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【発明の名称】 育苗容器並べ装置
【発明者】 【氏名】手塚 道夫

【氏名】小村 孝

【氏名】神崎 淳一

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置4により移動可能な機体フレーム3に、前側を高く後側を低く傾斜させ左右に複数の播種済育苗容器Aを載置しうる幅を有する搬送手段6を設け、前記走行装置4は前側の駆動走行輪駆動走行輪30と後側の走行輪走行輪31により構成し、前記左右の駆動走行輪30はモータ5により回転する車軸車軸32に回転のみ自在に夫々取付け、駆動走行輪30側には係合孔35を有するフランジ34を固定し、前記車軸32には出入りして前記係合孔35に継脱する係合ピン37を有する取付部材36を固定状態に設けた育苗容器並べ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土、種子等を供給した播種済の箱形状あるいは多数のポットを有する育苗容器をハウス内の圃場(載置場)に並べる装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来、公報番号は不知であるが、走行装置により移動可能な機体フレームに、前側を高く後側を低く傾斜させ左右に複数の播種済育苗容器を載置しうる幅を有する搬送手段を設けた育苗容器並べ装置は公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、走行装置に変速装置やクラッチを設けて、変速や方向変換する構成のため、重量が嵩み、コストも高くなるという課題がある。即ち、箱並べ装置は、振動で種子や土が飛散するのを防止するために箱並べ作業のとき低速走行させる必要がある一方で、移動させたいときの走行速度は早い方が効率が良く、作業速度と移動速度との間に速度差があり過ぎ、これを充足させる変速装置は重量が嵩み、コストも高くなる。また、爪クラッチ等により構成するサイドクラッチを継脱させて方向操作する構成も、重量が嵩み、コストも高くなる。本発明は、この点を解決し、作業速度と移動速度を夫々充足して操作性、作業性を向上させつつ、軽量化およびコスト削減したものである。
【0004】
【発明の目的】操作性および作業性の向上、軽量化、コスト削減。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、走行装置4により移動可能な機体フレーム3に、前側を高く後側を低く傾斜させ左右に複数の播種済育苗容器Aを載置しうる幅を有する搬送手段6を設け、前記走行装置4は前側の駆動走行輪駆動走行輪30と後側の走行輪走行輪31により構成し、前記左右の駆動走行輪30はモータ5により回転する車軸車軸32に回転のみ自在に夫々取付け、駆動走行輪30側には係合孔35を有するフランジ34を固定し、前記車軸32には出入りして前記係合孔35に継脱する係合ピン37を有する取付部材36を固定状態に設けた育苗容器並べ装置としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明すると、1はビニールハウス2内(図3)の圃場上面に播種済の育苗容器Aを並べて載置する箱並べ台車(箱敷設機)であり、箱並べ台車1は機体フレーム3に走行装置4および該走行装置4を駆動するモータ5を設ける。前記走行装置4は前記モータ5に通電することにより走行する。前記機体フレーム3には搬送手段6を設ける。搬送手段6は機体フレーム3に前後一対の前側ローラ7と後側ローラ8とを設け、前側ローラ7と後側ローラ8には無端状の搬送ベルト10を掛け回し、搬送ベルト10は搬送用モータ11により駆動搬送する。搬送ベルト10は、走行方向前側が高く後側に至るに従い低くなるように傾斜させ、かつ、走行方向と反対に駆動搬送する。
【0007】搬送ベルト10は左右方向に複数の育苗容器Aを並列させうるように、所定の幅を有して構成し、搬送ベルト10の上面(外面)には育苗容器Aの長さに合わせた所定間隔を置いて左右方向の移送突起12を設ける。移送突起12は、搬送ベルト10上に供給した育苗容器Aを受け止め横一列に整列させ、搬送ベルト10より育苗容器Aが降下するとき押す作用を奏する。しかして、前記搬送ベルト10の後側には、搬送ベルト10から育苗容器Aが円滑に降下するように降下案内ガイド13を設ける。降下案内ガイド13は前端を搬送ベルト10に接触しない範囲で可及的に近接させ、また、降下案内ガイド13の後端は圃場面に可及的に近接するように傾斜させて前記機体フレーム1に取付ける。
