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【発明の名称】 鉢物支持具及びその鉢の挿入孔の形成に使用する孔明け器
【発明者】 【氏名】奥田 勝司

【要約】 【課題】鉢物の移送において、花を損傷しないように鉢を箱内に確実に固定させる。

【解決手段】鉢物Bを収容する箱体Cの底部に挿入して使用するもので、上部支持板1と下部支持板5とよりなる。上部支持板1には、上下二段に係合孔8を設けた脚板2が周囲に設けられ、また、鉢9の上部が嵌め込まれる挿入孔3が開設されている。他方、下部支持板5には、周囲に係合舌片6が突設されているともに、鉢9の下部が嵌め込まれる挿入孔7が開設されている。下部支持板5は、その係合舌片6を係合孔8に差し入れ、折り返して、上部支持板1の下部に取り付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鉢物を発送する箱体の底部に設置して鉢物を支持するものであって、脚板を有して、箱体内の所要高さ位置に配置される上部支持板と、該支持板の下方に所要距離隔てて配置される下部支持板とよりなり、上部支持板には、鉢物の鉢の上部を挿嵌する挿入孔が設けられ、下部支持板には、上記挿入孔と上下に対応する位置に、鉢物の鉢の下部を挿嵌する挿入孔が設けられていることを特徴とする、鉢物支持具。
【請求項2】 横長に形成した基板の上面に、横長の基板部と鉢の外側面に当接できる測板部とによりL字形と逆L字形に形成した一対の可動板を、同時に反対方向に摺動しかつ固定自在に設けるとともに、可動板の測板部の鉢と当る内側縁と対応する位置に、鉢物の支持板を切り込む切刃を突設したことを特徴とする、鉢物用支持具の鉢の挿入孔の形成に使用する孔明け器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉢植えの花、いわゆる鉢物、特に蘭等の鉢物を地方に発送する場合に、その鉢物が倒れないように箱入れするための鉢物支持具及びその製作に使用する鉢固定用の孔明け器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】購売した鉢物の届けや贈答用の鉢物を届けるために、鉢物の発送が盛んに行われている。このうち、蘭などの高級品種の鉢物を発送する場合には、その鉢物が倒れないようにしてやることが必要である。このような場合、従来は、図8、図9に示すように、鉢物Bを入れる箱Cの底部に、鉢9の挿入孔41を設けた台板40を嵌め入れ、挿入孔41に鉢9を挿入して鉢物の転倒を防止するようにしているが、鉢9の形や大きさは千差万別であるため、鉢の挿入孔41には多くの切り込み42を設けておき、鉢の各種大きさに適応できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の鉢物の固定手段では、鉢9の固定が不十分で、輸送中に鉢9が斜めになり、花が箱Cの内面にすれて花落ちしたりキズが付く等してクレームが多いのが実状である。そのため、鉢の動きを押えるため、挿入孔41と鉢9との間に隙間があれば新聞紙などの詰物を入れることも行われているが、それでも鉢の傾きを防ぐには不十分であるとともに、作業が面倒である、といった問題がある。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、鉢物全体を納める箱を斜めにしても、固定が完全にでき、輸送中に花に損傷を与えるおそれのないようにした鉢物の固定具及び、その固定具に設ける鉢受孔(挿入孔)の孔明け器を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の鉢物固定具においては、鉢物を発送する箱体の底部に、上部支持板と下部支持板とを上下に相当の距離を隔てた状態で設置し、上部支持板には鉢の上部と嵌合する大きさの挿入孔を、下部支持板には鉢の下部と嵌合する大きさの挿入孔を開設し、それら両挿入孔に鉢の上下部を密に嵌合できるようにしたものである。
【0006】また、本発明の鉢物支持具の製作に使用する鉢固定用の孔明け器は、上部支持板及び下部支持板に、それぞれ、収納する鉢物の鉢の上部及び下部に適合した大きさの挿入孔を開設するもので、収納する鉢の上部及び下部の径を測定する機構と、その測定した寸法どおりに、上、下両支持板に挿入孔を形成できるようにした機構とを兼ね備えたものである。
