| 【発明の名称】 |
魚釣用電動リール |
| 【発明者】 |
【氏名】西村 聖
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| 【要約】 |
【課題】魚釣用電動リールにおいて釣糸の繰り出し速度を簡単に調整する。
【解決手段】スプールと、スプール駆動用モータと、モータ出力調整体と、モータ出力調整体の変位操作でモータ出力を出力停止から最大まで多段階に増減させるモータ出力調整手段と、スプールとモータとの駆動伝達を連結・遮断するクラッチ機構とを備える。また、スプールをモータの駆動で釣糸繰り出し方向に回転させるための信号を発生する糸送りスイッチを設け、糸送りスイッチの操作時にモータ出力調整体の変位操作によるモータの駆動中におけるモータ出力調整手段のモータ駆動出力状態を記憶する記憶部を設け、スプールの釣糸繰出し方向への回転時におけるモータのモータ駆動出力を記憶部の記憶値にて制御する。これにより、バックラッシュが発生しないように糸送出し速度を随時変更することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 釣糸を巻回可能にリール本体に回転可能に支承されたスプールと、上記リール本体又は上記スプール内に設けられた上記スプールに駆動伝達可能に連結されたモータと、上記リール本体に変位可能に設けられたモータ出力調整体と、上記モータ出力調整体の変位操作で上記モータへのモータ駆動出力を出力停止から最大まで多段階に増減させるモータ出力調整手段と、上記スプールと上記モータとの駆動伝達を連結・遮断するクラッチ機構とを備え、上記クラッチ機構を連結した状態で上記モータの駆動により上記スプールを釣糸巻き取り方向に回転させ、上記クラッチ機構を遮断した状態で上記モータの駆動により上記スプールを釣糸繰り出し方向に回転させるようにした魚釣用電動リールにおいて、上記スプールを上記モータの駆動で釣糸繰り出し方向に回転させるための信号を発生する糸送りスイッチを設け、上記糸送りスイッチの操作時に上記モータ出力調整体の変位操作による上記モータの駆動中におけるモータ出力調整手段のモータ駆動出力状態を記憶する記憶部を設け、上記スプールの釣糸繰り出し方向への回転時におけるモータのモータ駆動出力を上記記憶部の記憶値にて制御するようにしたことを特徴とする魚釣用電動リール。 【請求項2】 上記魚釣用電動リールに釣糸の繰り出し速度の計測手段を設け、該計測手段の計測値が上記記憶部の記憶値未満であれば上記モータヘのモータ駆動出力を継続し、該計測手段の計測値が上記記憶部の記憶値以上であれば上記スプール駆動モータへのモータ駆動出力を停止するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、釣糸の繰り出し時における繰出し速度を簡単に調整することができる魚釣用電動リールに関する。 【0002】 【従来の技術】魚釣用電動リールは、一般に釣糸を巻回したスプールとこれを巻き取り駆動する手動ハンドル及びスプール駆動モータとの駆動連結を遮断することによって回転自在としたスプールから、仕掛けの重量や潮流や船の揺れに任せて釣糸を引き出して釣糸の繰り出しを行うように構成されている。 【0003】しかし、このように仕掛けの重量や潮流や船の揺れに任せてスプールから釣糸を引き出す構成では、釣り場に到着後に仕掛けを魚層に投入するまでの時間がかかって釣果が落ちるという問題がある。 【0004】この問題の解決策として、実開平5−88270号、特開平7−170891号、特開平11−18640号は、スプールとこれを巻き取り駆動する手動ハンドル及びスプール駆動モータとの駆動連結を遮断した状態でスプール駆動モータを駆動させることによってスプールを釣糸繰り出し方向に回転させる、いわゆる「糸送り機構」を備えた電動リールを提案する。 【0005】しかし、このように釣糸繰り出し時にスプール駆動モータにてスプールを釣糸繰り出し方向に回転させるようにすると、軽量な仕掛けの使用時や潮流が弱い場合等には、スプールから繰り出される釣糸速度が遅いためにバックラッシュを起こしてしまうという問題がある。 【0006】このバックラッシュの発生を防止すべく、実開平5−88270号は、釣糸の繰り出し糸長が「0」の状態から釣糸を繰り出し時に糸送り機構を起動して、釣糸の繰り出し長さが予め設定した所定の長さに至るまではスプール駆動モータを低速回転させ、釣糸の繰り出し長さが所定の長さを超えるとスプール駆動モータを中速回転させるという改善策を提案する。