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【発明の名称】 先端葉の切断装置
【発明者】 【氏名】和田 俊郎

【氏名】嶌田 晃

【氏名】平井 宏典

【氏名】猪狩 満夫

【要約】 【課題】育苗トレイで育苗した苗が伸び過ぎた時に先端葉を機械的に切断するが、育苗トレイ両側の苗の葉は倒れ易く、その倒れた葉を切断することは難しかった。

【解決手段】走行輪13を支承した機体フレーム12上に前後を開口した筐体31を横設し、該筐体の底板27の前部に刈刃32を配置し、筐体の後部に収納容器43を配置するとともに、前記刈刃の前方に送風機からの風を筐体内部側へ吐出する複数の吐出口を配置し、この吐出された空気流により切断葉を筐体内部へ投入するようにした切断装置において、前記筐体の両側下方に送風機に連通される起し用吐出管40を配置し、該起し用吐出管の吐出口を被切断物の両側部の下方から刈刃上方に向けて吐出するように配置し、該起し用吐出管の基端部を、前記左右方向に複数配置した吐出口の左右両側端に位置する吐出口と連通し、該起し用吐出管をガイド板36に取り付けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行輪を支承した機体フレーム上に前後を開口した筐体を横設し、該筐体の底板の前部に刈刃を配置し、筐体の後部に収納容器を配置するとともに、前記刈刃の前方に送風機からの風を筐体内部側へ吐出する複数の吐出口を配置し、この吐出された空気流により切断葉を筐体内部へ投入するようにした切断装置において、前記筐体の両側下方に送風機に連通される起し用吐出管を配置し、該起し用吐出管の吐出口を被切断物の両側部の下方から刈刃上方に向けて吐出するように配置したことを特徴とする先端葉の切断装置。
【請求項2】 前記起し用吐出管の基端部を、前記左右方向に複数配置した吐出口の左右両側端に位置する吐出口と連通したことを特徴とする請求項1記載の先端葉の切断装置。
【請求項3】 前記起し用吐出管を前記筐体の両側から前外側方へ延設した葉部を寄せるガイド板に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の先端葉の切断装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苗床や育苗トレイ等で育苗した花卉、野菜等の植物の葉部を、所定の丈に切断する切断装置において、倒伏葉を引き起こしてその先端部を切断するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圃場に栽培されているチューリップのような花卉、野菜等の植物を一定高さ位置で摘採して収容袋に収容するようにした植物摘採装置の構成は公知となっている。例えば、実公平4−55478号公報の技術である。この技術は、前後を開口し左右方向に長く延びる薄型筺体の底板前端部にバリカン状の往復刈刃を横設し、この刈刃の前方斜め上方に筺体の左右方向に沿って送風管を横架して、該送風管の一端を筺体の一側方に設けた原動機により駆動される送風機に連通させ、送風管には先端が筺体内方向に指向する多数の吹出し小管を設け、上記筺体の後部開口部に袋載置台に載置されて摘採物を収容する収容袋を着脱自在に装着し、上記刈刃より後方のフレ−ムに左右一対の車輪を設け、上記車輪を設けたフレ−ムから機体前方に突出する操作ハンドルを上下回動可能に設け、このハンドルを上下動することにより刈刃の摘採高さを調節するように構成していた。そして、植物摘採機により植物摘採作業を行うときは、作業者が操作ハンドルを手で握って後退しながら機体の前後バランスを確保しつつ、摘採すべき植物の摘採高さに合わせて操作ハンドルにより刈刃を上下動させ、摘採高さを微調整するようにしている。また、収容袋を載置する袋載置台は、ネジなどにより機体に固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ネギ等の細長い葉を有する植物では、一定以上の葉丈を越えると倒れ易くなり、特に、育苗トレイで育苗した場合には、トレイ外周の葉は周囲で支え合う葉がないので倒れ易かったのである。この倒れた葉を有するトレイの状態のまま切断装置によって切断すると、倒れた葉は切断することができず、移植機を用いて移植するときには、長い葉が搬送装置や移植部等で絡まり、詰まりの原因となったり、適性に移植されても長過ぎるために、途中で折れて生育が悪くなったり、規格外となって商品とならなかったりしていたのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決すべき課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。請求項1においては、走行輪を支承した機体フレーム上に前後を開口した筐体を横設し、該筐体の底板の前部に刈刃を配置し、筐体の後部に収納容器を配置するとともに、前記刈刃の前方に送風機からの風を筐体内部側へ吐出する複数の吐出口を配置し、この吐出された空気流により切断葉を筐体内部へ投入するようにした切断装置において、前記筐体の両側下方に送風機に連通される起し用吐出管を配置し、該起し用吐出管の吐出口を被切断物の両側部の下方から刈刃上方に向けて吐出するように配置したものである。