【0008】機体フレーム3の前側には育苗容器Aの供給台車14を別途設けると、搬送ベルト10への供給作業が容易になる。しかして、前記箱並べ台車1は、その機体幅(前記搬送手段6および供給台車14等の左右幅のうち最大部分の幅)を、前記ハウス2の入口15の左右幅より小に形成し、入口15よりハウス2内に進入し、ハウス2内にて左右方向に複数連結して同時に走行して圃場上面に播種済の育苗容器Aを並べて載置するように構成する。即ち、各箱並べ台車1は、独立して、前記走行装置4により走行し、前記搬送手段6により育苗容器Aを載置して敷設しうるようにすると共に、箱並べ台車1の左右何れか一側または両側に別の箱並べ台車1を連結するように構成し、入口15よりハウス2内に進入し、ハウス2内にて左右方向に複数連結して同時に走行して圃場上面に播種済の育苗容器Aを並べて載置するように構成する。
【0009】したがって、機体フレーム3の左右両側には前後に連結用腕16を並設して設け、箱並べ台車1の各連結用腕16を係止部材17により連結し、入口15の左右幅より大なる左右幅の箱並べ機Yを構成する。例えば、前記育苗容器Aの幅を30cm、前記ハウス2の幅を4.5m、前記入口15の幅を1.8mとすると、前記箱並べ台車1は4列の育苗容器Aを並べられる幅に形成し、ハウス2の中央に通路(約30cm)を、左右両側に冷気よけの隙間(約30cm)をとると、通路の両側に夫々6列並べることになり、4列並べる箱並べ台車1と2列並べる箱並べ台車1との2台の箱並べ台車1を連結して箱並べ機Yを構成する(図3)。なお、4列の育苗容器Aを並べられる幅に形成した箱並べ台車1であっても、搬送ベルト10に2列だけ載せれば、2列だけ並べることができる。
【0010】また、図4は5.4mのハウス2の半分を図示したものであり、通路の両側に夫々7列並べることになり、4列並べる箱並べ台車1と3列並べる箱並べ台車1との2台の箱並べ台車1を連結して箱並べ機Yを構成する。また、同様に、図4に示したように、7.2mのハウス2の場合、通路の両側に夫々10列並べることになり、4列、4列、2列の3台の箱並べ台車1を連結して箱並べ機Yを構成して作業する。この場合、最初2台連結して8列の育苗容器Aを並べ、次ぎは、単独の箱並べ台車1で2列並べても良く、このようにすると、2台の箱並べ台車1を用意して、作業すれば良い。なお、理解を容易にするため、図3では一列目以降の育苗容器Aの図示は省略し、図4では箱並べ台車1と育苗容器Aの位置関係を図示している。
【0011】しかして、前記搬送手段6は、左右に箱並べ台車1を連結して箱並べ機Yとしたとき、隣接する箱並べ台車1の搬送手段6との間に育苗容器Aの搬送に支障がない幅の隙間18が生じるように構成する(図4)。即ち、箱並べ台車1の搬送手段6の搬送ベルト10は、育苗容器Aに対して約2/3程度接して(載って)いれば搬送できるので、30cm幅の育苗容器Aの場合、左右に並設する箱並べ台車1の搬送ベルト10との間に10cm程度の隙間があっても、育苗容器Aを搬送するので、搬送手段6は走行装置4より幅狭に形成する(なお、搬送手段6の左右幅を走行装置4より広くしてもよいが、連結作業が面倒になる)。この場合、搬送ベルト10上に載置する個数は任意であり、隙間18の上を育苗容器Aが移動するように載せても良い(図5)
【0012】しかして、前記箱並べ台車1は、メインの箱並べ台車1と連結用の箱並べ台車1とを用意し、各箱並べ台車1には独立して操作可能な独立操作部20を設け、メイン箱並べ台車1には独立操作部20の外に、複数の操作出力部21を有する連動操作部22を設け、前記連結箱並べ台車1の独立操作部20には前記連動操作部22の操作出力部21と接続する操作入力部23を設け、操作出力部21と接続する操作入力部23を接続手段24により接続し、メイン箱並べ台車1の連動操作部22により全ての連結箱並べ台車1の操作を可能にしている。しかして、前記走行装置4は前側の駆動走行輪30と後側の走行輪31により構成し、前記左右の駆動走行輪30は車軸32に軸受33を介して回転のみ自在に夫々取付ける。各軸受33にはフランジ34を固定し、フランジ34には係合孔35を形成する。前記車軸32には取付部材36を固定状態に設け、取付部材36には前記係合孔35に継脱する係合ピン37を出入り自在に設ける。即ち、モータ5により車軸32を駆動回転させ、車軸32により取付部材36を回転させ、取付部材36の回転を係合ピン37によりフランジ34に伝達して駆動走行輪30を回転させる。