また、特開平11−18640号は、釣糸の繰り出し速度が予め設定した速度よりも低下するとスプール駆動モータを回転させるという改善案について提案する。 【0007】しかし、このように予め設定した所定の条件によって糸送りを規制することは、重い仕掛けの使用時や強い潮流時等における仕掛けの投入時間を遅らせる結果となる。 【0008】また、特開平6−205629号は、リール本体の右側面前方に120度の回動範囲で回転可能に取り付けられたモータ出力調整レバーの回転操作でポテンショメータの抵抗値を変化させ、ポテンショメータの抵抗値に応じてスプール駆動モータの駆動速度をゼロから最大値まで多段階に制御できるようにした魚釣用電動リールについて開示する。このリールによれば、仕掛けや潮流等の条件に応じて釣糸繰り出し時におけるスプール駆動モータの駆動速度、即ち糸送り速度をモータ出力調整レバーの回転操作によって調整することができる。 【0009】しかし、特開平6−205629号のリールは、釣糸繰り出しの都度モータ出力調整レバーを仕掛けや潮流の条件に応じて回動位置決め調整しなければならず、操作が面倒になる。すなわち、この公報に記載の発明を実施した場合、「モード」スイッチの操作によって「糸長表示モード」と「棚設定モード」、「タイマー設定モード」と共に「糸送り設定モード」に切換可能に設け、「糸長表示モード」から「糸送り設定モード」に切り換えた上でモータ出力調整レバーを操作することによって糸送り速度を多段階に選択可能とし、「モード」スイッチの再操作による「糸長表示モード」等の他のモードへの切換によって糸送り速度を記憶部に設定しなければならない。このような構成では、仕掛けは兎も角として潮流や船の揺れ等の糸送りに影響する諸条件が変化する都度「糸長表示モード」から「モード」スイッチにて「糸送り設定モード」に切換えたうえでモータ出力調整レバーにて糸送り速度を選択し、更に「モード」スイッチにて「糸長表示モード」に戻さなければならないから、迅速な切換ができないばかりか釣人に複雑な作業を強いるものとなる。 【0010】更に、実開平5−88270号、特開平6−205629号のリールにおいて糸送り機構を作動させるには、「繰り出し糸長ゼロからの繰り出し」を行う必要がある。ところがそのような構成では、シャクリやジギング等で途中まで巻き上げたが獲物がかからずに仕掛けを途中から棚に再投入する場合には、糸送り機構が作動しないことになるので、仕掛けの棚への再送り込みが迅速にできないという問題がある。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、釣糸繰り出し状態でスプール駆動モータの駆動により釣糸を早送り可能にした魚釣用電動リールにおいて、繰り出す仕掛け等の釣条件に応じて釣糸の早送り速度を簡単に調整することができるようにすることを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、釣糸を巻回可能にリール本体(1,2,3)に回転可能に支承されたスプール(4)と、上記リール本体(1,2,3)又は上記スプール(4)内に設けられた上記スプール(4)に駆動伝達可能に連結されたモータ(6)と、上記リール本体(1,2,3)に変位可能に設けられたモータ出力調整体(31)と、上記モータ出力調整体(31)の変位操作で上記モータ(6)のモータ出力を出力停止から最大まで多段階に増減させるモータ出力調整手段(30)と、上記スプール(4)と上記モータ(6)との駆動伝達を連結・遮断するクラッチ機構(10a,12a等)とを備え、上記クラッチ機構(10a,12a等)を連結した状態で上記モータ(6)の駆動により上記スプール(4)を釣糸巻き取り方向に回転させ、上記クラッチ機構(10a,12a等)を遮断した状態で上記モータ(6)の駆動により上記スプール(4)を釣糸繰り出し方向に回転させるようにした魚釣用電動リールにおいて、上記スプール(4)を上記モータ(6)の駆動で釣糸繰り出し方向に回転させるための信号を発生する糸送りスイッチ(27)を設け、上記糸送りスイッチ(27)の操作時に上記モータ出力調整体(31)の変位操作による上記モータ(6)の駆動中におけるモータ出力調整手段(30)のモータ駆動出力状態を記憶する記憶部(29)を設け、上記スプール(4)の釣糸繰出し方向への回転時におけるモータ(6)のモータ駆動出力を上記記憶部(29)の記憶値にて制御するようにした魚釣用電動リールを採用する。 