【0005】また、請求項2においては、前記起し用吐出管の基端部を、前記左右方向に複数配置した吐出口の左右両側端に位置する吐出口と連通したものである。
【0006】また、請求項3においては、前記起し用吐出管を前記筐体の両側から前外側方へ延設した葉部を寄せるガイド板に取り付けたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を解決するための手段は以上の如くであり、次に本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の先端葉の切断装置の全体平面図、図2は同じく正面図、図3は同じく側面断面図、図4は作業時の切断部の側面断面図、図5はゲージ輪の他の実施例を示す正面図である。
【0008】図1、図2、図3において、先端葉切断装置の全体的な構成から説明する。本発明の先端葉切断装置1は走行部2と切断部3と収納部4と駆動部5からなり、それぞれ進行方向に向かって左右水平方向に配置した機体フレーム12に取り付けられる。前記走行部2は機体フレーム12の両側に左右一対配置して支承された走行輪13・13と一側の走行輪13の前方に配置されたゲージ輪14からなり、該走行輪13は車輪支持杆15に支持され、該車輪支持杆15の上部は支持パイプ16に挿入されてピンまたはボルト等の固定具で固定され、高さ調節できるようにしている。進行方向左側の支持パイプ16からは内側方に横杆17が突設され、機体フレーム12に設けたパイプに挿入してピンまたはボルト等の固定具で固定され、左右幅調節可能としている。
【0009】また、前記左右一側の車輪支持杆15より支持フレーム19が前方に突設され、該支持フレーム19先端に取付フレーム20の上部が枢支され、該取付フレーム20の下端にゲージ輪14が軸支され、該取付フレーム20と支持フレーム19の間にはバネ付勢された連結杆21が連結されて、ゲージ輪14が上下に揺動可能に支持している。こうして、後述するハンドル25を持って切断作業を行う時に、該ハンドル25を上下させることによって刈り高さを調節することができるのである。
【0010】但し、前記ゲージ輪14は図5に示すように、育苗トレイ6の縁部上を転動する構成とすることもできる。つまり、取付フレーム20’の先端にゲージ輪14’を回転自在に支持し、該取付フレーム20’は支持フレーム19’に左右位置調整可能に取付られ、該支持フレーム19’の上部は機体フレーム12より延設した支持体24に上下位置調整可能に取り付けられる。こうして、ゲージ輪14’を育苗トレイ6の縁部上を走行させることで、苗7は一定長さに切断することができ、圃場の凹凸に影響されることがなく、ゲージ輪14’の高さを最初に設定すれば、ハンドル25を上下させて高さを調節する必要がない。なお、ゲージ輪14’の代わりにソリを配置することも可能である。また、路上走行等を容易とするために前記ゲージ輪14のような補助輪を設けることも可能であり、また、三輪に限定することなく、四輪とすることもでき、また、操向を容易とするためにキャスター輪とすることもできる。なお、上下調節や左右調節の構造は限定するものではなく、ノブネジで固定したり、ハンドルの回動でネジ杆を伸縮させることもでき、また、シリンダー等のアクチュエーターを用いて伸縮させる構成とすることもできる。
【0011】前記機体フレーム12の走行輪13及びゲージ輪14が配置される側の側端部には、ハンドル支持杆22の後端が固着されて前方に延設され、該ハンドル支持杆22の前端部に上下回動機構23を介してハンドル25の前端が取り付けられ、該上下回動機構23によってハンドル25を上下回動して身長や操作位置に合わせて高さを変更して固定できるようにしている。
【0012】前記機体フレーム12の前側上部には、左右水平方向に配置した底板27と上板28と、上下方向に配置した左右の側板29・30により、前後を貫通開口した正面視長方形状の筺体31を設け、この筺体31の底板27の前下部にバリカン式の刈刃32を横設して切断部3としている。また、前記筺体31の左右一側上に駆動源としてエンジン9が載置され、該エンジン9の出力軸がファンケース34内を貫通して、ファンケース34内の出力軸上に羽根を取り付けて送風機とし、該出力軸の先端から伝動軸や減速機構等を介して前記刈刃32を駆動する構成とし、駆動部5を構成している。なお、前記出力軸には更にミッションケースを介して走行輪13を駆動する構成とすることもできる。
【0013】そして、前記送風機を構成するファンケース34の送風口34aにダクト33の一端が連通され、他端は閉じられて、左右水平方向に筐体31の前上部に配置される。前記ダクト33の略下面より後下方に枝管35・35・・・が複数平行に突出され、正面視で櫛状に配置して、その先端を吐出口35aとして、該吐出口35aから吐出する風が筺体31内方向に指向するように配置している。そして、前記刈刃32の左右両側端部には、育苗トレイ6両側の苗7を刈刃32側に寄せる一対のガイド板36・36が側板29・30より斜め前外下方に突設されている。更に、本発明の起し用吐出管40・40がガイド板36・36に支持され、該起し用吐出管40・40の先端部はガイド板36・36の前下部において、その吐出方向が図3に示すように、育苗トレイ6の左右両側から内上方に向かって、刈刃32の上方を狙って吐出するように配置され、この吐出風はガイド板36・36に沿って流れ、倒れた葉を起き上がらせるようにしている。
