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【発明の名称】 植物の栽培法
【発明者】 【氏名】柿澤 幸次

【氏名】片山 知之

【要約】 【課題】化学肥料は与えることなく有機物や有機肥料も通常必要量の20%以下に押え微生物の働きにより作物の生育を最大にし収量を向上させる。

【解決手段】無農薬、無化学肥料で1年ないし3年間光合成細菌を中心とする微生物を用いて土壌を浄化した上で無肥料ないし有機物または有機肥料を通常の作物必要量の20%以下の肥料および光合成細菌とそれをサポートする微生物を与えまたは前記細菌および微生物を活性化して与えることにより大気中の成分を植物が吸収できる肥料として活用できるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】栽培するための土壌環境を浄化し生きた土が完成した土壌において人為的に化学物質を反応させたり合成した通常の化学肥料および有機物または有機肥料を与えることなく作物を栽培することを特徴とする植物の栽培法。
【請求項2】人為的に化学物質を反応させたり合成した通常の化学肥料は与えず有機物およびまたは有機物を微生物で処理した有機肥料をそれぞれの作物に通常適量と認められている使用量の20%以下で栽培することを特徴とする植物の栽培法。
【請求項3】植物が必要とする肥料の主体は大気中の成分から微生物の働きにより植物が肥料として吸収できる形にした肥料でまかなうことを特徴とする請求項2記載の植物の栽培法。
【請求項4】請求項3記載の微生物の主なものとしては光合成細菌やその他の窒素固定菌とそれらをサポートする微生物等であることを特徴とする請求項2記載の植物の栽培法。
【請求項5】前記光合成細菌やその他の窒素固定菌とそれらをサポートする微生物を活性化して用いることを特徴とする請求項4記載の植物の栽培法。
【請求項6】作物の必要とするN(窒素)、P(燐酸)、K(加里)以外の元素は栽培する土壌およびまたは微量与える有機物または有機物を微生物で処理した有機肥料と微生物の働きにより供給することを特徴とする請求項3、4、5記載の植物の栽培法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は植物を育てる肥料の供給に関するもので、さらにこの肥料の主体は大気中の成分から微生物の働きにより植物が肥料として吸収できる形にした肥料による植物の栽培法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】植物を育てる肥料としては古くは収穫残渣の腐植や家畜の堆肥、木灰、人糞その他有機物の微生物による分解物が用いられてきた。その後、科学技術の発達とともに人為的に化学物質を反応させたり合成した化学肥料が用いられるようになってきた。化学肥料の中には、特に窒素肥料に関し空中の窒素を化学的に反応させて固定した石灰窒素や硫酸アンモニウム等も含まれている。また最近は環境保護が叫ばれるようになって、生ゴミや食品工業の廃棄物を焼却するとそのための燃料が必要となる上にダイオキシンが発生することや炭酸ガスの発生による温暖化等が問題となり、有機肥料としてリサイクルさせる方向へ動きつつある。このように植物を育てるには有機物か有機物を微生物で処理した有機肥料や、焼畑農法では木灰等かまたは化学肥料を与えなければ植物は育たない。植物の中では唯一、豆科の植物は根瘤菌の働きによりその根の中に根瘤菌が住みつき土壌に浸透していく空気から空中窒素を固定して必要量の窒素を数%から30%程度をまかなっている例がある。それでも肥料を与えなければ収量は激減してしまうので豆科の植物でさえ他の植物とほとんど変わらない量の肥料を与えているのが普通である。最近は環境汚染により根瘤菌が弱っているためその働きが低下しており根瘤菌による肥料効果はあまりなくなっている。そのため働く根瘤菌を開発して販売している例がある。例えば帯広市にある十勝農業共同組合連合会 農産化学研究所では大豆用、小豆用、その他の豆用などの根瘤菌を販売しており、菌には有効期限が付されている。