【0013】また、請求項2に係る発明は、上記魚釣用電動リールに釣糸の繰り出し速度の計測手段(32)を設け、該計測手段(32)の計測値が上記記憶部(29)の記憶値未満であれば上記モータ(6)ヘのモータ駆動出力を継続し、該計測手段(32)の計測値が上記記憶部(29)の記憶値以上であれば上記モータ(6)へのモータ駆動出力を停止するようにした請求項1に記載の魚釣用電動リールを採用する。 【0014】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。 【0015】図1乃至図3に示すように、この魚釣用電動リールは主フレーム1と左右一対のサイドフレーム2,3とを有する。一対のサイドフレーム2,3間には、スプール4が回転自在に水平に支持されている。 【0016】スプール4はハンドル5又はモータ6により駆動するようになっている。ハンドル5は一方のサイドフレーム3側に配置される。モータ6はスプール4の空洞内に収納された状態で主フレーム1に固定される。 【0017】ハンドル5のハンドル軸5aとモータ出力軸6aはスプール4と平行に配置され、スプール4に伝動装置を介し動力的につながっている。ハンドル5はハンドル軸5aに取り付けられたラチェット車7とこれに噛み合う主フレーム1に取り付けられた爪8との噛み合いによりスプール4で釣糸を巻き取る方向には回転可能であるが逆向きすなわち釣糸を繰り出す方向への回転は阻止される。また、モータ出力軸6aはスプール4が釣糸を繰り出す方向と同方向に回転するようになっており、反対方向すなわち釣糸巻き取り方向と同方向への回転は主フレーム1との間に介装される一方向クラッチ9により阻止される。 【0018】伝動装置は遊星減速機構を含んでおり、ハンドル5の回転は増速してスプール4に伝達されるが、モータ6の回転は減速してスプール4に伝達されるようになっている。また、伝動装置はクラッチ機構を含んでおり、モータ出力軸6a又はハンドル軸5aとスプール4との駆動伝達を連結又は遮断するようになっている。 【0019】クラッチ機構は伝動装置内に次のように設けられる。右側のサイドケース3と主ケース1との間の空室内にはハンドル軸5aがスプール4に平行に配置され、ハンドル軸5aと平行に軸体10が配置される。ハンドル軸5aにはマスター歯車11がドラッグ装置を介して取り付けられ、軸体10にはマスター歯車11と噛み合うピニオン筒12が取り付けられる。ピニオン筒12は軸体10上でスライド自在であり、軸体10の中間部とピニオン筒12の一端とにはクラッチ片10a,12aが噛み合い可能に形成されている。ピニオン筒12の中間部には環状溝が形成され、環状溝にシフタ13が嵌り込んでいる。シフタ13には、主ケース1にピニオン筒12の周りで回転可能に取り付けられたクラッチカム14のカム片14aが接している。クラッチカム14にはサイドケース3の外側に取り付けられたクラッチレバー15がアーム、ピン等を介し連結される。クラッチレバー15が一方向に回動操作されるとクラッチカム14が回転しシフタ13を介してピニオン筒12をサイドケース3側にスライドさせクラッチ片10a,12a同士を離反させる。すなわちクラッチ機構はクラッチOFFとなり、ハンドル軸5a及びモータ出力軸6aはスプール4との駆動伝達が遮断される。クラッチレバー15が他方向に回動操作されるとクラッチカム14が逆転しシフタ13を解放する。シフタ13は図示しないスプリングで主フレーム1側に付勢されることからピニオン筒12は主フレーム1側にスライドするので、クラッチ片10a,12a同士が噛み合う。すなわちクラッチ機構はクラッチONとなり、ハンドル軸5a及びモータ出力軸6aはスプール4と駆動伝達可能に連結される。 【0020】遊星減速機構は伝動装置内に次のように設けられる。第1太陽ギア16がモータ出力軸6aに固定され、第1遊星ギア17がモータ出力軸6aに回転可能に支持された第1キャリア18に回転可能に支持される。第2太陽ギア19が第1キャリア18と一体に設けられ、第2遊星ギア20が軸体10に固定された第2キャリア21に回転可能に支持される。第1、第2遊星ギア17,20は第1、第2太陽ギア16,19及び第1、第2キャリア18,21と共にスプール4の空洞内に収納され、第1、第2遊星ギア17,20がスプール4に形成された内歯ギア22に噛み合っている。上記クラッチ機構がクラッチON状態にある場合、モータ出力軸6aの回転は遊星減速機構により減速されると共に釣糸巻き取り方向への回転に変換されてスプール4に伝達され、スプール4は釣糸巻き取り方向に回転する。