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【発明の名称】 卵印字装置
【発明者】 【氏名】岩佐 昭男

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 卵の箱詰めの際に所定数の卵を縦方向及び横方向に並列させて収容する箱詰め用のトレイが定位置に位置決めされて着脱可能に載置されるテーブルと、前記トレイに収容された卵の表面にレーザマーキングを行う印字ユニットと、前記テーブルと印字ユニットとを相対的に移動させる処理ユニットとを具備しており、前記処理ユニットは、前記テーブルと印字ユニットとを相対的に移動させることで、テーブル上のトレイ内に収容された所定数の卵を印字位置へ順番に相対的に移動させることを特徴とする卵印字装置。
【請求項2】 前記テーブルはケーシング内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の卵印字装置。
【請求項3】 前記ケーシング内での印字に伴って発生する煙等を吸引して処理する集塵ユニットを具備することを特徴とする請求項2に記載の卵印字装置。
【請求項4】 前記テーブルは、トレイを縦方向で授受する構成であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の卵印字装置。
【請求項5】 前記テーブルは、トレイより広い受け皿構造である請求項1、2、3又は4に記載の卵印字装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鶏卵等の卵の殻に賞味期限等をレーザ光にて直接印字するレーザ方式の卵印字装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の法改正により、鶏卵の賞味期限等を殻の表面に直接表示することが必要になった。
【0003】従来より、鶏卵の殻の表面に銘柄、サイズ等を直接的に表示する方法として、シール添付やプリンタによるインク印刷が周知である。しかし、シール添付の場合は剥がれや糊からの雑菌の繁殖等が問題になり、インク印刷の場合は、有機溶剤からの匂いの発生や鶏卵の殻から内部へのインク成分の浸透等が問題になる懸念がある。
【0004】このため、鶏卵の賞味期限を殻の表面に直接表示する方法として、シール添付やインク印刷は好ましいものとは言えない。
【0005】このような事情を背景として、レーザ光で鶏卵の殻に直接賞味期限等を直接ドット表示するレーザ方式の鶏卵印字装置が開発されている。この装置は、炭酸ガスレーザの照射によるドット印字で殻の表面に文字・数字等の表示を行うもので、表示マークの消滅の危険がない上に、雑菌の繁殖、匂いの発生、インク成分の浸透等がなく、非常に衛生的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在開発されているレーザ方式の鶏卵印字装置は、印字用のレーザ光を射出するだけの印字ユニットであり、多数個の鶏卵を小さいスペースで能率よく処理する処理ユニットについては、出願人の知る限り有効な構造は提示されていない。
【0007】印字ユニットに組み合わされる処理ユニットに要求される事項としては以下のことが考えられる。
【0008】小型で、設置スペースが小さいことが要求される。
【0009】鶏卵は輸送のために、所定のトレイに収容されて箱詰めされるが、印字の際に鶏卵をトレイから出し、印字後に再び鶏卵をトレイに収容しなおす作業は著しい能率低下を招く。このため、鶏卵をトレイに収容したままの状態で印字を行うことが要求される。
【0010】鶏卵の箱詰めに使用されるトレイは、鶏卵のサイズに固有の形式となる。具体的には、鶏卵のサイズによって収容個数が異なり、これに伴って鶏卵の配列ピッチが相違する。図4(a)はLLサイズ用のトレイ、同図(b)はLサイズ用のトレイ、同図(c)はMサイズ用のトレイを示している。トレイに収容された状態でレーザ印字を行う場合、トレイの形式が異なってもトレイ内の各鶏卵を印字位置へ正確に移動させる必要がある。
【0011】鶏卵へのレーザ印字では煙等が発生する。その煙等を外部へ逸散させないことも要求される。
