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【発明の名称】 栽培用保温装置
【発明者】 【氏名】柴田 昇

【要約】 【課題】構造が簡易で簡単に地面に強固に設置することができるようにするとともに、傘体と地面との間に容易に間隔を設けることができるようにし、しかも、この間隔の幅調整を容易にできるようにして温度調節や通気調整を容易にし植物の管理作業効率を向上させる。

【解決手段】植物Sが栽培される地面Gに立設される支柱10と、支柱10に開閉可能に設けられ開時に支柱10にドーム状に保持されて植物Sを覆い閉時に支柱10に沿って折り畳まれる傘体20と、傘体20を開閉保持する開閉保持機構とを備え、支柱の基端部10aを地中に差し込み可能に鋭角状に形成し、支柱10を地中に差し込んだ際に支柱10の差し込み位置を可変にした。また、支柱10に地中への差し込み位置を示すための目盛11を付し、支柱の上端に支柱10を上下させるための把持部40を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物が栽培される地面に立設される支柱と、該支柱に開閉可能に設けられ開時に該支柱にドーム状に保持されて植物を覆い閉時に支柱に沿って折り畳まれる傘体と、該傘体を開閉保持する開閉保持機構とを備えた栽培用保温装置において、上記支柱の基端部を地中に差し込み可能に鋭角状に形成し、該支柱を地中に差し込んだ際に該支柱の差し込み位置を可変にしたことを特徴とする栽培用保温装置。
【請求項2】 上記支柱に地中への差し込み位置を示すための目盛を付したことを特徴とする請求項1記載の栽培用保温装置。
【請求項3】 上記支柱の上端に該支柱を上下させるための把持部を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の栽培用保温装置。
【請求項4】 上記傘体を上記支柱及び開閉保持機構に対して脱着可能にしたことを特徴とする請求項1,2または3記載の栽培用保温装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地面で栽培される植物を保温するための栽培用保温装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の栽培用保温装置としては、例えば、図4に示すものが知られている(特開平11−125034号公報掲載)。この栽培用保温装置Hは、支柱1と、支柱1の上部に開閉可能に設けられ開時に支柱1にドーム状に保持されて植物を覆い閉時に支柱1に沿って折り畳まれる傘体2と、傘体2を開閉保持する開閉保持機構(図示せず)とを備えて構成されている。支柱1の下端部は、地面Gに接地される支持台3に支持されている。支持台3は、接地される台板4に支柱1の下端部が挿通される軸支部5を設けて構成され、この軸支部5に支柱1の下端部を軸支している。また、軸支部5には、挿入された支柱1を固定するための固定ネジ6がある。更に、傘体2の外周縁には吊下具7を介して横幕8が吊り下げられている。9は横幕8の下端に設けられ横幕8を張るリング状の錘である。
【0003】そして、この保温装置Hを用いるときには、支柱1を支持台3の軸支部5に挿入して、固定ネジ6を締めて固定する。そして、傘体2を開き、傘体2の縁に設けられた吊下具7に横幕8を吊り下げて、傘体2の下部周囲を覆い、保温空間を設け、植物を保温するようにしている。また、保温装置Hを使用しない場合には、横幕8を取外し、軸支部5の固定ネジ6を弛めて支柱1を抜き、傘体2を閉じて支持台3とともに納屋等に収納しておく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従来の栽培用保温装置Hにあっては、植物に日光を当てたり外気を当てたいような場合には、傘体2と地面Gとの間に間隔を設けるが、この際には、逐一横幕8を傘体2から取外さなければならないので、その作業が煩雑で、植物の管理作業効率が悪くなっているという問題があるとともに、横幕8を取外しても、傘体2と地面Gとの間隔が一定なので、温度調節や通気調整ができないという問題があった。また、支持台3に支柱1を組付けなければ接地できないので、それだけ、組立作業が煩雑であり、組立作業効率が悪くなっているという問題があるとともに、支持台3を接地しなければならないので、畝のある畑等の凹凸のある地面Gでは、接地が不安定になってしまい、適さないことから、使用場所が限定されてしまうという問題もあった。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、構造が簡易で簡単に地面に強固に設置することができるようにするとともに、傘体と地面との間に容易に間隔を設けることができるようにし、しかも、この間隔の幅調整を容易にできるようにして温度調節や通気調整を容易にし植物の管理作業効率を向上させることのできる栽培用保温装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するための本発明の技術的手段は、植物が栽培される地面に立設される支柱と、該支柱に開閉可能に設けられ開時に該支柱にドーム状に保持されて植物を覆い閉時に支柱に沿って折り畳まれる傘体と、該傘体を開閉保持する開閉保持機構とを備えた栽培用保温装置において、上記支柱の基端部を地中に差し込み可能に鋭角状に形成し、該支柱を地中に差し込んだ際に該支柱の差し込み位置を可変にした構成としている。