| 【発明の名称】 |
接ぎ木苗製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】武野 節生
【氏名】山田 久也
【氏名】内田 潔
【氏名】上山 正直
【氏名】安部 芳則
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| 【要約】 |
【課題】予め、不要な台木の茎上部側を切断除去して、後の接ぎ木作業を確実にする。
【解決手段】穂木用苗搬送ライン2と台木用苗搬送ライン3とを平面視で平行状に配置し、且つ各ラインには、穂木及び台木の各苗を複数本が苗搬送方向と交差するように横列状に植立させたトレイ5を載置し、穂木用苗搬送ライン2と台木用苗搬送ライン3との上方を跨ぐように設けたフレーム6には、前記各苗の茎部を把持するための把持移送機構7と、各苗の茎部を同一高さ位置にて切断するための切断機構8とを各々前記横列状の苗と平行に横移動可能に配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穂木用苗搬送ラインと台木用苗搬送ラインとを平面視で平行状に配置し、且つ各ラインには、穂木及び台木の各苗を複数本が苗搬送方向と交差するように横列状に植立させたトレイを載置し、前記穂木用苗搬送ラインと台木用苗搬送ラインとの上方を跨ぐように設けたフレームには、前記各苗の茎部を把持するための把持移送機構と、各苗の茎部を同一高さ位置にて切断するための切断機構とを各々前記横列状の苗と平行に横移動可能に配置する一方、予め台木用苗の茎上部側を切断するための台木予備切断装置と、該切断された茎上部側を除去するための屑除去装置とを備えたことを特徴とする接ぎ木苗製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、台木の茎と穂木の茎とを、その両者の切断面個所にて接合して固定する接ぎ木苗製造装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、台木の茎と穂木の茎とを、その両者の切断面個所にて接合させ、この接合個所をクリップにて固定する接ぎ木苗製造装置として、特開平2−107125号公報、特開平4−187029号公報及び特開平4−304817号公報に開示されたものがある。 【0003】これらの装置に共通する点は、1本の穂木と台木とを順次接合し、クリップにて固定するものであり、複数の苗を一挙に接ぎ木作業できないから効率が悪いという問題があった。 【0004】そこで、本出願人は、先に特願平5−291922号において、複数本の穂木及び台木を一挙に切断、接合、クリップ固定などの作業を実行して作業効率を高めることができる接ぎ木苗製造装置の構成を提案した。 【0005】この接ぎ木苗製造装置は、穂木用苗搬送ラインと台木用苗搬送ラインと接ぎ木済苗搬送ラインとを平面視で平行状に配置し、且つ各ラインには、穂木及び台木の各苗を複数本が苗搬送方向と交差するように横列状に植立させたトレイを載置し、前記3つの搬送ラインの上方を跨ぐように設けたフレームには、各苗の茎部を把持するための把持移送機構と、各苗の茎部を同一高さ位置にて切断するための切断機構と、接ぎ木用のクリップ搬送機構とを各々前記横列状の苗と平行に横移動可能に配置したものである。 【0006】この構成によれば、台木用苗搬送ラインから台木の茎部の中途を上下対の把持手段にて把持して持ち上げた状態でその上下把持部の間の茎を切断する。同様に、穂木用苗搬送ラインから穂木の茎部の中途を上下対の把持手段にて把持して持ち上げた状態でその上下把持部の間の茎を切断する。この両切断されたもののうち台木の根鉢側の茎と穂木側の茎上部側とを接合してクリップにて挟持して接ぎ木する。この場合、取り出した台木の不要となる茎上部、及び穂木におるけ同じく不要となる根鉢部を廃棄するには、それぞれの横移動式把持移送機構により台木及び穂木の各茎部の把持して廃棄箱の上まで横移動させた後、把持解除することより、前記不要な茎上部側及び根鉢部を廃棄するようにしていた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に、台木は、その茎がある程度太くなるまで成長させたものを使用するため、トレイに植えられた台木の葉が繁っていることで、トレイのポット部に台木の欠株があることを見逃すおそれがあった。 【0008】また、前記不要となる茎上部側の背丈が長く、且つ葉の茂りによって嵩張っているから、トレイにおける搬送方向左右及び前後方向への根鉢部の配置間隔が狭いと、茎部が真っ直ぐに且つ一定間隔にて配置されない状態となることが多く、前記把持移送機構による把持作業が確実に行えないと共に、前記把持移送機構による横移動の際に、茎上部側が他の部品に引っ掛かる等の事態が発生するなど、種々の支障を来すおそれがあった。 