| 【発明の名称】 |
農作物栽培用床装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】橋口 三良
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| 【要約】 |
【課題】農作物の栽培、特にいちご栽培における作業時に、身体への負担を少なくし、かつ移動可能な作業用架台を用いて作業効率を向上できる農作物栽培用床装置を提供する。
【解決手段】多数の並設された畝部と、畝部と畝部の間に形成される通路用の深溝部と、同深溝部の両側壁面に密接して固定立設された壁板部材とからなり、前記壁板部材の上端縁部には、作業用架台の走行用レールが付設される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】多数の並設された畝部と、畝部と畝部の間に形成される通路用の深溝部と、同深溝部の両側壁面に密接して固定立設された壁板部材とからなり、前記壁板部材の上端縁部には、作業用架台の走行用レールが付設されてなることを特徴とする農作物栽培用床装置。 【請求項2】多数の並設された畝部と、畝部と畝部の間に形成される通路用の深溝部と、同深溝部の両側壁面に固定立設される壁板部材と、上部の左右に凹溝が並設された複数個の基礎部材とからなり、前記壁板部材の底縁部は、前記深溝部の底部に沿って間隔を置いて設置された同基礎部材の凹溝に嵌設されてなり、そして同壁板部材の上端縁部には、作業用架台の走行用レールが付設されてなることを特徴とする農作物栽培用床装置。 【請求項3】多数の並設された畝部と、畝部と畝部の間に形成される通路用の深溝部と、同深溝部に嵌装された断面U字状長尺部材とからなり、前記断面U字状長尺部材の上端縁部には、作業用架台の走行用レールが付設されてなることを特徴とする農作物栽培用床装置。 【請求項4】通路用の深溝部の両側壁面に固定立設される壁板部材の側縁部が、深溝部の側壁面に沿って間隔を置いて固定立設された複数本のH形鋼状支柱部材の凹溝に嵌挿されてなることを特徴とする前記請求項1に記載の農作物栽培用床装置。 【請求項5】畝部と畝部の間に形成される通路用の深溝部が、土壌の掘削により形成されたものであることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の農作物栽培用床装置。 【請求項6】農作物が、いちごであることを特徴とする前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の農作物栽培用床装置。 【請求項7】壁板部材又は断面U字状長尺部材が、コンクリート製のものであることを特徴とする前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の農作物栽培用床装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、農作物の栽培、特にいちご栽培における作業時に、身体への負担を少なくし、かつ作業効率を向上させる農作物栽培用床装置に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 従来、いちごや野菜など農作物の栽培は、栽培用地の地表面に細長く土を盛り上げ畝部を形成し、前記畝部に沿って農作物の苗を植え付け、畝部と畝部の間の谷部を作業用通路として栽培が行われている。そして、作業者は、畝部と畝部の間に形成された谷部で、腰を屈めた姿勢で、畝部に植え付けた農作物の管理、収穫作業をしている。しかし、腰を屈めた不自然な姿勢での長時間にわたる作業は、作業者の身体への負担が大きく、腰痛や過度の疲労感を招き、特に長年農作物の栽培に携わる人は、ヘルニア等腰部における重度の病気を抱える人が多く、長い間問題とされていた。そのため、近年において様々な栽培方法が採られている。例えば、立体的に数段の棚を設け、各棚に農作物の苗を植え付け栽培する多段式栽培や、また、鉄骨などで脚部を製作し、その上部に棚を設け土を充填し培地を形成したり、栽培用容器を設置する高設栽培などが行われている。 【0003】これらの栽培方法によると、腰を屈める作業が少なく、身体的負担は大幅に軽減される。しかし、前記栽培方法を採用するにも、その設備の設置費用が高額であるために、一般農家には、導入が難しいという問題がある。また、前記多段式栽培や高設栽培の場合、各棚に培地を充填しなければならず、また充填する培地が農作物と合わない場合もあり、培地の選定、管理は難しいものとなっている。 【0004】 【課題を解決するための手段】 本発明は前記問題の解決を目的とするものであって、低コストで、かつ農作物栽培の作業時の身体への負担を軽減することができる農作物栽培用床装置を提供しようとするものである。