| 【発明の名称】 |
炭化物層の形成方法,緑化層の形成方法及び水辺環境改善層の形成方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】後藤 信一
【氏名】酒井 隆
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| 【要約】 |
【課題】炭化物の作用を良好に発揮させる最適なバインダー及び混合割合を発見して成された炭化物層の形成方法に係る技術を提供するものである。
【解決手段】任意の吹付面1に炭化物を吹き付けて該吹付面1に炭化物層2を形成する方法であって、炭化物1m3にセメント10乃至100kgの割合で混合した混合物を前記吹付面1に吹き付けて炭化物層2を形成するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 任意の吹付面に炭化物を吹き付けて該吹付面に炭化物層を形成する方法であって、炭化物1m3にセメント10乃至100kgの割合で混合した混合物を前記吹付面に吹き付けて炭化物層を形成することを特徴とする炭化物層の形成方法。 【請求項2】 任意の吹付面に炭化物を吹き付けて該吹付面に炭化物層を形成する方法であって、炭化物1m3にセメント20乃至40kgの割合で混合した混合物を前記吹付面に吹き付けて炭化物層を形成することを特徴とする炭化物層の形成方法。 【請求項3】 斜面に炭化物を含む下地層を形成し、この下地層上に植物生育基盤層を形成し、この下地層と植物生育基盤層とを植物を植生せしめる緑化層とする緑化層の形成方法において、炭化物1m3にセメント10乃至100kgの割合で混合した混合物を前記斜面に吹き付けて該斜面に炭化物を含む下地層を形成することを特徴とする緑化層の形成方法。 【請求項4】 河川や池や海等の水辺に設けられ、植物若しくは動物が生育し易い状態に水辺環境を改善する水辺環境改善層の形成方法において、炭化物1m3にセメント10乃至100kgの割合で混合した混合物を前記水辺の護岸部に層状に吹き付けて該護岸部に炭化物とセメントとから成る水辺環境改善層を形成することを特徴とする水辺環境改善層の形成方法。 【請求項5】 請求項4記載の水辺環境改善層の形成方法において、混合物を護岸部に設けられた護岸コンクリートブロックの表面に層状に吹き付けて該護岸コンクリートブロックに炭化物とセメントとから成る水辺環境改善層を形成することを特徴とする水辺環境改善層の形成方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、炭化物層の形成方法,緑化層の形成方法及び水辺環境改善層の形成方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】酸性土壌等の緑化が困難な地盤に炭化物を敷設し、該炭化物の中和作用等によって該地盤を緑化可能に改善せしめる方法等、炭化物の使用方法が種々提案されている。 【0003】ところで、例えば、急斜面に炭化物を敷設する場合、該急斜面に炭化物を固定する手段が必要である。 【0004】この固定手段として簡単なものは、炭化物とバインダー(接合剤)とを混合し、該バインダーの接合力により炭化物を急斜面に固定させる方法である。 【0005】しかし、炭化物にバインダーを混合すると、該バインダーによって炭化物の表面が隠蔽されてしまい、該炭化物の作用が良好に発揮されなくなってしまうことが往々にしてある。 【0006】本発明は、上記問題点に鑑みて達成されたもので、繰り返した種々の実験結果により、炭化物の作用を良好に発揮させる最適なバインダー及び混合割合を発見して成された炭化物層の形成方法,緑化層の形成方法及び水辺環境改善層の形成方法を提供するものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。 【0008】任意の吹付面1に炭化物を吹き付けて該吹付面1に炭化物層2を形成する方法であって、炭化物1m3にセメント10乃至100kgの割合で混合した混合物を前記吹付面1に吹き付けて炭化物層2を形成することを特徴とする炭化物層の形成方法に係るものである。 【0009】また、任意の吹付面1に炭化物を吹き付けて該吹付面1に炭化物層2を形成する方法であって、炭化物1m3にセメント20乃至40kgの割合で混合した混合物を前記吹付面1に吹き付けて炭化物層2を形成することを特徴とする炭化物層の形成方法に係るものである。 【0010】また、斜面1aに炭化物を含む下地層2aを形成し、この下地層2a上に植物生育基盤層3を形成し、この下地層2aと植物生育基盤層3を植物とを植生せしめる緑化層とする緑化層の形成方法において、炭化物1m3にセメント10乃至100kgの割合で混合した混合物を前記斜面1aに吹き付けて該斜面1aに炭化物を含む下地層2aを形成することを特徴とする緑化層の形成方法に係るものである。 【0011】また、河川や池や海等の水辺に設けられ、植物若しくは動物が生育し易い状態に水辺環境を改善する水辺環境改善層の形成方法において、炭化物1m3にセメント10乃至100kgの割合で混合した混合物を前記水辺の護岸部1bに層状に吹き付けて該護岸部1bに炭化物とセメントとから成る水辺環境改善層2bを形成することを特徴とする水辺環境改善層の形成方法に係るものである。 