確かにこれらの根瘤菌を用いて栽培すれば与える肥料を半分くらいに押さえてもその効果は大きく収量が大幅に向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記植物の栽培法にあっては植物を育てる栄養分を有機物または有機物を微生物で処理した有機肥料、木灰あるいは化学肥料を与えなければ育たないという問題点を有していた。また豆科の植物でさえ根瘤菌が弱っており人工的な根瘤菌を与えなければその効果を発揮しないばかりか、それでも肥料を50%以上与えなければ期待の収量は上がらないという問題点を有していた。さらに有機肥料での栽培ではあまり問題はないが、特に化学肥料での栽培では植物が病気にかかりやすく作物や土壌の殺菌剤が必要になったり期待の生育をさせるには植物ホルモンや生長剤、生長抑制剤、酵素等を与える必要がある等の問題点を有していた。さらにまた有機物を用いた栽培や化学肥料での栽培では害虫がつきやすいため殺虫剤を必要とし、もし殺虫剤を用いなければ作物が全滅する等の問題点を有していた。殺菌剤や殺虫剤、場合によっては植物ホルモンや酵素等は環境を汚染するばかりか農作業をする人の体を害したり、作物に付着したり浸透しているため食べる人の体に食べものと一緒に入り込み種々の病気を引き起こすという重大な問題点を有していた。また連作ができなかったり収量がなかなか上がらない等の問題点を有していた。そこで本発明は、化学肥料は全く与えず極わずかの有機物か有機肥料およびまたは空中の窒素を肥料として固定する微生物を少量与えるだけで植物を育てる、省力、省エネルギー、無害な植物の栽培法を提供することを目的とする。また本発明は化学肥料も有機物や有機肥料も人為的にはほとんど与えることなく微生物を少量与えるのみで作物を育てることができる植物の栽培法を提供することを目的とする。また本発明は殺菌剤や植物ホルモン、酵素、殺虫剤等を使用することなく作物を栽培することができる植物の栽培法を提供することを目的とする。さらにまた同じ作物を連作することを可能としたり単位面積当たりの収量を向上させる植物の栽培法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の植物の栽培法は人為的には全く肥料を与えることなく、また請求項2記載の植物の栽培法は化学肥料は与えず極わずかの有機物または有機肥料を与えることによって植物を栽培することを特徴とする。上記栽培法によれば化学肥料を不用とするので、これを製造する設備、人、電力を必要とせず無害な手段と食品ができるという効果があり有機物や有機肥料も少なくてよいのでそれらを作る手間、材料が少なくてよく、かつ重い肥料を散布するという工数も少なくてよいをいう効果を有する。また作物が病害虫に犯されないという効果を有する。請求項3記載の植物の栽培法は肥料の主体を大気中の成分から微生物の働きにより植物が肥料として吸収できる形にした肥料でまかなうことを特徴とする。上記栽培法によれば人為的な肥料をほとんど散布することなくわずかの微生物を散布するだけでよいので肥料の材料が少なくてすみその加工や散布の労力を減らすことができる等の効果を有する。また作物が病害虫に犯されないという効果を有する。請求項4、5記載の植物の栽培法は大気中の成分から植物が吸収できる肥料とするための微生物を特定しまたはその微生物を活性化して用いることを特徴とする。上記栽培法によれば大気中から多くの肥料分を固定することができる効果を有する。またこれらの微生物が長く働くための微生物の食料は植物の根から供給されるようになるので微生物の食料を人為的に与えなくてよい効果を有する。また単位面積当たりの収量を上げることができる効果を有する。請求項6記載の植物の栽培法は作物が必要とするN、P、K以外の元素は栽培する土壌およびまたは微量与える有機物または有機肥料と微生物の働きにより供給することを特徴とする。上記栽培法によれば同じ作物を連作することができるとともに、味がよく収穫後の日持ちがする、さらに本物の食料ができる等の効果を有する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施にあたっては前提条件が必要となる。実施する土壌が過去において化学肥料や除草剤を含む農薬を投入してあり化学物質で汚染されていれば本発明で使用する土着の微生物や投入微生物の働きを弱め本発明の効果が顕著に発現しない。したがって少なくとも1年から3年間は化学肥料、農薬を不使用とし、かつ微生物で処理した有機肥料を十分投入し土壌を浄化した上ではじめて実施が可能となる。有機肥料を投入した上で作物を栽培することは全く問題はなく登録された検査認証機関によって有機農産物と認められる作物ができる農地であればより好ましい。
