トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 温室・ハウスにおける炭酸ガス供給装置
【発明者】 【氏名】山本 惣一

【氏名】山口 達也

【要約】 【課題】温室内の栽培作物に対する炭酸ガスの供給を、ボンベと暖房施設のボイラーの燃焼排ガスを利用する手段とを、組合わせて行なうことで、運転経費の低減を図る。

【解決手段】給湯式ボイラー1の燃焼排ガスの一部を、煙突10に設けた分岐管5とそれに吸気口が接続する吸引ファン6により引き出すとともにその分岐管の途中に接続しておく空気取入管7の空気取入口から取込む外気により稀釈し、所定の炭酸ガス濃度の導入空気として吸引ファンの吐風口から送気管を介し温室内に送給するようにし、日中の室温の上昇でボイラーの作動が停止して温室内の炭酸ガス濃度が低下してきたときに、それを検出する炭酸ガスセンサS3の作動によりボンベ8の放出管に設けた電動弁SVが開弁するよう制御させ、炭酸ガスを前記空気取入口に放出させて、外気で所定濃度に稀釈して温室内に送給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 温室・ハウスの室内の暖房用の給湯式ボイラーの燃焼排ガスの一部を、そのボイラーの煙突に設けた分岐管とそれに吸気口が接続する吸引ファンにより引き出すとともにその分岐管の途中に接続しておく空気取入管の空気取入口から取込む外気により稀釈し、所定の炭酸ガス濃度の導入空気として吸引ファンの吐風口から送気管を介し温室内に送給するようにし、日中の日差しによる室温の上昇でボイラーの作動が停止して温室内の炭酸ガス濃度が低下してきたときに、それを検出する炭酸ガスセンサの作動によりボンベの放出管に設けた電動弁が開弁するよう制御させ、その放出管の放出口から炭酸ガスを前記空気取入口に放出させて、前述吸引ファンの作動により外気で所定濃度に稀釈して温室内に送給するようにしたことを特徴とする温室・ハウスにおける炭酸ガス供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、温室・ハウス内で栽培する作物の実の肥大、作物自身の活性化を図り生産性を向上させるために、温室・ハウス内の栽培作物に対し炭酸ガスを供給して作物に施用する栽培技術において、その炭酸ガスを温室・ハウス内に送給する炭酸ガス供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】温室・ハウスでの作物の栽培は、通常、外部に対し、締め切った室内において作物を生育させることから、室内の空気中における作物の生育に必要な炭酸ガスの濃度の影響を受ける。
【0003】炭酸ガスは、大気中に通常320ppm程度の量で存在するが、これ以上の濃度に存在させることで、作物を活性化して生育をよくする効果が現れることが判り、また、600ppm程度の炭酸ガス濃度となるまでは、濃度を増大させていくに従って効果が現れ、600mmpを越すと効果の向上はなく、一定の効果を奏するだけとなるが、支障を生ぜしめるようにはならないことが判ってきた。
【0004】そこで、生産性を向上させるために、温室内で栽培する作物に対し炭酸ガスを積極的に施用する栽培技術が普及しはじめてきている。
【0005】この炭酸ガスを温室内の栽培作物に施用する手段としては、高圧に圧縮した炭酸ガスが封入されたボンベを温室内に設置して、そのボンベの口から、レギュレータを介し一定量ずつ炭酸ガスを温室内に放出させることで、温室内に栽培されている作物に対し炭酸ガスを大気中の濃度以上に供給していく手段がある。
【0006】また、プロパンガス等のガス燃料を燃焼させるバーナーを組込んだボイラーにより沸かした湯を配管により温室内に循環させて温室内を暖房する暖房施設の、ボイラーの燃焼排ガスを利用して、その燃焼排ガスを大気で稀釈し、炭酸ガスが600ppm程度の導入空気とし、それを温室内に吹き込むことで炭酸ガスを温室内の作物に対し供給する手段がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】温室内の栽培作物の生産性の向上を図るために炭酸ガスを施用する栽培技術において、従前の炭酸ガスの供給手段は、炭酸ガスを封入したボンベを温室内に設置して、それから炭酸ガスを放出させる手段にあっては、ボンベに詰められた炭酸ガスが1kg当たり100円程度と高く、年間で反当たり100万円程度になることで、運転経費がかかる問題がある。