上記クラッチ機構がクラッチOFF状態にある場合、スプール4は仕掛けの重み等により釣糸繰り出し方向にフリー回転する。また、モータ4の駆動によっても同方向に回転する。なぜなら、クラッチ機構のオフ状態では軸体10が自由状態となり、モータ6の駆動により、第1太陽ギア16、第2太陽ギア19、第1遊星ギア17、第2遊星ギア20、内歯ギア22の各々の噛み合い抵抗により、これらが釣糸繰り出し方向に一体回転するからである。これにより、舟釣等で仕掛けの投入時に、モータ6を駆動させることにより、仕掛けの繰り出し(下降)速度を増大させることができる。 【0021】また、この魚釣用電動リールは、スプール4の釣糸巻き取り速度と釣糸繰り出し速度を制御するためのコントロールボックス23を主フレーム1及びサイドフレーム2,3上に備える。 【0022】図4に示すように、コントロールボックス23の上面には、液晶ディスプレイ24、棚・底スイッチ25、瞬動スイッチ26、船べり・糸送りスイッチ27、その他図示しない電源スイッチ等が設けられている。 【0023】コントロールボックス23のCPUで実現されるハードウェア構成は図5に例示される。コントロールボックス23は、制御手段28として図示しないCPU、入出力インターフェイスおよびバスラインを備える。制御手段28は、ROM、RAMからなる記憶手段29、表示手段である液晶ディスプレイ24、モータコントローラであるモータ出力調整手段30、アクセルレバーであるモータ出力調整体31、スプール回転検出センサであるスプールの回転計測手段32、糸送りスイッチ27を備える。モータ出力調整手段30には、スプール4を回転駆動するモータ6が接続される。その他図4に示した棚・底スイッチ25、瞬動スイッチ26等の各種のスイッチや図示しない糸長計測器も制御手段28に接続される。 【0024】記憶手段29内のROMには、CPUの制御プログラム等が記憶されており、CPUは、この制御プログラムに従いバスラインを介して、各部を制御する。また、RAMには、単位巻径変化量、繰り出し糸長演算式等が記憶される。RAMは糸送りスイッチ27の操作時にモータ出力調整体31の変位操作によるモータ6の駆動中におけるモータ出力調整手段30のモータ駆動出力状態を記憶する記憶部としても機能する。 【0025】液晶ディスプレイ24は釣糸繰り出し量等を表示するようになっている。 【0026】モータ出力調整手段30はモータコントローラであり、これはCPUから回転制御信号が与えられることによりモータ6を駆動し、スプール4の巻取を制御する。モータ出力調整手段30は、モータ出力調整体31であるアクセルレバーの変位操作でモータ6への駆動出力を出力停止から最大まで多段階に増減させる。 【0027】モータ出力調整体31は、図1及び図3に示すように、リール本体を構成するサイドフレーム3上に変位可能すなわち回転可能に設けられている。サイドフレーム3内にはモータ出力調整体31の回転量に応じて抵抗値を変えるようにポテンショメータ33が固定されている。 【0028】スプール4の回転計測手段32は、スプール4の回転速度と回転方向とを検出するスプール回転検出センサである。このセンサは図示しないがスプール4に固定されるマグネットと主フレーム1に取り付けられるホール素子とで構成される。 【0029】糸送りスイッチ27は、船べり位置を設定するスイッチを兼ねており、船べり設定と糸送りの二つの機能を果たす。 【0030】棚・底スイッチ25は、棚表示、底表示の切り替え、及び棚設定、底から水深の設定を行うためのものである。 【0031】瞬動スイッチ26は、プッシュ操作されることでプッシュしている時間だけ釣糸を巻き上げるためのものである。 【0032】上記制御手段28に接続される図示しない糸長計測器は、スプール4に巻き付けられる釣糸の長さを測定するためのもので、糸長を計測するときだけ主フレーム1又はサイドフレーム2,3に取り付けられ、糸長を計測した後は取り除かれる。糸長計測器は例えば特開平11−18640号公報に開示されるような公知の測定器であり、スプール4に巻き付けられる釣糸の全長を測定し、その測定結果をコントロールボックス23に送るようになっている。 【0033】つぎに、記憶手段29のROMに記憶されたプログラムについて説明する。 【0034】<設定モード>まず設定モードについて説明する。 【0035】制御手段28のCPUは、初期設定を行なう。