| 【発明の名称】 |
排液殺菌装置及び植物栽培用給液システム |
| 【発明者】 |
【氏名】黒木 誠
【氏名】石橋 一也
【氏名】冨川 章
【氏名】黒田 克利
【氏名】礒▲崎▼ 真英
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| 【要約】 |
【課題】少量のオゾンで確実に排液を殺菌することができるようにする。
【解決手段】本発明の排液殺菌装置は、オゾン発生装置4bに配管4fを介して接続され、殺菌槽4aの底部に設けられる散気管4cと、攪拌羽根4gにより該オゾンの気泡をさらに細かくし、殺菌槽4a内に流入した排液と混合して、水中ポンプ4dの吐出口4hに接続されると共に、中途に径の細い絞り部4jにおいて加圧することにより、オゾンを殺菌槽4a内へ拡散可能としている。従って、従来のように大量のオゾンによらなくても、オゾンの気泡を微細なものとし、そのオゾンを排液中の被殺菌物と接し易くすることができ、また、オゾン吐出管4eの絞り部4jによりオゾンを含む液体を加圧して、その吐出口4iから吐出することで、オゾンを殺菌槽4a内の排液中に拡散できることから、少量のオゾンにより確実に排液を殺菌処理することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 栽培ベッドから排出される排液を流入させる流入管と殺菌済みの排液を給液ユニットへ流出させる流出管とが付設された殺菌槽を有する排液殺菌装置であって、オゾン発生装置と、前記オゾン発生装置に配管を介して接続され、前記殺菌槽の底部に設けられる散気管と、前記殺菌槽内に配置され、前記散気管から吐出されるオゾンを吸気すると共に、攪拌羽根により該オゾンの気泡をさらに細かくし、殺菌槽内に流入した排液と混合して、吐出口より吐出する水中ポンプと、前記水中ポンプの吐出口に接続されると共に、中途に径の細い絞り部を有し、該水中ポンプの吐出口から吐出されるオゾンを含む液体を、該絞り部において加圧することにより、該絞り部を通過したオゾンを殺菌槽内へ拡散可能なオゾン吐出管とを具備することを特徴とする排液殺菌装置。 【請求項2】 請求項1記載の排液殺菌装置であって、前記オゾン吐出管の吐出口が、殺菌槽の底部寄りに、下向きに開口するように設けられていることを特徴とする排液殺菌装置。 【請求項3】 栽培ベッドから排出される排液を貯留する排液ストックタンクと、前記排液ストックタンクから送られる排液を受け入れる殺菌槽を有し、該殺菌槽において排液を殺菌処理する排液殺菌装置と、前記排液殺菌装置から流出する殺菌済みの排液を受け入れる給液タンクを有し、この殺菌済みの排液を含む液体を前記栽培ベッドに給液用液体として供給する給液ユニットとを具備する植物栽培用給液システムであって、前記排液殺菌装置が、オゾン発生装置と、前記オゾン発生装置に配管を介して接続され、前記殺菌槽の底部に設けられる散気管と、前記殺菌槽内に配置され、前記散気管から吐出されるオゾンを吸気すると共に、攪拌羽根により該オゾンの気泡をさらに細かくし、殺菌槽内に流入した排液と混合して、吐出口より吐出する水中ポンプと、前記水中ポンプの吐出口に接続されると共に、中途に径の細い絞り部を有し、該水中ポンプの吐出口から吐出されるオゾンを含む液体を、該絞り部において加圧することにより、該絞り部を通過したオゾンを殺菌槽内へ拡散可能なオゾン吐出管とを具備して構成されていることを特徴とする植物栽培用給液システム。 【請求項4】 請求項3記載の植物栽培用給液システムであって、前記給液タンクと排液殺菌装置との間に、殺菌済みの排液の送液量を任意に調整できる供給量調整手段が設けられていることを特徴とする植物栽培用給液システム。 【請求項5】 請求項3又は4記載の植物栽培用給液システムであって、前記栽培ベッドと排液ストックタンクとの間に、各ベッドから排出される排液を所定の系統別に分けて貯留可能であると共に、それぞれ排液量を測定した後、前記排液ストックタンクに排液を供給する排液量測定タンクが介在配設されていることを特徴とする植物栽培用給液システム。 