【0009】さらに、前記先行技術では、穂木用苗搬送ラインから、把持移送機構にて穂木を不要となる根鉢部ごと持ち上げてから切断し、この根鉢部を台木用苗搬送ラインにおける空いたトレイのポット部に下降させるようにしているが、下降作業が円滑に実行できなかった場合、この不要な根鉢部を再度穂木用苗搬送ラインに持ち回ることになり、次回の穂木把持・持ち上げ作業が円滑にできなくなるという問題があった。 【0010】本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、複数本の穂木及び台木を一挙に切断、接合などの作業を実行して作業効率を高めると共に、接ぎ木作業を確実に実行できる接ぎ木苗製造装置を提供することを目的とするものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の接ぎ木苗製造装置は、穂木用苗搬送ラインと台木用苗搬送ラインとを平面視で平行状に配置し、且つ各ラインには、穂木及び台木の各苗を複数本が苗搬送方向と交差するように横列状に植立させたトレイを載置し、前記穂木用苗搬送ラインと台木用苗搬送ラインとの上方を跨ぐように設けたフレームには、前記各苗の茎部を把持するための把持移送機構と、各苗の茎部を同一高さ位置にて切断するための切断機構とを各々前記横列状の苗と平行に横移動可能に配置する一方、予め台木用苗の茎上部側を切断するための台木予備切断装置と、該切断された茎上部側を除去するための屑除去装置とを備えたものである。 【0012】 【実施例】次に、本発明を具体化した実施例について説明すると、図1は接ぎ木苗製造装置1全体の概略平面図、図2は概略正面図、図3は各作業の機構の移動範囲を示す概略平面図である。図1に示すように、接ぎ木苗製造装置1は、穂木用苗搬送ライン2と台木用苗搬送ライン3と接ぎ木済苗搬送ライン4とを平面視で平行状に配置した構成である。 【0013】各搬送ラインは枠体の前後に配置したプーリに無端ベルト80を巻掛けし、図示しない駆動モータ(一方のプーリ内に駆動モータを内蔵したものでも良い)により回転駆動するベルトコンベヤ等の周知構成の搬送手段からなり、各搬送ライン2,3,4上に載置される各トレイ5には、穂木用苗H、台木用苗D、接ぎ木済苗Sの根鉢部がそれぞれ複数本(X方向にピッチP2にて6本列、Y方向にピッチP1にて12本列)を収納できるポット部20が平面視マトリックス状に形成されているものである。 【0014】そして、図1における左端にある穂木用苗搬送ライン2と中央にある台木用苗搬送ライン3とではトレイ5を、図1の矢印Y方向に前記ポット部20の間隔P1毎に間欠的に搬送され、苗の把持移送機構7、切断機構8、クリップ搬送機構9等を配置した門型フレーム6の下方個所で後述する各種作業を実行し、接ぎ木用のクリップ10により台木用苗Hの根元側と穂木用苗Dの先端側とを接ぎ木された接ぎ木済苗Sは、接ぎ木済苗搬送ライン4において、前記両搬送ライン2,3におけるトレイ5の搬送方向と逆向き(矢印Y′方向)に前記ピッチP1にて間欠搬送されるものである。 【0015】また、接ぎ木済苗搬送ライン4の側方であって、門型フレーム6の下方には、切り屑等を集めるための廃棄箱12が設置され、また、その廃棄箱12の上側方近傍には、クリップ10を1個づつクリップ搬送機構9に供給するためのクリップフイーダ11が配置されている。なお、符号13は前記各機構7,8,9等の駆動用の圧縮エア源となるコンプレッサ、符号14は各種の作業を制御するための電気的制御回路等の制御用中央処理装置である。 【0016】次に、台木予備切断装置81及び切り屑等を除去するための屑除去装置82について、図1、図4および図5を参照しながら説明する。 【0017】台木用苗搬送ライン3の始端側には、下端にキャスタ(図示せず)を備えた門型フレーム83を配置し、この門型フレーム83に、バリカン式の台木予備切断装置81及び空気吸引式の屑除去装置82を装着するものであり、不要の場合等には、台木用苗搬送ライン3から外すことが可能である。該門型フレーム83における左右両側の主支柱83aに対して横梁84の左右両側から下に延びる副支柱84aの縦長孔85に貫通させた取付けボルト86の位置調節にて、横梁84が高さ調節可能に構成されている。 