具体的には下巻部分より上からの総スプール回転数、下巻部分から巻径になるまでのスプール回転数、巻径から最終巻径となるまでのスプール回転数、巻き始めの糸巻半径、巻く途中の糸巻半径を0にセットする。 【0036】つぎに、CPUは、図示しない糸長計測器とスプールの回転計測手段32からの検出信号を受け取ることによって巻き取り糸長を公知の演算式に基づき演算する。表示手段24である液晶ディスプレイはこの巻き取り糸長を表示し、記憶手段29はこの時の巻き取り糸長を記憶する。これにより設定モードは終了する。 【0037】<使用モード>つぎに、使用モードについて説明する。 【0038】使用モードにおいては、図6に示すように、まず、初期設定を行ない(ステップS1)、次に糸長演算表示を行なって糸長を液晶ディスプレイ24で表示し(ステップS2)、スイッチの入力を行い(ステップS3)、糸送りのON/OFFを行ない(ステップS4)、モータ制御を行ない(ステップS5)、ステップ2からステップ5の処理を繰り返す。 【0039】以下、舟べり(縁)停止位置からクラッチOFFにして釣糸を繰り出す場合について説明する。 【0040】CPUは、まず、糸長演算処理を行う(図6中ステップS2)。すなわち、CPUはスプール4が繰り出し方向に回転していると判断して、スプール4の回転数と回転方向を検出し、得られたカウント値および初期設定(ステップS1)にて求めた糸長演算式によって、繰り出し糸長の計算を行う(ステップS1)。CPUは、演算された繰り出し糸長を、液晶ディスプレイ24に表示する(ステップS2)。 【0041】なお、液晶ディスプレイ24による表示の際、CPUは、舟べり位置を表示しているか否か判断する。船べり位置はリールの操作者が船べりスイッチを兼ねる糸送りスイッチ27を例えば3秒間押し下げることでセットされる。この実施の形態では、繰り出し糸長表示が「5メートル」である場合に、舟べり位置であると判断するようにした。 【0042】つぎに、CPUは、スイッチ入力の処理を行う(図6中ステップS3)。 【0043】図7に示すように、CPUは糸送りスイッチ27のONを検知し(ステップS6)、モータ出力調整体31がON位置にあって巻き取り用モータ波形がモータ6に出力中であることを検知すると(ステップS7)、この現在の巻き取り用モータ波形を糸送り用モータ波形に設定する(ステップS8)。すなわち、CPUは、糸送りスイッチ27の操作時にモータ出力調整体31の変位操作によるモータ6の駆動中におけるモータ出力調整手段30のモータ駆動出力状態を記憶手段29の例えばRAMからなる記憶部に記憶させる。その後CPUは瞬動スイッチ26等の他のスイッチの判別を行う(ステップS12)。 【0044】また、CPUはステップS6において糸送りスイッチ27がOFFであると判断すると直ちにその他のスイッチ25等の判別を行う(ステップS12)。CPUは糸送りスイッチ27がONであると判断しても(ステップS6)、巻き取り用モータ波形がモータ6に出力されていないと判断した場合は(ステップS7)、糸送り機能をONからOFFに切り換え(ステップS9,10)又はOFFをONに切り換える(ステップS9,11)。糸送り機能は電源ON時にはON状態になっている。その後、CPUは他のスイッチ25等の判別を行う(ステップS12)。 【0045】これにより、クラッチOFFで釣糸が仕掛けの重量等によりスプール4から繰り出されて行く際に、リールの操作者が例えば潮流、船の揺れ等による糸送りの変化を感知してモータ出力調整体31をOFFからON側に操作し巻き取り用モータ出力波形の大きさを加減した上で、糸送りスイッチ27をプッシュすると(ステップS6)、現巻き取り用モータ出力波形が糸送り用モータ波形に設定される(ステップS8)。クラッチON状態で釣糸をスプール4に巻き取っているときに糸送りスイッチ27を押した場合(ステップS6)もそのときの巻き取り用モータ波形が糸送り用モータ波形に設定される(ステップS8)。 【0046】糸送りON/OFF処理(図6のステップ4)について以下に説明する。 【0047】図8に示すように、CPUは糸送り機能がONであるか否かを判断する(ステップS13)。糸送り機能ONと判断した場合は(ステップS13)、スプール4が繰り出し方向に回転しているか否かを判断する(ステップS14)。この場合、クラッチOFFによりスプール4が繰り出し方向に回転しているので、CPUは、現在のスプール回転速度SPVpを演算する(ステップS15)。つぎに、CPUは、現在のスプール回転速度SPVpが、過去の最高速度SPmaxよりも大きいか否かを判断する(ステップS16)。