これにより、傘体を開いて地面に支柱の基端部を差し込むだけで装置を設置することができるので、簡単に地面に強固に設置することができ、傘体と地面との間に容易に間隔を設けることができる。また、支柱の差し込み位置を調整することにより、傘体の端部と地面との間隔を変えて傘体の内側の空間の温度調節を簡単にでき、更に、間隔を調整することにより、傘体の内側に風を入れたり、強風を避けたりして通気調整することができる。そして、使用しないときには地面から保温装置を抜き取り傘体を閉じて支柱に沿って折り畳むだけで良く、簡易な構造で容易に使用することができる。
【0007】また、必要に応じ、上記支柱に地中への差し込み位置を示すための目盛を付した構成としている。目盛を使って支柱を差し込む位置を決定することができ、傘体の端部と地面との間隔の開閉度を測って予め認知しておくことができ、また、差し込み深さが容易に分かるので、支柱の差し込みが浅くて支柱が倒れる事態を防止することができる。更にまた、必要に応じ、上記支柱の上端に該支柱を上下させるための把持部を設けた構成としている。地面に支柱を差し込むときに把持部を押すだけなので力を入れ易く、また、支柱の差し込み位置を調整する際、把持部を把持して支柱を上下できるので、それだけ、操作が容易に行なわれる。更に、必要に応じ、上記傘体を上記支柱及び開閉保持機構に対して脱着可能にした構成としている。これにより、傘体が汚れたり破損した場合に、傘体を取外して洗ったり修理したり他の傘体と交換したりすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る栽培用保温装置を説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。図1乃至図3に示すように、本発明の実施の形態に係る栽培用保温装置Hは、植物Sが栽培される地面Gに立設される支柱10と、支柱10に開閉可能に設けられ開時に支柱10にドーム状に保持されて植物Sを覆い閉時に支柱10に沿って折り畳まれる傘体20と、傘体20を開閉保持する開閉保持機構30とを備えて構成されている。
【0009】支柱10は、例えば、金属製あるいは樹脂製等の棒材で形成され、その基端部10aは、地中に差し込み可能に鋭角状に形成され、この支柱10を地中に差し込んだ際に支柱10の差し込み位置が可変になるように形成されている。また、支柱10には、地中への差し込み位置を示すための目盛11が付されている。更に、支柱10の上端には、支柱10を上下させるための把持部40が着脱可能に設けられている。この把持部40は、把持可能な棒状の横部材41と、この横部材41の中央に一体に垂下された基部部材42とから構成されている。基部部材42には、軸方向に雌ネジ43が形成されており、一方、支柱10の上端にはこの雌ネジ43が螺合する雄ネジ44が形成され、この雄ネジ44に雌ネジ43をネジ込むことにより、把持部40は支柱10の上端に固定される。
【0010】傘体20は、例えば、透光性の樹脂シートで、多角形状(実施の形態では正8角形状)に形成されており、開閉保持機構30によって開閉可能に保持されている。開閉保持機構30において、31は撓み可能な金属製の複数(実施の形態では8本)の骨部材であって、支柱10の上端部から等角度関係で放射状に設けられている。この骨部材31は、支柱10に対して放射状に開く開位置及び支柱10に沿う閉位置の2位置に位置できるように、把持部40の下側に設けた円環部材32に回動可能に設けられている。骨部材31の長さは傘体20の中心と多角形角部とを結ぶ長さ寸法と略同等に設定されており、骨部材31は、傘体20の中心と多角形角部とを結ぶ部分を支承して、骨部材31の上側に傘体20を張設せしめる。33は支柱10を摺動可能に上下動可能なスライダ、34はこのスライダ33と各骨部材31の中間部との間に架設され骨部材31を開位置及び閉位置に移動させる複数のリンクである。リンク34はスライダ33及び骨部材31に対して回動可能に軸支されている。35はスライダ33を支柱10の上側で停止させ、リンク34を介して骨部材31を開位置に位置決めする上側ストッパであり、支柱10に差し込まれスライダ33を下から支持して下側への移動を規制するピン35aで構成されている。このピン35aを支柱10から外すことによりストッパ機能が解除される。
【0011】また、傘体20は、支柱10及び開閉保持機構30に対して脱着可能に設けられている。詳しくは、傘体20の中心に支柱10の上端に挿通される挿通孔21を設け、傘体20の多角形角部に骨部材31の先端に着脱可能に嵌合されるキャップ22を設けている。即ち、中心の挿通孔21を支柱10の上端に挿通して挿通孔21の周縁を円環部材32に支承させるとともに、キャップ22を骨部材31の先端に嵌合することにより傘体20を取付ける一方、キャップ22を骨部材31の先端から外し、中心の挿通孔21を支柱10の上端から外すことにより、傘体20を取外すことができるように構成されている。
