となるので、好ましくは5cN/dtex以上、さらに好ましくは10cN/dtex以上、特に好ましくは15cN/dtex以上であることが望ましい。また、繊維の弾性率も高いほど網糸の剛性が向上するので、好ましくは100cN/dtex以上、さらに好ましくは200cN/dtex以上、特に好ましくは300cN/dtex以上であることが望ましい。 【0009】また、漁網に用いられるポリケトン繊維は機械的特性のみならず耐熱性、耐湿熱特性に優れることが望まれる。ポリケトン繊維においては繊維の融点が高いほど耐熱性に優れるため、好ましくは240℃以上、より好ましくは250℃以上、特に好ましくは260℃以上の融点であることが望ましい。ポリケトン繊維の耐湿熱特性としては、120℃、100%湿度下で30分の過酷な湿熱処理を行っても十分な強度を維持することが望ましく、湿熱処理前後の繊維の強度保持率としては好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であることが望ましい。 【0010】このような特性を有するポリケトン繊維は漁網を構成する網糸の少なくとも一部に使用される。網糸におけるポリケトン繊維の比率は、網組織や経糸、緯糸など使用部位によって異なるが、ポリケトン繊維の割合が高ければ高いほど、機械的特性、耐熱性、耐湿熱特性に優れることから、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは100重量%がポリケトン繊維であることが望ましい。ポリケトン繊維の繊度やフィラメント数には特に制限はなく、必要に応じては単糸繊度10dtex以上のモノフィラメントを用いてもよい。 【0011】以上のような特徴を有するポリケトン繊維はそのまま、或いは他の繊維素材と複合して、撚糸、編網、必要に応じては染色を行い、目通し、樹脂加工、熱処理を経て本発明の漁網に加工される。本発明の漁網の網形態については特に制限はなく、結節網、無結節網のいずれであってもよい。また、結節方法についても特に制限はなく、本目網、蛙股網、ラッシェル網、もじ網、織網など用途、使用目的に応じて任意の方法を採用できる。また、網糸の太さ、撚りの有無、撚り方法、撚り合わせ本数、目合、網幅、長さについても特に制限はなく、従来公知の条件、方法を採用することができる。 【0012】漁網の製網方法については、従来公知の本目製網機、蛙股製網機、丸型製網機、よこ型製網機、ラッシェル型製網機、もじ網製網機などの製網機をそのまま用いることが出来る。ポリケトン繊維を染色する方法については特に制限はないが、分散染料による染色が好適に用いられる。熱処理前後に伸度調節や結節固定、耐摩擦性、水切れ向上、柔軟性付与などを目的とした樹脂加工を行ってもよく、目的に応じた特性を有する樹脂で加工できる。漁網の熱処理条件は、併用する繊維素材の種類や網組織、樹脂加工に用いた樹脂の種類によって任意の条件を採用できるが、概略100〜250℃の範囲で処理を行われる。 【0013】本発明の漁網を構成する網糸には、目的に応じてポリケトン繊維以外の繊維素材を用いることが出来る。混用可能な繊維については特に制限はなく、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン4・6などのポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリベンザゾール繊維、アラミド繊維、羊毛、ポリアクリロニトリル繊維、木綿、ビスコースレーヨン等のセルロース繊維、炭素繊維、セラミックス繊維、金属繊維などの従来公知の繊維を使用することができ、必要に応じてはこれらの繊維の中から複数種類の繊維を複合して用いても何ら問題はない。他の繊維の混用割合は特に制限されないが、通常50重量%未満、好ましくは20重量%未満である。 【0014】本発明の漁網に用いられる繊維材料は無撚糸であっても、仮撚り、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工などの加工を施した加工糸を用いても良い。複数種の繊維を混用する場合、その方法についても特に制限はなく、経糸、緯糸に異なる種類の繊維を用いたり、必要に応じては複数種の繊維を仮撚りや撚りなどの加工を施して混繊糸としたり、また、同一種の繊維であっても熱的・機械的特性の異なる繊維、或いは繊度やフィラメン数の異なる繊維、または長繊維のフィラメントと短繊維の紡績糸などを複合して用いてもよい。 【0015】また、本発明の漁網に用いるポリケトン繊維および混用する繊維は、熱安定剤や平滑剤、顔料、油剤、隠蔽剤、艶消し剤、難燃剤、可塑剤、防炎剤、防腐剤、抗菌剤、防汚剤などの添加剤を表面に塗布あるいは繊維中に含んでいてもよく、むしろ各種薬剤を塗布、含有する繊維が望ましい。以上のような条件から作製された本発明の漁網は、刺網、曳網、施網、定置網、海苔網、養殖網などの用途に用いることができる。特に、高強度・高弾性率、高耐湿熱性の点から刺網、曳網等の漁獲用漁網に適している。 【0016】以下、本発明の漁網を構成する網糸に用いられるポリケトン繊維の製造法について説明する。