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか1に記載の植物栽培用給液システムであって、前記給液タンクは、原水の供給源と未使用液肥の供給源のうちの少なくとも一方と接続され、前記殺菌済みの排液に対し、原水と未使用液肥のうちのいずれか少なくとも一方を混合可能であることを特徴とする植物栽培用給液システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、栽培ベッドに供給した給液用の液体の排液を利用することを可能にする排液殺菌装置及び該装置を具備する植物栽培用給液システムに関する。 【0002】 【従来の技術】排液を利用することができる給液システムとしては、図3に示したものが知られている。すなわち、原水や液肥等の各養液の供給源と接続され、各養液を混合して栽培ベッド110用の給液部(図示せず)へ給液用の液体を供給可能なタンク100、栽培ベッド110に接続され、栽培ベッド110において消費されなかった給液用の液体の排液が流入する排液管120、該排液管120に接続され、タンク100に排液を流入する分岐管130、タンク100へ接続される第1の液体供給管140及び第2の液体供給管150、タンク100と栽培ベッド110との間に配設される第3の液体供給管160、第1及び第2の液体供給管140,150を経由してタンク100内に流入した給液用の液体及び排液を第3の液体供給管160を介して栽培ベッド110に供給するためのポンプ170、タンク100の前段であって、分岐管130の中途に介在配設された排液殺菌装置190を有して構成されたものである。 【0003】この給液システムによれば、まず、タンク100に対し、原水の供給源から原水を供給すると共に、液肥の供給源である液肥タンク100a,100bから弁180a,180bを開弁させることにより数種類の液肥を供給して、タンク100内で混合し、所定の肥料バランス(組成)、濃度の給液用の液体を生成する。次に、弁180cを開弁させ、ポンプ170を起動して栽培ベッド110に給液用の液体を供給する。栽培ベッド110では、植物による給液用液体の吸収、培地による給液用液体の吸収、及びこれに伴う植物又は培地からの蒸散等により、所定量の給液用液体が消費されるが、消費されなかった給液用液体は排液として栽培ベッド110の下部に集液される。このとき、弁180dを開弁させ、弁180eを閉じておけば、集液された排液は、排液管120及び分岐管130を経由してタンク100に回収され貯留される。 【0004】タンク100内に貯まる排液量が少なければ、原水が補給され、タンク100内の液量が所定量を超えないように、液位センサ100cにより液位を検出しつつ、これに基づき、弁180a,180bの開閉を制御し、適宜のタイミングで栽培ベッド110に給液する。なお、タンク100内の液量が所定量に至っている場合には、栽培ベッド110から排液が回収されても、タンク100へ貯留せずに、弁180eを開弁させて排出するなどして、液量調整がなされる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、栽培ベッド110から排出される排液には、相応の雑菌が含まれている。このため、排液を利用する場合には、図3に示したように、タンク100の前段に排液殺菌装置190を設けている。 【0006】しかしながら、排液は、その流路となる排液管120及び分岐管130を間断なく流れてくるため殺菌が不十分になり易い。また、給液量に比例した相当の量の排液が流れてくるため、これを殺菌するためには、大型かつ高性能の排液殺菌装置が必要とされる。実際、従来用いられている排液殺菌装置は大型で高価なものである。また、給液量の増減に伴って、殺菌対象となる排液の流量が少ない場合もあるが、排液流量が多量の場合にも対応できるように大型かつ高性能の排液殺菌装置を備えていると、排液流量が少ない場合にかかる装置の有効利用ができないことになる。 【0007】その一方、比較的安価で小型の排液殺菌装置として、オゾン発生装置と、この装置により生成されたオゾンを排液中に吐出する散気管とを備えて構成され、オゾンを利用して殺菌処理を行うものがある。しかしながら、かかる排液殺菌装置では、排液に対し、少量のオゾンを散気管から吐出するのみでは十分な殺菌効果が得られないため、大量のオゾンをオゾン発生装置により生成し、これを散気管を通じて排液中に吐出している。