【0012】また、請求項4記載の水辺環境改善層の形成方法において、混合物を護岸部1bに設けられた護岸コンクリートブロック1cの表面に層状に吹き付けて該護岸コンクリートブロック1cに炭化物とセメントとから成る水辺環境改善層2bを形成することを特徴とする水辺環境改善層の形成方法に係るものである。 【0013】 【発明の作用及び効果】本発明は実験の結果確認されたものを請求項としてまとめたもので、炭化物1m3にセメント10乃至100kgの割合で混合した混合物を任意の吹付面1に吹き付けて形成された炭化物層2は、その他のバインダーと炭化物を混合した場合に比し、セメントが多孔質で炭化物の表面が露出するから、炭化物が有する作用が良好に発揮される。 【0014】本発明は上述のようにするから、炭化物の作用が良好に発揮される実用性に秀れた技術となる。 【0015】 【発明の実施の形態】図1,2は本発明の第一実施例、図3は本発明の第二実施例を図示したものであり、以下に説明する。 【0016】第一実施例は、斜面1aに炭化物を含む下地層2aを形成し、この下地層2a上に植物生育基盤層3を形成し、この下地層2aと植物生育基盤層3とを植物を植生せしめる緑化層とする緑化層の形成方法において、炭化物1m3にセメント10乃至100kgの割合で混合した混合物を前記斜面1aに吹き付けて該斜面1aに炭化物を含む下地層2aを形成するものである。 【0017】また、混合物におけるセメントと炭化物の割合は、炭化物の作用を良好に発揮させる為にはセメント1m3当たり炭化物20乃至40kgの方がより一層好適であり、更に、セメント1m3当たり炭化物30kgが最適であることが確認されている。 【0018】尚、炭化物にセメントを混合する際、通常のコンクリート形成の場合と同様、水も適宜混合する。 【0019】この炭化物は、木質系廃材(伐採樹木や抜根材等)を破砕してチップ化し且つ炭化したものを使用すると、廃棄しなければならない木材の有効利用が達成されることになる。また、この炭化物は、市販の土質改良材として使用されている炭化物や、市販の活性炭を使用しても良い。 【0020】また、下地層2a上には、植物生育材を吹き付けて前記植物生育基盤層3を形成する。 【0021】この植物生育材は、植物の根の周りに存在する土壌,該土壌と木材を肥料化したものとの混合物若しくは該土壌と木材を肥料化したものと炭化物との混合物等が採用される。 【0022】この植物の根の周りに存在する土壌には、植物の生育に有益な微生物や栄養成分が多く存在し、更に、該土壌には周辺地域に自生する植物の種子も混在している為、周囲の生態系に調和した緑化が達成されることになる。 【0023】また、木チップ材は、腐敗によって栄養分となる為、緑化層に植物が生育する為の栄養分を供給できることになる。 【0024】また、炭化物は、前記土壌や木チップ材等から供給される栄養分等を保持する作用を発揮する。 【0025】尚、その他の植物生育可能な資材を使用しても良い。 【0026】上記構成により形成された緑化層は下記の作用効果を発揮する。 【0027】ア 斜面1aが酸性土壌であった場合、下地層2a中の炭化物が発揮する中和作用によって該酸性土壌の影響が植物生育基盤層3まで及ばず(図中符号11及び12)、従って、該植物生育基盤層3で植物が良好に生育することになる。尚、炭化物が発揮する中和作用は、即効的なものは該炭化物に含まれるカリウムイオンに起因し、持続的なものは該炭化物に含まれるカルシウムイオン及びマグネシウムイオンに起因するものと考えられる。 【0028】イ 下地層2aはセメント及び炭化物である為、多孔質であり、保湿性に秀れている為、植物生育基盤層3への水分供給が良好に行われる(図中符号13)。 【0029】ウ また、同様に下地層2aが多孔質で通水性に秀れている為、例えば斜面1aで湧水が激しい場合でも(図中符号14)、過剰な水分は下地層2aを通過して斜面1aの下方に排出されていく(図中符号15)。従って、植物生育基盤層3が水分過剰状態になることが防止される。 【0030】エ また、同様に下地層2aが多孔質で通気性に秀れている為、斜面1a,下地層2a及び植物生育基盤層3に空気が良好に供給され、嫌気性雰囲気になることが防止される。 【0031】オ また、植物生育基盤層3に存在若しくは肥料として供給される栄養分の内、TOC,COD,T−N,T−Pについて下地層2aが保持する効果を発揮し、該保持された栄養分を緑化層で生育する植物に供給され、該植物が良好に生育することになる。 【0032】以上により、斜面1aに下地層2a及び植物生育基盤層3が緑化層として設けられると、該緑化層において植物は良好に生育し、緑化が達成されることになる。 【0033】第一実施例の効果を確認した実験結果について詳述する。 【0034】A 炭化物の中和作用について実験した。炭化物として、木質系廃材を破砕してチップ化し且つ炭化したもの(粒径7mm以下のものを採用),市販の土質改良材として使用されている炭化物及び市販の活性炭を使用し、夫々セメント(普通ポルトランドセメント)若しくは植物性バインダー((株)福田組、F/OGS)と混合し、更に酸性土壌(pH2.2)に対する中和効果を確認したところ、セメントを混合したものの方が植物性バインダーを混合したものに比し、1/16〜1/18程度の量で前記酸性土壌を中和できることが確認された。