【0014】また、前記起し用吐出管40・40の基部側は前記ダクト33に設けた枝管35・35・・・のうち、左右両端の枝管35・35に連通されている。こうして新たに送風源や吐出口を設ける必要がなく、従来使用されていた枝管35・35を利用して引起し作用を発生させることができる。但し、育苗トレイ6の幅が狭い仕様の場合には、育苗トレイ6の両側位置に合わせて起し用吐出管40を枝管35に接続し、不要な外側の枝管は栓をして止め、ガイド板36・36もトレイの幅に合わせて付け替えるようにする。そして、残りの枝管35・35・・・の先端は略平行に配置して、筺体31(底板27と上板28と側板29・30で囲まれた空間)内部を向くように後水平方向に突出され、前記刈刃32によって切断した後の先端葉を後述する収納容器43内に吹き飛ばすようにしている。
【0015】前記筺体31の後方には載置台37が設けられ、該載置台37は前記筺体31の底板27の後部に固定され、該載置台37の左右両側部には、一対の支持ステー39の一端が枢着され、この支持ステー39の他端部を機体フレーム2に支持している。こうして載置台37を水平に支持固定している。但し、載置台37を上方へ回動して、或いは着脱可能とすることもできる。
【0016】前記載置台37上に収納容器43が載置され、該収納容器43は網等の通気性のある袋または箱より構成して、空気は通過するが切断後の葉は集めることができるようにして、前端の開口部を筐体31の後部開口に嵌め込み固定する構成としている。また、収納容器43の後部も開放できるように構成しており、作業終了時に後端を開口することによって容易に排出できるようにしている。
【0017】次に、上述のように構成された先端葉切断装置1の動作について説明する。まず、走行輪13・13の車輪幅を育苗トレイ6の両側の溝に位置するように調節し、走行輪13・13とゲージ輪14の車輪高さ、即ち、刈刃32の刈り高さを調節する。そして、載置台37に収納容器43を載置して、収納容器43前端の開口部を筐体31後部の開口に嵌め込み固定する。
【0018】この状態でエンジン9を始動させ、作業者は操作ハンドル25のグリップを握ってスロットルレバーによりエンジン9の回転数を高めて刈刃32及び送風機を駆動させる。この状態で作業者は後向きで先端葉切断装置1は矢印方向に前進させ、起し用吐出管40・40からの吐出風によって、両側の苗7の葉が起こされ、ガイド板36・36によってガイドされて葉部は内方向に案内され、起こし風もガイド板36・36にガイドされて、葉部は傷つくことなく内側へ案内される。そして、刈刃32によって苗7の葉先端部が所定高さで切断され、切断後の先端葉は枝管35・35・・・から吹き出された風により筺体31内を後方に吹き飛ばされて収納容器43内に収容される。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を装するものである。請求項1の如く、走行輪を支承した機体フレーム上に前後を開口した筐体を横設し、該筐体の底板の前部に刈刃を配置し、筐体の後部に収納容器を配置するとともに、前記刈刃の前方に送風機からの風を筐体内部側へ吐出する複数の吐出口を配置し、この吐出された空気流により切断葉を筐体内部へ投入するようにした切断装置において、前記筐体の両側下方に送風機に連通される起し用吐出管を配置し、該起し用吐出管の吐出口を被切断物の両側部の下方から刈刃上方に向けて吐出するように配置したので、被切断物の両側部に位置する葉は側方に広がろうとし、長く伸びると折れ曲がることがあるが、この折れ曲がった葉を送風機の風圧で起こして上方へ伸ばすことができて、この伸びた状態で葉の先端を切断することが可能となり、次の移植行程では一定の長さの苗を植えることができて、移植工程で詰まりが生じたりすることがなくなる。また、軟弱な葉であっても風の力で葉を起こすことができ、葉を傷めることがなく、移植後の苗の成長に悪影響を及ぼすことがない。更に、切断後の葉は後上方に送られて収納容器に収納されることになり、後処理も同時に行える。
【0020】請求項2の如く、前記起し用吐出管の基端部を、前記左右方向に複数配置した吐出口の左右両側端に位置する吐出口と連通したので、新たにエアー源を設ける必要がなく、コストアップは最小限で済み、配管用のホースも短く、簡単に構成できる。
【0021】請求項3の如く、前記起し用吐出管を前記筐体の両側から前外側方へ延設した葉部を寄せるためのガイド板に取り付けたので、起し用吐出管を取り付けるための支持部材を新たに設ける必要がなく、構成を簡単にでき、また、ガイド板が風のガイドにもなって葉を内側へ寄せる作用を助長することができ、有効、かつ、効率的に吐出風を利用することができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成12年4月14日(2000.4.14)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−292639(P2001−292639A)
【公開日】 平成13年10月23日(2001.10.23)
【出願番号】 特願2000−113693(P2000−113693)