【0007】すなわち、請求項1の鉢物支持具は、鉢物Bを発送する箱体Cの底部に設置して鉢物Bを支持するものであって、脚板2を有して、箱体C内の所要高さ位置に配置される上部支持板1と、該支持板1の下方に所要距離隔てて配置される下部支持板5とよりなり、上部支持板1には、鉢物Bの鉢9の上部を挿嵌する挿入孔3が設けられ、下部支持板5には、上記挿入孔3と上下に対応する位置に、鉢物Bの鉢8の下部を挿嵌する挿入孔7が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】また、請求項2の孔明け器は、横長に形成した基板10の上面に、横長の基板部21,31と鉢9の外側面に当接できる測板部22,32とによりL字形と逆L字形に形成した一対の可動板20,30を同時に反対方向に摺動しかつ固定自在に設けるとともに、可動板30の測板部32の鉢9と当る内側縁35と対応する位置に、鉢物Bの支持板1,5を切り込む切刃36を突設したことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1〜図3は本発明鉢物固定具の一実施態様を示し、図4〜図7は、本発明孔明け器の一実施態様を示したものである。
【0010】図1〜図3において、Cは鉢物Bの発送に使用される箱体、Aはその箱体Cの底部に設置して使用される本発明鉢物固定具である。鉢物固定具Aは上部支持板1と下部支持板5とよりなる。
【0011】上部支持板1は、箱体Cの底部に挿嵌される形状、例えば図示のような平面四角形に形成されており、その各辺縁から所要長さ(高さ)の脚板2が下方に向けて垂設されている。そして、上部支持板1の中央部から一端寄りの個所には、鉢物Bの鉢9の上部に外接する挿入孔(大径孔)3が開設されている。また、上部各脚板2には、下部支持板5を結合するための上下一対の係合孔8が設けられている。
【0012】また、下部支持板5は、上記上部支持板1の脚板2,2内に収まる形状に形成されており、その各辺縁よりは、上部支持板5の係合孔8に挿入する係合舌片6が突設されているとともに、上部支持板1の挿入孔3と上下に対応する位置には、鉢9の下部に外接する挿入孔(小径孔)が開設されている。この下部支持板5は、その係合舌片6を上部支持板1の脚板2の下段の係合孔8に内側から通した後、上段の係合孔8に折り返し通して脚板2,2の内側に取り付けられる。それによって、下部支持板5は上部支持板1内下部に、相当の上下距離を隔てて結合される。
【0013】上記の鉢物固定具Aは、図3に示すように、箱体Cの底部に収容される。そして、鉢物Bは箱体C内に入れられ、その鉢9を支持板1の挿入孔3に落し込めば、上部は上部支持板1の挿入孔3に、下部は下部支持板5の挿入孔7にそれぞれ密に嵌合して、箱体C内に上下二重に固定され、箱体Cを動かしても鉢物Bは傾いたり転倒したりするおそれがなく、したがって、花が箱の内面に当ってずれたり花落ちするのが防がれる。
【0014】次に、孔明け器の実施態様について説明する。上記鉢物固定具Aが、十分にその機能を発揮するためには、各種ある鉢の大きさ(径)に適合した挿入孔3,7を開設することが必要であることから、鉢9の径の測定と、その測定した径の孔の開設とを、単一の器具により行えるようにしている。
【0015】図4、図5に示すように、この孔明け器Dは基板10と、一対の可動板20,30を備えている。基板10は横長の長方形に形成されており、その中心部には基板10を貫通して、ピニオン12を回転自在に設けた軸管11が直立して固着されている。そして、一側寄りの一端部から中央部にかけては、基板10の長手方向と平行なガイド長孔13が開設され、また、ガイド長孔13の中央部側の端部から、その延長線上を他端部側に所要距離隔てた位置には、後述する一方の測板20と不分離に係合する係着ピン14が立設されている。また、基板10の他側寄りの他端部と中央部から一端部寄りのところに、後述する他方の測板30と不分離に係合する係合ピン15,16が、互いにそれらピン15,16を結んだ線が係合ピン13と平行となるようにして立設されている。
【0016】さらに、基板10の巾方向中央部には、他端側から中央部にかけて、後述する切刃36の遊通孔17が、ガイド長孔13と平行して設けられている。また、上記軸管11内には、上、下の支持板1,5に突き込む、下端を尖らせた軸杆18が抜き差し自在に挿通され、止ネジ19により適宜な上下位置に固定できるようになっている。
【0017】一方の可動板20は、基板10に載置される長方形の基板部21と、その一端部より直交方向に延長された測板部22とにより平面L形に形成されている。そして、基板部21には、その長手方向のほぼ全長にわたり、基板10のガイドピン14と係合して摺動可能なガイド長孔23が開設されているとともに、基板部21の外側縁には相当の長さにわたりラック24が設けられている。また、測板部22は、鉢9の外側面と当る内側縁が、上記ガイド長孔23と直交する縁面25に形成されている。