すなわち、本発明は、(1)多数の並設された畝部と、畝部と畝部の間に形成される通路用の深溝部と、同深溝部の両側壁面に密接して固定立設された壁板部材とからなり、前記壁板部材の上端縁部には、作業用架台の走行用レールが付設されてなることを特徴とする農作物栽培用床装置。 (2)多数の並設された畝部と、畝部と畝部の間に形成される通路用の深溝部と、同深溝部の両側壁面に固定立設される壁板部材と、上部の左右に凹溝が並設された複数個の基礎部材とからなり、前記壁板部材の底縁部は、前記深溝部の底部に沿って間隔を置いて設置された同基礎部材の凹溝に嵌設されてなり、そして同壁板部材の上端縁部には、作業用架台の走行用レールが付設されてなることを特徴とする農作物栽培用床装置。 (3)多数の並設された畝部と、畝部と畝部の間に形成される通路用の深溝部と、同深溝部に嵌装された断面U字状長尺部材とからなり、前記断面U字状長尺部材の上端縁部には、作業用架台の走行用レールが付設されてなることを特徴とする農作物栽培用床装置。 (4)通路用の深溝部の両側壁面に固定立設される壁板部材の側縁部が、深溝部の側壁面に沿って間隔を置いて固定立設された複数本のH形鋼状支柱部材の凹溝に嵌挿されてなることを特徴とする前記(1)項に記載の農作物栽培用床装置。 (5)畝部と畝部の間に形成される通路用の深溝部が、土壌の掘削により形成されたものであることを特徴とする前記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の農作物栽培用床装置。 (6)農作物が、いちごであることを特徴とする前記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載の農作物栽培用床装置。 (7)壁板部材又は断面U字状長尺部材が、コンクリート製のものであることを特徴とする前記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の農作物栽培用床装置。 【0005】 【発明の実施の形態】 ここで、本願発明の実施の形態について図に基づいて説明する。図1は、本発明の農作物栽培用床装置の一例の断面図であり、本実施の形態においては、農作物を特に、いちごを例として説明している。図2は図1の農作物栽培用床装置に係る壁板部材の斜視図である。また、図3は、本発明の農作物栽培用床装置の他の例の断面図であり、図4は図3の農作物栽培用床装置に係る壁板部材の斜視図である。図中、1、1aは通路用の深溝部、2、2’、2a、2a’は畝部、3、3’、3a、3a’は壁板部材、4、4’、4a、4a’は架台走行用レール、5は作業用架台、6は車輪である。また、7は硬質ゴム、8は基礎部材、9はH形鋼状支柱部材、91はH形鋼状支柱部材の基礎部である。 【0006】本発明の農作物栽培用床装置は、その一例として図1に示すように、並設された畝部2、2’と、同畝部2と畝部2’の間に形成される通路用の深溝部1と、深溝部1の両側壁面に密接して固定立設された壁板部材3、3’により構成されている。 図1では、壁板部材3、3’は、それらの底縁部が、基礎部材8の上部の左右に並設された凹溝81(図2参照)に嵌設されており、同壁板部材3,3’の上端縁部には、架台走行用レール4、4’が付設されている。また、架台走行用レール4、4’の表面には、硬質ゴム7による被覆が施されている。また、図3に示す本発明の農作物栽培用床装置の他の例では、図1の場合と同様に、並設された畝部2a、2a’と、同畝部2aと畝部2a’の間に形成される通路用の深溝部1aと、深溝部1aの両側壁面に密接して固定立設された壁板部材3a、3a’により構成される。図3に示す例では、壁板部材3a、3a’は、それらの側縁部が、H形鋼状支柱部材9の凹溝92(図4参照)に嵌挿されており、同壁板部材3a,3a’の上端縁部には、架台走行用レール4a、4a’が付設されている。そして、架台走行用レール4a、4a’の表面には、硬質ゴム7による被覆が施されている。 【0007】通路用の深溝部1、1aは、農作物の栽培地の畝部2と畝部2’との間、あるいは畝部2aと畝部2a’との間の土壌を掘削して、形成されている。通路用の深溝部1、1aは、作業者が立って作業をする際に、不自然な姿勢を採らずに作業が可能な深さまで地面を掘削して形成している。一般的に、作業時に身体への負担が少ない深さは、60〜70cm程度であるが、作業者の身長に合わせて調整するのが望ましい。また、通路用の深溝部1、1aは、作業者が作業しやすい程度の幅を備えている。およそ30〜35cm程度の幅であることが望ましいが、環境に応じて、幅は調整する。 