これは、炭化物の中和作用が、セメントとの混合によっても良好に発揮されることを示している。 【0035】B 上記Aで使用した炭化物とセメントとの混合物について、セメント固化後の下地層2aの硬度を測定したところ、炭化物の粒径による硬度の変化は殆どなかった。また、混合割合の影響については、炭化物1m3当たりセメント10乃至100kgの混合割合では、いずれの場合でも植物の根が侵入し易い硬度であることが確認された。 【0036】第一実施例は上述のようにするから、炭化物とセメントとを所定の割合で混合した混合物を斜面1aに吹き付けて下地層2aを形成し、この下地層2a上に植物生育基盤層3を形成することで斜面1aの緑化を確実に行うことができる実用性,施工性に秀れた緑化層の形成方法となる。 【0037】また、セメントの効果により炭化物が斜面1aに良好に付着し、更に、この炭化物とセメントとの混合割合も適正な割合に設定されている為、斜面1aの緑化をより一層確実に行うことができる。 【0038】また、下地層2aが発揮する中和作用,通水作用,通気作用,栄養分保持作用等により、斜面1aが植物生育に不向きな地盤であっても、該植物生育をより一層良好に行うことができる。 【0039】尚、前記第一実施例の効果を確認する為に行った実験によれば、下地層2aを形成する部位が斜面でなくでも、例えば、平面や垂直面であっても該下地層2aの作用効果が発揮されること、及び、下地層2aが形成される部位が、地盤でなくても、例えば、コンクリート面の表面等であっても、該下地層2a及び植物生育基盤層3を形成することにより緑化を達成できることが推察できる。 【0040】第二実施例は、河川や池や海等の水辺に設けられ、植物若しくは動物が育成し易い状態に水辺環境を改善する水辺環境改善層の形成方法において、炭化物1m3にセメント10乃至100kgの割合で混合した混合物を前記水辺の護岸部1bに層状に吹き付けて該護岸部1bに炭化物とセメントとから成る水辺環境改善層2bを形成するものである。 【0041】また、混合物におけるセメントと炭化物の混合割合は、第一実施例同様、炭化物の作用を良好に発揮させる為には炭化物1m3当たりセメント20乃至40kgの方がより一層好適であり、更に、炭化物1m3当たりセメント30kgが最適である。 【0042】また、図3に図示したものは、混合物を護岸部1bに設けられた護岸コンクリートブロック1cの表面に層状に吹き付けて該護岸コンクリートブロック1cに炭化物とセメントとから成る水辺環境改善層2bを形成したものである。尚、水辺の岸部分を露出させ、該岸部分に直接混合物を吹き付けて水辺環境改善層2bを形成しても良い。 【0043】上記構成により形成された水辺環境改善層2bは下記の作用効果を発揮する。 【0044】カ 炭化物及びセメントは多孔質である為、該孔において微生物が良好に生育することになる。この微生物が、水質浄化作用(酸素の供給、富養分の分解等)を発揮し、水質を改善する。 【0045】キ 河川においては、流れてきた植物の種子が前記水辺環境改善層2bの孔に係止され、水辺環境改善層2bを基盤に発芽して生育する。 【0046】ク 水中に含まれる富養分が水辺環境改善層2bに吸着される。この富養分の吸着により水が浄化される。同様に、水辺環境改善層2bを植物生育に使用する場合、肥料を吸着させて該植物生育をより一層良好に行うことができる。 【0047】第二実施例は上述のようにするから、炭化物とセメントとを所定の割合で混合した混合物を水辺の護岸部1bに吹き付けて水辺環境改善層2bを形成することで、河川や池や海等の水辺環境の改善を確実に行うことができる実用性,施工性に秀れた水辺環境改善層の形成方法となる。 【0048】また、炭化物とセメントとの混合物を護岸コンクリートブロック1cの表面に層状に吹き付けて水辺環境改善層2bを形成する場合、水辺の護岸部1bに水辺環境改善層2bを直接の形成する方法と異なり、該水辺環境改善層2b付護岸コンクリートブロック1cを水辺の護岸部2bに配設するという方法を採用することができ、更に、施工性に秀れることになる。 【0049】尚、その余は第一実施例と同様である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000154565 【氏名又は名称】株式会社福田組
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| 【出願日】 |
平成12年6月7日(2000.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091373 【弁理士】 【氏名又は名称】吉井 剛 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−346443(P2001−346443A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月18日(2001.12.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−170759(P2000−170759) |
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