【0012】従って、この実施の形態に係る栽培用保温装置Hを組立てるときは、傘体20の中心の挿通孔21を支柱10の上端に挿通して挿通孔21の周縁を円環部材32に支承させるとともに、キャップ22を骨部材31の先端に嵌合し、最後に、把持部40の基部部材42の雌ネジ43を支柱10の上端の雄ネジ44にネジ込んで把持部40を取付ける。この場合、傘体20を支柱10に挿通してキャップ22を骨部材31の先端に嵌合し把持部40を取付けるだけなので、傘体20を容易に取付けることができ、構造も簡単で、容易に組立を行なうことができる。また、簡易な構造なので、それだけ製造コストも低くすることができる。
【0013】次に、この実施の形態に係る栽培用保温装置Hを使用するときは、先ず、図1乃至図3に示すように、スライダ33を支柱10の上側にスライドさせ、ストッパ35を差し込んで、傘体20を開位置に位置決めする。そして、先ず、図3に示すように、傘体20で植物Sを覆うようにして、支柱10を地面に差し込み、傘体20の先端を接地させる。この場合、基端部10aは鋭角状となっているので地面に入り込み易く、また、支柱10の上端に把持部40が設けられているので力を入れ易く、差し込みが容易に行なわれる。更に、支柱10に目盛11が付けられていることから、支柱10を差し込む位置を容易に決めることができる。また、支柱10を差し込むだけで良いので、畝のある畑等の凹凸のある地面Gにも容易に設置でき、また、差し込みにより設置も安定し、そのため、使用場所が限定されてしまうことがほとんどない。これにより、傘体20がドーム状となり、植物Sはこのドーム状の傘体20に覆われる。そのため、植物Sが外気に当たらないようになり保温される。
【0014】そして、植物Sに日光を直接当てたり外気を直接当てたいような場合には、図1及び図2に示すように、把持部40を把持して支柱10を引き上げ、適宜の位置で停止させて傘体20と地面Gとの間に間隔を設ける。この場合、把持部40を把持して引き上げるだけで傘体20と地面Gとの間に間隔を設けることができるので、作業性が極めて良いものになる。また、支柱10に目盛11が付いているので、傘体20と地面Gとの幅調整が容易となり、温度調節や通気調整を容易にでき、植物の管理作業効率を向上させることができる。即ち、植物の環境を容易に整えることができ、このため、例えば、スイカ,メロン等の育苗やカボチャ等の播種栽培に有用になる。また、播種時に野鳥の被害を受け易い大豆,トウモロコシ等に用いることにより、植物の栽培温度を管理するだけでなく、野鳥の被害を防止することもできる。
【0015】また、植物Sから栽培用保温装置Hを取外したいときには、把持部40を把持して引き上げ地面Gから基端部10aを引き抜く。そして、差し込まれているストッパ35を引き抜きスライダ33を支柱10の下側にスライドさせ傘体20を閉じて支柱10に沿うように折り畳んで閉位置にし縮小させる。この場合、簡易な構造なので容易に縮小して収納することができる。更に、傘体20が汚れたり破損した場合には、把持部40の基部部材42の雌ネジ43を支柱10の上端の雄ネジ44に回転させて把持部40を取外し、キャップ22を骨部材31の先端から外すことにより傘体20を骨部材31から取外して、傘体20を洗ったり新たな他の傘体20と交換したりすることができる。
【0016】尚、栽培用保温装置Hの傘体20の大きさや骨部材31の数や形状は上述したものに限定されるものではなく、変更しても差支えないことは勿論である。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の栽培用保温装置によれば、構造が簡易で、傘体を開いて地面に支柱の基端部を差し込むだけで傘体で植物を覆うことができ、簡単に地面に強固に設置することができるとともに、傘体と地面との間に容易に間隔を設けることができ、しかも、傘体の端部と地面との間隔を変えて傘体の内側の空間の温度調節を簡単にでき、更に、間隔を調整することにより、傘体の内側に風を入れたり、強風を避けたりして通気調整することができ、植物の管理作業効率を向上させることができる。
【0018】そして、支柱に地中への差し込み位置を示すための目盛を付した場合には、目盛を使って支柱を差し込む位置を決定することができ、傘体の端部と地面との間隔の開閉度を測って予め認知しておくことができ、この点でも容易に傘体内の温度調節や通気調整の管理をすることができる。また、支柱の上端に支柱を上下させるための把持部を設けた場合には、地面に支柱を差し込むときに把持部を押すだけなので力を入れ易く、それだけ差し込みが強固となり、また、植物に水を与えるため等に保温装置を取外す際に支柱を地面から引き抜くときにも容易に力を入れることができる。更に、傘体を支柱及び開閉保持機構に対して脱着可能にした場合には、傘体が汚れたり破損した場合に、傘体を取外して洗ったり修理したり他の傘体と交換したりすることができる。
【出願人】 【識別番号】300020337
【氏名又は名称】柴田 昇
【出願日】 平成12年3月3日(2000.3.3)
【代理人】 【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作
【公開番号】 特開2001−245538(P2001−245538A)
【公開日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【出願番号】 特願2000−58968(P2000−58968)