ポリケトン繊維の製造方法は特に限定されず、従来公知の溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法をそのままあるいは修正して用いることが出来る(例えば、特開平1−124617号公報、特開平2−112413号公報、特開平4−228613号公報、特表平4−505344号公報、特表平7−508317号公報、特表平8−507328号公報、WO9918143号公開パンフレット、特願平10−236595号、特願平11−72091号、特願平11−77220号、特願平11−159258号、特願平11−167370号)。 【0017】エチレン/一酸化炭素交互共重合ポリマーを紡糸する場合には濃厚金属塩を溶剤とする湿式紡糸法が好ましい。濃厚金属塩としては、ハロゲン化亜鉛化合物が挙げられ、溶解性、溶媒のコスト、水溶液の安定性の点で塩化亜鉛、よう化亜鉛が好ましい。また、必要に応じては塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のハロゲン化物を60重量%以下で含んでいてもよく、ドープの溶解性、熱安定性、紡糸性の観点から塩化ナトリウムや塩化カルシウムなどの金属塩を5〜30重量%含有したドープが好ましい。このポリケトンドープを紡糸口金より吐出し、必要に応じてはエアーギャップ部を経て凝固浴を通して糸状物とする。凝固浴の組成は、メタノール、アセトン等の有機溶剤、水、有機物水溶液、無機物水溶液等のようなものであってもよいが、水を含んだ溶液が好ましい。 【0018】このようにして得た糸状物を必要に応じては金属塩を洗浄し、乾燥、延伸を行う。延伸は、通常融点以下の温度で行われ延伸倍率はトータルで10倍以上、特に15倍以上の熱延伸を行うことが好ましく、延伸温度を徐々に高くしていく多段延伸法が好適に用いられる。このような方法で得られたポリケトン繊維は、高強度・高弾性率の優れた機械的特性を有するとともに熱や湿熱に対して安定であり、該繊維を漁網用網糸へ適用することにより従来の繊維素材からなる漁網では得ることのできなかった軽量で取扱性に優れ、流水抵抗の少なく、優れた強度、安定した漁獲性能を有する漁網が得られるようになった。 【0019】 【実施例】本発明を、下記の実施例などにより更に詳しく説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法は次の通りである。 (I) 極限粘度極限粘度[η]は次の定義式(I)に基づいて求められる値である。
(式中のt及びTはヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。Cは上記溶液100ml中のグラム単位による溶質重量値である。) (2) 強度、弾性率JIS−L−1013に準じて測定した。 【0020】(3) 融点繊維を長さ5mmにカットしたものを試料とした。パーキンエルマー社製示差熱測定装置Pyris1を用いて下記条件で測定を行った。 サンプル重量 : 1mg測定温度 : 30℃→300℃昇温速度 : 20℃/分雰囲気 : 窒素、流量=200mL/分得られる吸発熱曲線において200℃〜300℃の範囲に観測される最大の吸熱ピークのピークトップ温度を融点とした。 (4) 耐湿熱強度保持率湿度100%、温度120℃のオートクレーブ中に繊維または釣り糸を投入し30分間処理した。処理後の引張強度を上記(2) の方法に準じて測定し、処理前の繊維強度をT、処理後の繊維強度をTsとして下式(2) より耐湿熱強度保持率Rsを求めた。 Rs = Ts/T × 100 (%)・・・(2) 【0021】(5) 網の引張強力JIS−L−1043に準じて1節1本で測定した。 (6) 湿熱引張強力の保持率湿度100%、温度120℃のオートクレーブ中に網地を投入し30分間処理した。処理後の網の引っ張り強力を上記(5) の方法に準じて測定した。処理前の網の強力をTb、処理後の網の強力をTaとして下式(3) より湿熱引張強力保持率Rnを求めた。 Rn= Ta/Tb × 100 (%)・・・(3) 【0022】(実施例1)常法により調製したエチレンと一酸化炭素が完全交互共重合した極限粘度5.9のポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65重量%/塩化ナトリウム10重量%を含有する水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解しポリマー濃度8重量%のドープを得た。得られたドープを80℃に加温し、20μmのフィルターでろ過した後に、紡口径0.10mm、L/D=1、250ホールの紡口より10mmのエアーギャップを通した後に5重量%の塩化亜鉛を含有する18℃の水中に吐出量16cc/分の速度で押出し、凝固させた。引続き凝固糸を濃度2重量%の硫酸水溶液で洗浄し、さらに30℃の水で洗浄した後、巻取速度2.5m/分で巻取り、さらに得られた糸状物を220℃にて乾燥して未延伸糸を得た。この未延伸糸を240℃で1段目の延伸を行った後に、引続き260℃で2段目、270℃で3段目の延伸を行いトータルで15倍の延伸を行い、480dtex/250fの延伸糸を得た。延伸時に毛羽・断糸等のトラブルは発生しなかった。得られた繊維は繊維物性、高融点であり、湿熱安定性にも優れた性能を有していた。