オゾンは強力な殺菌作用を有するものの、大量に使用した場合には、作物や培地環境への悪影響が懸念され、また人体に対しても悪影響を及ぼすおそれがある。また、大量のオゾンをオゾン発生装置により発生させることでコストが高くつくという問題もある。 【0008】また、タンク100に流入する排液の量が一定でないため、実際に栽培ベッド110に供給する給液用液体は、タンク100内の濃度を測定して、この濃度が一定になるように液肥タンク100a,100bから補給する液肥の量を制御して調製している。作物の状態や給液時間帯等によって、排液の使用量ないし混合比を積極的に増加させたり減らしたりするのが望ましい場合もあるが、図3に示した従来の給液システムでは、このように排液の使用量ないし混合比を積極的にコントロールすることは困難であった。 【0009】本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、排液殺菌装置として安価で小型なオゾンを利用したものを採用し、かつ少量のオゾンで従来よりも確実に排液を殺菌することができる排液殺菌装置及び該装置を具備する植物栽培用給液システムを提供することを課題とする。また、排液の使用量ないし混合比を積極的にコントロールすることができる植物栽培用給液システムを提供することを課題とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するため、請求項1記載の本発明の排液殺菌装置は、栽培ベッドから排出される排液を流入させる流入管と殺菌済みの排液を給液ユニットへ流出させる流出管とが付設された殺菌槽を有する排液殺菌装置であって、オゾン発生装置と、前記オゾン発生装置に配管を介して接続され、前記殺菌槽の底部に設けられる散気管と、前記殺菌槽内に配置され、前記散気管から吐出されるオゾンを吸気すると共に、攪拌羽根により該オゾンの気泡をさらに細かくし、殺菌槽内に流入した排液と混合して、吐出口より吐出する水中ポンプと、前記水中ポンプの吐出口に接続されると共に、中途に径の細い絞り部を有し、該水中ポンプの吐出口から吐出されるオゾンを含む液体を、該絞り部において加圧することにより、該絞り部を通過したオゾンを殺菌槽内へ拡散可能なオゾン吐出管とを具備することを特徴とする。 【0011】請求項2記載の本発明の排液殺菌装置は、請求項1記載の排液殺菌装置であって、前記オゾン吐出管の吐出口が、殺菌槽の底部寄りに、下向きに開口するように設けられていることを特徴とする。 【0012】請求項3記載の本発明の植物栽培用給液システムは、栽培ベッドから排出される排液を貯留する排液ストックタンクと、前記排液ストックタンクから送られる排液を受け入れる殺菌槽を有し、該殺菌槽において排液を殺菌処理する排液殺菌装置と、前記排液殺菌装置から流出する殺菌済みの排液を受け入れる給液タンクを有し、この殺菌済みの排液を含む液体を前記栽培ベッドに給液用液体として供給する給液ユニットとを具備する植物栽培用給液システムであって、前記排液殺菌装置が、オゾン発生装置と、前記オゾン発生装置に配管を介して接続され、前記殺菌槽の底部に設けられる散気管と、前記殺菌槽内に配置され、前記散気管から吐出されるオゾンを吸気すると共に、攪拌羽根により該オゾンの気泡をさらに細かくし、殺菌槽内に流入した排液と混合して、吐出口より吐出する水中ポンプと、前記水中ポンプの吐出口に接続されると共に、中途に径の細い絞り部を有し、該水中ポンプの吐出口から吐出されるオゾンを含む液体を、該絞り部において加圧することにより、該絞り部を通過したオゾンを殺菌槽内へ拡散可能なオゾン吐出管とを具備して構成されていることを特徴とする。 【0013】請求項4記載の本発明の植物栽培用給液システムは、請求項3記載の植物栽培用給液システムであって、前記給液タンクと排液殺菌装置との間に、殺菌済みの排液の送液量を任意に調整できる供給量調整手段が設けられていることを特徴とする。 