【0006】
【実施例1】本発明をより理解しやすくするために水田の例で説明する。自然に流入する河川水や雨水として空から降ってくる水に溶解している化学物質を除いて、化学肥料や農薬を3年以上投入せず無化学肥料、無農薬、有機栽培で水稲を栽培してきた水田を試験田とした。有機肥料に用いる資材である米ぬかや菜種油かす、魚粉、カニガラ等については特にどのような経過で生産されたものかは特定していない。もし仮に化学肥料と農薬を使って栽培した米の米ぬかであったとしても微生物で長時間分解して完成した有機肥料であれば化学物質の害はほとんど生じないと考えてよい。そのことは実際に試してみて分解する前と後で明らかに微生物の弱まりが判別できる。また微生物で分解していない生の米ぬかを除草目的で使用するが、その後に投入する微生物や水田中にいる土着微生物で十分分解していると推定している。米ぬか中に分散している化学物質は極微量であり水田に散布する量に比べ食料として毎日食べ続ける場合では2桁以上の差があることであり生物体で濃縮することを考えると除草目的で散布される量は比較にならないほど微量である。実施例で使用する微生物として松本微生物研究所のオーレスC、およびサン興産業のEM2号、3号、4号を用いた。微生物のエサとして大日本明治製糖の非食用糖蜜を使用した。使用する有機肥料として第一に稲わらにクズ大豆、大豆の皮、生ゴミを混ぜオーレスCで好気発酵させたもの、第二にEMボカシとして稲わら、籾がら、米ぬか、魚粉、菜種油かす、ゴマの油かす、カニガラ、クズ大豆、大豆の皮、木炭、ルーサンペレット、クズ米を重量比で同量混合しEM2、3、4号の拡大培養液の500培液で嫌気発酵させたもの。前記拡大培養液はEM2、3、4号をそれぞれ別に50倍液(水10リットル+原液200cc)とし糖蜜も同倍液になるよう混合液とし25℃ないし35℃で1日1回攪拌しながら3〜4日以上密閉したものである。水田は元肥として稲わら堆肥を10アール当たり500キログラムとEMボカシを10アール当たり100キログラム、田植えは5月25日前後に行い田植え後に除草目的で生の米ぬかを10アール当たり100キログラム散布、その後はEM拡大培養液のさらに400倍拡大液(水100リットル+培養液250cc+糖蜜250cc)を作り10アール当たり100リットルを10日ごとに6回流し込んで秋を迎えた。稲の品種はあきたこまちを用いて試験した結果は10アール当たり玄米7〜8俵の収穫が得られた。
【実施例2】元肥から田植え後の除草目的の生の米ぬか散布までは実施例1と同じであるがその後の菌の投入方法を変更した。なお水田に入れる川の水は同一水路から分岐して使用し水田の位置も50メートルの距離をおいて位置しているので基礎条件はほとんど変わらないと判断できる。前記EM2、3、4号の拡大培養液にさらに糖蜜を加えて25〜35℃で時々振動を加えて培養した活性液(培養液1リットル+糖蜜200cc)を水で薄めて5日ごとに10回10アール当たり2リットルずつ散布。かつEM3号の50倍液(水10リットル+原液200cc+糖蜜200cc)を日中は太陽光を当て最高45℃最低15℃で時々振動を加えて1週間おいて活性化した液を田植え20日後に一回のみ10アール当たり5リットル散布して秋を迎えた。10アール当たり玄米13〜14俵の収穫が得られた。実施例1と実施例2の結果を科学的に分析してみる。基礎条件としては土地、用水、気候、与えた肥料、苗はほぼ同一とみなされる。明らかに違う点は与えた微生物の培養の仕方のみであり種菌は同じものである。この結果を客観的、科学的に分析評価する。植物の成長が強力で結実をよくするための原動力は何といってもその根の多さと活発な吸収力である。