| 【発明の名称】 |
両軸受リール |
| 【発明者】 |
【氏名】片桐 尚久
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| 【要約】 |
【課題】プリセットノブでのドラグ力の設定を極めて容易、且つ、迅速に行える両軸受リールの提供。
【解決手段】レバードラグ式の両軸受リールにおいて、カム機構におけるプリセットノブの回動を規制する回動規制機構を備えることで、ドラグ力の設定を極めて容易、且つ、迅速に行えるようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右側枠間に遊転可能に軸承されたスプールへの回転伝達が、ハンドルからメインギア、ピニオンギア、スプールシャフト、ドラグレバーで作動するカム機構によってスプールシャフトをスライドさせてドラグ力が強弱調節されるドラグ機構を介して行われるレバードラグ式の両軸受リールにおいて、上記カム機構におけるプリセットノブの回動を規制する回動規制機構を備えてなり、この回動規制機構は、プリセットノブ側の側枠に設けられてプリセットノブの回動規制及び規制解除操作をする操作片と、プリセットノブに一体形成されて前記操作片に形成された係止部が入り込む環状溝と、この環状溝に一体形成されプリセットノブの締め方向の回動において前記係止部に係止されてそれ以上の回動を停止させ、その位置から緩み方向の回動において1回転以内のいずれかの位置で係止部の係止を外すと共に、操作片を操作前の状態に戻してプリセットノブの緩み方向の回動が可能となる態様のストッパー部とを備えてなり、前記操作片は、その操作により係止部をストッパー部に対して係脱させて、係止状態においてプリセットノブの締め方向の回動を規制すると共に、係止を外した状態においてプリセットノブの回動規制を解除するようにしていることを特徴とする両軸受リール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、両軸受リールに関し、詳しくは、ドラグレバーでドラグ力を強弱調節するレバードラグ式の両軸受リールに関する。 【0002】 【従来背景】レバードラグ式の両軸受リールでは、釣糸の強さに応じたドラグ力の初期設定を行っている。その設定方法を説明すると、まず、ドラグレバーを所望の位置で停止させる。そして、この状態でプリセットノブを回動してドラグ力を通常、釣糸の1/3〜1/5強力に設定する。具体的には、プリセットノブの回動を回動させると、その回動に伴ってカム機構内にねじ込まれたプリセットねじが、カム機構とは係わり合いなく単独で回動しながらスプールシャフトをスライドさせ、これによって、ドラグ機構に発生するドラグ力が調整される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現状の両軸受リールでは、上記プリセットノブの回動において、その回転数の確認は釣人自身の感覚によって行わければならない構造であるため、プリセットノブを締め方向や緩め方向に回動させているうちに、プリセットノブの現在位置がわからなくなってしまうことがあり、ドラグ力の設定に時間がかかり面倒なものであった。 【0004】本発明は、上記した従来事情に鑑みてなされたものでその目的とするところは、プリセットノブでのドラグ力の設定を極めて容易、且つ、迅速に行える両軸受リールを提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を達成するために下記の技術的手段を採用した。 【0006】請求項1の技術的手段は、左右側枠間に遊転可能に軸承されたスプールへの回転伝達が、ハンドルから歯車機構、スプールシャフト、ドラグレバーで作動するカム機構によってスプールシャフトをスライドさせてドラグ力が強弱調節されるドラグ機構を介して行われるレバードラグ式の両軸受リールにおいて、上記カム機構におけるプリセットノブの回動を規制する回動規制機構を備えてなり、この回動規制機構は、プリセットノブ側の側枠に設けられてプリセットノブの回動規制及び規制解除操作をする操作片と、プリセットノブに一体形成されて前記操作片に形成された係止部が入り込む環状溝と、この環状溝に一体形成されプリセットノブの締め方向の回動において前記係止部に係止されてそれ以上の回動を停止させ、その位置から緩み方向の回動において係止部の係止を外すと共に、操作片を回動規制状態への操作が可能な位置に戻して、プリセットノブの緩み方向の回動を可能とする態様のストッパー部とを備えてなり、前記操作片は、その操作により係止部をストッパー部に対して係脱させて、係止状態においてプリセットノブの締め方向の回動を規制すると共に、係止を外した状態においてプリセットノブの回動規制を解除するようにしていることを特徴とする両軸受リールにしたことである。 【0007】請求項1の技術的手段によるプリセットノブの調節は、まず、プリセットノブをいっぱいまで締めこんだ後、操作片を回動規制状態にする。そして、そこから緩め方向に回動すると、操作片がストッパー部によって回動規制状態への操作が可能な状態(回動規制解除状態)に戻る。続いて、再び操作片を回動規制状態に操作しプリセットノブの締め方向への回動を止め、この位置を基点として操作片が回動規制解除状態に戻る位置までの回動範囲で目的のドラグ力を探す。 【0008】上記の範囲で目的のドラグ力にならなければ、操作片を回動規制解除状態に至った位置で回動規制状態にし、再び上記と同様の作業で目的のドラグ力を探し、そのドラグ力に至るまで同様に繰り返せばよい。すなわち、ドラグ力の設定がプリセットノブの回動を段階ごとに規制しながら行われる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明すると、図1及び図2は本発明に係る両軸受リール1を例示しており、蓋部ユニットV1、スプールユニットV2、左右側枠ユニットV3の3つに分解可能になっている。 【0010】図中Aは左側枠、Bは右側枠、Cはスプールシャフト、Dはスプール、Eは蓋部、Fは手動ブレーキ機構、Gはメカニカルブレーキ機構(図4乃至図7参照)、Hは遠心ブレーキ機構、Iはドラグ機構、K1,K2,K3,K4,K5は軸受、LはハンドルNの逆止め機構、Mはカム機構である。 【0011】尚、両軸受リール1は、ハンドルNの回転がメインギアN1及びピニオンギアC1を介して上記スプールシャフトCに伝達され、さらに、このスプールシャフトCからドラグレバーI1の回動でドラグ力が強弱調節されるドラグ機構Iを介して行われ、逆止め機構Lによってハンドルの逆回転を防止するものであり、基本的な回転伝達構造については従来と同様である。 【0012】上記左側枠Aは、内径をスプールDの側板D1よりも大径とする略筒状に形成してあり、右側枠Bと複数の連結板2によって一体に連結されている。また、外側開口部A1が上記蓋部Eによってに塞がれている。 【0013】蓋部Eは、上記開口部A1を塞ぐ蓋体E1と、左側枠Aの外周にねじ込んで蓋体E1を固定する固定環E2とで構成してあり、固定環E2を左側枠Aから着脱することによって蓋体E1が開口部A1を開閉するようになっている。(図2参照) 【0014】具体的には、図7及び図8に示すように、蓋体E1の外周縁の突起E1aが固定環E2の内周の環状凹部E2aに遊びを設けて嵌め入れられており、固定環E2を左側枠Aにねじ込むときの回転が蓋体E1に伝わらないようになっている。