【0014】請求項5記載の本発明の植物栽培用給液システムは、請求項3又は4記載の植物栽培用給液システムであって、前記栽培ベッドと排液ストックタンクとの間に、各ベッドから排出される排液を所定の系統別に分けて貯留可能であると共に、それぞれ排液量を測定した後、前記排液ストックタンクに排液を供給する排液量測定タンクが介在配設されていることを特徴とする。 【0015】請求項6記載の本発明の植物栽培用給液システムは、請求項3〜5のいずれか1に記載の植物栽培用給液システムであって、前記給液タンクは、原水の供給源と未使用液肥の供給源のうちの少なくとも一方と接続され、前記殺菌済みの排液に対し、原水と未使用液肥のうちのいずれか少なくとも一方を混合可能であることを特徴とする。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本発明の一の実施の形態にかかる植物栽培用給液システムを示す概略構成図であり、この図に示したように、この植物栽培用給液システムは、栽培ベッド6に供給する給液用液体を生成する給液ユニット1、排液貯留手段を構成する排液量測定タンク2及び排液ストックタンク3、排液殺菌装置4を備えて構成される。 【0017】給液ユニット1は、原水供給源から送られてくる原水が流入し得ると共に、いくつかの液肥タンク1b,1cから適宜の液肥が流入し得る給液タンク1a有し、原水と液肥とを所定の比率で混合することにより、所望の濃度、組成の給液用液体を生成する。この給液ユニット1は、また、給液タンク1aに後述する排液殺菌装置4から送られてくる殺菌済みの排液が流入し得る構成となっており、原水及び/又は液肥と殺菌済み排液とを所定の比率で混合可能で、所望の濃度、組成の給液用液体を生成可能となっている。 【0018】なお、ここでいう「給液用液体」とは、給液タンク1aに一旦貯留されて栽培ベッド6に実際に供給される液体のことを指し、このように原水と液肥を混合したものが含まれることはもちろんのこと、場合によっては、原水のみ、あるいは液肥のみが該当する場合もある。また、原水及び/又は液肥といった未使用養液に、殺菌済みの排液を混合したものが「給液用液体」となる場合もある。また、原水供給源及び液肥タンク1b,1cが本明細書でいう未使用養液の供給源に相当する。 【0019】給液タンク1aには、給液対象である栽培ベッド6の上方に設けた散布装置(図示せず)又は栽培ベッド6を構成する培地上又は培地中に配設された散布管(図示せず)に対して、給液用液体を供給する給液管1dが接続されている。なお、この散布装置や散布管が本明細書でいう「給液部」を構成する。 【0020】栽培ベッド6には、適宜位置、通常、下部に該栽培ベッド6の長手方向に沿ってドレン部(図示せず)が設けられており、このドレン部において排液が集まる箇所に排液管7の一端が接続され、その他端には、排液を貯留する排液量測定タンク2が接続されている。 【0021】この排液量測定タンク2は、排液を貯留可能な複数のタンク(第1乃至第3のタンク2a〜2c)から構成されており、複数列設置された栽培ベッド6の各々から排出される排液を、排液管7を介して、栽培ベッド6の列に区別した系統別に分けて貯留し得るようになっている。排液量測定タンク2を構成する第1乃至第3のタンク2a〜2cには、それぞれ液位センサ2d〜2fが設けられており、これにより、栽培ベッド6の列ごとに貯留される排液の貯液量(排液量)を測定できるようになっている。 【0022】また、第1乃至第3のタンク2a〜2cには、排液を再利用しない場合に、供給された排液をそのまま排出する排出手段が設けられている。本実施の形態では、この排出手段を、排液量測定タンク2(2a〜2c)と後述する排液ストックタンク3との間に配設される連結管8の中途に配設される切り替えバルブ8aと、この切り替えバルブ8aに一端が接続され、他端が適宜の排水処理地に排出し得るように設けらた排出管8bとから構成しているが、これに限定されるものではないことはもちろんである。 【0023】また、本実施の形態では、排液量測定タンク2として3つタンクを設置し、連結管8、切り替えバルブ8a等もそれぞれに設けているが、栽培ベッド6の列ごとに、すなわち系統別に排液量を測定しない場合は、排液量測定タンク2に流入する排液量に見合った容量を確保できればよく、3つに制限されるものではない。 