【0012】本発明はかかる事情に鑑みて創案されたものであり、印字ユニットに組み合わされる処理ユニットに工夫を講じることにより、多数個の卵に対して小さいスペースで能率よく正確にレーザ印字を行い得るようにした卵印字装置を提供することを目的としている。
【0013】本発明の他の目的は、レーザ印字に伴って発生する煙等の外部への逸散を防止できる卵印字装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る卵印字装置は、卵の箱詰めの際に所定数の卵を縦方向及び横方向に並列させて収容する箱詰め用のトレイが定位置に位置決めされて着脱可能に載置されるテーブルと、前記トレイに収容された卵の表面にレーザマーキングを行う印字ユニットと、前記テーブルと印字ユニットとを相対的に移動させる処理ユニットとを備えており、前記処理ユニットは、前記テーブルと印字ユニットとを相対的に移動させることで、テーブル上のトレイ内に収容された所定数の卵を印字位置へ順番に相対的に移動させるようになっている。
【0015】本発明に係る卵印字装置では、テーブル又は印字ユニットの駆動により、複数個の卵が箱詰め用のトレイに収容された状態で印字されるため、印字の前後で卵を箱詰め用のトレイから出し入れする必要がない。このため、作業能率に優れる。テーブルの駆動方向が基本的にトレイの縦横2方向となり、その駆動範囲が狭い。このため、処理ユニットが小型化される。また、このテーブルの2方向駆動により、トレイの形式が異なってもトレイ内の各卵が印字位置へ正確に誘導される。
【0016】前記テーブルはケーシング内に収容するのが好ましい。この構造によると、レーザ印字に伴って発生する煙等の外部への逸散が防止される。この場合、ケーシング内での印字に伴って発生する煙等を吸引して処理する集塵ユニットを設けるのが好ましい。これにより、煙等の外部への逸散がより効果的に防止される。
【0017】テーブルについては、トレイを縦方向で授受する構造が好ましい。この構造によると、トレイを取り扱う際に、トレイを縦に向けて両側の長辺部を持つことになるので、卵の重量によるトレイの湾曲変形が抑制される。
【0018】テーブルは又、トレイより広い受け皿構造が好ましい。この構造によると、テーブル上でトレイ内の卵が割れた場合に中身の逸散が防止されることにより、その後始末が簡単となる。
【0019】卵は代表的には鶏卵であるが、うずら卵等の鶏卵以外の卵であってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係る卵印字装置の斜視図、図2は同卵印字装置に使用されている処理ユニットの横断面図、図3は同処理ユニット内のテーブルの斜視図である。
【0021】本発明の実施形態に係る卵印字装置は、図1に示すように、鶏卵10にレーザを照射して印字を行う印字ユニット20と、その印字のために印字ユニット20に組み合わされたシールド構造の処理ユニット30と、処理ユニット30内でのレーザ印字に伴って発生する煙等を処理するために処理ユニット30に組み合わされた集塵ユニット40とを備えている。
【0022】鶏卵10は、長方形のトレイ11に所定数ずつ収容されている。トレイ11は箱詰めの際に使用される紙製又は樹脂製の汎用品であり、前述した通り、収容する鶏卵10のサイズに応じた形式ごとに、所定個数の鶏卵10,10・・を縦横2方向に所定ピッチで整列させて凹部内に収容する構造になっている(図4参照)。なお、トレイ11の縦方向は長手方向を意味し、横方向は短手方向を意味する。
【0023】印字ユニット20は、ドット印字のための炭酸ガスレーザの形成及び制御を行う本体部21と、本体部21で形成された炭酸ガスレーザを所定位置へ導くダクト部22とからなる。ダクト部22は、屈曲が可能な多関節構造であり、後述する処理ユニット30内の印字位置M(図2参照)でレーザ印字を行うために、処理ユニット30の正面からユニット内の印字位置に向けて挿入されている。
【0024】処理ユニット30は、図1及び図2に示すように、直方体形状のケーシング31と、ケーシング31内に設けられた受け皿形状のテーブル32と、テーブル32を駆動する駆動部33とを備えている。ケーシング31の一方の側面には、ケーシング31内にトレイ11を出し入れするために扉付きの開口部31aが設けられている。開口部31aは、トレイ11を縦方向に出し入れできるようにトレイ11の横幅より十分に大きい横幅を有している。開口部31aを開閉する扉は、上下方向に移動する自動スライドドアであり、覗き窓を有している。開口部31aの側方には操作部31bが設けられている。