また、前記突起E1aの外周には、固定環E2の内周に設けられた雌ねじE2bと適合する雄ねじE1bが設けられており、これにより、蓋体E1と固定環E2が分離可能になっている。 【0015】上記手動ブレーキ機構Fは蓋体E1に装着されている。該ブレーキ機構は、スプールの回転にドラグ機構Iのドラグ力とは別の制動力を発生させるものであり、さらに、その制動力を状況に応じた釣人自身の判断によって強弱調節可能なものである。使用状態としては、例えば、仕掛けを落とし込むときにフリー回転するスプールDに制動力を与えて釣糸のバックラッシュを防止したり、ドラグ力に抗して逆転するスプールDにドラグ力とは別に制動力を与えて一時的にスプールの回転を止めたりする。 【0016】この手動ブレーキ機構Fは図3に示すように、蓋体E1の内側に抜け止め保持された制動部F1と、蓋体E1の内外に亘って保持されて前記制動部F1に制動力を与える制動操作部F2とで構成されている。 【0017】制動部F1は、スプールシャフトCを抜き差し可能、且つ、軸方向スライド可能、さらに一体回転するように支持する支持スリーブF1aと、この支持スリーブF1aに遊転可能に支持され、スプールDと一体回転するように抜き差し可能に嵌め込まれた回転スリーブF1b(図1及び図4参照)と、この回転スリーブF1bにワンウェイクラッチF1cを介して支持された制動スリーブF1dと、前記支持スリーブF1aの左側端部にCリングF1e及び段部F1fによって抜け止め保持された軸受K1(図7参照)と、右側端部にCリングF1g及び環状突起F1hによって抜け止め保持された軸受K2と、支持スリーブF1aの端部に該スリーブの径よりも大径として一体形成されたスプール差込部F1iの端部壁面と、回転スリーブF1bの端部とに挟まれるように保持された軸受K3(図12参照)とで構成されている。 【0018】上記構成の制動部F1の抜け止め保持構造を説明すると図7及び図8に示すように、支持スリーブF1aは、蓋体E1におけるスプールシャフトCの軸心と対応する位置に開孔された嵌め込み孔E1cに、支持スリーブF1aの左側端部を軸受K1ごと嵌め込み、さらに、嵌め込み孔E1cの内周に設けられたCリングE1dによって軸受K1を抜け止めすることで、蓋体E1に回動可能、且つ、抜け止め保持される。 【0019】回転スリーブF1b及びワンウェイクラッチF1cは、上記軸受K1と支持スリーブF1a間に挟まれるように抜け止め保持されており、その端面の磨耗を緩和する役割として軸受K3が配置されている。制動スリーブF1dは、軸受K3と上記嵌め込み孔E1cの端部間に挟まれるように抜け止め保持されている。(図1、図7、図8、図12参照) 【0020】このようにしたことによって、制動部F1が蓋体E1に対して抜け止めされる。 【0021】上記ワンウェイクラッチF1cは、スプールDの回転が正回転(巻き取り回転)の場合には、スプールDと一体回転する回転スリーブF1bの回転を制動スリーブF1dに伝達せず、逆回転(繰り出し回転)の場合には、回転スリーブF1bの回転を制動スリーブF1dに伝達するようにしている。 【0022】回転スリーブF1bとスプールDの嵌め込み構造は、スプール差込部F1iの端部に設けられた複数の切り欠き凹部F1j…F1jと、スプールDに形成された複数のリブD2…D2との抜き差し可能な凹凸嵌め合い構造にしている。 【0023】制動スリーブF1dは図7及び図8に示すように、筒体F11dと、この筒体F11dの外周に一体形成された制動板F12dとで形成されている。この制動板F12dは後記する制動操作部F2におけるブレーキシューユニットF2cが接触することにより、制動スリーブF1dの回転に制動がかかるようになっている。 【0024】上記制動操作部F2は図3に示すように、蓋体E1の側面の前方下側に貫通取り付けされた操作板F2aと、該操作板F2aの押し操作と連動し、軸方向に沿って移動する移動プレートF2bと、該プレートに着脱可能に装着された上記したブレーキシューユニットF2cを備えている。 【0025】上記操作板F2aは図6に示すように、軟質、且つ、弾性を有する素材(例えばエラストマー、シリコンゴム等)を用いて、約1/4の円とする略扇形に形成されている。また、裏面には操作板F2aの外形よりも一回り小さい相似形に凹ませた操作凹部F21aが、外周縁には後記する取付け開口部E1eに嵌め込む嵌め込み凹部F22aが設けられている。 【0026】前記取付け開口部E1eは、蓋体E1の側面の前方下側に操作板F2aの外形と適合する大きさに形成され、その内周縁には上記嵌め込み凹部F22aが嵌め込まれる嵌め込み凸部E11eが設けられている。この嵌め込み凸部E11eを設けたことにより、取付け開口部E1eには段部E12eが形成されるが、該段部の高さは、上記操作板F2aに設けられた嵌め込み凹部F21aによって形成された表面側突出部F23aの高さよりも若干低くしてある。 【0027】したがって、上記操作板F2aは、嵌め込み凹部F22aを嵌め込み凸部E11eに弾性を利用して嵌め込み取り付けすることにより、蓋体E1から若干突出するように取付けられる。 【0028】このようにした操作板F2aは、操作凹部F21aに対応する表面を押すと凹み、該凹部の凹み量に応じて上記移動プレートF2bが移動する。また、操作板F2aの位置は、通常両軸受リール1をホールドした状態で釣竿を持ったときに、左側枠Aに掛かる親指が調度操作板F2aに当たる位置である。すなわち、釣竿を持った状態で親指で操作板F2aを押し操作することができる。さらに、操作板F2aは、上記したように弾性を有する素材で形成されている上に、蓋体E1からの突出がわずかであるので、違和感なく、しかも、しっかりと両軸受リール1をホールドすることができる。 【0029】移動プレートF2bは図3及び図4に示すように、円弧状のプレートF21bと、その内周縁の中心部に径方向に突出形成されたブレーキシューユニット取付け板F22bと、前記プレートF21bの表面に一体形成されて上記操作凹部F21aの底面に接触する操作凸部F23bとで形成されている。 【0030】プレートF21bは、両端部に開孔された貫通孔F24b,F24bを、上記蓋体E1と後記する遠心ブレーキ機構Hの固定接触環H1とに亘って設けられた軸部P1,P2に貫通取付することで、軸方向にスライドするようにしてある。また、プレートF21bは、固定接触環H1との間に装備されたばねS1によって、常に左側枠A方向への反発力が作用している。 【0031】ブレーキシューユニット取付け板F22bは、プレートf21b側の幅狭部F221bと、該幅狭部の先端に幅広部F222bを連設して構成されている。幅狭部F221bはブレーキシューユニットF2cを着脱する部分であり、幅広部F222bはブレーキシューユニットF2cを保持する部分である。 【0032】操作凸部F23bは、上記操作凹部F21aのほぼ全面に接触する押し板F231bと、上記プレートF21bに固定して押し板F231bを支持する支持板F232bとで構成されている。 【0033】ここで、上記移動プレートF2bに取付けられるブレーキシューユニットF2cを説明すると、上記ブレーキシューユニット取付け板F22bに取付けるホルダF21cと、該ホルダF21cにおける上記制動板F12dと対峙する面に貼り付けられたシュー本体F22cとで構成してある。シュー本体F22cは、ゴム、コルク、合成樹脂等の素材が用いられている。 