【0018】前記横梁84には、台木予備切断装置81における平面視略三角形状の固定刃81aが前記ピッチP2の間隔にて固定されており、横梁84の左右両側端部に設けたガイドレール87,87の長手方向(X方向)に沿って摺動自在な移動板88には同じくピッチP2の間隔にて平面視略三角形状の移動刃81bが取付けられている。前記各固定刃81a及び移動刃81bの先端はトレイ5の搬送方向と対向するよう向けられている。また、各固定刃81aの先端側には、台木用苗Dの茎部が隣接する2つの固定刃81aの間に確実に案内されるようにした平面視略三角形状の案内板89が取付けられている。 【0019】前記移動板88の一側端には、リンク90の一端が回動自在に連結され、該リンク90の他端は、駆動モータ91の回転板91aの回転中心から適宜偏心して回動自在に連結されているので、該駆動モータ91の一方向回転にて移動板88が往復し、固定刃81aと移動刃81bとの間に挟まれた茎が切断される。 【0020】前記横梁84上には、前記台木予備切断装置81の後方に隣接して、空気吸引式屑除去装置82におけるX方向に長手の吸引口92aが開口した吸引箱92が搭載されており、前記台木予備切断装置81にて切り取られた台木用苗Dにおける茎上部側は、吸引箱92の一端等に連通した管93を介してサイクロン94内に吸い込まれて除去されるものである。 【0021】なお、台木予備切断装置81の別の実施例として、無端チェンの外周に切断刃を装着して、この無端チェンを横梁に沿って回転駆動するように構成しても良い。他方、屑除去装置82には、前記吸引箱92の吸引口92a前方に回転ブラシを配置して、切端された上部茎等の切り屑を吸引箱92方向に掻き寄せるように構成しても良い。 【0022】後に詳述する把持移送機構7では、前記穂木用苗搬送ライン2及び台木用苗搬送ライン3におけるトレイ5,5から穂木用苗Hを6本、台木用苗Dを6本、合計12本の苗を一挙に把持するものであり、また、この把持移送機構7では、1本の苗につきその根元側と先端(上端側)の茎部(上下2箇所)を上下の把持ハンド15,16にて挟持する。この上部把持ハンド15群を支持する上部移送フレーム17と下部把持ハンド16群を支持する下部移送フレーム18とは、一体的に寸法H1だけ上昇する(図6及び図8参照)。 【0023】台木用苗搬送ライン3では、図6に示すように、上下両把持ハンド15,16にて挟持した苗をトレイ5のポット部20から上方に抜き出し、次いで、トレイ5の上方の空間にて上下把持ハンド15,16の間に切断機構8におけるカッタ19を押し進めて一挙に12本の苗の茎部をその軸線に対して斜め切りする。前述したように、台木予備先端装置81にて、茎上部側は既に無くなっているから、前記切断機構8にて切断した後には、上部把持ハンド15に短い茎が把持されるのみである。 【0024】他方、穂木用苗搬送ライン2では、図9及び図13に示し、且つ後述するように、前記下部把持ハンド16の下端側に設けた穂木予備切断装置としての剃刀等の固定刃95にて、穂木の茎を挟持するとき、根鉢部20a近傍の茎を切断し、トレイ5のポット部20に、不要な根鉢部20aを残したまま、葉茎部だけを上下把持ハンド15,16にて把持して所定距離H1だけ持ち上げ、次いで、トレイ5の上方の空間にて上下把持ハンド15,16の間に切断機構8におけるカッタ19を押し進めて一挙に12本の苗の茎部をその軸線に対して斜め切りする(図8参照)。 【0025】そして、前記茎が切断された12本の苗の下部側茎を挟持したまま、下部把持ハンド16群の下部移送フレーム18は、台木用苗Dの根鉢部20a付き茎部が接ぎ木済苗搬送ライン4のトレイ5上に位置し、穂木用苗Hの下部側茎部(養土付)が台木用苗搬送ライン3におけるトレイ5上に位置するように、距離L1(1ライン幅分)だけ横移動する。 【0026】他方、上部把持ハンド15群の上部移送フレーム17は、前記茎が切断された12本の苗の上部側茎を挟持したまま若干寸法H2(図示せず)だけ上昇させた後、穂木用苗Hの上部側茎が接ぎ木済苗搬送ライン4のトレイ5の上方に位置し、且つ台木用苗Dの上部側茎が廃棄箱12上に位置するように距離L2(前記距離L1の二倍)だけ横移動した後、穂木用苗Hの上部側茎が台木用苗Dの下部側茎部(養土付)の切断面に接合するように、上部把持ハンド15群を所定寸法H2だけ下降させる。この状態で、前記接ぎ木済苗搬送ライン4のトレイ5の上方にて、クリップ搬送機構9に予め装填されたクリップ10を前記各苗の接合部に接近させて挟持するようにして固定すると接ぎ木済苗Sとなるのである。 【0027】このように、接ぎ木作業を終了した接ぎ木済の6本の苗Sは、前記把持移送機構7をH1の距離だけ下降させることで、接ぎ木済苗搬送ライン4のトレイ5の空のポット部20に収納されるので、この状態で、上部把持ハンド15及び下部把持ハンド16を開いて茎の把持を開放すれば良い。 