【0024】連結管8には、排液量測定タンク2(2a〜2c)に貯留された排液を排液ストックタンク3に供給するためのポンプ8cが付設されていると共に、逆流を防ぐ逆止め弁8d、さらには、排液中に含まれる汚泥等の不純物を除去するフィルタ8eが設けられている。 【0025】排液ストックタンク3は、上記したように、連結管8を介して排液量測定タンク2(2a〜2c)に接続されており、液位センサ2d〜2fにより、排液量測定タンク2(2a〜2c)内の排液量が所定量に達したことを検知するとポンプ8cが動作して、この排液ストックタンク3に排液が流入する。なお、系統別の排液量を測定しない場合には、栽培ベッド6からの排液をこの排液ストックタンク3に直接貯留させる構成とすることも可能である。この排液ストックタンク3には、流入管9の一端が接続されており、この流入管9の他端に排液殺菌装置4が接続されている。また、流入管9には、ポンプ9aが介在配設されている。 【0026】排液殺菌装置4は、上記の流入管9と、殺菌済みの排液を給液ユニット1へ流出させるための流出管10とが付設された殺菌槽4aを備え、この殺菌槽4aにおいて、排液量測定タンク2及び排液ストックタンク3を介して栽培ベッド6から排出される排液の殺菌処理を行う。 【0027】具体的には、この排液殺菌装置4は、図2に示したように、殺菌槽4a、オゾン発生装置4b、散気管4c、水中ポンプ4d及びオゾン吐出管4eを有して構成されている。殺菌槽4aに付設されたオゾン発生装置4bにより生成されたオゾンは、オゾン発生装置4bに配管4fを介して接続され、殺菌槽4aの底部に設けられる散気管4cから吐出される。水中ポンプ4dは、散気管4cから吐出するオゾンを吸気可能なように殺菌槽4a内に配置される。そして、散気管4cから吐出するオゾンの気泡を攪拌羽根4gによりさらに細かくし、殺菌槽4a内に流入した排液と混合して吐出口4hから吐出する。 【0028】この水中ポンプ4dの吐出口4hには、ポンプ接続管4kを介してオゾン吐出管4eが接続されている。このオゾン吐出管4eの吐出口4iは、殺菌槽4a内に流入される排液全体にオゾンが行き渡るように、殺菌槽4aの底部寄りに、下向きに開口するように設けられている。このオゾン吐出管4eは、また、殺菌槽4a内におけるオゾンの拡散を促進するために、中途に径の細い絞り部4jを有し、水中ポンプ4dの吐出口4hから吐出されるオゾンを含む液体を、その絞り部4jにおいて加圧することにより、該絞り部4jを通過したオゾンを殺菌槽4a内へ拡散するようになっている。 【0029】流入管9を通じて殺菌槽4aに流入した排液は、上記のようにオゾン吐出管4eの吐出口4iから吐出され、殺菌槽4a内に拡散されるオゾンにより殺菌処理された後、流出管10を通じて給液ユニット1の給液タンク1aに供給される。本実施の形態において、流出管10は、図2に示したように、ポンプ接続管4kとオゾン吐出管4eから枝分かれするように設けられており、この流出管10とポンプ接続管4k及びオゾン吐出管4eとの接続部には、三方切替弁5が配設されている。 【0030】この三方切替弁5は、排液を殺菌する際には、流出管10側を閉じ、オゾン吐出管4e側を開弁している。これにより、水中ポンプ4dにより圧送されるオゾンを含む液体がオゾン吐出管4eの吐出口4iから殺菌槽4a内へ拡散して吐出する。その一方、図示しない制御装置から給液の信号を受けると、流出管10側を開弁し、オゾン吐出管4e側を閉じる。そして、水中ポンプ4dにより殺菌槽4a内の殺菌済みの排液が流出管10へ流れ込み、給液ユニット1の給液タンク1aに供給される。従って、水中ポンプ4dの動作を制御することで、殺菌済みの排液の、給液タンク1aに対する送液量を任意に調整することができる。送液量の設定は、排液量測定タンク2(2a〜2c)の液位センサ2d〜2fにより検出される栽培ベッド6からの排液量、作物の生育ステージ、給液用液体の組成などにより適宜設定することができる。そして、設定された送液量に基づいて上記制御装置が水中ポンプ4dの動作を制御する。 【0031】また、殺菌する排液量や殺菌対象となる菌などにより、オゾン発生装置4bによるオゾン生成時間及び水中ポンプ4dの動作時間、つまり排液を殺菌するのに必要な時間をタイマにより設定することができる。 