【0034】ホルダF21cは、その両縁に幅広部の両縁に対してスライド可能に取付けるスライド取付け部F221cを、下側縁にブレーキシューF2cをスライド操作する操作片F222cを一体に有し、さらに、ホルダF21cの表面に、ブレーキシュー取付け板F22bに設けられた球面状の突出部F24bに嵌り合う貫通孔F223cを開口して構成してある。 【0035】スライド取付け部F221cは、ホルダF21cの両縁から突出した板片を幅広部F222bの両縁に抱きつかせるように折り曲げて形成してある。また、スライド取付け部は、その先端間の幅を上記幅狭部F222bの幅よりも幅広にし、その長さを幅狭部F221bの長さよりも短くすることによって、幅狭部面に対して直交する方向に着脱するようにしてある。 【0036】操作片F222cは、ホルダF21cの下端を外側に折り曲げて形成してあり、この操作片F222cに指を掛けてブレーキシューユニットF2cを上下スライドさせる。 【0037】貫通孔F223cは、上記突出部F24bに嵌り合うことで、ブレーキシューユニットF2cの取付け状態を保持するものであり、該シューをスライドさせることで、突出部F24cに対して着脱する。 【0038】ここで、ブレーキシューユニットF2cの着脱方法を説明すると、幅広部F222bに保持されたブレーキシューユニットF2cを幅狭部F221bにスライドさせる。このとき取付け部F21cの下側が変形しながら突出部F24bに乗り上げるので貫通孔F223cが突出部から外れる。そして、ブレーキシューユニットF2cを幅狭部F221bに至らせて上記したように抜取る。取付けるときにはこの逆の行程で行う。 【0039】このようにした手動ブレーキ機構Fは、操作板F2aを押し操作することにより、操作凸部F23bを介して移動プレートF2bをスプールD方向へスライドさせると共に、ブレーキシューユニットF2cを上記制動板F12dに接触させてブレーキ力をスプールDに作用させるので、ドラグ力に抗して回転するスプールDの回転を止めることができる。ブレーキ力の強弱は、操作板F2aへの押し力を強弱することで調節可能である。すなわち、押し力が強ければ移動プレートF2bのスライド量が多いので制動板F12dに対するブレーキシューユニットF2cの押圧力が強くなり、押し力が弱ければ移動プレートF2bのスライド量が少ないので制動板F12dに対するブレーキシューユニットF2cの押圧力が弱くなる。 【0040】再びスプールDを回転させたいときには、操作板F2aから指を離せば、ばねS1の反発力により移動プレートF2bがスプールDから離れる方向にスライドするので、ブレーキシューユニットF2cが制動板F12dから離れてブレーキ作用が解除される。 【0041】また、上記ワンウェイクラッチにより、巻き取り回転の場合には、スプールDと一体回転する回転スリーブF1bは制動スリーブF1dに対して空転するので、スプールDを巻き取り回転させる際に、ブレーキシューユニットF2cが制動板F12cと接触していても抵抗がなく、スプールDは回転(巻上げ)が可能である。 【0042】この手動ブレーキFには、移動プレートF21bのスライド量を調節して、ブレーキ力の強弱を設定するスライド調節機構Oが備えられている。(図5乃至図8参照) 【0043】スライド調節機構Oは、蓋体E1に開孔された円弧状の案内孔O1に沿ってスライド可能な調節レバーO2と、案内孔O1を挟んで調節レバーO2と一体に連結された第1ギアO3と、蓋体E1に軸支されて第1ギアO3と噛み合う第2ギアO4と、蓋体E1と固定接触環H1との間に支持された回転軸O5と一体回転するように軸支されて第2ギアO4と噛み合う第3ギアO6と、前記回転軸O5に一体回転するように軸支された第4ギアO7と、上記軸部P2に捩じ込まれて第4ギアO7と噛み合うスライド量調節ギアO8とで構成されている。 【0044】調節レバーO2は、長手側を案内孔O1の幅よりも長くしてあり、上記第1ギアO3と蓋体E1を挟むようにして蓋体E1に対して抜け止めされている。 【0045】スライド量調節ギアO8は、移動プレートF21bを接触させることによってそのスライド量を調節するものであり、上記調節レバーO2をスライドさせると、各ギアを介して回転すると共に、軸部P2の軸線に沿って左右スライドして、移動プレートF21bに対して近づいたり遠ざかったりする。すなわち移動プレートF21bに近づければ、該プレートのスライド量を少なくすることができ、遠ざければそのスライド量を多くすることができる。 【0046】つまり、図6に示すように調節レバーO2が実線で示す位置にあるときには、スライド量調節ギアO8は図8に示すように移動プレートF21bに最も接近し、そのスライドを上記ブレーキシューF2Cが制動板F12dに接触しない位置で止めるので、操作板F2aを押してもブレーキ力は発生しない。逆に調節レバーO2を反時計回りに回動させて2点鎖線で示す位置にしたときには、図7に示すようにスライド量調節ギアO8は移動プレートF21bから最も遠ざかり、該プレートが制動板F12d方向へスライドしても接触しない位置となるので、操作板F2aを押した時には最も強いブレーキ力が発生する。 【0047】したがって、このスライド調節機構Oによれば、上記調節レバーO2のスライド停止位置を変更することによって、魚の引き力やスプールの回転数に応じて予め釣人自身がブレーキ力を強弱することができる。 【0048】符号O9は、第2ギアO4の回転にばねO9aの反発力を利用して節度を与えるクリック爪であり、蓋体E1に揺動可能に軸支してある。 【0049】メカニカルブレーキ機構Gは、主に、仕掛けを落とし込むときにフリー回転するスプールDにブレーキ力を作用させることで、スプールの回転数を調節して釣糸のバックラッシュを防止するものである。 【0050】メカニカルブレーキ機構Gは、蓋体E1に回動可能に貫通保持された調節ノブG1と、該ノブと同一体回転する第1ギアG2と、該歯車と噛み合う第2ギアG3と、該ギアの軸心に一体に設けられて上記接触板F12dに接触する接触ピンG4と、蓋体E1に設けられて接触ピンG4の外周の雄ねじG4aを捩じ込むことで接触ピンG4を蓋体E1に保持する保持部G5とで構成されている。 【0051】調節ノブG1は、下端に設けられた回転円板G1aを蓋体E1と上記調節レバーO2とで挟み付けるようにして蓋体E1に保持されている。第1ギアG2は、円弧状を呈して回転円板G1aの裏面に一体的に突出形成されており、調節ノブG1の回動を第2ギアG3に伝達するようにしている。接触ピンG4は第2ギアG3と一体に回動すると共に、その回動によって保持部G5に対して回動しながら左右軸方向へスライドし、接触先端部G4bが接触板F12dに対して離れたり接触したりする。また、接触ピンG4のスライド距離によって接触板F12dへの接触力が強弱される。 【0052】つまり、図6に示すように調節ノブG1が実線の位置にあるときには、図8に示すように、接触ピンG4が接触先端部G4bを制動板F12dに対して離れた位置で保持されているので、上記スプールDには制動力が作用していない。逆に調節ノブG1を反時計回りに回動させてが2点鎖線の位置にしたときには、図7に示すように接触ピンG4が右側にスライドし、接触先端部G4bが制動板F12dに最も強い接触力で接触するので、スプールDに最も強い制動力が作用する。 【0053】したがって、このメカニカルブレーキ機構Gによれば、上記調節ノブG1の回動停止位置を変更することによって、スプールDの回転数に応じて予め釣人自身がブレーキ力を強弱することができる。 