【0028】なお、前記穂木予備切断装置を設けないときには、穂木用苗Hの把持移送機構7では根鉢部20aごと、トレイ5から抜き出すことになる。このときには、不要となる穂木用苗Hの根鉢部20aは、下部把持ハンド16の開き動にて台木用苗搬送ライン3において、台木用苗Dが抜き出されたトレイ5の空のポット部20に収納されるし、不要となった台木用苗Dにおける先端側茎は、上部把持ハンド15の開き動にて廃棄箱12に向かって自然落下して廃棄される。 【0029】次に、把持移送機構7の細部構成について、図6〜図16を参照しながら説明する。把持移送機構7の昇降枠21は、門型フレーム6の上面板に固定した昇降用エアシリンダ等の第1昇降アクチュエータ22にて、穂木用搬送ライン2及び台木用苗搬送ライン3の上面に対して大きく上下動する。昇降枠21には、距離L1だけ横移動する横移動用エアシリンダ等の第1横移動アクチュエータ23を介して12対の下部把持ハンド16が備えられた下部移送フレーム18が装着されている。 【0030】また、昇降枠21の前面の上下ガイドレール24に横移動用エアシリンダ等の第2横移動アクチュエータ25を上下動自在に配置し、この第2横移動アクチュエータ25を、昇降枠21に固定されたエアシリンダ等の第2昇降アクチュエータ26にて小さい距離H2だけ上下動するように装着されている。この第2横移動アクチュエータ25にて、12対の上部把持ハンド15が備えられた上部移送フレーム17が距離L2だけ横移動するように構成されている。 【0031】図6で理解できるように、台木苗Dの下部側茎を挟持する下部把持ハンド16の基部は、切断機構8から遠い側に位置し、台木苗Dの上部側茎を挟持する上部把持ハンド15の基部は切断機構8に近い側に位置している。上部把持ハンド15の左右支持体15a,15bの拡狭移動機構と、下部把持ハンド16の左右支持体16a,16bの拡狭移動機構とは同じであるので、下部把持ハンド16における拡狭移動機構にて代表して説明すると、図7、図10及び図11に示すように、下部移送フレーム18における上下等の対の横長のガイド軸30,30には、左右一対の摺動支持片31a,31bと左右一対の摺動支持片32a,32bを左右摺動自在に被嵌し、一対の摺動支持片31a,31bには前記下部把持ハンド16の12本の左支持体16aが一定間隔(P2)にて取付く横杆33を固着する。他方の一対の摺動片32a,32bには、前記12本の右支持体16bが一定間隔(P2)にて取付く横杆34を固着する。 【0032】なお、穂木用苗Hについての把持移送機構及び切断機構は図8及び図9を参照すれば理解できるように、台木用苗Dについてのものと殆ど共通する構成であるので、共通の符号の説明については省略する。 【0033】そして、図6、図10及び図11において、下部移送フレーム18の左端に設けた拡狭移動用アクチュエータ35のピストンロッド35aを摺動支持片31aに固定する一方、下部移送フレーム18の右端に設けた拡狭移動用アクチュエータ36のピストンロッド36aを摺動支持片32bに固定する。この構成により、左右両拡狭移動用アクチュエータ35,36のピストンロッド35a,36aを突出動させると、左右支持体16a,16bの左右間隔が狭まるように横杆33,34が横移動し、左右支持体16a,16b先端の挟持片37a,37bにて台木用苗D(穂木用苗H)の根元側茎を左右から挟持することになる。 【0034】反対にピストンロッド35a,36aを突出動させると、左右支持体16a,16bの左右間隔が拡がるように横杆33,34が横移動し、左右支持体16a,16b先端の挟持片37a,37bは前記茎を放すように拡がるのである。 【0035】上部移送フレーム17においても、拡狭移動用アクチュエータ35,36及び横杆38,39を介して左右支持体15a,15bを左右移動させて、この先端の挟持片40a,40bにて台木用苗D(穂木用苗H)の先端側茎を挟持したり、この茎を放したりするものである。なお、図11では上部移送フレーム17等は図示省略している。 【0036】なお、挟持片37a,37b(挟持片40a,40bも同じ)は、図7及び図9に示すように、断面L字状に形成され、水平板部の内辺には茎を囲むように案内できる平面視略V字状の案内溝41が形成されており、前記挟持片37a,37b(挟持片40a,40bも同じ)には、挟持するときの茎の損傷を防止するためのスポンジ等の軟質弾性体42が固着されている。 