【0032】なお、本実施の形態では、上記制御装置からの電気信号を受けて起動する水中ポンプ4dが、殺菌済みの排液の送液量を任意に調整できる供給量調整手段として機能するが、この供給量調整手段は、給液タンク1aと排液殺菌装置4との間に介在配設され、設定送液量に基づき殺菌済みの排液を給液タンク1aに供給する量を調整し得るものであればどのようなものであってもよい。例えば、流量制御弁等により構成することもできるし、流量制御弁とポンプとを組み合わせて構成することもできる。 【0033】次に本実施の形態にかかる植物栽培用給液システムの作用を説明する。まず、給液ユニット1において、栽培ベッド6に実際に供給する給液用液体を生成する。最初に給液する際であって、排液の戻りがない状態と仮定すると、まず、未使用養液の供給源である原水供給源と液肥タンク1b,1cとから、原水及び任意の液肥を所定の組成比、濃度で給液タンク1a内に供給して混合する。これにより、給液用液体を生成したならば、ポンプ1eにより該給液用液体を給液管1dに送り出し、給液部を構成する図示しない散布装置や散布管を通じて栽培ベッド6に供給する。栽培ベッド6においては、供給された給液用液体が、栽培作物や培地により吸収され、あるいは、蒸発し、所定量消費される。そして、消費されなかった給液用液体が、排液として栽培ベッド6から排出され、排液管7を介して排液量測定タンク2を構成する第1乃至第3のタンク2a〜2cに所定の系統別に分けて回収される。 【0034】上記第1乃至第3のタンク2a〜2c内の排液量が所定量以上に至ったことを液位センサ2d〜2fが検知した場合には、ポンプ8cが起動して、第1乃至第3のタンク2a〜2c内の排液を連結管8を通じて排液ストックタンク3内に供給する。本実施の形態では、一の排液殺菌装置4により排液の殺菌処理を効率よく行うために、このように複数のタンク2a〜2cにより一次的に貯留された排液を、一の排液ストックタンク3によりまとめて貯留するようになっている。 【0035】排液ストックタンク3では、上記第1乃至第3のタンク2a〜2cからそれぞれ供給される排液が次々に貯液されていく。但し、この排液ストックタンク3の貯液量が所定量に至っている場合には、排液ストックタンク3では、所定量以上とならないよう、第1乃至第3のタンク2a〜2cからさらに送られてくる余剰の排液は、連結管8の中途に配設された切り替えバルブ8aとこれに接続された排出管8bとにより構成される排出手段を通じて排出する。一方、排液ストックタンク3内の排液は、ポンプ9aにより一定になるまで排液ストックタンク3から流入管9を通じて排液殺菌装置4の殺菌槽4aに流入する。 【0036】排液殺菌装置4では、オゾン発生装置4bによりオゾンが生成され、生成されたオゾンは、配管4fを介して殺菌槽4aの底部に設けられた散気管4cから吐出される。この散気管4cから吐出するオゾンは、水中ポンプ4dにより吸気されると共に、水中ポンプ4dに備えられた攪拌羽根4gにより微細な気泡とされ、殺菌槽4a内に流入した排液と混ざり合って水中ポンプ4dの吐出口4hから吐出する。このように散気管4cから吐出したオゾンの気泡が攪拌羽根4gにより微細な気泡とされることで、オゾンが被殺菌物と接し易くなり、オゾンによる殺菌処理作用を高めることができる。 【0037】水中ポンプ4dの吐出口4hから吐出されるオゾンを含む液体は、ポンプ接続管4kを介してオゾン吐出管4eの吐出口4iから殺菌槽4a内に流入している排液中に吐出される。この際、オゾン吐出管4eの吐出口4iは、殺菌槽4aの底部寄りに、下向きに開口するように設けられているため、その吐出口4iから吐出されるオゾンを含む液体が殺菌槽4a内で循環して、その液体中のオゾンが殺菌槽4a内の排液全体によく行き渡る。また、オゾン吐出管4eは、中途に径の細い絞り部4jを有していることから、オゾン吐出管4e内を流れるオゾンを含む液体は、その絞り部4jにおいて加圧されて吐出口4iから吐出されることとなり、これにより、オゾンが殺菌槽4a内の排液中に拡散して、効率よく排液を殺菌処理することができる。 