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【発明の名称】 育苗装置
【発明者】 【氏名】武田 康志

【氏名】矢野 省三

【要約】 【課題】育苗箱を多段に積載する積載台車の移動性や加温性、床面上での取扱性を容易化する。

【解決手段】育苗箱1を積替える積替装置2の側部の積替床面3に、積載台車4のキャスタ5を受けて旋回駆動するキャスタテーブル6を設けたことを特徴とする育苗装置の構成。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 育苗箱1を積替える積替装置2の側部の積替床面3に、積載台車4のキャスタ5を受けて旋回駆動するキャスタテーブル6を設けたことを特徴とする育苗装置。
【請求項2】 育苗床面7に温風路8を敷設した育苗室9内に、一部の育苗床面7上を被覆して出芽室10を形成すると共にこの出芽室10内には育苗箱1を積載して出芽させる内テント11を吊下げたことを特徴とする育苗装置。
【請求項3】 前記内テント11を所定間隔の間隔室12を有した内外二重に形成し、この間隔室12を冷暖することを特徴とする請求項2に記載の育苗装置。
【請求項4】 育苗室9内に配管の加温用スチームパイプ13に開閉弁14で開度調節可能の蒸気吐出口15を設けたことを特徴とする育苗装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、稲苗等の出芽育苗を行う育苗装置に関し、床土を充填して播種育苗する育苗箱を積載台車に多段に積載して、この積載台車を出芽室や縁化室に移動させて出芽育苗するものである。
【0002】
【従来の技術】播種された育苗箱をコンベアで搬送しながら積載台車に多段に載み替えて、この育苗箱の多段に積載された状態の積載台車を、出芽室や、縁化室に移動させて出芽させたり縁化させる技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】育苗箱を用いて出芽乃至縁化育苗する育苗形態では、育苗箱の積替作業や、出芽作業では、多数の育苗箱の取扱い移動等を要するため、これら一連の作業行程の流れが速かで円滑に行われることを要する。このため、育苗箱を多段に積載する積載台車の移動性や加温性、床面上での取扱を容易化して、出芽育苗行程の作業性を高めようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、育苗箱1を積替える積替装置2の側部の積替床面3に、積載台車4のキャスタ5を受けて旋回駆動するキャスタテーブル6を設けたことを特徴とする育苗装置の構成とする。
【0005】請求項2に記載の発明は、育苗床面7に温風路8を敷設した育苗室9内に、一部の育苗床面7上を被覆して出芽室10を形成すると共にこの出芽室10内には育苗箱1を積載して出芽させる内テント11を吊下げたことを特徴とする育苗装置の構成とする。
【0006】請求項3に記載の発明は、前記内テント11を所定間隔の間隔室12を有した内外二重に形成し、この間隔室12を冷暖することを特徴とするものである。請求項4に記載の発明は、育苗室9内に配管の加温用スチームパイプ13に開閉弁14で開度調節可能の蒸気吐出口15を設けたことを特徴とする育苗装置の構成とする。
【0007】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、積替装置2によって積替床面3に位置する積載台車4に育苗箱1が多数積載されて、積載台車4が一杯になると積載台車4を積替床面3のキャストテーブル6上面から移動させて、出芽室や縁化室へ移動して育苗することができる。このとき積載台車4のキャスタ5は、育苗箱1の積載時にはキャスタテーブル6上に載せられているために、このキャスタテーブル6の向きを積載台車4の移動方向へ向けて旋回させることによって、重量を増してもキャスタ5の回転移動方向への移動を容易に速かに行わせることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、育苗床面7上に内テント11を吊下げることによって、この育苗床面7の温風路8から内テント11の出芽室10内に温風を送り込むことができ、出芽を行わせることができる。このため、出芽室10の形態は、外側の育苗室9と内テント11との被覆構成によって出芽温度の維持が容易であり、簡単な操作で出芽室10を構成できる。