そこで実施例1と2の稲の根を比較してみた。その結果収量のよかった実施例2の稲の根を調べてみると一番はっきりしたことは実施例1の稲の根より重量が約2倍ある点であった。さらに根の長さが長いものが多く約1.3倍の長さがあった。さらに違う点は根の色が実施例2の根は白い色をしている点であった。出穂期に稲の株の間の土の中に手を入れてみると根がぎっしり張りめぐらされており手の指が土の中に入らないくらいの状況であった。実施例1の場合は稲株と稲株の中間点には根がほとんどない状況でありその差は歴然としていた。この根の差こそが米の収量の差に大きく関連している。また稲の1株当たりの本数も多く実施例2は平均30〜35本であり約2倍になっていた。稲の草丈も長く実施例2の方が1.2倍の長さがあった。稲の軸の太さも実施例2の稲は直径で1.5〜2倍ありこれが稲かと思えるほどで茅か竹を思わせるようであった。出穂期を過ぎ収穫期に近くなって根の状況を調べてみると今度は根が少なくなっていた。約2割くらい減少し色も茶色に変色しつつあった。これは実施例1、2とも同様であった。次に使用した微生物について述べる。稲わらを堆肥にするために用いたオーレスCは炭素率の高い有機物を早く分解する力をもっている。命名されているだけで3000種類以上もある土壌微生物の中から有用な微生物を10種類以上集めた複合菌であり好気性菌、嫌気性菌が含まれているとされる。具体的には酵母や放線菌、細菌、糸状菌である。EMボカシを作ったり拡大培養液にして流し込むEMは2号が酵母、グラム陽性の放線菌、発酵系の糸状菌、光合成細菌等であり、3号が光合成細菌主体、4号は乳酸菌主体となっている。EMは自然界に存在する微生物の中から人体に無害で作物生産に有効な菌体10属80種余りを選び出したものとされている。酵母菌群の働きとしては発酵力を生かし作物の根から出る分泌物、光合成細菌が作り出すアミノ酸や糖類、土壌中の有機物を材料に作物に有効な物質を合成する。特に酵母菌の作り出すホルモン等の生理活性物質は根や細胞の分裂を活性化する。また他の有効な微生物(乳酸菌、放線菌)を増殖させるために必要な基質(エサ)を作り出す。グラム陽性の放線菌群は細菌とカビの中間の形態をしている菌で光合成細菌が作り出すアミノ酸をもらい受け抗菌物質を作り出す。その抗菌物質は病原菌を抑えたり有害なカビや細菌類が増えるのに必要な物質(キチン質)を先取りし増殖を抑え、他の有用な微生物のために住みよい環境を作る。放線菌は光合成細菌と共存するので放線菌単独よりも光合成細菌と混在する状況を作れば浄菌作用は倍加する。放線菌はアゾトバクターやVA菌根菌の働きを助長する役目も果たしている。発酵系の糸状菌群、特に糸状菌(カビ)は腐敗、変質を連想するがEMに使用されている糸状菌はアルコール発酵に使用されるアスペルギス属が中心となっている。このグループはEMに集められた他の微生物群とも共存し特に土壌中のエステル生成に効果的である。アルコールの生成力が強いためウジやその他の有害昆虫の発生を防ぐ力があり、悪臭の分離にも効果が認められている。光合成細菌群は土壌が受ける光と熱をエネルギー源として植物の根から出る分泌物、有機物あるいは有毒ガス(硫化水素、メタンガス等)を基質として窒素化合物のアミノ酸、核酸や生理活性物質、糖類など植物の生育生長を促進させる多数の有用物質を生合成する独立栄養微生物である。これらの代謝物は植物にも直接吸収されるが他の微生物が繁殖する基質にもなり、また土壌で光合成細菌が増加すれば随伴して他の有効な土壌微生物も増加する特徴がある。例えば光合成細菌が分泌する窒素化合物(アミノ酸)を基質にVA菌根菌が増え植物の根では吸収できない不溶性の燐酸を植物に供給する。また窒素固定菌の一種であるアゾトバクターと共生し窒素固定能力を促進する。光合成細菌にもいろいろあるがEMの光合成細菌はより具体的には紅色硫黄細菌であるとされている。乳酸菌群は光合成細菌、酵母菌からもらい受けた糖類などを基質にして乳酸を作り出す。また嫌気状態ではタンパク質をアミノ酸にまで分解する。乳酸菌には強い浄菌力があり特に有害な微生物の繁殖や有機物の急激な腐敗分解を抑制する。また乳酸菌はリグニンやセルロースなどの難分解性有機物を可溶化すると同時に未分解有機物の起こす様々な弊害をなくし有機物を発酵分解させる重要な働きがある。