【0008】また、温室の暖房施設のボイラーの燃焼排ガスを利用する手段にあっては、炭酸ガスを購入する費用が不要で、炭酸ガス供給のための運転経費は著しく低減させ得るが、温室内の室温が寒冷期であっても好天の日中は日照によりボイラーを作動させないでも所定温度範囲に室温を保持せしめ得ることで、ボイラーが日中の半分程しか稼働しないようになることから、このボイラーが稼働しない時期に炭酸ガスの補給が絶え、しかも、ボイラーの稼働が停止する日中の日差しのある時期に、作物の炭酸ガスの要求が多くなることで、炭酸ガスの不足をきたすようになる問題がある。
【0009】本発明は、従前手段に生じている上述の問題を解消するためになされたものであって、ボンベからの炭酸ガスの放出手段と暖房施設のボイラーの燃焼排ガスを利用して炭酸ガスを供給する手段とを、ボイラーの稼働が停止したときにボンベから炭酸ガスの放出が行なわれるように組合わせることで、炭酸ガスの購入による運転経費の低減を図りながら暖房施設のボイラーの稼働が停止する日中の日差しのある時期における炭酸ガスの不足が生じないようにする新たな手段を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そして、本発明においては、牛の目的を達成するための手段として、温室・ハウスの室内の暖房用の給湯式ボイラーの燃焼排ガスの一部を、そのボイラーの煙突に設けた分岐管とそれに吸気口が接続する吸引ファンにより引き出すとともにその分岐管の途中に接続しておく空気取入管の空気取入口から取込む外気により稀釈し、所定の炭酸ガス濃度の導入空気として吸引ファンの吐風口から送気管を介し温室内に送給するようにし、日中の日差しによる室温の上昇でボイラーの作動が停止して温室内の炭酸ガス濃度が低下してきたときに、それを検出する炭酸ガスセンサの作動によりボンベの放出管に設けた電動弁が開弁するよう制御させ、その放出管の放出口から炭酸ガスを前記空気取入口に放出させて、前述吸引ファンの作動により外気で所定濃度に稀釈して温室内に送給するようにしたことを特徴とする温室・ハウスにおける炭酸ガス供給装置を提起するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による温室・ハウスにおける炭酸ガスの供給手段は、ボイラーで沸かした湯を配管により温室・ハウスの室内に配設した熱交換器に循環させることで、温室・ハウスの室内の暖房を行なう給湯式の暖房施設のボイラーの燃焼排ガスを利用して、それを大気により稀釈して温室・ハウス内に導入する手段と、高圧に圧縮されてボンベに填められている炭酸ガスを購入し、そのボンベが封入されている炭酸ガスを放出させて温室内の栽培作物に供給する手段との二つの手段を組合わせて用いる。
【0012】これに用いる給湯式の暖房施設のボイラーは、それの湯を沸かすバーナーが、ガス燃料を燃焼させる形態のものとする。
【0013】そして、そのボイラーの、バーナで燃焼させたガス燃料のガス燃焼排ガスを大気に排出させる煙突には、それの途中に分岐管を連結して、その分岐管の先端側に吸引ファンの吸気口を接続し、その吸引ファンの作動により煙突から排出される燃焼排ガスの一部を吸引して吐風口から吐出させるようにするが、この分岐管の途中には、開度が自在に調節されるダンパーと絞りとを設け、かつ、これらダンパー・絞りよりも吸引ファンの吸気口に寄る部位に、大気に開放する空気取入管を接続しておいて、吸引ファンにより煙突内から吸引する燃焼排ガスを空気取入管から取込む空気により所望の割合に稀釈して、吸引ファンの吐風口から吐出するようにし、これを吐風口に接続する送気管により温室内に導き、そこに放出するようにする。