【0054】符号G6は、上記クリック爪O9と同様の構成のクリック爪であり、第2ギアG3の回転にばねG6aの反発力を利用して節度を与えるようにしている。 【0055】遠心ブレーキ機構Hは、スプールDの回転よる遠心力を利用して自動的にスプールDの回転にブレーキ力を作用させることで、スプールDの回転数を調節して釣糸のバックラッシュを防止するものである。 【0056】遠心ブレーキ機構Hは、蓋体E1に回転不能に保持された上記固定接触環H1と、スプールDに着脱可能、且つ、一体回転するように保持された回転接触環H2とで構成されている。 【0057】固定接触環H1は、図1及び図9に示すように、スプール側の開口部縁に接触環H1aを一体に有してなり、蓋体E1の裏面にビスE3、または、接着剤等の固定手段によって固着されている。 【0058】回転接触環H2は、図1及び図9に示すように、上記制動部F1を囲むようにしてスプールDの差込み部D3に着脱可能、且つ、一体回転するように保持されるホルダH2aと、該ホルダH2aの表面に揺動可能に支持されて、上記接触環H1aの内周面に接離する4枚のブレーキ板H2b…H2bとで構成されている。 【0059】ホルダH2aは、図10及び図12に示すように、裏面に複数のリブH21a…H21aが設けられており、該リブが上記差込み部D3の内周面に設けられた凹部D3aに差し込まれて保持されている。これによってスプールDと一体回転するようにしてある。 【0060】ホルダH2aの保持構造は、前記差込み部D3の内周面に凹部D3aを貫通する環状溝D4を設ける。該環状溝に拡開方向に反発力が作用するCリングD5を嵌め入れる。該Cリングは環状溝D4から約半径分突出しており、拡開したときに環状溝D4内に全部収納される大きさである。一方リブH21aの周面に前記環状溝D4と正対する切り欠き部H221aを設ける。この切り欠き部H221aには前記環状溝D4から突出するCリングD5が嵌め入れられている。すなわち、CリングD5が環状溝D4と切り欠き部H221aに引っかかってホルダH2aを保持する。 【0061】すなわち、ホルダH2を外側に引くと、切り欠き部H221aがCリングD5を拡開させて環状溝D4へ押し入れる。それと同時にCリングD5の切り欠き部H221aに対する引っ掛かり外れてスプールDから外れる。逆にホルダH2を取付けるときには、リブH21aを凹部D3aに差し入れるとその先端が、自身の反発力で元に戻ったCリングD5を拡開させて環状溝D4に押し入れる。そしてそのまま押し込み、切り欠き部H221aが環状溝D4と正対すると同時に、CリングD5が反発力によって切り欠き部H221aに入り込んで、図10及び図12に示す抜け止め状態となる。 【0062】上記CリングD5の他の例として図35に示す形態のものが挙げられる。このCリングD5は、左右両側に直線部D51,D51が形成され、環状溝D4に嵌め入れられた状態で、該溝から直線部D51,D51の内側縁D51a,D51aが突出しており、この内側縁D51a,D51aが、上記切り欠き部H221a(図示せず)に入り込んで、上記ホルダH2を抜止めするようになっている。ホルダH2の着脱方法は上記した例と同様である。 【0063】上記ブレーキ板H2bとホルダH2の表面には夫々、マグネットH3,H3を互いに反発する極(N極同士、又は、S極同士)を対向させて装着してある。このマグネットH3,H3の反発力によって、ブレーキ板H2bを常に上記接触環H1aから離反した状態を保持するようにし、スプールDが回転して発生する遠心力が反発力を上回ったときにブレーキ板H2bが揺動して接触環H1aに接触するようにしてある。尚、ブレーキ板は、全て同様の構成であるのでいずれかひとつを説明している。 【0064】ブレーキ板H2bは図10に示すように、ホルダH2の表面に開けられた長孔H2cに軸支されている。具体的には、長孔H2cにスライド可能、且つ、抜け止めされたスリーブH4に揺動可能に嵌め込まれ、さらに、スリーブH4に保持ビスH4aを捩じ込むことによって保持されている。 【0065】このようにした回転接触環H2は、図9及び図11に示すように、ブレーキ板H2bを長孔H2cに沿ってスライドさせることによって、マグネットH3,H3同士を近づけたり遠ざけたりして、ブレーキ板H2bにかかる反発力を強弱調節可能にしており、例えば、ブレーキ板H2bが図9に示すように、マグネットH3,H3同士を最も遠ざかっていれば、弱い遠心力でも揺動する。逆に図11に示すように、ブレーキ板H2bをスライドさせてマグネットH3,H3同士が対向する最も近接した状態にすれば、強い遠心力で初めて揺動することになる。尚、図10に示すように、ホルダH2の長孔部H2Cの厚さt1を局部的に厚くすることにより、ホルダH2の長孔部H2cの厚さt1とブレーキ板H2bの幅t2との和(t1+t2)が、スリーブH4の擦り割部分の長さt3より大きくなり(t1+t2>t3)、ビスH4aの締付によりブレーキ板H2bの揺動を停止させることができる。 【0066】また、図示はしないが、例えば上記4枚のブレーキ板H2b…H2bのうち任意の枚数を、マグネットH3,H3同士が近接させることによってブレーキ力を段階的に増減させることもできる。例えば、2枚を近接状態とし、残りを遠ざけておけば、スプールDの回転が速いときには4枚のブレーキ板H2b…H2bによるブレーキ力がスプールDに作用し、スプールDの回転が遅いときには、マグネット同士が遠ざかった2枚のブレーキ板H2b,H2bによるブレーキ力がスプールDに作用する。このようにブレーキ板の位置を設定しておけば、スプールDの回転が速い場合にも遅い場合にも必ずブレーキ力を作用させることができる。 【0067】例示したブレーキ板の位置設定は任意であり、全て異なる位置としてもよいものである。 【0068】スプールDは、回転スリーブF1aに抜け止め保持された軸受K2,K4とで支持されている。スプールDの貫通孔D6の両端にはこれら軸受K2,K4が抜き差し可能に嵌り込む環状の段部D6a,D6aを有している。軸受K4は、スプールシャフトCに設けられたピニオンギアC2と、後記するクラッチ板I3と軸受K4との間に設けられたばねS2と共に、止めピンC1によって抜け止めされている。 【0069】ドラグ機構Iは図1、図13、図14に示すように、スプールDに着脱可能に保持されるドラグ板I2と、該ドラグ板に対して上記ドラグレバーI1の回動操作により接離する上記クラッチ板I3とでなる。 【0070】ドラグ板I2は、コルクや合成樹脂等の周知の素材でなるドラグ板本体I2aと、該本体を固着状に有してスプールDに嵌め込まれて一体回転する固定板I2bとでなる。この固定板のスプールに対する嵌め込み構造は、上記回転スリーブの嵌めこみ構造と同様であり、保持構造は、基本的には上記ホルダの保持構造と同様であるので説明は省略する。 【0071】クラッチ板I3は、スプールシャフトCに一体回転状に支持され、該シャフトと一体回転する止めピンC1と軸受K4との間に位置し、上記ばねS2の反発力によって、常に止めピンC1に押し付けられている。すなわち、ばねS2と止めピンC1に挟まれてスプールシャフトCからの抜け止めがされている。 【0072】逆止め機構Lは図1及び図15に示すように、クラッチ板に一体回転するように保持された逆止め歯車L1と、右側枠Bに揺動可能に支持されて、逆止め歯車L1の正回転に対して噛み合いが外れ、逆回転では噛み合ってその回転を止める2個の逆止め爪L2,L3とで構成されている。 