【0008】本発明の農作物栽培用床装置は、通路用の深溝部1の両側壁面に壁板部材3、3’あるいは壁板部材3a、3a’が固定立設されている。壁板部材3、3aは、畝部2、2aの土壌が崩れるのを防止するとともに、作業時に作業者が壁板部材3、3aの上端縁部に腰部付近を密着させることにより、下半身への負担を軽減することが可能となっている。また、壁板部材3、3の上端縁部、又は壁板部材3a、3aの上端縁部には、作業用架台5の走行用レール4、4又は4a、4aが付設されている。畝部2をまたぐように、作業用架台5が載置され、壁板部材3、3又は壁板部材3a、3aの上端縁部に備えられたレール4、4又は4a、4aに、作業用架台5の下部に設けられた車輪6、6を介して、移動可能に載置されている。前記移動可能の作業用架台5は、苗や収穫物、堆肥など作業時に必要とされる部材等を、作業用架台5上面に載せ、作業の進行とともに、作業用架台5を自由に移動し、作業時の無駄な動きを削減することができる。もちろん、作業用架台5が不要の場合は、取り外すこともできる。 【0009】また、図5に示すように、通路用の深溝部1をまたぐように、作業用架台50を設置することもできる。その際には、通路用の深溝部1の両側壁面に固定立設された壁板部材3と、壁板部材3’のそれぞれ上端縁部の架台走行用レール4、4’に、作業用架台50を掛け渡し、載置する。通路用の深溝部1をまたぐように載置し走行させる架台50は、運搬用にも利用でき、重い荷物等を移動させる際に、利用することが可能となる。作業用架台5又は作業用架台50には、必要に応じ、引手部を設けたり、連結用部材等を取り付けることにより、作業を容易にすることができる。また、図1、図3、図5において、作業用架台5又は50の下部に設けられた車輪6が、静粛かつ滑らかに走行可能なように、架台走行用レール4又は4aの表面に硬質ゴム7が被覆されている。走行用レール4、4aの表面に施す被覆は、硬質ゴムに限らず、プラスチックなど滑らかな走行が可能となる材質が望ましい。さらに、走行用レールとして、鉄パイプのごとき、高強度のパイプを用いることもでき、その場合は、パイプ内に水、その他の液体を流通させ、液体輸送路としての役割を付加することもできる。 【0010】壁板部材3は、基礎部材8の上部の左右に並設された凹溝81(図2参照)に嵌設されて固定立設されている。基礎部材8は、堀削された通路用の深溝部1の底部に沿って所定の間隔(壁板部材3の幅)を置いて、複数個設置されている。その際、基礎部材8を設置する箇所の下部に砕石10などを敷き、水はけを良くすることが望ましい。そして、設置された複数個の基礎部材8の凹溝81に、前記壁板部材3、3’の底縁部が嵌設されて、通路用の深溝部1の側壁面に密接して固定立設されている。また、壁板部材3aは、H形鋼状支柱部材9前後の凹溝92(図4参照)に嵌挿されて固定立設されている。H形鋼状支柱部材9は下部に、基礎部91を備え、同基礎部91は地中に埋め込まれ、通路用の深溝部1aの側壁面に沿って所定の間隔(壁板部材3aの幅)を置いて、複数本固定立設されている。そして、立設された複数本のH形鋼状支柱部材9の凹溝92に、前記壁板部材3aが嵌挿されて、通路用の深溝部1aの両側壁面に密接して固定立設されている。ところで、壁板部材3、3a及び、基礎部材8、H形鋼状支柱部材9、基礎部91は、畝部2、2aの土壌を支える強固な材質であることが望ましい。例えば、コンクリート、エンジニアリングプラスチック、木材等などが挙げられ、地質や、地形、耐久年数等を鑑み、材質や厚さを選択する。 【0011】図2は、壁板部材3と基礎部材8の斜視図であり、壁板部材3、3’の、基礎部材8への嵌設方法の説明図である。壁板部材3,3’には、施工時の吊り下げ用の孔31が穿設されている。施工時には、通路用の深溝部1に基礎部材8を設置し、その後、吊り下げられた壁板部材3,3’の底縁部を、基礎部材8の上部の左右に並設された凹溝81に、前後から嵌設する。また、図4は、壁板部材3aとH形鋼状支柱部材9の斜視図であり、壁板部材3a、3a’の、H形鋼状支柱部材9への嵌挿方法の説明図である。壁板部材3a,3a’には、施工時の吊り下げ用の孔31aが穿設されている。施工時には、H形鋼状支柱部材9の下部に備えられた基礎部91を地中に埋め込み、その後、吊り下げられた壁板部材3a,3a’の側縁部を、H形鋼状支柱部材9の凹溝92に、前後から嵌挿する。本実施の形態において、壁板部材3は、基礎部材8の凹溝81に嵌設され、また、壁板部材3aは、基礎部91が埋め込まれたH形鋼状支柱部材9の凹溝92に嵌挿され、固定立設されているが、基礎部材や、H形鋼状支柱部材でなくとも、壁板部材3を通路用の深溝部1の側壁面に密接して固定立設することができる手段であれば、どのようなものでも採用できる。 