【0009】請求項3に記載の発明は、前記内テント11を内外二重の間隔部12を形成した構成とすることによって、前記出芽室10内の冷暖温度管理を一層効率的に行わせることができる。請求項4に記載の発明は、育苗室9の加温を行うスチームパイプ13には、開閉弁14によって開度調節される蒸気吐出口15が設けられるため、育苗室9内で発芽するときは加温に加えて湿度を維持することが、発芽に適した条件を簡単、容易に得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明は、育苗箱を用いて播種育苗する育苗装置として利用でき、多数の育苗箱を積重させて発芽させたり、発芽後の縁化させる等の育苗装置乃至施設として実施できる。
【0011】請求項1に記載の発明は、育苗箱を積替える積替装置の側部の積替床面に、積載台車4のキャスタ5を受けて旋回駆動するキャスタテーブル6を設けたことを特徴とする育苗装置の構成として、重量育苗箱を多段積載した積載台車の移動操向性を容易化させる。ここに、積載台車は、多段に育苗箱を積み重ねた状態で、積替装置の側部から発芽室や縁化室等へ移動させるものである。積替装置と発芽室とは同じ建屋及び育苗床面上に配置されるが、縁化室は屋外に配置されることもある。又、積替床面は、積載台車を支持して昇降することにより、育苗箱を段積みさせる形態とすることができるが、育苗床面を積替床面として、この育苗床面にキャスタテーブルを直接設置することもできる。
【0012】請求項2に記載の発明は、育苗床面に温風路を敷設した育苗室内に、一部の育苗床面上を被覆して出芽室を形成すると共にこの出芽室内には育苗箱を積載して出芽させる内テントを吊下げたことを特徴とする育苗装置の構成とし、請求項3に記載の発明は、前記内テントを所定間隔の間隔室を有した内外二重に形成し、この間隔室を冷暖することを特徴とするもので、出芽温度の維持を容易にして、出芽室の構成を簡単にする。ここに、内テントの吊下位置は、建屋で覆われた育苗室内の育苗床面に設定される。このため、内テントによる出芽室は、最外周の建屋と内テントとによって二重乃至三重の被覆形態として構成される。
【0013】請求項4に記載の発明は、育苗室内に配管の加温用スチームパイプに開閉弁で開度調節可能の蒸気吐出口を設けたことを特徴とする育苗装置の構成として、育苗室を利用して出芽室とするときは、出芽室の加温と共に、加湿させて、発芽条件を維持し易くする。
【0014】
【実施例】以下この発明の具体的実施例を説明する。先ず、第一実施例を図1〜図8に基づいて説明する。積替装置2は、育苗箱1を積載台車4に積替えるもので、積替床面3上に設けられる。この積載台車4は、多数の育苗箱1を積載して積載床面3乃至育苗床面7等を移動するもので、底部に旋回軸16回りに旋回自在のキャスタ5を有する。17はキャスタアームで、キャスタ軸18にキャスタ5が回転自在に設けられる。
【0015】このキャスタ5の転動される積替床面3には、モータ19で上下方向のテーブル軸20の回りに旋回される円盤状のキャスタテーブル6が設けられて、該キャスタ5を載せることができる。21はこのキャスタテーブル6の上面に形成される突条で、上面に載せられたキャスタ5の滑りを防止して、キャスタ5をこのキャスタテーブル6上に一体的に支持して、テーブル軸20回りの旋回を的確に行わせるものである。22はキャスタテーブル6を嵌合支持させるために積替床面3に形成された窪みである。
【0016】前記積載台車4を積替装置2側部の積替床面3上に載せる。このとき前後左右の四箇所に配置されたキャスタテーブル6上面に、積載台車4四隅の各キャスタ5を支持させる。この状態で積替装置2により育苗箱1を積載台車4へ積載させる。このような育苗箱1の積み重ねられた積載台車4を移動させるときは、モータ19の駆動でキャスタテーブル6を適宜角度テーブル軸20の回りに旋回させると、これと一体のキャスタ5を旋回軸16の回りに旋回させて移転方向へ向けることができる。このため、積載台車4を積替装置2へ接近させた方向とは異なる方向へ向けて移動させることが容易である。
