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【発明の名称】 農作物等の栽培方法及びその栽培床並びにプランター
【発明者】 【氏名】楠見 英敏

【要約】 【課題】農作物等の栽培方法及びその栽培床並びにプランターに関し、特には農作物栽培床やプランターを発泡スチロールパネル(発泡ポリスチレン)を主体とし、軽量溝型鋼や間伐材と組み合わせることにより、断熱性に優れ作業性が良く、施肥効率の高い新規な構造とするものである。

【解決手段】矩形状の発泡スチロールパネル2,2aの上端部及び下端部に被冠部材としての軽量溝型鋼3a,3b,4a,4bを被冠したものを複数枚連結して枠体20を形成し、対向する発泡スチロールパネル2の下端部の軽量溝型鋼間3a,3aを一定間隔で複数の幅止具7で連結し、幅止具7の上に排水孔11aを有する発泡スチロールパネルの底板11を敷設してプランター1を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地表面の所要区画の周囲を発泡スチロールパネルの枠体で囲み、枠体内に周囲の地表面よりも高く土壌を収納して枠体内で農作物等を栽培することを特徴とする農作物等の栽培方法。
【請求項2】 地表面の所要区画の周囲を発泡スチロールパネルの枠体で囲み、枠体内の地表面に発泡スチロールパネルの底板を敷き詰め、底板上に地表面よりも高く土壌を収納して枠体内で農作物等を栽培することを特徴とする農作物等の栽培方法。
【請求項3】 複数枚の矩形状の発泡スチロールパネルで所要区画の地表面を囲む枠体を形成し、枠体内の地表面に排水孔を有する発泡スチロールパネルの底板を敷き詰め、その底板上に土壌を載置し収容してなることを特徴とする栽培床。
【請求項4】 矩形状の発泡スチロールパネルを複数枚連結して枠体を形成し、対向する発泡スチロールパネルの下端部を一定間隔で複数の幅止具で連結し、幅止具の上に排水孔を有する発泡スチロールパネルの底板を敷設してなることを特徴とするプランター。
【請求項5】 矩形状の発泡スチロールパネルの上端部及び下端部に被冠部材を装着したものを複数枚連結して枠体を形成し、対向する発泡スチロールパネルの下端部の被冠部材間を一定間隔で複数の幅止具で連結し、幅止具の上に排水孔を有する発泡スチロールパネルの底板を敷設してなることを特徴とするプランター。
【請求項6】 矩形状の発泡スチロールパネルの上端部及び下端部に軽量溝型鋼を被冠したものを複数枚連結して枠体を形成し、対向する発泡スチロールパネルの下端部の軽量溝型鋼間を一定間隔で複数の幅止具で連結し、幅止具の上に排水孔を有する発泡スチロールパネルの底板を敷設してなることを特徴とするプランター。
【請求項7】 上端部及び下端部の軽量溝型鋼を補強板で連結してなる請求項6記載のプランター。
【請求項8】 枠体の外側面を化粧板で被覆してなる請求項4,5,6又は7記載の記載のプランター。
【請求項9】 化粧板が間伐材の板材、丸太材、半割材から選択されたものである請求項8記載のプランター。
【請求項10】 発泡スチロールパネルは密度25kg/m以上のものである請求項4,5,6,7,8又は9記載のプランター。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農作物等の栽培方法及びその栽培床並びにプランターに関し、特には農作物栽培床やプランターを発泡スチロールパネル(発泡ポリスチレン)を主体とし、軽量溝型鋼や間伐材と組み合わせることにより、断熱性に優れ作業性が良く、施肥効率の高い新規な構造とするものである。
【0002】
【従来の技術】近時、一般家庭等における園芸が普及し、庭やベランダにおいて各種の野菜、果物、花、観葉植物等の農作物や植物(以下、農作物等という)を育成することが盛んであり、ガーデニングがブームともなっている。また、自然に親しむために、家庭内に積極的に緑を取り入れることが行われている。
【0003】これらの園芸用施設や道具に関しては従来より種々のものが提供されている。その中でも家庭用としては移動可能であって、取扱が容易なプランターの需要と人気が高い。このプランターは一定容積を有する容器内に土を収容して農作物等を栽培するために用いられるものであり、家庭において手軽に使用できるように、プラスチック製のものが多く、その他に木材、コンクリートや陶器のものが普及している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来一般に提供されているプラスチック製のプランターは、素材が薄くて破損し易く、保温性、断熱性や保水性に欠け、かつ、育成できる植物も限定される。また、経年変化により劣化して破損し易く、到底長期使用に耐え得ない性質をもっている。破損したプラスチック製のプランターを安易に焼却したり、破棄することは公害問題を提起するおそれがあり、その処分に苦慮している。