【0014】また、炭酸ガスが填められているボンベからの炭酸ガスの放出は、ボンベの口に接続する放出管に電磁バルブ等の電動弁とレギュレーターを接続して、その放出管の先端の炭酸ガスの放出口を、前述の煙突から燃焼排ガスの一部を引き出す分岐管に接続した空気取入管の空気取入口に臨ませ、電動弁の開放により、放出管の放出口から放出される炭酸ガスの生ガスが、空気取入口から吸引ファンに取り込まれる空気と共に吸引されて、所定の濃度に稀釈され、吸引ファンの送風口に接続する送気管を経て温室内に導入されていくようにする。
【0015】また、温室内には、室温を検出する温度センサと、炭酸ガス濃度を検出する炭酸ガスセンサとを設けておき、その温度センサによる室温の検出作動によりボイラーの作動のオン・オフと、これに連動して、吸引ファンの駆動用のモーターの作動のオン・オフとを制御させ、炭酸ガスセンサによる温室内の炭酸ガス濃度の検出作動により、ボンベの放出管に設けた電動弁が開弁に作動し、同時に吸引ファンの駆動用のモーターがオンに作動するよう制御させる。
【0016】そして、これにより、室温の上昇でボイラーの作動が停止して、温室内の炭酸ガス濃度が低下してくると、バルブが開いて炭酸ガスがボンベから放出され、吸引ファンの作動により送気管を経て、所定の炭酸ガス濃度の空気となって温室内に導入されるようにする。
【0017】
【実施例】次に実施例を図面に従い説明する。図1は本発明手段の実施に用いる温室・ハウスにおける炭酸ガスの供給装置の一部破断して展開した説明図で、同図において、1はボイラー、2は温室を示す。
【0018】ボイラー1はプロパンガス等のガス燃料を燃焼させるバーナーを組込んだ温水ボイラーであり、10はそのバーナーの燃焼排ガスを大気に放出する煙突である。
【0019】3はボイラー1により沸かした湯を、温室2内に配設せる熱交換器20に循環させる給湯配管で、ポンプPにより湯を送り出す給湯側配管30と戻り側配管31とからなる。
【0020】前記ボイラー1のバーナーの作動は、温室2内に配設しておく温度センサS1により検出される室温が、温室2の外面に装設した制御部4に設定しておく所望の温度範囲となることで、オン・オフするよう制御され、これにより温室2内の室温を所望の温度範囲に保持するようにしてある。
【0021】5は前記煙突10の途中に基端側を接続した分岐管で、それの先端側には、モーターM1により作動する吸引ファン6の吸気口6aが接続し、その吸引ファン6の吐風口6bは、送気管60を介して前記温室2内に連通させてあり、また、その吸引ファン6のモーターM1の作動は、前述の温度センサS1により制御されるバーナーの作動に連動してオン・オフ制御されるようにしてある。
【0022】50は分岐管5の基端側に寄る部位に設けたダンパーであり、それの開度はモーターM2の作動により所望に制御され、また、前述の送気管60の途中に設けたCO検出センサS2により検出されるCO濃度が3ppm以下のときに全開となるようにしてある。
【0023】51は、分岐管5の前記ダンパー50より先端側に寄る部位に設けた絞り、7はその絞り51よりさらに先端側に寄る部位において分岐管5に基端側を接続した空気取入管で先端側は空気取入口70として大気に開放させてある。
【0024】吸引ファン6を作動させて煙突10から燃焼排ガスの一部を分岐管5に引き出すときの、上述のダンパー50および絞り51ならびに空気取入管7の作動は、煙突10から引き出す燃焼排ガスの量を、空気取入管7から取込む外気の量の150〜200分の1に絞り、これにより、その排ガスを空気取入口70から取込む外気により150〜200倍に稀釈して、通常、290℃程度の温度で、CO=10.7%(107000ppm)、CO=100ppmの条件として煙突10に排出されてくる排ガスを、温度30℃、CO=600ppm、CO=0.4ppm程度の条件の導入空気とし、これを、温室2内に送給していくようにしてある。