【0073】逆止め歯車L1は、上記クラッチ板I3と対向して右側枠B内に位置しており、貫通孔L1aの縁に形成された切り欠きL1b…L1bをクラッチ板I3に固定されたスライドピンL1c…L1cにスライド可能に嵌め合わせてある。また、逆止め歯車L1は、上記逆止め爪L2,L3の挟持板L2a,L2b、L3a,L3bに挟まれると共に、右側枠に設けられた突出部B1に接触することによって定位置が保持されている。したがって、クラッチ板とI3一体回転するようにすると共に、該クラッチ板のスライドに関わりなく定位置が保持される。 【0074】逆止め爪L2,L3は、上記挟持板L2a,L2b、L3a,L3bが逆止め歯車L1の表裏両面を挟み付けており、逆止め歯車L1が正回転すると挟持力によって噛み合いが外れる方向に揺動し、逆止め歯車L1が正回転している間は噛み合いが外れた状態を保持している。そして逆止め歯車L1が逆回転すると挟持力によって噛み合う方向に揺動して逆止め歯車L1と噛み合って、該歯車の回転を止めるようにしている。すなわち、この逆止め機構Lは、逆止め歯車L1が正回転しているとき(釣糸巻き取り回転)には常時逆止め爪L2,L3が外れるので、この逆止め爪L2,L3と逆止め歯車L1とがぶつかるときの衝撃音が発生しない。 【0075】本例における逆止め機構Lは、逆止め歯車L1の歯数が20度刻みの18枚のものである。また、上記二個の逆止め爪L2,L3が逆止め歯車L1に対して、一方が噛み合っているときには他方が噛み合わないように配置されている。このようにした逆止め機構Lによれば、以下説明するように逆止め歯車L1の回転方向の遊びを減少させることにより、ハンドルNの回転がたを少なくすることができる。 【0076】まず、通常の両軸受リールにおいては、逆止め機構の逆止め歯車の歯数が30度刻みの12枚、逆止め爪が1個である。(図示せず)この逆止め機構をギヤ比が1(メインギア):5(ピニオンギア)とする両軸受リールに装着したときの回転方向の遊び(角度)を次の数式で試算すると以下の値となる。 【0077】 【数1】
【0078】 【数2】
【0079】すなわち、通常の両軸受リールでは、6度のハンドルの回転がたが発生することになる。 【0080】これに対して、本例の逆止め機構をギヤ比が1(メインギア):5(ピニオンギア)とする両軸受リールに装着したときの回転方向の遊び(角度)を上記と同様の数式で試算すると以下の値となる。 【0081】 【数3】
【0082】 【数4】
【0083】したがって、本例における両軸受リールにおけるハンドルがたは2度であり、通常の両軸受リールに比べて極めて少なくなることが証明できる。 【0084】尚、逆止め歯車はの歯数は上記した数に限定するものではなく、歯車面の強度を確保できる歯数であればよい。例えば15度刻みの24枚、10度刻みの36枚等が挙げられる。また、逆止め爪の数も複数であれば、2個に限定されるものではなく3個でも4個でもよいものであり、1個が噛み合ったときに他は噛み合わないように配置すればよい。 【0085】カム機構Mは図13に示すように、ドラグレバーI1の回動によりカムアームM1が回動し、その回動に伴ってカムM2が同一回動してカムピンM3bを押し、ベアリングケースM3が軸方向に左右スライドすることで、ベアリングケースM3内に保持されたスプールシャフトCを左右スライドさせてドラグ力を強弱調節するようにしてある。 【0086】また、ベアリングケースM3内にはプリセットねじM3aがねじ込まれており、プリセットノブM4の一方向への回動によりスライドし、ベアリングケースM3内でスプールシャフトCを支持する軸受K5を押すことでスプールシャフトCを左側枠A方向へスライドさせるようになっている。プリセットノブM4の逆方向への回動によりプリセットねじM3aを逆方向へスライドさせれば、スプールシャフトCは、ばねS2の反発力で右側枠方向へスライドする。これにより所望最小ドラグ力をあらかじめ強弱設定することができる。 【0087】ちなみに、ベアリングケースM3はカムピンM3b,M3bが突出しており、該カムピンがカム機構装着凹部B2の側壁に形成された切欠き溝B2a,B2aに嵌り合うことによって、ベアリングケースM3の回転防止をしている。また、軸受K5はピニオンギアC2とスプールシャフトCに設けられたCリングC3により挟持されて抜け止め保持されている。さらに、ベアリングケースM3の開口部縁に突出形成された環状突起M3cに軸受K5が接触することで、該軸受の過剰なスライドを防止すると共に、抜け止めをしている。 【0088】符号Qは、スプールDのフリー回転から釣糸巻き取り回転へ自動的に移行するリターン機構であり、ドラグレバーI1をフリー位置から釣糸巻き取り可能なドラグ力に設定したドラグレバーI1の停止位置にハンドルNの巻き取り方向の回動によって戻すようにしたものである。 【0089】リターン機構Qは図13乃至図17に示すように、右側枠Bに固定された支持軸Q1に回転スリーブQ2が回転可能に取り付けられている。この回転スリーブには、上記カムアームM1外周に設けられた歯車M5と噛み合うカムギアQ3が一体回転するように取付けられている。また、上記メインギアN1と噛み合うクラッチギアQ4が遊転するように取付けられている。このクラッチギアQ4は、該ギアと回転スリーブQ2との間に設けられたクラッチQ5によって回転スリーブQ2の回転が伝えられたり切り離されたりされる。 【0090】上記クラッチQ5は、回転スリーブQ2に一体回転、且つ、スライド可能に取付けられており、クラッチギアQ4の係合部Q4aとに係脱するクラッチ係合部Q5aを有し、該クラッチ係合部の係合が外れる方向に反発力を常に作用させるばねS3と、右側枠Bに貫通取付けされ、クラッチ板I3のスライドをクラッチQ5に伝達して、前記クラッチ係合部Q5aを係合させるピン状の移動部材Q6とで構成されている。 【0091】このリターン機構Qの作動を説明すると、図14はドラグレバーI1を所望位置まで回動し、プリセットノブM4を調整して所定ドラグ力が発生するように設定した状態である。このとき、クラッチQ5は、ばねS3によって押されて係合が切り離された状態にあり、クラッチギアQ4が回転スリーブQ2に対して空転するようになっている。また、図13はドラグレバーI1がフリー位置にあり、スプールDがフリー回転する状態である。このとき、クラッチQ5は、クラッチ板I3により移動部材Q6を介して係合状態にあり、クラッチギアQ4が回転スリーブQ2と一体回転するようになっている。 【0092】上記図13の状態からハンドルN1を巻き取り方向に回転させると、その回転はピニオンギアC2からメインギアN1、クラッチギアQ4、カムギアQ3を介してカムアームM1が回動する。このカムアームM1の回動に伴い、ドラグレバーが図16に示すように2点鎖線位置(ドラグフリー状態)から実線位置(ドラグ力発生状態)まで回動すると共に、スプールシャフトCが左側枠A方向へスライドしてクラッチI3板がドラグ板I2と接触する。これと同時にクラッチ板I3のスライドに伴って、ばねS3の反発力によってクラッチQ5がスライドしてその係合が切り離されてクラッチギアQ4が空転状態となり、ハンドルNの回転がカムアームM1に伝達されないのでカム機構Mの作動が停止する。また、この状態からドラグレバーI1をドラグフリー位置にすれば、図13に示すようにクラッチ板I3のスライド力により移動部材Q6を介してクラッチQ5が係合状態に戻る。 【0093】すなわち、ハンドルNを回転させることで、図14に示すように所定のドラグ力が発生する状態に、自動的、且つ、確実に戻すことができる。