| 【発明の名称】 |
スピニングリールの回転伝達装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】森本 伸一
【氏名】風呂本 儀幸
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| 【要約】 |
【課題】オシレーティング機構の回転伝達装置において、連結軸の取付精度を高く維持でき、かつリール全体の軽量化を図れるようにする。
【解決手段】スピニングリールの回転伝達機構14は、オシレーティング機構6にハンドルの回転を伝達するものであって、ピニオンギア12と、連結軸36と、第1軸受部28と、第2軸受部29と、第1ギア37と、第2ギア38と、第3ギア39とを備えている。連結軸は、ピニオンギアと食い違う軸に沿って配置されている。第1軸受部は、リール本体に着脱自在に固定され連結軸の一端を回転自在に支持する。第2軸受部は、リール本体に設けられ連結軸の他端を回転自在に支持する。第1ギアは、連結軸に設けられピニオンギアに噛み合う。第2ギアは、連結軸に第1ギアと間隔を隔てて設けられている。第3ギアは、オシレーティング機構に連結され第2ギアに噛み合う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】スピニングリールのリール本体に装着されたスプールを前後に往復移動させる往復移動機構にハンドルの回転を伝達するスピニングリールの回転伝達装置であって、前記ハンドルの回転が伝達されるピニオンギアと、前記往復移動機構と前記ピニオンギアとを連結可能に前記ピニオンギアと食い違う軸に沿って配置された連結軸と、前記リール本体に着脱自在に固定され前記連結軸の一端を回転自在に支持する第1軸受部と、前記リール本体に設けられ前記連結軸の他端を回転自在に支持する第2軸受部と、前記連結軸に設けられ前記ピニオンギアに噛み合う第1ギアと、前記第1ギアと別の位置で前記連結軸に設けられた第2ギアと、前記往復移動機構に連結され前記第2ギアに噛み合う第3ギアと、を備えたスピニングリールの回転伝達装置。 【請求項2】前記ピニオンギアはねじ歯車であり、前記第1ギアは、前記ピニオンギアに噛み合うねじ歯車である、請求項1に記載のスピニングリールの回転伝達装置。 【請求項3】前記第2ギアはウォームギアであり、前記第3ギアはウォームホイールである、請求項1又は2に記載のスピニングリールの回転伝達装置。 【請求項4】前記第2ギアはねじ歯車であり、前記第3ギアは、前記第2ギアに噛み合うねじ歯車である、請求項1又は2に記載のスピニングリールの回転伝達装置。 【請求項5】前記連結軸は、前記リール本体に対して斜めに配置されている、請求項1から4のいずれかに記載のスピニングリールの回転伝達装置。 【請求項6】前記往復移動機構は、前記ピニオンギアと平行に配置された螺軸の回転に係合してスプールを往復移動させるトラバースカム方式の往復移動機構であり、前記第3ギアは、前記螺軸に回転不能に装着されている、請求項1から5のいずれかに記載のスピニングリールの回転伝達装置。 【請求項7】前記第1軸受部は、前記リール本体の前記スピニングリールのロータ後方に形成され前記第2ギアの外径より大きい内径を有する貫通孔に装着され、前記第2ギアは、前記連結軸の一端側に配置されかつ前記第1ギアと同径又は前記第1ギアより大径である、請求項1から6のいずれかに記載のスピニングリールの回転伝達装置。 【請求項8】前記ピニオンギアと前記第3ギアとの回転数比は、4:1から24:1の範囲である、請求項1から7のいずれかに記載のスピニングリールの回転伝達装置。 【請求項9】前記第1軸受部は、前記リール本体に着脱自在に装着される蓋部材と、前記蓋部材に装着された玉軸受とを有し、前記連結軸の一端は前記玉軸受により回転自在に支持されている、請求項1から8のいずれかに記載のスピニングリールの回転伝達装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、回転伝達装置、特に、スピニングリールのリール本体に装着されたスプールを前後に往復移動させる往復移動機構にハンドルの回転を伝達するスピニングリールの回転伝達装置に関する。 【0002】 【従来の技術】スピニングリールのオシレーティング機構(往復移動機構の一例)としてトラバースカム方式のものが知られている。このオシレーティング機構は、スプール軸と平行に配置された螺軸と、螺軸に係合するスライダとを有しており、スライダにスプール軸が軸方向移動不能に装着されている。螺軸にハンドルの回転を伝達する回転伝達装置は、ハンドルの回転に連動して回転するマスターギアに噛み合うピニオンギアと、ピニオンギアに噛み合う中間ギアとを有しており、中間ギアが螺軸の一端に回転不能に取り付けられている。 