【0037】さらに、図9及び図13から理解できるように、穂木用苗Hに対する下部把持ハンド16の左右支持体16a,16bのうち、茎部の最下端側を挟持する挟持片37bの下面側には、前記V字状の案内溝41に臨ませるようにした穂木予備切断装置としてのカミソリ等の固定刃95を固着することにより、トレイ5上の穂木用苗Hの茎部を挟持すべく左右両側の挟持片37a,37bの間隔を縮めたとき、前記固定刃95にて茎の根元側を切断してしまうので、後に穂木用苗Hの茎上部側(葉部)を上方に引き上げるとき、穂木用苗Hの根鉢部20aはトレイ5のポット部20に残したままとすることができ、把持移送機構7による根鉢部の持ち回りによる不都合が発生しないという効果を奏するのである。 【0038】さらに、図9、図13及び図16に示すように、穂木用苗Hに対する上部把持ハンド15の左右支持体15a,15b又は左右挟持片40a,40bの外側にエア噴出体96a,96bを固着し、各エア噴出体96a,96bの上面には、1乃至複数のエア噴出口97を形成し、基部のエア供給部98から各エア噴出体96a,96b内の連通路を介して各エア噴出口97に連通させるように構成する。これにより、前述のようにトレイ5上の穂木用苗Hの茎部を挟持すべく左右両側の挟持片40a,40bの間隔を縮めるに際して、各エア噴出口97から圧縮空気を噴出されると、図16に示すごとく、穂木用苗Hの葉を上向きに吹き上げることができるから、茎の挟持時に、葉を挟持することを防止することができる。 【0039】次に、図6、図8、図10、図12及び図13に基づいて切断機構8について説明する。切断機構8におけるカッタ19は前記把持移送機構7と対向した位置に台木用苗D(穂木用苗H)の搬送方向上流側から各茎に対して接近して押し切りするものであって、図13に示すように茎の軸線に対して斜めに切断する。 【0040】前記把持移送機構7にて挟持されて所定高さまで持ち上げられた台木用苗D及び穂木用苗Hを12本一挙に切断するとき、各苗の茎部がカッタ19の押し切りに対して逃げ移動しないようにするため、上部把持ハンド15と下部把持ハンド16との上下間にて、左右一対の把持片43a,43bにて茎の位置を拘束した後に、カッタ19を図6(図8)の矢印Y方向に押し進める。 【0041】切断用フレーム44は門型フレーム6に対して高さ位置不変に保持され、切断用フレーム44には、前記12本の左把持片43aの基部を支持する横杆45と右把持片43bの基部を支持する横杆46とが左右移動可能に支持されている。そして、切断用フレーム44に取付けられたエアシリンダ等の把持移動用アクチュエータ47の左側から突出するピストンロッド47aを前記横杆46に連結する一方、右側から突出するピストンロッド47bを前記横杆45に連結する。これにより、両ピストンロッド47a,47bが互いに突出すると、左右両把持片93a,43bの左右間隔が縮まり苗の茎を左右から把持する。反対に両ピストンロッド47a,47bが互いに後退すると、左右両把持片43a,43bの左右間隔が拡がるのである。 【0042】他方、切断用フレーム44に前後移動(矢印Y方向)に移動可能に支持された支持フレーム48には12本の丸棒、角棒、板状等のカッタ軸49を一定間隔(P2)にて突出させ、カッタアクチュエータ50により支持フレーム48を(矢印Y方向)移動させるものである。 【0043】なお、図示しないが、前記各カッタ19の下方側には、水及び圧縮空気のいずれか一方または双方を噴射するノズルを設け、切断作業後毎に水や圧縮空気をカッタ19に吹きつけて、刃先等に切断屑などが付着して切れ味が鈍るの防止するのが好ましい。 【0044】前記実施例では、多数の上部把持ハンド15(下部把持ハンド16)を左右2つのアクチュエータ35,36にて一斉に左右移動させる構成であるので、全ての把持ハンドの拡狭移動量が同一となる。従って、この構成では、穂木用苗Hと台木用苗Dの種類(品質)の相違や、各固体別による苗茎の直径差異、柔らかさの差異に応じて各把持ハンドごとに拡狭移動量を変更するする調節が困難となる。そこで、図14に示すように、各苗個所ごとに揺動型のエアアクチュエータ51を設ける。そして、図15に示すように、空気圧回路52におけるON・OFF制御弁53とアクチュエータ51との間に、減圧弁(圧力調節弁)54を介挿し、各茎を強すぎることも弱すぎることなく適当な圧力にて把持できるようにすることが好ましい。なお、符号55はフイルタ、56はレブリケータ、57はリリーフ弁である。この実施例においても、図14に示すうに、穂木用苗Hに対する上部把持ハンド15の左右支持体15a,15b又は左右挟持片40a,40bの外側にエア噴出体96a,96bを固着し、各エア噴出体96a,96bの上面には、1乃至複数のエア噴出口97を形成し、基部のエア供給部98から各エア噴出体96a,96b内の連通路を介して各エア噴出口97に連通させるように構成すると、前述のように、穂木用苗Hの茎部挟持時に葉を一緒に挟持していまうことを確実に防止することができる。 