【0017】更に、このような積替装置2や育苗装置の実施例の概要を説明すると、育苗建屋内の育苗室9は、播種室23、出芽室10、緑化室24等が配置されて、同高さの育苗床面7が水平状に形成されて、これら各室23,10,24間の積載台車4の移動が行われ易い形態として構成される。このうち播種室23には、播種コンベア25を主体として、育苗箱1を搬送させながら、この育苗箱1に対する土詰、播種、覆土、及び灌水を行う播種装置各部が配置される。
【0018】この播種コンベア25の側方に前記積替装置2が配置されて、播種された育苗箱1を四箱宛てパレット27に載せて、コンベア26で積替装置2へ搬送供給される。この積替装置2はローラコンベア28の前後中央部にフォーク状のリフタ29と、前後一対のチャック30とが設けられて、リフタ29で上昇されるパレット27上の段積みの育苗箱1を、上段部からチャック30で挾持して、シリンダ38の伸縮で前後のローラコンベア28上に交互に載せ替える。このローラコンベア28の先端部には、育苗箱1を横側へ押し出す押出シリンダ31と、この押出される育苗箱1を受けて多段に積載される積載装置32とが設けられる。
【0019】この積載装置32は、育苗箱1を段積みしうる積載台車4を支持して昇降する昇降テーブル33が昇降フレーム34に沿って昇降案内される。この昇降テーブル33は、モータ34の駆動によって昇降制御され、育苗箱1が段積みされるに伴って下降されて、昇降テーブル33が最下動時には育苗床面7と略同一面に達する。この場合は、積載床面3はこの昇降テーブル33の上面によって構成される。このため、前記キャスタテーブル6もこの昇降テーブル33部に設置される。
【0020】この育苗台車4は、中央部と左右両側の縦枠35に沿って一定間隔に棚桟36を起伏可能に配置して、この各棚桟36に二箱毎の育苗箱1を差し込んで受けさせることができる。37は各縦枠35間の中央部において育苗箱1の出入側に着脱する係止杆で、育苗箱1の棚桟36からの脱出を防止する。この積載台車4の底部四隅部に前記のようなキャスタ5が取り付けられる。出芽時は、この棚桟36を倒伏させて、育苗箱1を直接多段に重合させる。又、緑化育苗時は、棚桟36を横側へ起立させて、育苗箱1をこの各棚桟36上に支持される。
【0021】前記キャスタテーブル6は、昇降テーブル33の各キャスタ5を支持する部分に対向させて配置されるが、モータ19による旋回制御は、積載台車4の出し入れの方向に応じたものとして設定する。積載台車4を積替装置2の前後方向Aに沿った方向から積載装置32内へ供給するものとし、育苗箱1を積載させてのちの積載台車4をこれと直交方向の横方向Bへ取り出す形態とするときは、各キャスタテーブル6は略90度旋回Cさせることによって、キャスタ5の向きを積載台車4の取出移動方向に向けて、積載装置32の昇降テーブル33上面からの移動を的確に円滑に行わせることができる。
【0022】図2の形態では、前後の積載装置32における積載台車4の供給方向Aは、前後に対向する方向であるから、キャスタテーブル6の旋回方向Cは互に反対方向となる。このようなキャスタテーブル6の旋回Cは、積載装置32に設けるスイッチ操作で行わせたり、又、育苗箱1の積載に継続して自動的に行わせる形態とするもよい。
【0023】尚、図2の形態では積替装置2の前後方向Aに沿った方向から積載台車4を供給するようにしたが、積載台車4の積替装置2への供給を前記横方向Bから行うようにしてもよい。このとき、キャスタテーブル6は、略180度旋回させる。又、前記のようにキャスタテーブル6を昇降テーブル33に設ける形態では、積載装置32を育苗床面7上に設置することによって、積載床面3が育苗床面7よりも高く段差を生ずるため、この育苗床面7に傾斜床面39を形成して、積載台車4の出し入れを円滑に行わせる。