【0003】このようなトラバースカム方式のオシレーティング機構では、ロータ1回転当たりのスプールの移動量は、螺軸のリード角によって決定されている。このため、釣り糸間の空間が多くなり、釣り糸をスプールに効率よく巻き付けにくい。そこで、特開平11−86号に、ハンドルの回転に対してスプールの前後移動量を少なくして釣り糸をスプールに密に巻き付け可能なオシレーティング機構が開示されている。このオシレーティング機構にハンドルの回転を伝達する回転伝達装置は、ピニオンギアと、オシレーティング機構に向くようにピニオンギアと食い違う軸に沿って配置された連結軸と、連結軸の一端に固定されピニオンギアに噛み合うねじギアと、連結軸の他端に固定されたウォームギアと、螺軸に回転不能に装着されウォームギアに噛み合うウォームホイールとを備えている。連結軸は、リール本体の蓋によって封止される開口部分とスプール軸を挟んで逆側でリール本体に回転自在に支持されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前記従来の密巻用の回転伝達装置では、連結軸がリール本体に回転自在に支持されているので、他にも複数の軸を支持している複雑な形状のリール本体の内部で連結軸の取付精度を高く維持するように内部を加工するのが困難である。連結軸の取付精度を高く維持しないと、連結軸とスプール軸及び連結軸と螺軸との軸間距離が変動する。軸間距離が変動すると、ピニオンギアとねじギアとの噛み合い精度やウォームホイールとウォームギアとの噛み合い精度が低下し、回転伝達効率が低下する。しかも、リール本体内部に連結軸のための支持構造を設けると、そのためのリブやボス部などの構造をリール本体内部に作り込む必要が生じ、リール本体の重量増を招く。 【0005】本発明の課題は、ハンドルの回転を連結軸を介して往復移動機構に伝達する回転伝達装置において、連結軸の取付精度を高く維持でき、かつリール全体の軽量化を図れるようにすることにある。また、このような回転伝達装置は、複数のギアで構成されるため、伝達効率を高い状態に維持しようとするとメンテナンスが重要になる。メンテナンスの際には、ギアにグリースなどの潤滑剤を塗布する作業が必要である。しかし、前記従来の構成では、連結軸がスプール軸の奥側に隠れているので、リール本体の蓋を開けてもギアに潤滑剤を塗布しにくく、メンテナンスを行いにくい。 【0006】本発明の別の課題は、回転伝達装置のメンテナンスを行いやすくすることにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】発明1に係るスピニングリールの回転伝達装置は、スピニングリールのリール本体に装着されたスプールを前後に往復移動させる往復移動機構にハンドルの回転を伝達する装置であって、ピニオンギアと、連結軸と、第1軸受部と、第2軸受部と、第1ギアと、第2ギアと、第3ギアとを備えている。ピニオンギアは、ハンドルの回転が伝達されるギアである。連結軸は、往復移動機構とピニオンギアとを連結可能にピニオンギアと食い違う軸に沿って配置された軸である。第1軸受部は、リール本体に着脱自在に固定され連結軸の一端を回転自在に支持するものである。第2軸受部は、リール本体に設けられ連結軸の他端を回転自在に支持するものである。第1ギアは、連結軸に設けられピニオンギアに噛み合うギアである。第2ギアは、第1ギアと別の位置で連結軸に設けられたギアである。第3ギアは、往復移動機構に連結され第2ギアに噛み合うギアである。 【0008】この回転伝達装置では、ハンドルが回転すると、それに応じてピニオンギアが回転する。ピニオンギアの回転は、それに噛み合う第1ギアに伝達され連結軸が回転する。この連結軸には第1ギアに加えて第2ギアが設けられており、連結軸が回転すると第2ギアも回転する。そして、第2ギアが回転すると、それに噛み合う第3ギアも回転し、往復移動機構が動作してスプールが前後に往復移動する。ここでは、連結軸の一端がリール本体に着脱自在に固定された第1軸受部に支持され、他端がリール本体に設けられた第2軸受部に支持されている。したがって、リール本体には他端を支持する第2軸受部だけを作り込めばよく、第1軸受部を作る必要がない。このため、小さな部品でよい高精度な第1軸受部を簡単に製作できるとともに、複雑な形状のリール本体内部に1つの軸受部を作るだけでよく、第2軸受部の精度も維持しやすく、連結軸の取付精度を高く維持できる。しかも、第1軸受部はリール本体内部に作るより単純な形状になるので、リール全体としての軽量化を図ることができる。 【0009】発明2に係るスピニングリールの回転伝達装置は、発明1に記載の装置において、ピニオンギアはねじギアであり、第1ギアは、ピニオンギアに噛み合うねじギアである。