【0025】8…は炭酸ガスが高圧に圧縮されて填められているボンベで、温室2の外部に設置してある前述のボイラー1の近傍位置に、並列させて設置してあり、各ボンベ8…の口には、放出管80がカップラー81…を介し接続してある。その放出管80は、それの先端の放出口82が、前述の分岐管5に接続する空気取入管7の空気取入口70に臨ませてあり、かつ、途中には、モーターM3の作動により開閉作動する電動弁SVとレギュレター84が接続してあって、その電動弁SVの開弁作動により、先端の放出口82から所定の量に調整された炭酸ガスが、分岐管5の空気取入口6aに放出されていくようにしてある。
【0026】そして、前述の電動弁SVは、温室2内に配設しておく炭酸ガスの濃度を検出する炭酸ガスセンサS3により検出される検出値が、前述の制御部4に所望に設定しておく炭酸ガス濃度以下に低下してきたことを検出したときに、その制御部に設けられる制御回路によって開弁作動を行なうように制御される。このとき、分岐管5に吸引口6aを接続している吸引ファン6の駆動用のモーターM1は、室温の上昇によりボイラー1の作動が停止したときに、それに連動してオフとなっていても、前述の炭酸ガスセンサS3が、温室内の炭酸ガス濃度の低下を検出することで、その検出信号を要求信号としてオンに作動するように制御しておく。
【0027】これにより、この実施例は、温室2内の室温が、ボイラー1の作動により沸かされて循環する湯によって、所定の温度範囲に保持されているときは、そのボイラー1の煙突10に排出されるバーナーの燃焼排ガスの一部を吸引ファン6により引き出して空気取入口70から取込む外気で稀釈し、炭酸ガス濃度が600ppm程度の条件の導入空気として温室2内に送給されていき、日中の日差しにより室温の上昇で、ボイラー1の作動がオフとなり、このときの日中の作動の旺盛な活動により室内の炭酸ガスの量が低下してくると、炭酸ガスセンサS3の検出作動により電動弁SVが開弁してボンベ8内の炭酸ガスが、ボイラー1の排ガスを稀釈するための空気取入管7の空気取入口70に放出され、吸引ファン6の作動により外気と共に吸引されて所定の濃度に稀釈された空気となって、送気管60を介して温室2内に送給されていき、炭酸ガスの補給と共に室温を外気により降下させ、ボイラー1の作動時期を早めるようにする。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明による温室・ハウスにおける栽培作物に対する炭酸ガスの供給手段は、常態においては、温室・ハウスの室内の暖房用の給湯式ボイラーの燃焼排ガスの一部を、そのボイラーの煙突に設けた分岐管とそれに接続する吸引ファンにより引き出して、分岐管に設けた空気取入管から取込む外気により稀釈し、所定の炭酸ガス濃度の導入空気として吸引ファンの吐風口に接続する送気管を介し温室内に送給していき、日中の日差しによる室温の上昇でボイラーの作動が停止して、温室内の炭酸ガス濃度が低下してきたときには、温室内に設けたおく炭酸ガスセンサによる制御作動で、電動弁が開弁してボンベ内の炭酸ガスが、前述の分岐管に設けた空気取入口に放出されて、それを前述の吸引ファンにより外気と共に吸引し、その炭酸ガスを所定濃度の導入空気に稀釈して前述の送気管を介し温室内に送給していくようにしているのだから、炭酸ガスを、購入にコストのかからないボイラーの燃焼排ガスの利用により温室内の栽培作物に対し送給するようにしながら、そのボイラーの稼働が停止する日中の日差しのある時期における炭酸ガスの不足が解消でき、しかも、ボンベに詰められている炭酸ガスを購入してそれを用いることによる運転経費の負担を著しく低減し、かつ、ボンベから放出させる生の炭酸ガスを所定濃度に稀釈して温室内に送給するのが、適確に行なえるようになる。
【出願人】 【識別番号】000144898
【氏名又は名称】株式会社山本製作所
【出願日】 平成12年4月13日(2000.4.13)
【代理人】 【識別番号】100065053
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 和郎
【公開番号】 特開2001−292641(P2001−292641A)
【公開日】 平成13年10月23日(2001.10.23)
【出願番号】 特願2000−111619(P2000−111619)