【0005】一方、コンクリート製や陶器製のものは長期使用には耐え得るが、重量的にはプラスチック製のプランターに比べると極めて重くなるという欠点がある。そのため、管理容易で手入れが行き届く農作物等の栽培方法及びプランターが求められている。
【0006】また、家庭の庭や畑において、或いは農家の畑において農作物等を栽培するにはまず第1に土壌が肝要であり、有機栽培等に始め種種の改良が試みられている。しかしながら、如何に畑の土壌を改良しようと周辺の土壌の農薬、化学肥料、雑菌や病原菌からの影響を避けることはできない。よって、畑等の地表面で直接栽培をする場合においても周辺の土壌から影響を受けない隔離された環境を作り出すことが期待されている。
【0007】諸雑菌や病原菌を除去した土壌が園芸用品店等で販売されている現代にあっては、この意味でプランターは格好の手段であるが、既存のプランターでは必要な栽培面積を確保するためにはプランターの数を大量に増やさなければならない面倒があり、全く実用性に欠ける。
【0008】そこで、本発明は上記事情に鑑みて、病原菌等から隔離された農作物の栽培、及び管理容易で手入れの行き届く、農作物等の栽培方法及びその栽培床並びにプランターを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するために、地表面の所要区画の周囲を発泡スチロールパネルの枠体で囲み、枠体内に周囲の地表面よりも高く土壌を収納して枠体内で農作物等を栽培する農作物等の栽培方法、及び地表面の所要区画の周囲を発泡スチロールパネルの枠体で囲み、枠体内の地表面に発泡スチロールパネルの底板を敷き詰め、底板上に地表面よりも高く土壌を収納して枠体内で農作物等を栽培する農作物等の栽培方法を提供する。また、複数枚の矩形状の発泡スチロールパネルで所要区画の地表面を囲む枠体を形成し、枠体内で排水孔を有する発泡スチロールパネルの底板を地表面に敷き詰め、その底板上に土壌を載置し収容してなる栽培床を提供する。
【0010】また、矩形状の発泡スチロールパネルを複数枚連結して枠体を形成し、対向する発泡スチロールパネルの下端部を一定間隔で複数の幅止具で連結し、幅止具の上に排水孔を有する発泡スチロールパネルの底板を敷設してなるプランター、矩形状の発泡スチロールパネルの上端部及び下端部に被冠部材を装着したものを複数枚連結して枠体を形成し、対向する発泡スチロールパネルの下端部の被冠部材間を一定間隔で複数の幅止具で連結し、幅止具の上に排水孔を有する発泡スチロールパネルの底板を敷設してなるプランター、及び矩形状の発泡スチロールパネルの上端部及び下端部に軽量溝型鋼を被冠したものを複数枚連結して枠体を形成し、対向する発泡スチロールパネルの下端部の軽量溝型鋼間を一定間隔で複数の幅止具で連結し、幅止具の上に排水孔を有する発泡スチロールパネルの底板を敷設してなるプランターを提供する。そして、上端部及び下端部の軽量溝型鋼を補強板で連結する構成、枠体の外側面を化粧板で被覆する構成、化粧板が間伐材の板材、丸太材、半割材から選択されたものである構成、発泡スチロールパネルは密度25kg/m以上のものである構成を提供する。
【0011】したがって、本発明によれば地表面から隔離された枠体内で農作物等を栽培できるため、地表面の諸雑菌や病原菌、更には周囲の畑の農薬、化学肥料等に影響を受けることのない、管理容易で手入れの行き届く農作物等の栽培を可能にする。また、発泡スチロールパネルを用いた枠体であるから、組み立て解体が容易で、その労力の負担も軽く、定置場所の変更等が容易である。