この場合には、ピニオンギアと第1ギアとが食い違って配置されていても回転がピニオンギアから第1ギアに確実に伝達される。発明3に係るスピニングリールの回転伝達装置は、発明1又は2に記載の装置において、第2ギアはウォームギアであり、第3ギアはウォームホイールである。この場合には、第2ギアから第3ギアに伝達されるときの回転を大きく減速することができ、ハンドルの回転に対してスプールの前後移動速度を確実に小さくすることができる。 【0010】発明4に係るスピニングリールの回転伝達装置は、発明1又は2に記載の装置において、第2ギアはねじ歯車であり、第3ギアは、第2ギアに噛み合うねじ歯車である。この場合には、減速比を大きくするのは困難であるが、製造がより容易になる。発明5に係るスピニングリールの回転伝達装置は、発明1から4のいずれかに記載の装置において、連結軸は、リール本体に対して斜めに配置されている。この場合には、連結軸を設けても、水平(左右)方向及び垂直(上下)方向のサイズをバランスよく維持した状態で、リール本体をコンパクト化することができる。 【0011】発明6に係るスピニングリールの回転伝達装置は、発明1から5のいずれかに記載の装置において、往復移動機構は、ピニオンギアに平行に配置された螺軸の回転に係合してスプールを往復移動させるトラバースカム方式の往復移動機構であり、第3ギアは、螺軸に回転不能に装着されている。この場合には、ピニオンギアの回転を螺軸に直接伝達する場合に比べて大きな減速比を得ることができる。 【0012】発明7に係るスピニングリールの回転伝達装置は、発明1から6のいずれかに記載の装置において、第1軸受部は、リール本体のスピニングリールのロータ後方に形成され第2ギアの外径より大きい内径を有する貫通孔に装着され、第2ギアは、連結軸の一端側に配置されかつ第1ギアと同径又は第1ギアより大径である。この場合には、第1軸受部がロータの後方に形成された貫通孔に装着され、かつ第1軸受部に近い第2ギアが第1ギア以下の径であるので、第1軸受部をリール本体から外すだけで、連結軸を貫通孔から両ギアとともに取り外すことができる。このため、ロータを外したりリール本体の他の部分を開けてスプール軸や往復移動機構の部品を取り外す必要がなくなり、回転伝達装置のメンテナンスを行いやすくなる。 【0013】発明8に係るスピニングリールの回転伝達装置は、発明1から7のいずれかに記載の装置において、ピニオンギアと第3ギアとの回転数比は、4:1から24:1の範囲である。この場合には、従来に比べて往復移動機構側が減速されるので、釣り糸をスプールに密に巻き付けできる。発明9に係るスピニングリールの回転伝達装置は、発明1から8のいずれかに記載の装置において、第1軸受部は、リール本体に着脱自在に装着される蓋部材と、蓋部材に装着された玉軸受とを有し、連結軸の一端は玉軸受により回転自在に支持されている。この場合には、連結軸が玉軸受により支持されるので、回転効率が高くなる。 【0014】 【発明の実施の形態】〔全体構成及びリール本体の構成〕図1において、本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。 【0015】リール本体2は、側部に開口2cを有するリールボディ2aと、リールボディ2aから斜め上前方に一体で延びるT字状の竿取付脚2bと、リールボディ2aの開口2cを閉塞するための蓋体2dとを有している。リールボディ2aは、図2及び図3に示すように、内部に空間を有しており、その空間内には、ロータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。 【0016】図2に示すように、リールボディ2aの図2右側面には、筒状のボス部17aが形成されている。ボス部17aは、ハンドル軸10(後述)の図2右端を支持する軸受16aを収納するためにリールボディ2aの内方に突出して形成されている。蓋体2dのボス部17aに対向する位置には、ボス部17bが形成されている。ボス部17bはハンドル軸10の図2左端を支持する軸受16bを収納するためにリールボディ2aの外方に突出して形成されている。ハンドル1が装着された側と逆側のボス部(図2ではボス部17a)は、軸カバー19により閉塞されている。ハンドル1が装着された側のボス部(図2ではボス部17b)は、孔あきカバー19bにより水の侵入が防止されている。軸カバー19及び孔あきカバー19bは、楕円形の部材であり、それぞれ2本のビスによりボス部に取り付けられる。なお、外方に突出していないボス部17aには、軸カバー19及び孔あきカバー19bを面一に装着するための楕円形の窪み18aが形成されている。 