【0024】このようにして、播種された育苗箱1を多段に重合積載させた積載台車4は、育苗床面7を移動させて出芽室10内に並べて保温発芽させる。育苗箱1における発芽が完了されると、この育苗箱1を緑化室24に移して緑化させる。このとき、出芽室10から移動させて取り出す積載台車4をコンベア26の近くに置き、積載台車4の各育苗箱1をコンベア26に載せることによって、前記積替装置2を経ることによって、積載装置32の積載台車4に載せ替える。このときの積載台車4の棚桟36は横側へ起立させておき、この棚桟36上に各育苗箱1を支持させて、上下各育苗箱1の間隔部を形成することによって緑化を図るものである。
【0025】このようにして各積載装置32から前記と同様にして取出Bした積載台車4は、育苗床面7を移動させて緑化室24へ移して並べることにより緑化育苗させる。次に、第二実施例を図9〜図11に基づいて上例と異なる点を説明する。育苗室9の育苗床面7には、中央部に出芽室10と緑化室24とを形成し、この一側部に播種室23を、他側部に積替室40を配置する。このうち播種室23には、播種コンベア25を設けると共に、この播種搬送された育苗箱1を積載台車4に積替える積替装置2を設ける。この積替装置2で育苗箱1を積載させた積載台車4を出芽室10へ送り込ませて出芽させる。前記キャスタテーブル6は、この播種コンベア25の積替装置2の積替床面3部に設置できる。
【0026】積替室40には、積替装置2が設けられて、ローラコンベア28の一側端部には苗箱自動載替装置41を設けて、出芽室10から取り出された積載台車4を位置させると、育苗箱1がローラコンベア28上を移送されて、他側部の積載装置32において積載台車4の棚桟36に載せ替えられる。この積載装置32で育苗箱1を積載させた積載台車4は緑化室24内へ移動されて並べられる。前記キャスタテーブル6はこの載替装置32の昇降テーブルに設けることができる。
【0027】前記出芽室10や緑化室24の育苗床面7には、温風路8が設けられて、暖房機41からの温風を案内して出芽室10や緑化室24へ噴送できる。又、この出芽室10等で冷えた冷気は吸引フアン42の回転で還元筒43へ吸引されて、暖房機41へ還元される。このような出芽室10は外周を建屋壁材等で構成されるが、テント部材で構成するもよい。又、緑化室24は紫外線を透過しうるビニール製、ガラス製等の温室屋根形態とすることができる。
【0028】このような温風路8を形成の育苗床面7上を覆うように内テント11を吊下具44で吊り下げて設け、積載台車4を収容しうる保温室45を形成する。この保温室45の底部は前記育苗床面7部を覆う床シート46を敷設して密閉状態とし、この保温室45内には加湿機47を設けて、出芽性を促進させる。48は積載台車4の移動できる出入口である。
【0029】保温室45は出芽室10内を循環される温風によって効率的に加温されて、薄い内テント11材であっても保温性を維持でき、構成も簡単である。このような内テント11を吊り下げて保温室45を構成する形態では、水稲苗用の育苗床面7を利用して野菜苗を出芽育苗する場合に、より有効に利用できる。
【0030】そして、第三実施例を主として図12、図13に基づいて上例と異なる点を説明する。前記内テント11を内外二重の構成として、間隔室12を形成している。保温室45の断熱性を高める。この間隔室12と前記温風路8との間は連通筒49で連通させて、冷暖房機50を設け、温風路8から間隔室12へ送る空気を冷暖して、保温室45内の温度を調節するものである。
【0031】更に、第四実施例を主として図14に基づいて上例と異なる点を説明する。出芽室10の育苗床面7にはエロフィンパイプからなるスチームパイプ13を敷設して、蒸気ボイラ室51のボイラー53からパイプ52を介してスチームパイプ13ヘ蒸気を送って、出芽室10を加温することができる。このスチームパイプ13の基部には蒸気吐出口15が形成されて、電磁開閉弁14を適宜開度に開くことによって蒸気を出芽室10内へ直接吐出させて、湿度調節することができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成12年5月25日(2000.5.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−333640(P2001−333640A)
【公開日】 平成13年12月4日(2001.12.4)
【出願番号】 特願2000−154499(P2000−154499)