また乳酸菌は連作障害の原因であるフザリウムの増殖を抑制する働きがある。一般にフザリウムが増え植物を弱らせると有害線虫も姿を消していく。さらに乳酸菌の出す乳酸は病原となる菌核菌の繁殖と働きを抑制する。この仲間の微生物は乳酸飲料のヨーグルト等古くから活用されてきた。さて本発明の実施例の結果と前記微生物の働きとを連結して分析を進めてみたい。 実施例1は今普通にEMや微生物を生かして栽培する有機農法に近く有機肥料の投入量が少な目の方法である。また有機栽培での稲作では10アール当たりの収穫量は玄米で7俵くらいが標準である。日本中見渡してかなりベテランとなったレベルの高い篤農家でも10俵から少し上程度のようである。したがって実施例2の結果はかなり高レベルの収量を上げたことになる。実施例1と2の投入した有機物や肥料は両方とも同じ条件で通常の5分の1程であり、田植え後に与えたEMの培養液の作り方や与え方を変えただけなのである。収量を変えたポイントは唯一微生物の働きに依存しているということになる訳である。だから有機農業といえども微生物の活かし方により収量は大幅に変わることを意味するということになる。実施例2の微生物の特に効果のあったであろうポイントは2つあるといえる。その一つはEM2、3、4号の拡大活性化であり、その二つはEM3号の活性化である。特にEM3号の活性化は意識して太陽光線を当て光による活性化を図ったことであり温度を最高45℃まで上げたことであり、あと一つはそのために圧力がかなり高まったことである。圧力は通常の活性化に比べて2倍以上になっておりそのプレッシャーによって光合成細菌が活力を得たものと思われる。なぜかといえば、光合成細菌の発生は古く地球創生から数億年後の今から約40億年前と言われている。その頃は地球にはまだ酸素はなく、かつ太陽から有害紫外線も多量に降り注いでいたのである。だから海中で生命が発生したと言われているが海の表面近くには生命は住むことができず海中深く熱水状の中に微生物が生活し進化したと推定される。ということは高温、高圧の中で光合成細菌が海水中の硫化水素や地球のあらゆる汚染物質をエサにして水の浄化をしてきたのである。つまり高圧下でよく働いていたことを意味する。光合成細菌は地球の浄化を推進し生命の進化が進み陸上に生命が上陸したのはかなり歴史を重ね40億年以上経過した後なのである。今から3〜4億年前の石炭紀の頃が光合成細菌の一番活躍した時代であり植物が大繁茂した。その頃は人間もまだ住んでおらず肥料という概念はなく自然界だけで植物を育てたのであり現時点では想像できないくらいの大きな植物が育っていたと思われる。その頃植物を育てた材料は微生物と言うことができる。光合成細菌が活性化しておりそれに伴って空中窒素を固定する窒素固定菌が大量の窒素肥料を固定し植物が吸収できたからである。単に光合成細菌だけでなく他の微生物との共同作業が極めて活発になっていたからである。しかしながらその後動物の進化と人間の発生により地球の環境は進化と微生物の不活性化が同時に進行した。現在の自然環境は単に人間の製造した化学物質による汚染のみではなく、陸上のミネラルの減少と空気中の酸素の増加が微生物の不活性化をもたらしたのである。そこで実施例2の微生物特にEM3号の活性化は前述の古代の環境に一時的に戻したのである。嫌気状態で高温、高圧、太陽光にさらすという条件を与えることによって活性化した光合成細菌が水田中に同居していたEM2、4号およびオーレス菌と土着の微生物の共同作業によって空中から窒素を通常ではあり得ない程の量を固定したものである。そのような場が完成すればより土壌が浄化され稲の根が活性化され生長促進が図られ稲全体の生長が進むという植物にとって最も理想的な環境が整うことになる。稲の根が活発に生長すれば微生物のエサが十分根から分泌されより微生物が増えることとなりより好ましい循環が回り稲はどんどん生長することになる。このことが前述した実施例の根や稲の状況となった証拠である。また米が結実し秋近くなれば稲の根もあまり必要がなくなるので自動的に消滅し分解していく。そうすれば微生物のエサの供給が減少し微生物が状況に合わせて減少するという自然現象が発生する。