【0025】ケーシング31内のテーブル32は、図2及び図3に示すように、トレイ11を定位置に着脱可能に載せて支持する長方形状の支持部32aと、支持部32aから周囲3方向、具体的にはケーシング31の開口部31aの側を除く3方向に張り出した長方形状の張出部32bとを備えている。
【0026】このテーブル32は、トレイ11を、その縦方向が開口部31aにほぼ直角な方向を向く姿勢で支持する構造になっている。この支持のために、長方形状の支持部32aは、長辺を開口部31aにほぼ直角な方向に一致させ、短辺を開口部31aにほぼ平行な方向に一致させている。支持部32aの4辺部には、当該支持部32a上の定位置にトレイ11を固定するために、各辺2個ずつの弾性片からなる固定部材32cが取付けられている。
【0027】テーブル32の張出部32bは、支持部32aより一段低い位置に設けられてている。張出部32bの4辺部には、上方へ立ち上がった壁部32dが設けられている。これにより、テーブル32は受け皿状に形成されている。
【0028】駆動部33は、テーブル32上に載置されたトレイ11の縦方向、横方向及び鉛直方向にテーブル32を駆動する周知構造の3軸制御ロボットである。より具体的には、テーブル32の縦方向及び横方向の駆動により、テーブル31上の定位置に載置されたトレイ11が、図2に実線で示された開口部31aの近傍の初期位置を起点として、図2に1点鎖線で示された印字開始位置へ移動する。そして、トレイ11がこの印字開始位置から図2に2点鎖線で示された印字終了位置へ間欠的に移動することにより、トレイ11内に収容された複数個の鶏卵10,10・・が印字位置Mへ順番に移動し、しかる後に、トレイ11が開口部31aの近傍の初期位置に戻る。
【0029】トレイ11内の鶏卵10,10・・を印字位置Mへ順番に移動させるために、テーブル32の移動ピッチがトレイ11の形式に応じて自動設定されるようになっている。また、印字ユニット20のダクト22の先端から、印字位置Mに誘導された鶏卵10までの距離を、鶏卵10のサイズに関係なく一定範囲内に管理するために、テーブル32の高さがトレイ11の形式に応じて自動設定されるようになっている。
【0030】集塵ユニット40は、レーザ印字に伴って発生する煙等の吸引及び処理を行う本体部41と、本体部41を処理ユニット30に接続するためのフレキシブルなダクト42とからなる。ダクト42は、ケーシング31の正面からその内部に挿入され、ケーシング31内の印字位置Mに上方から対向している。
【0031】次に、本発明の実施形態に係る卵印字装置の使用方法及び機能について説明する。
【0032】まず、処理ユニット30のケーシング31内にこれから挿入する予定のトレイ11の形式を、操作部31bの操作によって当該印字装置に設定する。次いで、ケーシング31の開口部31aを開け、所定数の鶏卵10,10・・が収容された状態のトレイ11を、この開口部31aからケーシング31内に挿入し、ケーシング31内のテーブル32上の定位置に載せる。
【0033】このとき、テーブル32は、開口部31aの近傍の初期位置に停止している。また、テーブル32はトレイ11を、その縦方向が開口部31aにほぼ直角な方向を向く姿勢で支持する構造になっている。この構造のため、作業者は、トレイ11を縦に向け、両側の長辺部を持って開口部31aからケーシング31内へ縦方向に挿入し、テーブル32上へ置くことになる。このため、トレイ11の変形が抑制され、挿入時に鶏卵10が落下するなどの事態が回避される。ちなみに、トレイ11を横に向け、両側の短辺部を持ち上げると、そのトレイ11は縦方向で大きく湾曲し、鶏卵10を落下させる危険性が高くなる。
【0034】トレイ11の挿入が終わると、開口部31aを閉じ、操作部31bの操作によって当該印字装置をスタートさせる。これにより、処理ユニット30では、テーブル32が駆動されることにより、テーブル32上のトレイ11が印字開始位置へ移動し、ここからトレイ11の形式に応じたピッチで縦方向及び横方向に間欠的に移動して、印字終了位置に至る。これにより、トレイ11内に収容された所定個数の鶏卵10,10・・が順番に印字位置Mへ移動する。