【0038】従って、この排液殺菌装置4によれば、水中ポンプ4dの攪拌羽根4gにより散気管4cから吐出するオゾンの気泡をさらに細かくすることができると共に、絞り部4jを通過したオゾンを殺菌槽4a内へ拡散可能なオゾン吐出管4eを備えることにより、殺菌槽4a内に送り込まれるオゾンの量が少量であっても、そのオゾンが被殺菌物と接し易く、かつ殺菌槽4a内の排液中に拡散することによって、排液中の雑菌を十分に殺菌処理することができる。また、吐出口4iを殺菌槽4aの底部寄りに下向きに開口するように設けたことにより、そのオゾンを殺菌槽4a内の排液全体によく行き渡らせることができるため、オゾンによる殺菌作用をさらに高めることができ、効率の良い殺菌処理を行うことが可能となる。 【0039】排液殺菌装置4により殺菌処理された排液は、一時的に殺菌槽4a内に貯液される。そして、図示しない制御装置から給液の信号を受けることにより、三方切替弁5が流出管10側を開弁し、オゾン吐出管4e側を閉じる。また、これと同時に供給量調整手段としての水中ポンプ4dが起動して、殺菌槽4a内において、一時貯液されていた殺菌済みの排液が流出管10へ流れ込み、給液ユニット1の給液タンク1aへ所定量が供給される。 【0040】給液タンク1aには、未使用養液の供給源である原水供給源と液肥タンク1b,1cとから、原水及び任意の液肥(未使用養液)を所定の組成比、濃度で供給される。この結果、殺菌済みの排液と未使用養液とが混合されることになるが、本実施の形態によれば、殺菌済みの排液の混入量を、作物の状態や給液時間等に合わせて上記制御装置により制御された水中ポンプ4dにより構成される供給量調整手段によって積極的にコントロールすることができる。従って、必要に応じて、殺菌済みの排液を全く混入させないものを新たな給液用液体とすることもできるし、この新たな給液用液体をすべて殺菌済みの排液から構成することもできる。 【0041】このようにして、新たな給液用液体を生成したならば、ポンプ1eにより該給液用液体を給液管1dに送り出し、図示しない散布装置や散布管を通じて栽培ベッド6に供給する。なお、上記した排液殺菌装置4において、排液を殺菌処理するために用いられるオゾンは数十分程度の比較的短い時間で酸素へと化学変化する性質を有し、かつ使用するオゾン量が少量であることから、給液用液体に含まれる殺菌済みの排液中のオゾンは、排液殺菌装置4から給液ユニット1を介して栽培ベッド6に供給されるまでの間に、ほとんどすべて酸素に変化する。従って、給液用液体中の酸素量が増加して、作物に必要な酸素の供給にも効果的である。 【0042】栽培ベッド6においては、供給された給液用液体が、栽培作物や培地により吸収され、あるいは、蒸発し、所定量消費される。そして、消費されなかった給液用液体が、再び、排液として栽培ベッド6から排出され、排液量測定タンク2に回収されて、さらに上記した処理を繰り返す。 【0043】 【発明の効果】請求項1記載の本発明の排液殺菌装置によれば、オゾン発生装置と、前記オゾン発生装置に配管を介して接続され、前記殺菌槽の底部に設けられる散気管と、前記殺菌槽内に配置され、前記散気管から吐出されるオゾンを吸気すると共に、攪拌羽根により該オゾンの気泡をさらに細かくし、殺菌槽内に流入した排液と混合して、吐出口より吐出する水中ポンプと、前記水中ポンプの吐出口に接続されると共に、中途に径の細い絞り部を有し、該水中ポンプの吐出口から吐出されるオゾンを含む液体を、該絞り部において加圧することにより、該絞り部を通過したオゾンを殺菌槽内へ拡散可能なオゾン吐出管とを有している。従って、従来のように大量のオゾンによらなくても、水中ポンプの攪拌羽根により散気管から吐出されるオゾンの気泡を微細なものとし、そのオゾンを排液中の被殺菌物と接し易くすることができ、また、オゾン吐出管の絞り部によりオゾンを含む液体を加圧して、その吐出口から吐出することで、オゾンを殺菌槽内の排液中に拡散できることから、少量のオゾンにより確実に排液を殺菌処理することができる。また、オゾン発生装置により生成するオゾンが少量で済むため、コストを低減することも可能である。 【0044】請求項2記載の本発明の排液殺菌装置によれば、前記オゾン吐出管の吐出口が、殺菌槽の底部寄りに、下向きに開口するように設けられている。