【0012】枠体の素材が発泡スチロールパネルからなるので、きわめて軽量な素材で所要面積の枠体を迅速に、労力負担少なく組み立て又は解体することができ、しかも、断熱性、保温力に優れるので農作物等の栽培に適した環境を維持することができる。また、発泡スチロールパネルに密度の高いものを使用し、更に補強板を用いるので耐久性が向上して、繰り返し使用に耐えることができる。さらに、発泡スチロールパネルが露出するのを間伐材の板材、丸太材、半割材からなる化粧板で覆うことによりプランターそのものを自然志向型の環境に優しいものとすることができる。更に、一般に市販されているサイズが限定されたプランターに比べ、所望のサイズの、特に大型のプランターを提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる農作物栽培方法及びその栽培床並びにプランターの実施の形態を図に基づき説明する。図1から図4において、1は本発明にかかるプランターあるいは栽培床(以下、プランターという)である。本発明において、プランターと栽培床は同一の構成を有するものであり、地表面に直接構築して定着しているものが栽培床であり、移動可能な構成を有するものがプランターである。
【0014】図1は本発明にかかるプランター1に土壌12を収納した状態を一部破断して示す斜視図であり、図2は化粧板9を装着する前の状態を示す斜視図、図3は図1の短辺方向の断面図、図4は図1の長辺方向の断面図である。図において2,2aは発泡スチロールパネルであり、矩形状の形態を有し、それぞれ所定の長さと高さ寸法を有している。図示例では発泡スチロールパネル2は発泡スチロールパネル2aより長いものを使用している。
【0015】この矩形状の発泡スチロールパネル2の下端部に被冠部材としての下側の軽量溝型鋼3aを、上端部に被冠部材としての上側の軽量溝型鋼3bを、それぞれその凹部に発泡スチロールパネル2を嵌合させて被冠させるとともに、所定間隔で対向させて配置する。同様に矩形状の発泡スチロールパネル2aの下端部に被冠部材としての下側の軽量溝型鋼4aを、上端部に被冠部材としての上側の軽量溝型鋼4bを、それぞれその凹部に発泡スチロールパネル2aを嵌合させて被冠させるとともに、前記対向配置した発泡スチロールパネル2の開放両端部に配置して、長方体状の枠体20を形成し、その接合部をビス等の適宜の固体手段で固定する。なお、発泡スチロールパネル2,2aのサイズは製作するプランターのサイズによって選択すれば良く、サイズによって1枚の長尺の物を使用するか、複数の物を連結して使用するかを選択すればよい。また、被冠部材としては軽量溝型鋼によることなく、その他の塩ビ、プラスチック等の任意の素材を使用することが可能である。
【0016】次に直交して配置された発泡スチロールパネル2,2aの接合部であるコーナー部の上面に、L型のコーナー用補強金具5をビス6で固着して枠体20を補強する。更に、発泡スチロールパネル2の上下に対向して位置する軽量溝型鋼3a,3b間、及び発泡スチロールパネル2aの上下に対向して位置する軽量溝型鋼4a,4b間に補強板8を固定する。この補強板8は図3,図4に示すように、上下方向の両端部を軽量溝型鋼3a,3b,4a,4bの間に挿入して固定する。その場合は発泡スチロールパネルの肉厚は軽量溝型鋼3a,3b,4a,4bの溝幅より小さいものとしておく。或いは、ビス等の固定具を使用して発泡スチロールパネル2,2aに固定してもよい。
【0017】更に、対向して配置されている発泡スチロールパネル2,2の下側の軽量溝型鋼3a,3a間を一定間隔で複数の幅止具7で連結し、この幅止具7の上に排水孔11aを有する発泡スチロールパネルの底板11を敷設する。幅止具は軽量溝型鋼を使用し、その凹部を下にして使用すればよいが、特に形状・素材に限定はなく、幅止の機能を果たすものであればよい。次に枠体の外側面、即ち発泡スチロールパネル2,2aの外周面及び上側の軽量溝型鋼3b,4bの上面に木材からなる化粧板9を固定部材10で固着して本発明にかかるプランター1が完成する。また、対向して配置されている発泡スチロールパネル2,2の中間部等の適宜の高さ位置にボルト等の支持部材を掛け渡し、その上に発泡スチロールパネルの底板11を敷設することもできる。この構成によれば、使用する土壌12の量が必要最小限で良く、また、土壌12の高さ位置を自由に設定することが可能である。更には幅止具7の下部等にキャスター等の移動手段を装備することも適当である。
【0018】発泡スチロールパネル2,2a及び底板11としては収納した土壌の圧力に耐えるため、所要の強度が要求される。そこで、発泡スチロールパネル2,2a及び底板11としては密度25kg/m以上のものを使用するのが適当である。実施例として、密度63.1kg/m、圧縮強度3.59kgf/cm、曲げ強度72.8kgf/cm、吸水率0.24g/100cmの物性を有するものを使用したが、プランターとして十分の強度を有していた。この実施例の発泡スチロールパネル2,2a及び底板11は従来の藁による畳床に代わる発泡スチロール製畳床として知られる高密度の硬質のものである。更に、発泡スチロールパネル2,2a及び底板11内に補強のためにポリスチレンネット、メッシュ金網等の補強材を一又は複数介挿したものを使用することもできる。