実施例では、駆動走行輪30のホィール38に設けた軸受33にフランジ34を固定し、前記係合ピン37は車軸32の軸心方向に出入りして係合孔35に継脱する。なお、係合ピン37は抜き差し自在に形成しても、あるいは、係合孔35から抜けた状態で押すと、突き出たままになって係合し、再び押すと引っ込むように構成してもよい。係合ピン37は、作業中係合孔35に係合して駆動走行輪30に回転を伝達して駆動走行し、方向変換するときは、左右の駆動走行輪30の一方または両方を抜いて、駆動走行輪30を自由回転にし、箱並べ台車1を手動により押して走行させる。また、前記車軸32は機体フレーム3に軸装し、モータ5も機体フレーム3に取付ける。39はモータ5の歯車、40は車軸32に固定の歯車、41はチエンである。
【0013】
【作用】次に作用を述べる。走行装置4の上方に走行方向前側が高く後側に至るに従い低くなるように傾斜させ、かつ、走行方向と反対に駆動搬送する搬送手段6を設けて箱並べ台車1を構成し、箱並べ台車1は、機体の左右幅をハウス2の入口15の左右幅より小に形成しているから、入口15よりハウス2内に走行させて進入し、ハウス2の広さにより一または複数台の箱並べ台車1を搬入する。
【0014】次ぎに、箱並べ台車1は、左右方向に複数連結可能で、同時走行中に圃場上面に播種済の育苗容器Aを並べて載置する箱並べ機Yを構成するから、各別に搬入した複数の箱並べ台車1をハウス2内にて左右方向に複数連結した箱並べ機Yにより播種済の育苗容器Aを並べられる。即ち、箱並べ機Yの構成要素となる各箱並べ台車1は、走行装置4およびモータ5により独立して走行可能であり、また、搬送手段6により独立して箱並べ作業が可能であるから、ハウス2に進入するときには、個別の箱並べ台車1の形態で進入し、箱並べ作業は1または複数台の箱並べ台車1を連結して箱並べ機Yを構成して作業する。
【0015】したがって、入口15より幅狭の箱並べ台車1が自力で走行するので、ハウス2内への搬入と搬出を容易にする。また、単独で作業をしうる箱並べ台車1を左右に連結すれば良いので、搬送手段6の搬送ベルト10の左右側を折り畳んで入口15を通過させてから元に戻す折り畳みタイプの構成に比し、伝動機構およびフレーム構成を簡素にして軽量化して、コストが低くなり、また、折り畳みおよび復帰という搬入搬出の際の面倒な作業が不要になって、頗る作業は容易であり、操作性、作業性を容易にする。
【0016】しかして、機体フレーム3の左右の何れか一方側または両側には左右方向に突き出る連結用腕16を前後に複数並設して箱並べ台車1を構成しているから、左右に並べた各箱並べ台車1の連結用腕16を係止部材17により連結すると、箱並べ機Yとなる。したがって、連結作業も容易である。この場合、前記搬送手段6は、左右に箱並べ台車1を連結して箱並べ機Yとしたとき、隣接する箱並べ台車1の搬送手段6との間に育苗容器Aの搬送に支障がない幅の隙間が生じるように構成しているから、連結作業を容易にする。
【0017】また、作業終了後は、各箱並べ台車1の連結を切り離し、一台ずつ走行させて入口15より出る。しかして、箱並べ作業に付いて説明すると、搬送手段6に播種済の育苗容器Aを横一列に供給し、この育苗容器Aは搬送手段6により搬送される。次ぎに、搬送手段6により育苗容器Aが移動して搬送ベルト10上に一列分のスペースが空くと、次ぎの育苗容器Aを供給し、このように、育苗容器Aの供給作業を反復すると、搬送手段6上に左右方向に並んだ育苗容器A群が前後に並ぶことになる。
【0018】次ぎに、先行の育苗容器Aが搬送手段6の後端に至ると、育苗容器A群の後端が圃場に接地して圃場に載置される。前記の場合、実施例では、搬送手段6の搬送ベルト10には前後に所定間隔を置いて移送突起12を設けているから、移送突起12間に育苗容器Aを供給すると、搬送ベルト10の傾斜により各育苗容器Aは搬送ベルト10上を滑り、搬送ベルト10上の移送突起12に当たって停止し、この移送突起12に沿って各育苗容器Aは一列に整列状態となり、整列させるのが、頗る容易になる。次ぎに、搬送ベルト10は搬送用モータ11により駆動されているから、並列状態で後側に搬送し、搬送ベルト10が移動して次ぎの移送突起12の前側に一列分のスペースが空くと、次ぎの育苗容器Aを供給し、このように、育苗容器Aの供給作業を反復すると、搬送ベルト10上に左右方向に並んだ育苗容器A群が前後に並ぶことになる。