従って、オゾンを含む液体を殺菌槽内で循環させ、オゾンを排液全体に行き渡らせることができるので、より確実に排液の殺菌処理を施すことができる。 【0045】請求項3記載の本発明の植物栽培用給液システムによれば、栽培ベッドから排出される排液を貯留する排液ストックタンクと、前記排液ストックタンクから送られる排液を受け入れる殺菌槽を有し、該殺菌槽において排液を殺菌処理する排液殺菌装置と、前記排液殺菌装置から流出する殺菌済みの排液を受け入れる給液タンクを有し、この殺菌済みの排液を含む液体を前記栽培ベッドに給液用液体として供給する給液ユニットとを具備し、さらに、前記排液殺菌装置が、オゾン発生装置と、前記オゾン発生装置に配管を介して接続され、前記殺菌槽の底部に設けられる散気管と、前記殺菌槽内に配置され、前記散気管から吐出されるオゾンを吸気すると共に、攪拌羽根により該オゾンの気泡をさらに細かくし、殺菌槽内に流入した排液と混合して、吐出口より吐出する水中ポンプと、前記水中ポンプの吐出口に接続されると共に、中途に径の細い絞り部を有し、該水中ポンプの吐出口から吐出されるオゾンを含む液体を、該絞り部において加圧することにより、該絞り部を通過したオゾンを殺菌槽内へ拡散可能なオゾン吐出管とを具備して構成されている。従って、栽培ベッドから排出される排液は、一旦排液ストックタンクに貯留されるため、この排液ストックタンクから排液殺菌装置へ供給される排液の量を一定量以下に制御でき、従来のように、大量の排液が流れてきた場合にも対処できるように大型の殺菌装置を採用する必要はなく、流量に見合った比較的安価で小型なオゾンを利用した排液殺菌装置を用いることができる。また、従来のように大量のオゾンによらなくても、少量のオゾンにより確実に排液を殺菌処理することができ、さらに、オゾン発生装置により生成するオゾンが少量で済むため、コストを低減することも可能である。 【0046】請求項4記載の本発明の植物栽培用給液システムによれば、前記給液タンクと排液殺菌装置との間に、殺菌済みの排液の送液量を任意に調整できる供給量調整手段が設けられている。従って、排液の使用量ないし原水及び/又は液肥との混合比を作物の状態等に合わせて積極的にコントロールすることができる。 【0047】請求項5記載の本発明の植物栽培用給液システムによれば、前記栽培ベッドと排液ストックタンクとの間に、各ベッドから排出される排液を所定の系統別に分けて貯留可能であると共に、それぞれ排液量を測定した後、前記排液ストックタンクに排液を供給する排液量測定タンクが介在配設されている。従って、栽培ベッドが温室内に複数列設置されているような場合には、排液量測定タンクを例えば各列に対応させて設置することで各列ごとの排液量を測定することができる。 【0048】請求項6記載の本発明の植物栽培用給液システムによれば、前記給液タンクは、原水の供給源と未使用液肥の供給源のうちの少なくとも一方と接続され、前記殺菌済みの排液に対し、原水と未使用液肥のうちのいずれか少なくとも一方を混合可能であるため、原水及び/又は液肥と殺菌済みの排液とを所定の比率で混合可能で、所望の濃度、組成の給液用液体を生成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390010814 【氏名又は名称】株式会社誠和 【識別番号】594156880 【氏名又は名称】三重県
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| 【出願日】 |
平成12年4月6日(2000.4.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073139 【弁理士】 【氏名又は名称】千田 稔 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−286228(P2001−286228A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月16日(2001.10.16) |
| 【出願番号】 |
特願2000−105349(P2000−105349) |
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