この場合、繰り出し直後のときは、図6のステップS1において、最高速度SPmaxが初期化されている。したがって、現在のスプール回転速度SPVpの方が最高速度SPmaxよりも大きく、CPUは現在のスプール回転速度を最高繰出速度SPmaxとして記憶する(ステップS17)。これにより、最高繰出速度SPmaxが更新記憶される。 【0048】釣糸を繰り出している最中において、スプール4の回転速度は釣糸の繰り出し直後から徐々に上昇するので、ステップS17にて、最高速度が更新記憶される。また、スプール4の回転速度は水の抵抗等により徐々に低下するが、現在のスプール回転速度SPVpが最高速度SPmaxよりも低下すると、ステップS16にて、現在のスプール回転速度SPVpが最高速度SPmaxより小さいと判断され、ステップS17の更新記憶は行なわれない。 【0049】つぎに、現在のスプール回転速度SPVpが最高速度SPmaxの0.2倍以下になったか否かを判断する(ステップS18)。釣糸の繰り出し直後においてはSPVp=SPmaxであるので、ステップ19に進み、CPUはMフラグ=1か否かを判断する(ステップS19)。 【0050】なお、ステップ18によれば、モータ6の駆動による糸送りを行なっている場合にも、現在のスプール回転速度SPVpが、最高速度SPmaxの0.2倍以下となった場合には、ステップS24に進んでモータ6の糸送り波形での駆動を停止する。これは、繰出し速度が極端に低下した場合に発生しやすくなるバックラッシュを防止するためである。これにより、例えば、舟のローリング等により仕掛けが持上げられてスプール4の回転速度が低下したような場合に、モータ6の駆動を停止することができる。 【0051】ステップ19において、繰出し直後であるときは、糸送り用モータ波形は出力されていないので、Mフラグ=0である。したがって、ステップS20へ進み、CPUは、現在のスプール回転速度SPVpが最高速度SPmaxの0.7倍以下であるか否かを判断する(ステップS20)。繰り出し直後の場合、ステップST17にて、現在のスプール回転速度SPVpを最高繰出速度SPmaxとして記憶しているので、現在のスプール回転速度SPVpが最高速度SPmaxの0.7倍以下ではない。したがって、ステップS24に進み、糸送り用モータ波形でのモータ出力を停止し(ステップS24)、Mフラグ=0とする(ステップS25)。これにより、現在のスプール回転速度SPVpが低下しても、現在のスプール回転速度SPVpが最高速度SPmaxの0.7倍以下に低下するまでは、モータ6の駆動は行なわれず、仕掛けの自重で繰り出し処理が進む。すなわち、スプール4の回転計測手段32の計測値が上記記憶部の記憶値以上であればモータ6への駆動出力を停止する。 【0052】釣糸の繰り出し速度は水の抵抗等により徐々に低下することから、ステップ20で現在のスプール回転速度SPVpが最高速度SPmaxの0.7倍以下であると判断した場合は、CPUは糸送り用モータ波形をモータ6に出力し、モータ6を駆動させる(ステップS21)。糸送り用モータ波形の初期値は図6の初期設定(ステップS1)で予め設定され、例えば最大出力波形の50%に設定される。これにより、スプール4は釣糸繰り出し方向に増速し、より速く釣糸を繰り出す。すなわち、釣糸の繰り出し速度の計測手段32の計測値が記憶手段29の記憶値未満であればモータ6ヘの駆動出力を継続するようになっている。 【0053】つぎに、CPUは、Mフラグ=1とする(ステップS22)。 【0054】ここで、Mフラグ=1は糸送り用モータ波形でモータ出力をしている場合に対応し、Mフラグ=0は糸送り用モータ波形でモータ出力を停止している場合又は巻き取り用モータ波形でモータ出力をしている場合に対応する。 【0055】また、一旦モータ6の駆動による糸送りを開始した後は、Mフラグ=1となるので、ステップS19からステップS23に進み、モータ6の駆動の条件を変更する。すなわち、現在のスプール回転速度SPVpが最高速度SPmaxの0.7倍以下または0.4倍以上である場合に、モータ6の駆動による糸送りを行う。これにより、モータ6の頻繁なON/OFFが防止される。 【0056】なお、CPUが上記ステップS13で糸送り機能OFFと判断した場合や、上記ステップS14でスプール4が繰り出し方向に回転していないと判断した場合にも糸送り用モータ波形でのモータ出力を停止させ(ステップS24)、Mフラグを0に変更する(ステップS25)。 