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【発明の名称】 魚釣用リール
【発明者】 【氏名】山口 明

【要約】 【課題】魚釣用リールに転がり式一方向クラッチを利用した逆転防止装置において、一方向クラッチを構成する内輪と駆動軸との加工誤差による内輪の偏芯、振れ等を防止して安定かつ円滑な楔作用で逆転を防止する。

【解決手段】魚釣用リールのリール本体5と駆動軸3との間に装着した転がり式一方向クラッチ9の転がり部材11に摺接する内輪14を、駆動軸3の回転方向のみ一体回転し軸方向には遊度Xをもたせて保持嵌合し、内輪14の偏芯、振れ等を遊度Xで吸収して安定した楔作用を行うようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハンドルで回動される駆動軸と該駆動軸の外側におけるリール本体との間に転がり式一方向クラッチを介在せしめて前記駆動軸の逆転を前記一方向クラッチの転がり部材の楔作用によって防止するようにした魚釣用リールにおいて、前記駆動軸の外周に一体的に回動するように嵌合しかつ前記一方向クラッチの転がり部材に摺接する内輪を、駆動軸の軸方向に遊度をもたせて保持せしめたことを特徴とする魚釣用リール。
【請求項2】 魚釣用リールがスピニングタイプであることを特徴とする請求項1記載の魚釣用リール。
【請求項3】 魚釣用リールが両軸受型タイプであることを特徴とする請求項1記載の魚釣用リール。
【請求項4】 内輪を駆動軸に断面非円形部で一体的に回動するように回り止め嵌合したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の魚釣用リール。
【請求項5】 内輪の一端部を駆動軸に固着したローターに一体的に回動するように回り止め係合したスピニングタイプを特徴とする請求項1又は2何れかに記載の魚釣用リール。
【請求項6】 内輪の一端部を駆動歯車の駆動軸に回り止め嵌着された制動部材に一体的に回動するように回り止め係合した両軸受型タイプを特徴とする請求項1又は3何れかに記載の魚釣用リール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転がり式一方向クラッチを利用した魚釣用リールの逆転防止装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】魚釣用スピニングリールの逆転防止装置として、ハンドルと連動する駆動軸とリール本体との間に転がり式一方向クラッチを設け、転がり部材の楔作用を利用して逆転遊度を少なくして駆動軸の逆転を防止することが特開平9−205947号公報等で知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の転がり式一方向クラッチは、転がり部材を保持する保持器を内部に収容した外輪がリール本体に一体的に固定され、前記保持器内に駆動軸に回り止め嵌合された内輪が前記転がり部材に摺接可能に嵌合されると共に該内輪は駆動軸に螺子などで移動しないように固定されている。
【0004】また駆動軸の外周及び内輪の内周は断面非円形に形成されて回り止め嵌合されているが、この回り止め嵌合部には加工精度上の微小の回転遊度が生じこの回転遊度のため駆動軸に螺子等で固定されている内輪は駆動軸に対して同芯精度が得られず偏芯して固定されることにより、一方向クラッチの転がり部材との接触作用が不均一となり、安定した楔作用による逆転防止機能が得られなくなったり、回転が重くなったり、部分的に引掛り現象が生じたり、耐久性を低下したりする問題点がある。
【0005】本発明はこのような欠陥を改善して、駆動軸に嵌合して一体回転する転がり式一方向クラッチの内輪を軸方向に遊度をもたせて保持せしめることにより、転がり部材との接触作用を均一にして転がり部材による楔作用を安定せしめ逆転防止機構を向上するようにした魚釣用リールの逆転防止装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するために、ハンドルで回動される駆動軸と該駆動軸の外側におけるリール本体との間に転がり式一方向クラッチを介在せしめて前記駆動軸の逆転を前記一方向クラッチの転がり部材の楔作用によって防止するようにした魚釣用リールにおいて、前記駆動軸の外周に一体的に回動するように嵌合しかつ前記一方向クラッチの転がり部材に摺接する内輪を、駆動軸の軸方向に遊度をもたせて保持せしめたことを特徴とするものであり、スピニングタイプ及び両軸受型タイプの何れのリールにも適用することができ、前記内輪を駆動軸に対して一体的に回転させる手段としては、嵌合する内輪の内周部と駆動軸の外周部とを断面非円形部に形成して回り止め嵌合する場合や内輪の一端部をスピニングタイプのローター又は両軸受型タイプの駆動歯車の駆動軸に回り止め嵌着された制動部材に回り止め係合する場合がある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を魚釣用スピニングリールにおける実施例の図面について説明すると、ハンドル1′を有するハンドル軸1と公知のように駆動歯車2、ピニオン2′を介して連動される中空状駆動軸3には、前端部に螺子Sでローター4が締結固着されると共にリール本体5の前部に支持されており、更に前記駆動軸3内には先端部にスプール6を有するスプール軸7が挿通され、前記ハンドル軸1の回動と連動して公知の摺動機構8により前後往復摺動するように構成されている。