【0017】リールボディ2aのボス部17aの前方には、図3に示すように、後述する回転伝達機構(図3)14を収納するための膨出部2eが形成されている。膨出部2eは、図2下方側に向かって徐々に突出するように斜めに形成されており、膨出部2eの下端には、回転伝達機構14を構成する第1軸受部28が着脱自在に装着されている。膨出部2eの基端側には、リールボディ2aの内方に突出する第2軸受部29が形成されている。 【0018】ロータ駆動機構5は、図1及び図2に示すように、ハンドル1が回転不能に装着されたハンドル軸10と、ハンドル軸10とともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ハンドル軸10の両端は、軸受16a,16bを介してリールボディ2aに回転自在に支持されている。ハンドル軸10の図2右端は、軸受16aの外側面より内側に位置している。ハンドル軸10の中心部には断面が矩形の貫通孔が形成されており、この貫通孔にハンドル1が回転不能に挿入される。ハンドル1の先端面にはネジ孔が形成されており、このネジに螺合する取付ネジ20によりハンドル1がハンドル軸10に取り付けられている。 【0019】〔オシレーティング機構の構成〕オシレーティング機構6は、スプール4の中心部に固定されたスプール軸15をロータ3に連動して前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6には、回転伝達機構14を介してハンドル1の回転が伝達される。 【0020】オシレーティング機構6は、図1,図2及び図4に示すように、スプール軸15の下方に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、スライダ22を案内する2本のガイド軸24a,24bとを有している。螺軸21は、スプール軸15と平行に配置されており、リールボディ2aに回転自在に支持されている。また、螺軸21の外周部には螺旋状の交差する溝21aが形成されている。この溝21aのリード角θは、20〜45゜に設定されている。なお、螺旋溝21aのリード角θとは、溝21aの底径をD、螺軸21の一回転で進む軸方向の長さすなわちリードをLとした場合、リード角θ=アークcot(πD/L) で表される角度である。このリード角θが20゜より小さい場合は溝間の肉厚が薄くなるとともに溝の交差部の数が増加するので好ましくない。一方、45゜を越えると、回転運動から直線運動への変換効率が低下するので好ましくない。 【0021】スライダ22は、スライダ本体25と、スライダ本体25内に収納された係合部材26とを有している。スライダ本体25は、ガイド軸24a,24bによりスプール軸15と平行に案内される。係合部材26は、スライダ本体25内に回動自在に装着されており、係合部材26の先端は、螺軸21の溝21aに噛み合っている。 【0022】回転伝達機構14は、図3及び図4に示すように、膨出部2eの内部に収納されており、ピニオンギア12と、連結軸36と、連結軸36の下端を回転自在に支持する第1軸受部28と、連結軸36の上端を回転自在に支持する第2軸受部29と、第1〜第3ギア37〜39とを有している。ピニオンギア12は、ロータ駆動機構5を構成するとともに回転伝達機構14も構成している。ピニオンギア12は、後部にねじ歯車からなるギア部12bを有しており、このギア部12bがフェースギア11に噛み合っている。 【0023】連結軸36は、螺軸21に連結可能にピニオンギア12と食い違う軸に沿って斜めに配置された軸であり、膨出部2eの内部に配置されている。具体的には、連結軸36は、ピニオンギア12と螺軸21とにそれぞれ軸交差角が90度となるようにハンドル軸10と交差する面に対して傾いて、つまりリール体2に対して水平(左右)方向及び垂直(上下)方向に対して斜めに傾いて配置されている。このように連結軸36を斜めに配置することで、連結軸36を設けても、水平方向及び垂直方向のサイズをバランスよく維持した状態で、リール本体2をコンパクト化することができる。 【0024】第1軸受部28は、前述したようにリールボディ2aに形成された膨出部2eの下面に着脱自在に装着されており、ねじにより固定されている。第2軸受部29は、前述したように膨出部2eの基端部からリールボディ2aの内方に向かって突出して形成されている。第1及び第2軸受部28,29は、連結軸36を回転自在に支持するための軸受28a,29aをそれぞれ有している。 【0025】第1ギア37は、ピニオンギア12のギア部12bにフェースギア11の噛み合い位置と逆側の面で噛み合うねじ歯車であり、連結軸36に回転不能に固定されている。第2ギア38は、ウォームギアであり、連結軸36に第1ギア37と間隔を隔てて設けられている。