したがって、仕掛けを落とし込んでから、一々ドラグレバーI1を戻す操作をすることなく巻き上げ状態にすることができる。 【0094】図18乃至図20は、リターン機構Qの他の例を示している。本例のリターン機構Qは、該機構を作動状態と非作動状態とに切替機構Q7によっても切替え可能にしたものである。 【0095】本例におけるリターンQ機構は、回転スリーブQ2と一体回転するカムギアQ3と、回転スリーブQ2に対して遊転するクラッチギアQ4との間にクラッチQ5が位置し、このクラッチQ5をスライドさせてクラッチギアQ4との係脱を行う移動部材Q6と、上記切替機構Q7を備えて構成されている。 【0096】移動部材Q6は図18に示すように略U型に形成され、両直線部の中途部が右側枠内に設けられた支持部B3,B3に揺動可能に軸支してある。また、直線部の両先端を上記ベアリングケースM3の外周に突出させたカムピンM3bの先端部Q6aに接触させており、ベアリングケースM3のスライドによって先端部Q6a,Q6aに押されて揺動するようにしてある。この押しピンQ6a,Q6aはカム機構装着凹部B2の側壁に設けられた切り欠き部B2a,B2aから突出し、該切り欠き部に沿ってスライドするようになっている。 【0097】また、直線部の両基部に上記クラッチの外周に形成されたクラッチ溝Q5bに係合する係合部Q6b,Q6bが一体形成されており、移動部材Q6の揺動によってクラッチQ5をスライドさせてクラッチギアQ4との係合を切り離すようになっている。 【0098】切替機構Q7は、右側枠B内に位置する切替カムQ7aと、右側枠B外に位置して切替カムQ7aを操作する切替レバーQ7bとで構成されている。切替カムQ7aは、右側枠Bに形成されたスライド長孔B5にスライド可能に貫通した切替レバーQ7bのスライド板Q7cに連結され、切替レバーQ7cのスライドに伴って右側枠B内をスライドするようにしてある。この切替カムQ7aの先端面にはカム斜面Q71aが形成されており、切替カムQ7aのスライドによりカム斜面Q71cが上記移動部材Q6を持ち上げると共に、揺動させてクラッチQ5の係合を切り離し、且つ、その状態を保持するようになっている。(図20参照) 【0099】このリターン機構Qの作動を説明すると、上記したリターン機構の最初の例と同様に、上記ハンドルNを巻き取り方向に回転させると、その回転はメインギアN1、クラッチギアQ4、カムギアQ3を介してカムアームM1が回動する。このカムアームM1の回動に伴い、ドラグレバーI3が回動すると共に、スプールシャフトCが左側枠A方向へスライドしてクラッチ板(図示せず)がドラグ板(図示せず)と接触する。これと同時に、ベアリングケースM3のスライドに伴う支持ピンのスライドによって移動部材Q6が2点鎖線の位置に揺動すると共に、クラッチQ5の係合が切り離されてクラッチギアQ4が空転状態となって、上記ハンドルNの回転がカムアームM1に伝達されないのでカム機構の作動が停止する。また、ドラグレバーをフリー位置にすると、ばねS3の反発力によってクラッチQ5が係合方向にスライドすると共に、移動部材Q6が実線の位置に戻って上記スプールDがフリー回転可能状態となる。 【0100】すなわち、上記ハンドルNを回転させることで、ドラグ力が発生する状態に、自動的、且つ、確実に戻すことができる。したがって、仕掛けを落とし込んでから、一々ドラグレバーを戻す操作をすることなく巻き上げ状態にすることができる。 【0101】また、切替機構Q7の切替レバーQ7aを2点鎖線の位置にスライドさせると、移動部材Q6が揺動してクラッチQ5の係合が切り離されると共に、その状態が保持される。したがって、使用状況によってリターン機構Qを作動させないようにすることもできる。 【0102】符合Rは、プリセットノブM4の回動を規制する回動規制機構である。回動規制機構Rは図13、図14、図20に示すように、右側枠Bにスライド可能に設けられた操作片R1と、プリセットノブM4に一体形成されて前記操作片R1の一端が入り込む環状溝R2と、この環状溝R2に一体形成されたストッパー部R3とで構成されている。 【0103】操作片R1は、両端が直角に折り曲げられて形成され、その一端を環状溝R2に入れてストッパー部R3を係止する係止部R1aとし、他端を操作摘みR1bとしている。また、操作片R1は、右側枠Bに設けられたスライド溝B6にスライド可能に嵌め込むと共に、蓋板B7蓋をして保持されている。符号B7aは、上記係止部R1aのスライド量を確保するスライド孔である。 【0104】環状溝R2は、深さを前記係止部R1aの高さよりも深くしてその先端が接触しないようにしてある。また、幅を前記係止部R1aをストッパー部R3に対して係脱可能な程度スライド可能な幅としている。 【0105】ストッパー部R3は、環状溝R2の外側の壁面からプリセットノブM4の締め回動方向と正対するように立ち上げたストッパー面R3aと、該ストッパー面の頂点から、プリセットノブM4の緩め回動方向側(図面上右側)に位置する壁面へ延設した傾斜面R3bとで形成してある。 【0106】このようにした回動規制機構Rによれば、操作片R1bを引くと係止部R1aがストッパー面R3aに接触可能な位置になって回動規制状態となる。この状態では、プリセットノブM4を締め方向に回動したときストッパー面R3aが係止部R1aに接触するまで回動し、接触した時点で回動が止められる。 【0107】この回動規制状態からプリセットノブM4を緩み方向に回動すると、係止部R1aが傾斜面R3bに接触すると共に、該傾斜面に沿って環状溝R2の内側方向に移動してストッパー面R3aの頂点を越す(2点鎖線で示す)ので、自動的に回動規制解除状態となり、締め方向緩み方向両側に回動できる。また、操作片R1bを押すことによって係止部R1aをストッパー面R3aの頂点を越させて係止を外して回動規制解除状態にすることもできる。 【0108】したがって、プリセットノブM4の締め方向への回動を規制することによって、その締め過ぎを防止することができる。尚、スライド溝B6にスプリングSを配置してストッパー面3aを常に環状溝R2に押圧させることで、プリセットノブM4を締付け回動方向に回動させる際の一回転毎に停止し、緩める方向には自由に戻せるため、プリセットノブM4の破損を防止することができる。 【0109】符号Tは、ドラグレバーI1の回動停止位置を保持する保持機構である。この保持機構Tはドラグレバーと係合してその回動を案内するガイド板の多数のテンションホールに、ドラグレバーに設けられた係合ピンが係合することで回動停止位置を保持する従来の保持機構の停止位置数よりも多くすることで、より細かいドラグ力の調整を可能としたものである。ちなみに、テンションホールを多くすれば細かい調整が可能となるものの、ガイド板の強度の保持という点で現実的ではない。 【0110】上記保持機構Tは図13、図14、図22に示すように、ドラグレバーI1の取付け端部I1aの外周に歯車状の凹凸部I1bを形成し、右側枠Bに凹凸部I1bに係脱する2個のクリックピンI1c,I1dをスライド可能に設けて構成されている。 【0111】クリックピンI1c,I1dは、クリックばねI11c,I11dによって常に凹凸部I1b方向に反発力が作用している。また、一方が凹部に係合しているときには他方が凸部に頂点に接触するようにしている。すなわち、2個のクリックピンI1c,I1dを交互に係脱させるようにしたことによって、凹凸部I1bの半ピッチごとにドラグレバーI1の停止位置が保持されるので、ドラグ力の細かい調整が可能となる。 