【0019】次ぎに、先行の育苗容器Aが搬送ベルト10の後端に至ると、育苗容器Aの後壁に係合していた移送突起12は搬送ベルト10と共に下方に退避し、育苗容器A群は移送突起12が退避したので、そのまま滑って、その後端が圃場に接地する。圃場に後端が接地した育苗容器A群はこの状態で停止するが、搬送ベルト10の次ぎの移送突起12が育苗容器A群の前壁に当たるので、今度移送突起12は育苗容器A群を後に押すことになり、搬送ベルト10上の先行育苗容器A群を確実に圃場に降下させる。
【0020】しかして、前記箱並べ台車1は、メインの箱並べ台車1と連結用の箱並べ台車1とを用意し、各箱並べ台車1には独立して操作可能な独立操作部20を設け、メイン箱並べ台車1には独立操作部20の外に、複数の操作出力部21を有する連動操作部22を設け、前記連結箱並べ台車1の独立操作部20には前記連動操作部22の操作出力部21と接続する操作入力部操作接続手段23を設けているから、各箱並べ台車1は独立操作部20により操作してハウス2への出入りを行い、各箱並べ台車1の機体フレーム3を連結した後は、メイン箱並べ台車1の連動操作部22により全ての操作ができるので、操作性および作業性を向上させる。
【0021】しかして、前記搬送ベルト10の後側には、前側が高く後側が低い降下案内ガイド13を設けているから、育苗容器Aは搬送ベルト10の後端と圃場との高低差があっても円滑に降下する。即ち、搬送ベルト10の後側は後側ローラ8があるので、必ず、圃場面より所定間隔分高くなるが、降下案内ガイド13により落下を防止するので、育苗容器A内の土や種子が飛散するのを防止する。この場合、降下案内ガイド13は前端を搬送ベルト10に接触しない範囲で可及的に近接させ、また、降下案内ガイド13の後端は圃場面に可及的に近接するように傾斜させて機体フレーム1に取付けているから、搬送ベルト10から降下案内ガイド13に乗り移るときおよび圃場に降りるとき、円滑に行える。
【0022】しかして、前記走行装置4は前側の駆動走行輪駆動走行輪30と後側の走行輪走行輪31により構成し、前記左右の駆動走行輪30は車軸車軸32に軸受軸受33を介して回転のみ自在に夫々取付け、駆動走行輪30側には係合孔35を有するフランジ34を固定し、モータ5により回転する車軸32には出入り自在に設けた係合ピン37を有する取付部材36を固定状態に設けているから、係合ピン37を係合孔35に係合させると、駆動走行輪30を駆動回転させて駆動走行となり、係合ピン37を係合孔35より外すと、駆動走行輪30は駆動されず、手押し走行となる。したがって、左右の駆動走行輪30の一方または両方を抜いて、駆動走行輪30を自由回転にすると、方向変換が迅速容易になり、特に、箱並べ台車1を移動させるのが容易になる。即ち、箱並べ台車1は、振動で種子や土が飛散するのを防止するために箱並べのとき低速走行させるので、移動させたいときの走行速度との間に速度差があり過ぎ、これを充足させる変速装置は重量が嵩み、コストも高くなるが、係合ピン37を抜き差しさせて回転伝達を入り切りさせること重量を増加させないので、手押しによる走行で簡単に移動でき、移動速度は駆動速度に対して相当に早くして、迅速移動を実現し、走行速度の変更および方向変換が容易になる。
【0023】
【効果】本発明は、走行装置4により移動可能な機体フレーム3に、前側を高く後側を低く傾斜させ左右に複数の播種済育苗容器Aを載置しうる幅を有する搬送手段6を設け、前記走行装置4は前側の駆動走行輪駆動走行輪30と後側の走行輪走行輪31により構成し、前記左右の駆動走行輪30はモータ5により回転する車軸車軸32に回転のみ自在に夫々取付け、駆動走行輪30側には係合孔35を有するフランジ34を固定し、前記車軸32には出入りして前記係合孔35に継脱する係合ピン37を有する取付部材36を固定状態に設けた育苗容器並べ装置としたものであるから、移動速度は駆動速度に対して相当に早くして、迅速移動を実現し、また、方向変換も容易になって、操作性、作業性を向上させる。
【出願人】 【識別番号】000132219
【氏名又は名称】株式会社スズテック
【出願日】 平成12年6月5日(2000.6.5)
【代理人】 【識別番号】100080470
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 宏太郎 (外1名)
【公開番号】 特開2001−346444(P2001−346444A)
【公開日】 平成13年12月18日(2001.12.18)
【出願番号】 特願2000−167023(P2000−167023)