この第2ギア38は、連結軸36と一体形成されている。第3ギア39は、第2ギア38に噛み合うウォームホイールであり、螺軸21の前端に回転不能に固定されている。 【0026】回転伝達機構14の減速比(ピニオンギア12の回転に対する螺軸21の回転の比)NC は、ロータ3の1回転当たりのスプール4の移動量RM が糸径DL と同じになるように設定されている。つまり、ロータ3の一回転に対して釣り糸の径DLだけずらしながらスプール4に釣り糸を巻き付けるようにスプール4の移動量RM が設定されている。ここで、前述したリード(螺軸21の一回転あたりの移動量)をLとし、釣り糸の糸径をDL とすると、ロータ3一回転に対して釣り糸の糸径DL だけずらしながら釣り糸をスプール4に巻き付ける場合、ロータ3の一回転に対する螺軸21の回転数の比である減速比NC は、NC =DL /Lとなる。 【0027】たとえば、糸径DL が0.2mm(1.5号)、リードLが3.6mmであれば、減速比NC は、NC =0.2/3.6=1/18となる。つまり、ロータ3から螺軸21への減速比NC を1/18に設定すればロータ3一回転に対してスプール4は0.2mmずつ移動してスプール4に釣り糸が密に巻き付けられる。このような場合には、たとえば、ギア部12bと第1ギア37との間で1/2に減速し、第2ギア38と第3ギア39との間で1/9に減速すれば、全体の減速比NC を1/18に設定でき、図5に示すように、ロータ3の一回転に対して釣り糸が糸径DL ずつずれてスプール4に巻き付けられ、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられる。なお、螺軸21の溝21aが端部で進行方向を変えるためにリード角が他の部分より小さくなっているので、その部分では螺軸21のリードLが小さくなり前述した移動量RM も小さくなる。 【0028】なお、スプール4を一往復させるのに要する螺軸21の回転数をCN とした場合、この数値は必ず整数である必要があるが、これに対応するロータ3の回転数が整数(つまり回転位相が2nπ)であると、下層の釣り糸と上層の釣り糸が交差する点が常に同じ位相で現れるため、スプール軸芯に垂直な断面の糸巻形状が楕円のように2方向に突出した形状になってしまう。これは回転位相が(2n+1)πであっても同じで、(2n+1/2)πであれば四角形に近い断面になる。円に近い多角形に近づけるためには回転位相を2nπ+ιとして、ιを整数倍した場合に2nπで割り切れないように設定すればよい。ただし、ιがあまり小さいと突出部が近接して連続して発生するため、糸巻形状が螺旋様になってしまう。 【0029】たとえば、上記の例に沿って説明すれば、スプール4を一往復させるのに必要な螺軸21の回転数を10とすれば、これに対応するロータ3の回転数は180である。しかし、リードLを3.6から3.666mmに変更することによって減速比NC が200/3666となり、ロータ3の回転数を183.3にできる。これによってスプール軸芯に垂直な断面の糸巻形状を円に近い多角形にすることができる。 【0030】〔ロータの構成〕ロータ3は、図1に示すように、円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向してそれぞれ設けられた第1及び第2ロータアーム31,32とを有している。円筒部30と両ロータアーム31,32とは一体成形されている。円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス33aが形成されている。このボス33aの貫通孔をピニオンギア12の前部12a及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前方側にはナット34が配置されており、このナット34がピニオンギア12の先端のネジ部に螺合している。ナット34の内周部には、ナット34をスプール軸15に対して回転自在に支持するための軸受35が配置されている。 【0031】第1及び第2ロータアーム31,32の先端には、ベールアーム44が糸巻取姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されている。ベールアーム44は、図1及び図3に示すように、第1及び第2ロータアーム31,32の先端の内側にそれぞれ揺動自在に装着された第1及び第2ベール支持部材40,42と、第1ベール支持部材40の先端に基端が固定された固定軸を含む固定軸カバー47と、釣り糸をスプール4に案内するラインローラ41と、固定軸カバー47と第2ベール支持部材42とを連結するベール43とを有している。第1ベール支持部材40は、図1に示すように、第1ロータアーム31の先端外側に揺動自在に装着されている。