この延伸糸を3子撚りにして合撚糸を作製した。この合撚糸を用いて、7500Dr、目合11節、100掛のラッシェル網を製網した。 【0023】(実施例2)常法により1−オキソ−3−メチルトリメチレンユニットを3重量%含有する極限粘度5.4のエチレン/プロペン/一酸化炭素ターポリマーを調製した。該ポリマーを用い、ドープ濃度を10重量%とし、吐出量を14cc/分にする以外は実施例1と同様の処方で紡糸、乾燥を行い未延伸糸を得た。この未延伸糸を180℃に加熱したロールを通した後に、周囲に220℃の加熱空気を流した長さ1mのホットプレート上で220℃で1段目の延伸を行った後に、引き続き235℃で2段目、さらに245℃で3段目の延伸を行いトータルで14.5倍の延伸を行い繊度500dtex/250fの延伸糸を得た。該延伸糸を用い実施例1と同様にしてラッシェル網を製網した。 【0024】(実施例3)常法により1−オキソ−3−メチルトリメチレンユニットを6重量%含有する極限粘度1.6のエチレン/プロペン/一酸化炭素ターポリマーを調製した。該ポリマーを用い、ドープ濃度を22重量%とし、吐出量を6cc/分にする以外は実施例1と同様の処方で紡糸、乾燥を行い未延伸糸を得た。この未延伸糸を180℃に加熱したロールを通した後に、周囲に200℃の加熱空気を流した長さ1mのホットプレート上で200℃で1段目の延伸を行った後に、引き続き215℃で2段目、さらに225℃で3段目の延伸を行いトータルで12.5倍の延伸を行い繊度480dtex/250fの延伸糸を得た。この延伸糸の強度はナイロン6・6およびそれから製網された漁網とほぼ同等であったが、耐湿熱特性に優れていた。 【0025】(実施例4)実施例1で作製した合撚糸をフロント糸に、また公知の溶融紡糸法により作製したナイロン6・6繊維(1500dtex/250f)をバック糸に用いてラッシェル網を製網した。 【0026】(比較例1)公知の溶融紡糸法により作製したナイロン6・6繊維(1500dtex/250f)を用いて実施例1と同様にしてナイロン6・6繊維のみからなるラッシェル網を製網した。該、網地の強力はポリケトン繊維のそれに比べて大きく劣っており、特に湿熱処理によって強力が大幅に低下した。 (比較例2)常法により調製した重合度7000のポリビニルアルコールを濃度7重量%となるようDMSOに溶解し、冷メタノールを凝固浴として常法に従い紡糸、乾燥、延伸を行い、繊度355dtex/250fの延伸糸を得た。この延伸糸を用いて4子撚りを行い合撚糸を得た。この合撚糸を用いて実施例1と同様の処方でラッシェル網を製網した。網地の機械的特性はポリケトン繊維を用いたものと同等であったが、湿熱処理により強力が大きく低下した。 【0027】上記実施例および比較例にて用いた繊維の性質を表1にまとめて示す。また、上記実施例および比較例にて作製した漁網の性能を表2にまとめて示す。 【表1】
【0028】 【表2】
【0029】(注)・ECO =エチレン/一酸化炭素交互共重合ポリマー(融点258℃) ・EPCO■=エチレン/プロペン/一酸化炭素ターポリマー(重量基準でエチレン/CO:プロペン/CO=97:3、融点241℃) ・EPCO■=エチレン/プロペン/一酸化炭素ターポリマー(重量基準でエチレン/CO:プロペン/CO=94:6、融点222℃) ・PA =ナイロン6・6(標品名レオナ6・6、旭化成工業(株)製) ・PVA =ポリビニルアルコール(重合度=7000、ケン化度=100%) 【0030】 【発明の効果】本発明の漁網は、高強度・高弾性率の優れた機械的特性を有するとともに熱や湿熱に対して安定であるポリケトン繊維を含有するため機械的特性、耐熱性の優れる。特に、高強度・高弾性率、高耐熱性の1−オキソトリメチレンのみからなるポリケトン繊維からなる漁網は、高い網糸強力・弾性率と耐熱性、耐湿熱性を有しており、従来の繊維素材からなる漁網では得ることのできなかった高い機械的特性、安定した漁獲性能を発揮できる。また、該漁網では従来の漁網に比べて同等の強力とすることで軽量化、低容量化が可能となり、取り扱い性の向上、流水抵抗の低減が期待される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000033 【氏名又は名称】旭化成株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月2日(1999.12.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095902 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 穣 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−157528(P2001−157528A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月12日(2001.6.12) |
| 【出願番号】 |
特願平11−342770 |
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