【0019】次に本発明にかかる栽培床について説明する。栽培床の構成は前記プランター1と同一の構成であり、プランター1を栽培床1とすれば同一構成となるので、その説明は省略する。この栽培床1は庭や農地の畑に定着物として構築するものであり、プランター1よりも規模が大きく、移動できない。
【0020】そこで、本発明にかかるプランター1の使用方法について説明する。プランター1内の底板11の上に必要な土壌12を収納し、屋外屋内を問わず所望の場所に設置して農作物等の栽培を楽しむことができる。土壌12としては諸雑菌や病原菌を排除した土壌が園芸用品店等で市販されているので、これを用いることができ、それにより一般人でも諸雑菌や病原菌に犯されない植物の育成ができるので、園芸を長期に亘り楽しむことができる。
【0021】一方、栽培床として使用する場合も庭や農地の畑に定着させて周囲の地表面よりも高くなるように所望の高さまで土壌12を収納して、農作物等を栽培する。この高さは腰を屈める必要がないなどの農作業等を容易とするのに適した高さとする。これにより、地表面に存する諸雑菌や病原菌等から隔離して適性に植物を栽培することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、地表面から隔離されたプランターや栽培床で農作物等を栽培できるから、地表面の諸雑菌や病原菌に煩わされることのない、管理容易で手入れの行き届く植物栽培を可能にする。また、発泡スチロールパネルを用いているため、軽量な素材で組み立て解体が容易で、その労力の負担も軽く、定置場所の変更等が容易である。
【0023】また、発泡スチロールパネルを使用することにより、従来の木製等の囲いに較べて格段に軽量化することができ、取り扱いが容易であると共に、現場で所望の形状に切断加工をすることができる。また、断熱性が高く、周囲の環境の影響を受けにくい。さらに、周囲の土壌と隔離されるため、病原菌の影響を受けにくく、更に施肥効果も高い。
【0024】発泡スチロールパネルであるため、繰り返しての再使用が可能であり、持ち運びが容易であって、組立て労力の軽減,作業時間の短縮,現場加工が容易となる。発泡スチロールパネルとして畳床として使用されている硬質のものを使用することにより、栽培床及びプランターとして要求される強度を実現すると共に、土壌の圧力にも耐えることができる。さらに、発泡スチロールパネルを軽量溝型鋼によって被冠したので、栽培床及びプランターの施工を容易とすると共に、発泡スチロールパネルを補強して栽培床及びプランターとして要求される強度、繰り返しての使用を可能とし、取り扱い性を高める。
【0025】さらに、発泡スチロールパネルを底板として敷設することにより、栽培床とした場合に周囲の土壌と隔離することができる。また、組み立て解体が容易であるから、繰り返しての使用が容易であり、また、土壌の表面は、地表面から所要の高さに設定できるので、農作業は腰をかがめないで出来る利点があり、管理容易で手入れが行き届く。さらに、枠体内の底板としては畳床に使用される硬質の発泡ポリスチレンを用いることにより、その強度が高いので土壌の重圧にも耐えることができる。また、枠体を構成する発泡ポリスチレンからなる板体の下端部を軽量溝型鋼により補強したので、枠体を組み立てる際に施工が簡便容易となり、プランターとして要求される強度を維持でき、また、繰り返し使用の耐久性にも優れる。
【0026】そして、発泡スチロールパネルが露出するのを木材の化粧板で覆うことにより、見栄えが向上し環境になじむことができる。また、化粧板は間伐材等の木材板を用いることにより、間伐材は林業にあっては廃材としているので、その有効利用が図れる。
【出願人】 【識別番号】399030886
【氏名又は名称】楠見 英敏
【出願日】 平成12年5月10日(2000.5.10)
【代理人】 【識別番号】100085648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 幹人
【公開番号】 特開2001−314128(P2001−314128A)
【公開日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願番号】 特願2000−136778(P2000−136778)