【0057】つぎに、CPUは、モータ制御処理を行なう(図6のステップS5)。 【0058】図9に示すように、CPUは、Mフラグ=0と判断し(ステップS26)、モータ出力調整体31であるアクセルレバーがONになっていると判断し(ステップS27)、モータ出力調整体31であるアクセルレバーの位置が変化したと判断した(ステップS28)場合は、巻き取り用モータ波形の出力準備を行い(ステップS29)、巻き取り用モータ波形でモータ6を駆動させる(ステップS30)。その場合、Mフラグ=0は巻き取り用モータ波形でモータを回転させる状態も含んでいる。このため、釣糸巻き取りのためのモータ6の回転は維持される。 【0059】なお、モータ出力調整体31の位置が変化しない場合も釣糸巻き取りのためのモータ6の回転は維持される(ステップS28)。 【0060】CPUはモータ出力調整体31がOFF位置に戻された場合は(ステップ27)、巻き取り用モータ波形の出力を停止させる(ステップS31)。 【0061】また、CPUは、Mフラグ=1と判断し(ステップ26)、モータ出力調整体31が変位操作されないと判断したときは(ステップS32,33)、糸送り用モータ波形でのモータ出力を維持する。これによりモータ6の駆動により糸送りが増速される。 【0062】また、CPUは、Mフラグ=1と判断し(ステップS26)、モータ出力調整体31が動かされたと判断すると(ステップS32,33)、糸送り用モータ波形でのモータ6の出力を停止させ(ステップS34)、Mフラグ=0に変更する(ステップS35)。 【0063】なお、このモータ制御(ステップS5)において、船べりでは自動的に巻き上げが停止するようになっている。また、一度船べり停止した後は一旦モータ出力調整体31をOFF位置に戻さないと巻き取り用モータ波形を出力しないようになっている。さらに、瞬動スイッチを押し下げすると押し下げしている間は巻き取りのための巻き取り用モータ波形を出力するようになっている。 【0064】CPU123は、上述したステップS2からステップ5の処理(図6)を繰り返す。 【0065】なお、上記実施の形態においては、スプール駆動モータの出力を調整するモータ出力調整体をアクセルレバーとしたが、スライドスイッチやアップ/ダウンスイッチとすることもできる。また、糸送りスイッチは、船べりスイッチと共用するようにしたが、他のスイッチと共用するようにしても良く、専用のスイッチにしてもよい。また、モータはスプールに内装したが、スプール外に設けることもできる。 【0066】 【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、糸送り時のスプール駆動モータへのモータ出力調整手段からのモータ駆動出力、即ち糸送り速度をモータ出力調整体を操作してスプール駆動モータの駆動中に糸送りスイッチを1回押すだけで変更することができるので、仕掛けの重量や潮流や船の揺れ等の糸送りに影響する諸条件の変化に迅速且つ容易に対応でき、バックラッシュを確実に防止することができる。 【0067】請求項2に係る発明によれば、釣糸繰出し時における糸の繰出し速度が記憶した速度未満である場合に糸送り機構を作動して糸送りを定速制御できるようにした場合は、釣糸の巻取りと繰出しとを繰り返すジギングやシャクリ動作時における釣糸の繰出し速度をも糸送りに影響する諸条件に応じて記億させた糸の繰り出し速度に制御することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006943 【氏名又は名称】リョービ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月22日(1999.10.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083839 【弁理士】 【氏名又は名称】石川 泰男
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| 【公開番号】 |
特開2001−120130(P2001−120130A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月8日(2001.5.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−300725 |
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