【0012】本発明の農作物栽培用床装置は、多数の並設された畝部2、2’と、同畝部2と畝部2’の間に形成される通路用の深溝部1と、同深溝部1に嵌装された断面U字状長尺部材から構成することもできる。図6は、通路用の深溝部1に嵌装される断面U字状長尺部材11の一部斜視図である。断面U字状長尺部材11は、例えばコンクリート製のU字溝12、12’・・・を通路用の深溝部1に連続して嵌装することにより、形成される。該U字溝12、12’・・・には、吊り下げ用の孔13が穿設されており、通路用の深溝部1への嵌装時の作業を容易にしている。そして、図示していないが、U字溝12、12’・・・の通路用の深溝部1への嵌装により、形成される断面U字状長尺部材の上端縁部に、作業用架台5の架台走行用レール4を付設し、前述の実施の形態時の壁板部材の時と同様に、架台走行用レール4の表面に硬質ゴム7を被覆し、作業用架台5の走行を可能に施工することができる。また、断面U字状長尺部材11は、前述の壁板部材3と同様に、畝部2の土壌を支える強固な材質であることが望ましい。例えば、コンクリート、エンジニアリングプラスチック、木材等などが挙げられ、地質や、地形、耐久年数等を鑑み、材質や厚さを選択する。さらに、断面U字状長尺部材11には、必要に応じて底部に排水用の孔を穿設してもよい。 【0013】また、図7に示すように、壁板部材3や、断面U字状長尺部材11(図6参照)の上端縁部に付設される作業用架台5の架台走行用レール4は、畝部2に防風ネット14等を張る際に、その止め具15の取付部として、利用できる。なお、図8に示すようなハウス栽培の場合などには、上部の架設レール20を利用して、作業用架台5を吊り下げ可能の構造にし、作業用架台5の上面に取り付けられた掛止用環具16を掛止具17で吊り上げ、作業用架台5を任意の方向に移動させることも可能である。図9は、本発明の農作物栽培用床装置の一例を示すものであり、農作物栽培用床装置を利用して、農作物(いちご)の育成作業をしている図である。作業者18は、通路用の深溝部1の両側壁面に固定立設された壁板部材3の上端縁部に腰部付近を密着させて安定した状態で、畝部2に作付けされた農作物の収穫作業をしている。作業者18は、通路用の深溝部1に立ち、作業をしているので、農作物が根張りする畝部分を踏み付けることもなく、農作物の育成を妨げることはない。そして、壁板部材3の上端縁部に付設された架台走行用レール4上に設置された作業用架台5の上面には、収穫物等が載置され、作業の効率化が図られている。 【0014】 【発明の効果】 本発明において、提供される農作物栽培用床装置によれば、作業者は、作業時に腰を屈めることなく作業することができ、また、壁板部材又は、断面U字状部材の上端縁部に腰部付近を押当て密着させて、作業することができるので、作業時の身体への負担を大幅に軽減することができる。また、作業時に、作業者が畝部や、畝部と畝部の間を踏み固めることがないので、農作物の根張りを妨げることない。さらに、前記壁板部材の上端縁部に、作業用架台の架台走行用レールを付設することにより、移動可能な作業用架台を設置することができるので、作業の効率化を図ることができる。 【0015】そしてまた、畝部と畝部の間に形成される通路用の深溝部は、土壌の掘削により容易に形成することができるので、栽培農地をそのまま使用することができ、畝部に盛土や培地を充填する必要もなく、低コストなものとなる。さらに、畝部は地表面と同じ高さなので、トラクター等の機械を乗り入れることも可能であり、栽培地の管理が容易である。また、壁板部材又は断面U字状長尺部材を、コンクリート製のものとすることにより、強固で耐久性の高い農作物栽培用床装置を容易に提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】300007512 【氏名又は名称】橋口 三良
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| 【出願日】 |
平成12年5月30日(2000.5.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105670 【弁理士】 【氏名又は名称】栫 生長 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−333646(P2001−333646A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月4日(2001.12.4) |
| 【出願番号】 |
特願2000−160406(P2000−160406) |
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