【0045】次に、図17〜図20を参照しながらクリップ搬送機構9の詳細構成について説明する。 【0046】従来から構成が公知な振動式のパーツフイーダ等からなるクリップフイーダ11に、洗濯はさみ式の合成樹脂製等のクリップ10をランダムに入れると、上面開放型の供給通路11a内でクリップ10が、その二股状の茎掴み部10aが供給口11bに近い先頭となり、二股状の開閉操作部10b、10bが後になるように姿勢が揃えられて一列状に並べられる(図19(a)参照)。二股状の開閉操作部10b、10bの挿通溝10d箇所を通過する割りリングばね10cにて茎掴み部10aを常時閉じ方向に付勢する。 【0047】クリップ搬送機構9は、図17及び図18に示すように、門型フレーム6の下面に設けた支持枠体60に対してその下面側に吊支される移動枠体61がX方向及びY方向に移動可能となるように構成されている。即ち、支持枠体60の下面に固定したX方向に長手のガイドレール62に対して移動枠体61の上部吊支体61aを左右方向(X方向)に移動自在に吊支し、支持枠体60の下面側に設けた従動プーリ63と駆動プーリ64とにタイミングベルト65を巻掛けし、駆動プーリ64は門型フレーム6上に固定した正逆回転可能なステップモータ66にて駆動され、タイミングベルト65と前記上部吊支体61aとを連結金具69にて連結する。また、上部吊支体61aの下面に設けた前後方向(Y方向)のガイドレール67に対して移動枠体61を移動自在に吊支し、門型フレーム6下面に固定した駆動アクチュエータ68のピストンロッド(図示せず)を移動枠体61に連結して、ピストンロッドが突出動すれば、移動枠体61が前記把持移送機構7の前面に接近するように移動させられる(図17の二点鎖線参照)。 【0048】前記移動枠体61には、6対の左右ハンド体70a,70bからなるクリップホルダ70が把持移送機構7における上部把持ハンド15(下部把持ハンド16)の設置間隔に等しい一定間隔(P2)にて配置されている。 【0049】6本の右ハンド体70bの基部を固定した横杆71と、同じく6本の左ハンド体70aの基部を固定した横杆72とは、移動枠体60に対して互い左右移動可能に装着されている。 【0050】他方、各クリップホルダ70における左右ハンド体70a,70bには互いに内向きに開口するY方向に長手の案内溝76,76が形成されており、この案内溝76,76にクリップ10における割りリングばね10cが挿通して姿勢保持されながら、クリップ10の先端である茎掴み部10aが保持部77まで移動できる。 【0051】そして、後述するように左右ハンド体70a,70bの間隔がP4に保持された状態で、前記クリップフイーダ11における供給通路11aの供給口11bの前方に位置するとき、供給通路11a上に沿って配置したエアシリンダ等のクリップ供給用アクチュエータ78におけるピストンロッド78a先端の押し体79がクリップ10を前方に押し出してクリップホルダ70に受け継ぎさせる(図19(a)参照)。 【0052】なお、このとき、茎掴み部10aの高さ方向の中途部に開閉操作部10bの基部が連設されるように構成されており、各クリップホルダ70の基部に固定したバネ板製のクリップ規制体103を前記一対の左右ハンド体70a,70bの下方に於いてその先端(自由端)側に延びるように配置し、各クリップ規制体103の先端側を上向きに屈曲させ、このクリップ規制体103の先端が、各クリップ10における茎掴み部10aと開閉操作部10bの基部との連設部下端に当接するように配置しておく。また、このときのクリップ規制体103の先端面は、図19(b)(c)に示すように、平面視において、左右両ハンド体70a,70bの先端に対して平行であって、距離L3だけ突出しているように配置する。 【0053】そして、一つのクリップホルダ70に対して1つのクリップ10の受け継ぎを終了すると、ステップモータ66を作動させ、移動枠体60全体をピッチP2だけ横方向(X方向)に間欠移動させて、空状態のクリップホルダ70を供給口11bの前方に位置させ、このクリップホルダ70にクリップ10を受け継がせるという作業を繰り返して、6つのクリップホルダ70の全てにクリップ10が供給されると、前記台木用苗Dと穂木用苗Hとの切断個所を接合させた状態で、把持移送機構6の前方に向かって移動枠体61を大きくX方向に移動させるのである。 