第2ベール支持部材42は、第2ロータアーム32の先端内側に揺動自在に装着されている。 【0032】ラインローラ41は軸受(図示せず)を介して固定軸に回転自在に支持されている。ラインローラ41は、周面に軸方向の中央部が小径となるように2つのテーパ面が形成された鼓状の部材である。この小径部には円周方向の周溝41aが形成されている。この周溝41aの溝幅は2mm以下であり、望ましくは、糸径の2倍以下の値が好ましい。このように周溝41aの溝幅を小さくすることで釣り糸がスプール4の軸方向にずれにくくなり、スプール4の移動速度を遅くした場合に釣り糸が精度良くスプール4に巻き付けられる。 【0033】ロータ3の円筒部30の内部にはロータ3の逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、ローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態及び非作動状態に切り換える操作機構52とを有している。ワンウェイクラッチ51は、外輪がリールボディ2aに固定され、内輪がピニオンギア12に回転不能に装着されている。操作機構52は、リールボディ2aの後部に配置された操作レバー53を有しており、操作レバー53を揺動させることでワンウェイクラッチが2つの状態に切り換られ、作動状態のときにロータ3が逆転不能になり、非作動状態のときロータ3が逆転可能になる。 【0034】〔スプールの構成〕スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して固定されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後部に一体で形成されたスカート部4bと、糸巻胴部4aの前部に固定された前フランジ部4cとを有している。糸巻胴部4aはロータ3の円筒部30の外周側まで延びる円筒状の部材である。また、スカート部及び前フランジ部4b,4cは、糸巻胴部4aの両端から垂直に径方向外方に拡がっている。これにより、釣り糸がスプール4の糸巻胴部4aに巻き付けられるとき、各糸巻段での釣り糸の巻数がほぼ等しくなる。 【0035】〔リールの操作及び動作〕このスピニングリールでは、キャスティング時には、ベールアーム44を糸巻取姿勢から糸開放姿勢に倒す。これにより第1及び第2ベール支持部材40,42は、同方向に揺動する。釣り糸巻取時には、ベールアーム44を糸巻取姿勢に倒す。これは、ハンドル1を糸巻取方向に回転させると図示しないカムとバネの働きにより自動的に行われる。ハンドル1を糸巻取方向に回転させると、この回転力はハンドル軸10及びフェイスギア11を介してピニオンギア12に伝達される。このピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12前部12aを介してロータ3に伝達され、ロータ3が糸巻取方向に回転する。 【0036】一方、ピニオンギア12に噛み合う第1ギア37によって連結軸36が回転し、第2ギア38を介して第3ギア39が回転し螺軸21が前述した減速比NC で減速されて回転する。この結果、螺軸21の溝21aに噛み合うスライダ22がガイド軸24a,24bに案内されて前後方向に移動する。このときのスプール4の移動量RM は、前述のように糸径DLに応じたものである。そして、スプール軸15およびスプール4が前後方向に往復移動し、ベール43及びラインローラ41によってスプール4に案内された釣り糸は、図5に示すように、ロータ3の1回転に対して糸径DLずつずれてスプール4にの糸巻胴部4aに巻き付けられ、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられる。このため、スプール4に釣り糸が効率よく巻き付けられる。 【0037】〔他の実施形態〕 (a)スピニングリールの形態は前記実施形態に限定されるものではなく、ドラグ機構を有さないものや後部に有するものや、逆転防止機構に代えてブレーキレーバを有する制動機構を装着したものにも本発明を適用できる。 (b)第1から第3ギアの形態は、前記実施形態に限定されるものではなく、ねじ歯車や傘歯車やフェースギアなどの種々の形態のギアを適用できる。ねじ歯車を使用すると、ウォームよりは減速比は小さくなるが、製造がより容易になる。また、ねじ歯車を使用すると、第1ギア37の径を第2ギア38の径より小さくすることができる。これにより、メンテナンス性を向上させることができる。 【0038】図6及び図7において、この実施形態では、回転伝達機構14を構成する第1ギア37,第2ギア38及び第3ギア38は、いずれもねじ歯車である。