【0112】符号B8a、B8bは、ドラグレバーI1の回動を停止させるストッパー孔である。ストッパー孔B8a、B8bは図22及び図23に示すように、ガイド板B8に2個設けられており、1個はドラグフリーポイント直前、他の1個はファイティングポイント直前に位置している。また、両端が大小異なる径とする長円状に形成され、小径部を対向させてある。 【0113】上記ストッパー孔B8a、B8bには、大径部から小径部に向かって厚み方向に低くなる傾斜面B8c,B8cが形成されている。この傾斜面B8c,B8cは図22に示すように、係合ピンI1eが小径部に係合した状態からドラグレバーI1を大径部方向へ回動させると、係合ピンI1eは、ばねS4の反発力に抗してドラグレバーI1内に入り込みながら傾斜面B8c,B8cに沿って、小径部から大径部に移動してストッパー孔B8a、B8bとの係合が外れる。また、係合が外れた状態からドラグレバーI1を小径部方向に回動させると、係合ピンI1eは、ばねS4の反発力によってドラグレバーI1内から突出しながら傾斜面B8c,B8cに沿って、大係部から小径部に移動してストッパー孔と係合する。この係合状態からドラグレバーI1を小径部方向へ回動させるには、解除ノブ(図示せず)をばねS4の反発力に抗して引っ張って、係合ピンI1eの係合を外すことで回動できる。 【0114】符号Uは、両軸受リール1を釣竿Yに固定するロッドクランプである。ロッドクランプUは、略U字形に湾曲形成したクランプ本体U1と、該クランプ本体の両側部を左右両側枠A,Bに対して締め付け、開放可能に保持する係合部材U2とで構成されている。そして、クランプ本体U1の両側部外周にはねじU1a,U1aが形成され、該ねじが捩じ込まれる雌ねじU2aが係合部材U2の内周面に形成されている。 【0115】上記係合部材U2は、両側端が開口された円筒状のスリーブで、左右側枠A,Bに回転可能、且つ、抜け止めされて貫通取付けされている。その取付け構造は、左右側枠A,B内に固定された差込みリングU3,U3に、係合部材U2を左右側枠A,Bの外側から該側枠に開孔された貫通孔U4,U4を介して差し込み、差込みリングU3,U3から突出した係合部材U2の先端にEリング等の止め輪U5,U5を嵌め合わせている。符号はナット部U6,U6であり、係合部材U2の外周に突出状に一体形成されており、前記差込みリングU3,U3と両側枠を挟み付けるようにしている。 【0116】このようにした係合部材U2,U2にクランプ本体U1を取付けるには、係合部材U2,U2の雌ねじU2a,U2aにクランプ本体U1の両端部の雄ねじU1a,U1aを合わせ、係合部材U2,U2のナット部U6,U6を回動するとクランプ本体U1は係合部材U2,U2内に引き込まれて釣竿Yを押え締め付ける。また、ナット部U6,U6を前記とは反対方向に回動するとクランプ本体U1は係合部材から押し出され、釣竿Yの押え締め付けを開放する。また、釣竿Yの径に合わせてクランプ本体U1を上下動させて調節する。クランプ本体U1には、釣竿Yを押え締め付けた際に、釣竿Yを保護するためのクッション材U7が介在されている。このクッション材U7の素材としては、ゴム板、スポンジ等が挙げられる。 【0117】上記した構成により、本実施の形態の両軸受リールは、図2に示すように、複数のリール構成部品が蓋部、スプール、左右側枠夫々に保持されて、蓋部ユニットV1、スプールユニットV2、左右側枠ユニットV3の3つに分割される。 【0118】具体的には図2に示すように、蓋部ユニットV1には、手動ブレーキ機構F、遠心ブレーキ機構Hにおける固定接触環H1、メカニカルブレーキ機構G(図示せず)が保持されて、この蓋部ユニットV1を取外せばスプールユニットV2が抜き差し可能状態となる。スプールユニットV2は、遠心ブレーキ機構Hにおける回転接触環H2、ドラグ機構Iにおけるドラグ板I2を保持した状態で抜き取られる。左右側枠ユニットV3は、スプールシャフトC、ドラグ機構Iにおけるクラッチ板I3、逆止め機構L、カム機構M、リターン機構Q(図示せず)等が保持されている。 【0119】したがって、両軸受リールの分解が容易であると共に、スプールの抜き差し時に上記リール構成部品の脱落が防止される。 【0120】また、図25に示すように、スプールユニットV2を抜取ったときにスプールDに保持された回転接触環H2及びドラグ板I2を外すこともできるので、スプールDのみの水洗いが可能となる。 【0121】図26及び図27は上記手動ブレーキ機構Fの他の例を示している。尚、上記した例と重複する部分についての説明は省略する。 【0122】本例の手動ブレーキ機構Fは、操作板F2を蓋体E1の表面と同面に装着してある。この操作板F2は、取付け開口部E1eに一体に設けられたスプールD方向へしなるように変形する取付け板E11eに嵌め込んで取付けてある。 【0123】ブレーキシューF2cは、上記取付け板E11eに固定した台座E12eに捩じ込まれたスライドピンF23cにシュー本体F22cを固着したスライド板F24cをスライド可能に取付けて構成してある。また、スライドピンF23cに前記スライド板F24cに対して常に台座E12e側に押し付ける方向に反発力が作用するばねS1を設けてある。 【0124】この手動ブレーキ機構Fによれば、操作板F2を押すと取付け板E11eがしなり、ブレーキシューF2cが制動板F12dに接触してブレーキ力が発生する。また、本例の手動ブレーキ機構Fは、取付け板E11eのしなりによってシュー本体F22cが制動板F12d面に対して傾斜するが、この傾斜は、シュー本体F22cが制動板F12dに押し付けられることによるスライド板F24cの台座E12eに対する傾斜により解消される。すなわち、この傾斜によってシュー本体F22c全面が制動板F12d面にぴったりと接触することになる。 【0125】このような手動ブレーキ機構Fによっても、上記したものと同様にドラグ力以外の制動力をスプールDの回転に作用させることができる。しかも、操作板F2及びブレーキシューF2cを蓋体に保持しているので、スプールDを抜き差しするときに部品の落下を防止することができる。 【0126】図28は、両軸受リール1の他の例を示し、具体的には上記二つの手動ブレーキ機構Fとは異なる手動ブレーキ機構Fを備えている。さらに、本例の両軸受リール1は、ドラグ機構Iを左側枠側に備え、遠心ブレーキ機構Hを右側枠側に備えている。尚、上記した例と重複する部分については説明を省略する。 【0127】ドラグ機構はI、クラッチ板I3が蓋体E1に回動可能に保持された回転スリーブI4に一体形成されている。ドラグ板I2は上記したドラグ板と同様の構成でスプールDに保持されている。 【0128】回転スリーブI4は、蓋体E1におけるスプールシャフトCの軸心と対応する位置に開孔された嵌め込み孔E1cに、回転スリーブI4にCリングF1eによって抜け止めされた軸受K1ごと嵌め込み、さらに、嵌め込み孔E1cの内周に設けられたCリングE1dによって軸受K1を抜け止めすることで、蓋体E1に回動可能、且つ、抜け止め保持される。 【0129】遠心ブレーキ機構Hは、上記したものと同様の機能を有するものであり、固定接触環H1が右側枠Bに固定され、回転接触環H2が上記したものと同様の構成でスプールDに保持されている。 【0130】本例の手動ブレーキ機構Fは図29乃至図34に示すように、操作板F2が上記したものと同様の素材及び形状とし、同様に部位に保持されている。