【0008】また前記駆動軸3のリール本体5に対する支持部には、リール本体5との間に転がり式一方向クラッチ9が装着されており、該転がり式一方向クラッチ9は、リール本体5に固着された外輪10と、その内側に位置している内部に転がり部材11を収容した保持器12と、駆動軸3に回動自在に嵌着され、ローター4を介して、螺子Sで該駆動軸3上に挟着固定されたカラー13の外周面に回動可能に嵌合した内輪14と、前記保持器12に係合して前記転がり部材11を楔作用する作動位置と楔作用しない非作動位置に切換制御する操作部材15とより構成され、更に前記内輪14は駆動軸3の軸方向に微小範囲で移動可能の遊度Xをもたせて保持すると共に内輪14の前端部と駆動軸3に固着されたローター4とは凹凸係合部4′・14′によって回り止め係合している。
【0009】本発明の実施例は上記のように構成されているので、操作部材15により転がり部材11を楔作用する作動位置に切換えた状態で、ローター4が逆転しようとすると、これと回り止め係合して一体的に逆転しようとする内輪14は転がり部材11の楔作用によってその逆転を阻止されるものであるが、この場合駆動軸3と内輪14との間の加工精度上の誤差によって発生する偏芯、振れ等は内輪14の軸方向の遊度Xによって吸収され、転がり部材11と内輪14との接触作用を均一に保持して転がり部材11が安定した楔作用を行い、逆転を防止するものである。
【0010】図6に示す実施例は、前記実施例において、内輪14を駆動軸3に嵌合したカラー13を介して嵌着することなく、これを省略して直接駆動軸3の小径部3″にローター4を軸方向に移動しないように嵌着して螺子Sで締結固定すると共に内輪14を軸方向に移動可能に嵌着したものであり、更に図7に示す実施例は、内輪14を直接駆動軸3の外周に非円形部3′によって軸方向に遊度を保持させて回り止め嵌合したものである。
【0011】次に図8乃至図11は、本発明を両軸受型タイプのリールに適用した実施例であって、ハンドル103′を有する駆動軸103とこれを支持するリール本体105間に転がり式一方向クラッチ9を装着したものである。
【0012】すなわち駆動軸103に一体回転するように回り止め嵌合された制動部材16を有する駆動歯車17は、スプール106を有するスプール軸107に設けられたピニオン107′とクラッチ機構18を介して噛合連結され、前記駆動軸103に回転可能に嵌着されたカラー113の外周に軸方向に遊度Xを保持するように回転可能に嵌着された内輪114が転がり部材111に摺接すると共に該内輪114の内端部と最外側の駆動軸103にに回りとめ嵌合された制動部材16とは凹凸係合部114′・16′とによって回り止め係合されている。
【0013】従ってスプール106がスプール軸107、ピニオン107′、駆動歯車17、制動部材16を介して逆転しようとすると、これに回り止め係合している内輪114は転がり部材111の楔作用によって逆転を阻止されスプール10の逆転を防止するものであるが、駆動軸103と内輪114との間の加工精度の誤差による偏芯、振れ等があってもこれを内輪114の軸方向の遊度Xによって吸収して、安定した楔作用による逆転止め機能を発揮するようにしたものである。
【0014】
【発明の効果】本発明は一方向クラッチを構成する転がり部材に摺接する内輪を駆動軸上において軸方向に遊度をもたせて保持しながら駆動軸と一体回転するように嵌合して、魚釣用リールの逆転を阻止するようにしたので、加工時の精度誤差によって生じた駆動軸に対する内輪の偏芯、振れ等を内輪の軸方向の遊度で吸収し転がり部材と内輪との接触作用を均等に保持し、転がり部材の円滑かつ安定した楔作用によって逆転止め作用を行うことができると共に駆動軸の回転性能も支障なく確実に行うことができる優れた効果を有するものである。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成11年11月19日(1999.11.19)
【代理人】 【識別番号】100069475
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 実久
【公開番号】 特開2001−145440(P2001−145440A)
【公開日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【出願番号】 特願平11−329017