【0054】移動枠体61に固定したエアシリンダ等の第1クリップ用アクチュエータ73における左側から突出するピストンロッド73aを第2クリップ用アクチュエータ74に連結し、該第2クリップ用アクチュエータ74のピストンロッド74aを前記横杆71に連結する一方、右側から突出するピストンロッド73bを第2クリップ用アクチュエータ75に連結し、該第2クリップ用アクチュエータ75のピストンロッド75aを前記横杆72に連結する。これにより、両ピストンロッド73a,73bが互いに突出すると、左右両ハンド体70a,70bの左右間隔がP3(図19(b)の状態参照)まで縮まり、クリップ10における左右の開閉操作部10b,10bの間隔を狭くし、茎掴み部10aが拡がった状態に保持できる。両ピストンロッド73a,73bが互いに後退すると、左右両ハンド体70a,70bの左右間隔がP4(図19(a)の状態参照)まで拡がり、クリップフイーダ11における供給口11bからクリップ10を受け継ぐ待機姿勢となる。そして、この拡がった状態で第2クリップ用アクチュエータ74,75を作動させてピストンロッド74a,75aを突出動させると、左右両ハンド体70a,70bの左右間隔がP5(図19(c)の状態参照)まで拡がり、クリップ10における茎掴み部10aにて接ぎ木苗Sの接合部を左右から掴んで固定する。ピストンロッド74a,75aを後退動させると、左右両ハンド体70a,70bの左右間隔がP4(図19(b)の状態参照)まで狭くなるように復帰するのである。 【0055】上述のように左右両ハンド体70a,70bの左右間隔が広がるとき、クリップ10における開閉操作部10b,10bの自由端側(最も広がっている箇所)は、もし、前記クリップ規制体103の先端でクリップ10における茎掴み部10aと開閉操作部10bの基部との連設部の箇所を規制しておかなければ、左右の保持部77,77に当接してハンド体70a,70bの先端からの距離が一定のままであるから、左右茎掴み部10aの回動支点(換言すると、ハンド体70a,70bの回動支点)は、左右茎掴み部10aの先端側が狭まるにつれて、ハンド体70a,70bの先端に対して接近するようになる。 【0056】従って、この場合には、左右両茎掴み部10a,10aの先端側が狭まるにつれて、茎の位置が左右両茎掴み部10a,10aによる茎の掴み箇所に対して短くなるように偏位することになり、茎の掴み作業を確実に実行できない状態となる。そこで、前記クリップ規制体103の先端縁によりクリップ10がハンド体70a,70bの先端側に近づかないように規制すれば、茎の掴み作業を確実に実行できることになる。また、クリップ規制体103の先端縁が左右両茎掴み部10aと開閉操作部10bの基部との連設部の箇所に当接させておくことで、ハンド体70a,70bの開き移動時に、一方の保持部77とハンド体70aとの当接解除のタイミングと他方の保持部77とハンド体70aとの当接解除のタイミングとがずれても、左右両茎掴み部10a,10aが平面視で回動するように姿勢のずれが生じることがない。 【0057】以上の構成により、把持移送機構7にて、6本の穂木用苗Hと6本の台木用苗Dとの合計12本の苗の茎を上部把持ハンド15及び下部は16にて挟持してトレイ5からピックアップして、茎の中途部を切断し、且つ切断後の茎上部側を若干持ち上げた状態で茎上部側をL2の距離移動させ、茎下部側を距離L1だけ横移動させた後、前記持ち上げた分だけ茎上部側を下降させて穂木用苗Hの茎上部側を台木用苗Dの茎下部の切断面に接合させるという行程中に、クリップ搬送機構9では、クリップフイーダ11から6本のクリップ10をクリップホルダ70に装填した後、前記6本の苗の接合部の個所に接近すべくX方向に移動するという工程を同時進行させるのである。 【0058】この場合、台木用苗搬送ライン3の搬送上流側にて、前記台木予備切断装置81により不要となる茎上部側を予め切断して、屑除去装置82にて除去しておけば、この茎上部側の葉等が邪魔にならず、搬送下流側で把持移送機構7で台木の茎部を挟持して根鉢部20aごと上昇させ、横移動させる作業を確実に実行できる。この場合、主支柱83aに対する副支柱84aの高さ位置を変更すれば、横梁48の高さ位置、ひいては台木予備切断装置81による切断高さ位置を変更できるから、その搬送ライン上のトレイ5における苗床上面から台木茎の切断面迄の高さを好適な寸法に変更調節することができる。 【0059】また、穂木用苗搬送ライン2における把持移送機構7のうち茎下部側を挟持する下部把持ハンド16の下側挟持片37bに固定刃95を設けておけば、トレイ5のポット部20内に不要な根鉢部20aを残したまま、穂木用苗Hの茎上部側を挟持して移送でき、従来の技術のように、不要な根鉢部20aを持ち回ることによる不都合を解消できるという効果を奏する。 