この操作板F2の保持構造は、蓋体E1に設けられた保持凹部E12eに固着された板状ばねF3に被せると共に、操作板F2の裏側に突出形成した接続突起F4を板状ばねF3に開口された接続口F3aに操作板F2の素材の弾性を利用して嵌め付けてある。 【0131】板状ばねF3は、1枚の薄状金属板を、保持凹部E12eに固着する固着面F3bを確保してU字状に折り曲げて操作板F2を保持する保持面F3cを形成することにより、操作板F2をスプールD側への押すとばね機能が作用するようにしてある。また、この保持面F3cの先端を保持凹部E12eに開孔された貫通孔E13eに向けて段状に折り曲げた折り曲げ部F3dが形成されている。 【0132】上記折り曲げ部F3dの先端裏側には後記するブレーキシューF2cをスライドさせるスライダーF5が固着されている。このスライダーF5は、上記貫通孔E13cに貫通しており、操作板F2の押し操作で、貫通孔E13c内をスプールD方向にスライドするようになっている。また、スライダーF5は、スプールシャフトC側の面を蓋体E1側からスプールD側に向けて厚み方向の傾斜面F5aを形成してあり、この傾斜面F5aが後記するブレーキシューF2cにおけるブレーキホルダF6に形成された傾斜面F6aと常にぴったりと接触している。 【0133】上記ブレーキシューF2cは、上記ブレーキホルダF6と該ホルダに固着されたシュー本体F22cとで構成されている。ブレーキホルダF6は、スプールDにおける鍔部周面D7と正対する面にシュー本体F22cが固着されている。また、ブレーキホルダF6は図30に示すように、左側枠Aに軸線を前記鍔部周面D7に向けて固定されたスライド軸A2,A2にスライド可能に取付けられている。さらに、ブレーキホルダF6は、前記スライド軸A2,A2の先端に抜き差し可能に固定した凸部A3,A3とブレーキホルダF6の取付け面F6aの間に装着されたばねS1,S1の反発力によって、常に左側枠A方向に押し付けられている。 【0134】上記手動ブレーキ機構Fによれば、図30及び図31に示すように、操作板F2を押し操作するとスライダーF5がスライドし、該スライダーの傾斜面F5aがブレーキホルダF6をその傾斜面F6aに接触しながら上記鍔部周面D7方向にスライドさせると共に、シュー本体F22cを鍔部周面D7に接触させるので、スプールDの回転にブレーキ力を作用させることができる。また、操作板F2から手を離せば板状ばねF3が自身の反発力によって元に戻ってスライダーF5を蓋体E1方向にスライドさせると共に、ブレーキシューF2cがばねS1,S1の反発力によって蓋体E1方向にスライドし、シュー本体F22cが鍔部周面d7から離れるのでブレーキ力が解除される。 【0135】上記手動ブレーキ機構Fには、ブレーキ力のリミッター機構Wが備えられている。リミッター機構Wは、ブレーキ力を100パーセント発生できる状態及びブレーキ力の発生が止められる状態、そして、小さなブレーキ力が発生する状態に必要に応じて変更できる機構である。 【0136】リミッター機構Wは、図29及び図31乃至図33に示すように蓋体E1にスライド可能に設けられた操作部W1のスライド操作で、この操作部W1に一体的に設けられたスライド爪W2をスライドさせてブレーキホルダF6のスライド量を調節することで、ブレーキ力を上記した状態に変更するものである。 【0137】上記リミッター機構Wの作動状態を説明すると、操作部W1がブレーキ力を発生させない位置にあるとき、上記スライド爪W2がブレーキホルダF6に形成された接触板F6bの裏面に接触しているのでブレーキシューF2cのスライドが完全に阻止されている。したがって操作板F2を押し操作してもブレーキシューF2Cはスライドしないのでブレーキ力は発生しない。(図34) 【0138】また、操作部W1がブレーキ力を100パーセント発揮させる位置にあるとき、上記スライド爪W2が接触板W3の先端の外側に位置しているので、ブレーキシューF2cは自由にスライドする。したがって、操作板F2を押し操作すれば、押し力に応じたブレーキ力が発生する。(図32) 【0139】そして、操作部W1が小さなブレーキ力を発生させる位置にあるとき、上記スライド爪W2が接触板W3の先端裏面に設けられた傾斜面W3aと正対しているので、ブレーキシューF2cのスライドは傾斜面W3aがスライド爪W2に接触した時点でそれ以上のスライドが阻止される。したがって、シュー本体F22cが鍔部周面D7に対してわずかに接触するだけであるので、弱いブレーキ力が発生する。(図33) 【0140】上記した手動ブレーキ装置Fを備えた両軸受リール1によっても、上記したものと同様にドラグ力以外の制動力をスプールDの回転に作用させることができる。しかも、リミッター機構Wを含む手動ブレーキ機構Fが蓋体E1及び左側枠Aに保持されているので、スプールDを抜き差しするときに部品の落下を防止することができる。 【0141】図36は、両軸受リール1の他の例を示している。具体的には右側枠Bに蓋部Eを備えた構造のものである。リール構成部品の基本的な配置構造については図28に示したものと同様であり、蓋部Eの着脱構造は上記した実施の形態のものと同様であるため、重複する部分についての説明は省略する。 【0142】本例の蓋体E1は、内部にスプールシャフトC、カム機構M、リターン機構Q、遠心ブレーキ機構Hの固定接触環H1を保持し、外部にハンドルN、ドラグレバーI1、プリセットノブM4を保持している。固定接触環H1は、蓋体E1の内側にビスE3、又は、接着剤等の固定手段によって、取付けられており、蓋体E1を右側枠Bに取付けた状態で、スプールDの側板D1よりも大径とする右側枠Bの開口部B1にぴったり嵌まり込んで、開口部B1を塞ぐようになっている。 【0143】すなわち、蓋体E1を取り外すと、開口部B1から固定接触環H1が抜けて、開口部B1が開口し、スプールDを抜き取ることができる。そして、本例の両軸受リール1においても、上記した例と同様に、複数のリール構成部品が蓋部、スプール、左右側枠の各ユニットに分割される。 【0144】 【発明の効果】本発明は以上説明した通り、ドラグ力の設定をプリセットノブの回動を段階ごとに規制しながら行うことにより、プリセットノブの締め過ぎや緩め過ぎが防止されると共に、プリセットノブの現在位置が明確になるので、プリセットノブでのドラグ力の設定を極めて容易、且つ、迅速に行える両軸受リールを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000128946 【氏名又は名称】マミヤ・オーピー株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月28日(1999.10.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068607 【弁理士】 【氏名又は名称】早川 政名 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−120135(P2001−120135A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月8日(2001.5.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−306715 |
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