【0018】他方の可動板は30は、基板10に載置される長方形の基板部31とその一端部より直交方向に延長された測板部32とにより逆L字形に形成されている。そして、基板部31には、その長手方向のほぼ全長にわたり、基板10の係合ピン15,16と係合して摺動可能なガイド長孔33が開設されているとともに、基板部31の内側縁には相当の長さにわたり上記ラック24と対向するラック34が設けられている。また、測板部32は、その上記可動板20の測板部22と対向する内側縁(鉢9の外側面当る縁)35が、ガイド長孔33と直交し、上記縁面25と平行な縁面35に形成されている。そして、さらに、基板部31と測板部22と交差する内側基部には、縁面35と面一の切刃36が下方に向けて突設されているとともに、切刃36より少し先端寄りの位置には、基板10のガイド長孔12及び一方の可動板20のガイド長孔23と通貫するボルト挿通孔37が開設されている。
【0019】図4示すように、一方の可動板20は、係合ピン14をガイド長孔23に係合するとともに、ラック24をピニオン12と係合して基板上に載置し、他方の可動板30は、係合ピン15,16をガイド長孔33に係合するとともに、ラック34をピニオン12と係合して基板10上に載置し、それぞれ載置後、各係合ピン14,15,16を加工して形成した拡頭部(付号を略す)により、基板1の長手方向に摺動自在かつ不分離に取り付けられる。そして、別途用意したボルト38(図5参照)を基板10の下側から、ガイド長孔12と一方の可動板20のガイド長孔23及び他方の可動板30のボルト挿通孔37に通してナット39を螺合して取り付ける。
【0020】ボルト・ナット38,39の締め付けを緩めた状態では、一方の可動板20は、係合ピン14及びボルト38とガイド長孔23との係合で、基板10の長手方向に自在に摺動でき、また、他方の可動板30は、係合ピン15,16とガイド長孔33との係合で、基板10の長手方向に自在に摺動できるようになっている。その状態で両可動板20,30のうちの一方を摺動させれば、ピニオン12とラック24,34との噛合により、両可動板20,30は互いに反対方向に移動し、それらの測板部22,32が軸管11を中心として近接、離反することになる。そして、ナット39を締め付ければ、両可動板20,30は基板10に固定されることになる。
【0021】上記構成の孔明け器Dの使用方法について説明する。まず、鉢物固定具Aの上、下両支持板1,5の挿入孔3,7の中心位置を選定して、孔明け器を回動する中心孔47(図7参照)を形成するとともに、挿入孔3,7に当る部分の鉢9の外径を測定し、ついで、両支持板1,5に挿入孔3,7を形成する。中心孔47を形成するには、孔明け器Dの軸杆18の下端部を基板10より下方に突出させた状態で固定し、その先端を選定した中心位置に突き刺す。この場合、上下両支持板1,5を重ね合わせて行うか、また、両支持板1,5が組み付けられた状態のときには、軸杆18を図5の実線あるいは図7の鎖線で示すように下方に長く突出するように押し下げてやればよい。
【0022】鉢9の外径を測定するには、図6に示すように、孔明け器Dのナット39を緩めておいて、可動板20,30を動かし、その測板部22,32の縁面25,35を鉢9の所定高さ位置に当接させた後、ナット39を締め付けて両可動板20,30を基板10に固定する。次に、図7に示すように、孔明け器Dをその軸杆18を支持板1(5)の中心孔47に挿入し、下方に突出している切刃36を支持板1(5)に突き込んで、軸杆8を中心にして、図6、図7の矢印のように回動させる。それにより、支持板1(5)には、切刃36の切り込みによって、測定した鉢9の外径と同径の挿入孔3(7)が開設できることになる。
【0023】なお、この場合、上部支持板1への挿入孔3の開設作業は、両支持板1,5が組み付けられていても行えるが、下記支持板5の方への挿入孔7の開設作業は、回動する孔明け器Dが、上部支持板5の脚板2,2に当るようなときは、下部支持板5を取り外し、または組み付け前において行うようにする。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鉢物を支持具よれば、鉢物を発送する場合に、上、下の両支持板に設けた挿入孔に鉢を嵌め入れることにより、鉢の上部と下部とが挿入孔に密接して固定されるため、鉢物を納めた箱体が輸送中に揺れたり斜めになったりしても、鉢がずれたり傾斜して、花が箱内面にこすれたりして花落ちやキズがつくおそれがなく、安全、確実に届けられることになる。
【0025】また、本発明の孔明け器によれば、鉢物支持具の支持板に鉢の挿入孔を開設するにあたり、挿入する鉢の外径を測ることと挿入孔を開設することとが、単一の器械によって極めて簡易に迅速にかつ正確に行うことができるとともに、各種異なる大きさの鉢の挿入孔の開設にも対応し、広汎に使用することができる。
【出願人】 【識別番号】591250374
【氏名又は名称】奥田 勝司
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100082290
【弁理士】
【氏名又は名称】植松 茂
【公開番号】 特開2001−340026(P2001−340026A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−162755(P2000−162755)