みごとな自然界の自動制御作用が働いているのである。植物が生長するための窒素以外の肥料分はVA菌根菌は不溶性燐酸を吸収できるようにするし加里肥料は有機肥料から供給されるが作物の老廃物や老化した根等からも供給される。その他のミネラルはほとんど土壌中から供給されるが微量のミネラルは長年連作すればやはり減少して不足となることが考えられる。しかし作物の根圏に土壌、微生物、根の相互的循環が始まれば後は外部から肥料を与えなくても作物の理想的な生長が始まりまた作物の連作も可能となった。したがって作付け当初のスタートを人間が少し手助けすればよい。つまり初期だけ有機物と活性化した光合成細菌を中心にその周辺で協働する微生物を投入すればよいのである。さらに土壌が整ってくれば作付けの初期も何もしなくても生長するようになる。この状態が理想的な生きた土づくりの完成期となったことを示す。実施例1および2とも病害虫の被害は全くなく微生物がある程度活動状態に入れば肥料分にアンバランスが生じず病害虫が好まない正常な健康体の作物になるからである。人間でも健康体の人には流行しているインフルエンザのウィルスも寄りつかないのと同じである。以上のように作物の根と活性化した光合成細菌とこれと協働する微生物および土壌環境が整えば作物の収量は飛躍的に増収する事実が現れた。実施例2の光合成細菌を投入した田植え一ヶ月後でも10アール当たり14俵の収量が可能であったことから、もし田植え間もない頃に投入していればかなり違った結果になっていた。以上は稲について述べたが他に野菜、果樹、花き、草木等について同等の結果を得ることができる。
【0007】
【発明の効果】以上述べたように本発明の植物栽培法によれば土壌が浄化され生きた土となるので、化学肥料や有機物または有機肥料をほとんど与えることなく植物を栽培することができる。また本発明の植物栽培法によれば植付け初期に通常必要量の20%以下の有機物または有機肥料を与えるだけでも平均以上の収量を上げることができる効果がある。また本発明の植物栽培法によれば植物が必要とする肥料の主体は大気中の成分から微生物の働きにより植物が肥料として吸収できるようにした肥料でまかなうことができるので植物を栽培するために人間が分担すべき労力は極めて少なくてすむようになる効果がある。また本発明の植物栽培法によれば光合成細菌と窒素固定菌およびそれらをサポートする微生物が働いて植物の活性化が図られるようになるので収量が向上し作物が病害虫に苦しめられることがなくなり栄養豊富な作物が収穫できるようになる効果がある。また本発明の植物栽培法によれば光合成細菌と窒素固定菌およびそれらをサポートする微生物を活性化して用いるので作物の必要とする栄養分を十分に確保することができ、本物の食料を生産することができるようになる効果がある。本物の食料とは人間が食用することにより人間の体の生命力を高めることができる食料であって生命力が高まれば自然治癒力を高めることができる。自然治癒力が高まれば人間が病気にかかりにくくなるばかりでなく病気にかかったとしても難病にならず治りが早いうえ長寿になる可能性が高く、生ある間は十分に働くことができる体をつくることができる。また本発明の植物栽培法によれば作物が必要とするN、P、K以外の元素は栽培する土壌およびまたは微量与える有機物または有機肥料と微生物の働きにより供給されるのですべてのミネラルがバランスよく必要十分な量が供給されるので作物の生育が順調で味のよい作物が増収かつ連作できる効果がある。また本発明の植物栽培法によればその効果は発明の実施の形態ごとに単独に効果が発現するものではなく栽培というより植物の自然の生育に極めて近いので以上述べた効果は総合的に発現する特有の効果がある。
【出願人】 【識別番号】300019917
【氏名又は名称】柿澤 幸次
【出願日】 平成12年4月13日(2000.4.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−292636(P2001−292636A)
【公開日】 平成13年10月23日(2001.10.23)
【出願番号】 特願2000−111534(P2000−111534)