その他の構成は、前記実施形態と略同等なため説明を省略する。この回転伝達機構14の減速比NCは、たとえば略1/5である。この減速比NCの範囲は、1/4〜1/24の範囲が好ましい。この減速比NCが1/4未満であると、スプール4の移動速度が速くなりスプール4への密巻き付け効果が十分に得られない。また、1/24を越えると、スプール4の移動速度が遅くなりすぎ、細い釣り糸でもロータ3の1回転で2度巻することがある。 【0039】ここで、第2ギア38は、第1ギア37より外径が小さい。また、ピニオンギア12のピッチ円筒ねじれ角(以下、ねじれ角という)は、たとえば55度に、第1ギア37のねじれ角は35度にそれぞれ設定されている。第2ギア38のねじれ角は、たとえば77.5度に、第2ギア38のねじれ角は13.5度に設定されている。このように、ピニオンギア12及び第2ギア38のねじれ角を第1ギア37及び第3ギア39に対して大きくしたので、外径の寸法の変化に対して減速比を大きくすることができる。なお、図7は、これらのギア12,37〜39を模式的に描いたものであり、ねじれ角や歯数を正確に描いてはいない。 【0040】第1軸受部28は、リールボディ2aに着脱自在に装着された蓋部材28bと、蓋部材28bに装着された玉軸受28aとを有している。蓋部材28bは、ロータ3の円筒部30の後端部で覆われるようにリールボディ2aの前部に形成されたフランジ部2gより後方でリールボディ2aに着脱自在に装着されている。蓋部材28bの装着部分において、リールボディ2aの底部には、第2ギア38の最外径より大径の内周面を有する貫通孔2fが形成されている。この貫通孔2fに蓋部材28bがはめ込まれる。蓋部材28bは、ビス23によりリールボディ2aに固定されている。 【0041】このような構成では、第2ギア38の外径が第1ギア37の外径より大きく、かつ蓋部材28b装着部分に第2ギア38の外径より大径の貫通孔2fが形成されているので、蓋部材28bを開けると、連結軸36とともに2つのギア37,38を取り出すことができる。このため、メンテナンス時にこれらのギア37,38にグリースなどを塗布する作業を行う場合、スプール軸15やオシレーティング機構6を分解する必要がなくなる。したがって、回転伝達機構14のメンテナンス作業を容易に行うことができる。 【0042】(c)前記実施形態では、螺軸を有するトラバースカム方式のオシレーティング機構を例示したが、回転カム機構によりハンドルの回転を往復運動に変換する減速カム方式のオシレーティング機構にも本発明を適用できる。 【0043】 【発明の効果】本発明によれば、連結軸の一端がリール本体に着脱自在に固定された第1軸受部に支持され、他端がリール本体に設けられた第2軸受部に支持されている。したがって、リール本体には、他端を支持する第2軸受部だけを作り込めばよく第1軸受部を作る必要がない。このため、小さな部品でよい高精度な第1軸受部を簡単に製作できるとともに、複雑な形状のリール本体内部に1つの軸受部を作るだけでよく、第2軸受部の精度も維持しやすく、連結軸の取付精度を高く維持できる。しかも、第1軸受部はリール本体内部に作るより単純な形状になるので、リール全体としての軽量化を図ることができる。 【0044】別の発明によれば、第1軸受部がロータの後方に形成された貫通孔に装着され、かつ第1軸受部に近い第2ギアが第1ギア以下の径であるので、第1軸受部をリール本体から外すだけで、連結軸を貫通孔から両ギアとともに取り外すことができる。このため、ロータを外したりリール本体の他の部分を開けてスプール軸や往復移動機構の部品を取り外す必要がなくなり、回転伝達装置のメンテナンスを行いやすくなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002439 【氏名又は名称】株式会社シマノ
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| 【出願日】 |
平成12年2月17日(2000.2.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094145 【弁理士】 【氏名又は名称】小野 由己男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−145441(P2001−145441A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月29日(2001.5.29) |
| 【出願番号】 |
特願2000−38957(P2000−38957) |
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