【0060】クリップ10により前記6本の苗の接合部を固定するという接ぎ木作業を完了すると、クリップ搬送機構9は元の位置に戻って、クリップ装填作業を実行する。この間に、前記把持移送機構7をH1の距離だけ下降させることで、接ぎ木作業を終了した接ぎ木済の6本の苗Sは、接ぎ木済苗搬送ライン4のトレイ5の空のポット部20に収納されるので、この状態で、上部把持ハンド15及び下部把持ハンド16を開いて茎の把持を開放すれば良い。 【0061】なお、前述の台木用苗搬送ライン3に台木予備切断装置81と屑除去装置82とを設けた実施例において、穂木用苗搬送ライン2における把持移送機構7に、茎下部側を切断する穂木予備切断装置を設けないときには、不要となる穂木用苗Hの根鉢部20aは、横移動した後の下部把持ハンド16の開き動にて台木用苗搬送ライン3において台木用苗Dが抜き出されたトレイ5の空のポット部20に収納されることになる。 【0062】さらに、穂木用苗搬送ライン2における把持移送機構7に、茎下部側を切断する穂木予備切断装置を設ける一方、台木用苗搬送ライン3に台木予備切断装置81と屑除去装置82とを設けない場合には、横移動した後の下部把持ハンド16の開き動にて、不要となった台木用苗Dにおける先端側茎は、上部把持ハンド15の開き動にて廃棄箱12に向かって自然落下して廃棄される。 【0063】また、前記穂木用苗搬送ラインにて搬送されるトレイに植立された各苗の茎部を把持するための把持移送機構に、そのトレイに根鉢部を残したまま茎部を切断するための穂木予備切断装置を設けると、従来の技術のように、穂木用苗搬送ラインから、把持移送機構にて穂木を不要となる根鉢部ごと持ち上げてから切断し、この根鉢部を台木用苗搬送ラインにおける空いたトレイのポット部に下降させる必要がなく、この下降作業が円滑に実行できなかった場合、この不要な根鉢部を再度穂木用苗搬送ラインに持ち回ることになり、次回の穂木把持・持ち上げ作業が円滑にできなくなるという問題を解消でき、接ぎ木作業を至極効率良く、確実に実行できるという効果を奏する。 【0064】前記実施例では、6本の接ぎ木苗を同時に製造できる装置について説明したが、この本数の多少は設置部の必要面積に応じて増減できる。 【0065】 【発明の作用・効果】以上に説明したように、請求項1に記載の発明は、穂木用苗搬送ラインと台木用苗搬送ラインとを平面視で平行状に配置し、且つ各ラインには、穂木及び台木の各苗を複数本が苗搬送方向と交差するように横列状に植立させたトレイを載置し、前記穂木用苗搬送ラインと台木用苗搬送ラインとの上方を跨ぐように設けたフレームには、前記各苗の茎部を把持するための把持移送機構と、各苗の茎部を同一高さ位置にて切断するための切断機構とを各々前記横列状の苗と平行に横移動可能に配置したから、各搬送ラインにおいて横一列状に並んだ複数本の苗を一挙に把持し、移送し、切断する作業を実行できるから、後の接ぎ木苗製造作業の効率が格段に向上するという効果を奏する。 【0066】そして、請求項1に記載の発明によれば、予め台木用苗の茎上部側を切断するための台木予備切断装置と、該切断された茎上部側を除去するための屑除去装置とを備えたので、不要な台木の茎上部側を予め除去することで、邪魔ものがなくなり、トレイのポット部に台木の欠株があることを早めに発見できると共に、台木の茎部の挟持を確実にできるので、後工程での接ぎ木作業を確実に実行できるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社 【識別番号】391002111 【氏名又は名称】昭和精機工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成6年7月11日(1994.7.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079131 【弁理士】 【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−352837(P2001−352837A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月25日(2001.12.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−147461(P2001−147461) |
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