【0035】そして、鶏卵10,10・・が印字位置Mへ移動するごとに、印字ユニット20が作動することにより、予め設定された賞味期限等が鶏卵10,10・・に順番に印字される。この印字に伴って発生する煙等は、集塵ユニット40の作動により、ケーシング31内から集塵ユニット40内に吸引され、ここで処理される。なお、ケージング31は印字ユニット20によるレーザ光を遮蔽する役割も有している。
【0036】トレイ11が印字終了位置を経て初期位置に戻ると、開口部31aが自動的に開き、テーブル32上からケーシング31の外へトレイ11を取り出す。このときも、トレイ11は縦向きで取り扱われるので、その変形が抑制され、鶏卵10,10・・が落下するなどの事態が回避される。
【0037】この作業を繰り返すことにより、多数個の鶏卵10,10・・がトレイ11に収容された状態のままで、次々とレーザ光の照射により印字される。従って、印字に際して鶏卵10,10・・をトレイ11から取り出す作業も、又、印字後の鶏卵10,10・・をトレイ11に収容する作業も不要になり、高い作業能率が確保される。
【0038】更に、トレイ11をテーブル32上に載せたときにその衝撃でトレイ11内の鶏卵10が仮に割れた場合も、テーブル32が受け皿形状になっているので、中身がテーブル32上に留まり、床面等への落下が防止されるので、その後始末が簡単であり、この点からも作業能率の向上を期待できる。
【0039】更に又、開口部31aが挿入口と取り出し口を兼ね、開口部31aの近傍の初期位置を出たトレイ11が印字を終えて初期位置に戻るので、開口部31aの近くに配置された一人の作業者で全作業が行われる。
【0040】なお、上記実施形態では、印字ユニット20及び集塵ユニット40は、処理ユニット30に対して別体構造とされ、分離可能に組み合わされているが、その一方又は両方を処理ユニット30に一体化することも可能である。また、処理ユニット30のケーシング31には、挿入口と取り出し口を別々に設けることが可能である。
【0041】また、上記実施形態では、処理ユニット30は、テーブル32を移動させるようにしていたが、印字ユニット20を移動させるようにしてもよいし、両者をともに移動させるようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】以上、本発明の請求項1に係る卵印字装置によれば、多数個の卵がレーザ光の照射により連続的に印字されるだけでなく、その連続印字が卵を箱詰め用のトレイに収容した状態で行われ、印字の前後で卵をトレイに出し入れする必要がないので、作業能率が非常に高い。しかも、印字に伴うトレイの移動範囲が狭く、装置の小型化が図られる。卵をトレイに収容することにより、鶏卵が正確に位置決めされ、印字精度も向上する。更に、位置決め部材が不要になる点からも、装置の小型化及び簡略化が図られる。
【0043】また、本発明の請求項2に係る卵印字装置によれば、テーブルがケーシング内に収容されているので、レーザ印字に伴って発生する煙等の外部への逸散が防止される。
【0044】また、本発明の請求項3に係る卵印字装置によれば、ケーシング内での印字に伴って発生する煙等が吸引処理されるので、煙等の外部への逸散がより効果的に防止される。
【0045】また、本発明の請求項4に係る卵印字装置によれば、テーブルがトレイを縦方向に授受する構成とされているので、トレイの出し入れの際に湾曲変形が抑制され、その変形に伴う卵の落下が防止される。
【0046】また、本発明の請求項5に係る卵印字装置によれば、テーブルがトレイより広い受け皿構造とされているので、テーブル上でトレイ内の卵が割れた場合の後始末が簡単となる。
【出願人】 【識別番号】391045680
【氏名又は名称】エムテック株式会社
【識別番号】599160594
【氏名又は名称】株式会社エスエイテック
【出願日】 平成11年11月15日(1999.11.15)
【代理人】 【識別番号】100085936
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 孝治 (外1名)
【公開番号】 特開2001−136859(P2001−136859A)
【公開日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【出願番号】 特願平11−323616