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【発明の名称】 植物の栽培方法
【発明者】 【氏名】崎浦 利之

【要約】 【課題】植物を栽培するための培地を衛生的に保つことにより根ぐされ等の原因を解消すると共に栽培目的植物の成長を促進する方法を提供することを目的とする。

【解決手段】植物を栽培するための培地に、少なくとも光半導体粉末から成る光触媒機能体、及び遠赤外線発生手段を設置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物を栽培する際に使用する水が、少なくとも光半導体粉末からなる光触媒機能体により処理された水であることを特徴とする植物の栽培方法。
【請求項2】 植物を栽培するための培地に、少なくとも光半導体粉末からなる光触媒機能体を有することを特徴とする植物の栽培方法。
【請求項3】 植物を栽培するための培地に、遠赤外線発生手段が設置されていることを特徴とする請求項2に記載の植物の栽培方法。
【請求項4】 前記光触媒機能体がセラミックスの球体であり、前記遠赤外線発生手段が石であることを特徴とする請求項3に記載の植物の栽培方法。
【請求項5】 植物を栽培するための鉢の底面に施されている穴から光触媒機能体を付着した付着体を外部に引出し、この引出部を水を滞留しておくためのトレー内に浸漬せしめたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の植物の栽培方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、光をエネルギーとし、抗菌、防臭、防汚などに効果を発揮する材料として光触媒が注目されており、用途開発が進められている。本願出願人らも、当該光触媒の作用に早くから注目し、様々な用途開発をしてきが、今まで、以下に示すような光触媒の使用方法は開発されていなかった。
【0003】具体的には、植物を栽培する場合において、植物の種類によっては細菌等に非常に弱いものもあり植物に与える水が不衛生であるがために、または植物を栽培するための培地が不衛生であるがために根ぐされ等を起こすことが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、植物を栽培するための水および培地を衛生的に保つことにより根ぐされ等の原因を解消すると共に栽培目的植物の成長を促進する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために、請求項1において、植物を栽培する際に使用する水が、少なくとも光半導体粉末からなる光触媒機能体により処理された水であることを特徴とする植物の栽培方法を提供する。
【0006】植物を栽培する際に使用する水を光触媒処理することにより水に含まれている細菌類を死滅せしめることができ、よって衛生的な水を植物に供給することが可能となる。また、光触媒処理された水は、そのpHが約1ぐらい上昇する(アルカリ性となる)ので、植物を栽培するための培地に与えられた水が腐敗することを防止することも可能である。更に、光触媒処理された水は、そのクラスターが小さくなるため、植物が根から水を吸収し易くなるという効果もある。また、光触媒機能体によって処理された水により育った植物には、虫が付かないという効果も確認されている。
【0007】上記した光触媒機能体の効果により、植物に与える水および培地を衛生的に保つことができ、かつ植物の成長を促進することが可能となり、更に植物に虫が付かなくなるため、殺虫剤等の農薬を使用する必要がなくなり、よって無農薬の植物を栽培することも可能となる。
【0008】また本発明では、請求項2において、植物を栽培するための培地に、少なくとも光半導体粉末から成る光触媒機能体を有することを特徴とする植物の栽培方法を提供する。
【0009】植物を栽培するための培地に光触媒機能体を設置することにより、当該光触媒機能体の殺菌作用をもって培地を衛生的に保つことができる。そして、上記した効果(クラスターが小さくなる、pHの低下、防虫等)を奏するために必要な光触媒された水を培地内で形成することができ(つまり、培地内で水を光触媒処理することができる。)。
【0010】また、請求項3に記載するように、植物を栽培するための培地に、遠赤外線発生手段が設置されていることが好ましい。
【0011】植物を栽培するための培地内で遠赤外線を発生させることにより、植物の成長を促進することができるからである。
【0012】そして、請求項4に記載するように、前記光触媒機能体がセラミックスの球体であり、前記遠赤外線発生手段が石であることが好ましい。
【0013】よって、植物の培地内、例えば植木鉢に容易に設置することができるからである。
【0014】また、請求項5に記載するように、植物を栽培するための鉢の底面に施されている穴から光触媒機能体を付着した付着体を外部に引出し、この引出部を水を滞留しておくためのトレー内に浸漬せしめることも好ましい。
【0015】植物を栽培するための鉢内に、光触媒機能体が付着せしめられた付着体を内蔵し、当該付着体を鉢の底面に水抜き等のために施されている穴から引出し、この引出した部分を引出部とする。そして、当該引出部を、鉢の下に設置されており水を滞留しておくためのトレー内に浸漬せしめることにより、トレー内の水は、毛細管現象により付着体を通って鉢内に浸透し、植物の成長に使用されることとなる。この際、本発明によれば前記付着体には光触媒機能体が付着せしめられているため、トレー内の水は付着体を通りながら光触媒処理され、その後植物に供給されることとなり好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下にまず、本願出願人らが開発した光触媒機能体自体について説明し、その後、当該光触媒機能体を利用した植物の栽培方法について図面を用いて具体的に説明する。
【0017】図1に示す光触媒機能体は、光半導体粉末2aと、電極として働く微粒子2b、及び吸着材料3とからなるものである。
【0018】上記光半導体粉末2aとしては、TiO2の他、CdS、CdSe、WO3、Fe23、SrTiO3、KNbO3等を挙げることができる。この中でも、TiO2は、ほとんどの酸、塩基、有機溶媒に侵されず化学的に安定であり、また、TiO2は中毒を起こすことはなく、発ガン性もないことが動物実験等で確認されており、この様な点からTiO2が最も好ましい。
【0019】上記電極としての微粒子2bは、通常金属微粒子を使用することが多い。そして、電極を形成する金属微粒子としては、銀の他、金、白金、銅等の種々の金属微粒子を用いることができる。光触媒が本来的な機能を発揮するための不可欠な要素の一つとして水分が要求されるため、電極を形成する金属微粒子は、水の存在下で経時変化が無く安定していることが必要となり、前記の金属微粒子の中でも白金が最も好ましいが、経済性を考慮し、更に前記特性を具備しており、無毒でそれ自体も殺菌性を有しているため銀が好ましい。
【0020】また、電極として用いるものは、金属ではなくケイ素微粒子を使用することも可能である。金属の代りにケイ素を使用することにより、光触媒機能体自体が安価になり、また、光触媒処理体を水中で使用する場合、「水中に含まれているイオンと電極としての金属が反応してしまい光触媒機能が低下する」といった問題を解消することができる。
【0021】そして、ケイ素以外でも、周期表でケイ素と同族(4族)である炭素などは、ケイ素と性質が似ているため電極として使用可能である。
【0022】ここで、前記電極は、光触媒機能体に必ずしも必要なものではない。光半導体粉末としてTiO2を用いた場合、TiO2の結晶構造にはアナターゼ型とルチル型とがあり、光触媒機能を有するのはアナターゼ型である。電極は、光半導体粉末が有機物等を分解するのを手伝う働きをしているが、光触媒機能体中にアナターゼ型のTiO2が多く存在している場合には、TiO2だけで充分に光触媒機能を有するので電極として働く微粒子は必要ないからである。
【0023】前記吸着材料3は、細菌、ウィルス、カビの他、悪臭物質及び有害物質等の処理対象物を吸着、保持するために用いられるものである。係る吸着材料としては、アパタイト(リン灰石)、ゼオライト又はセピオライト等のセラミック粉末、活性炭及び絹繊維含有物によりなる群から選ばれる1以上を挙げることができ、これらは必要に応じて2以上を組み合わせて用いることができる。ここでアパタイトとしては、細菌、ウィルス、カビ等の蛋白質を選択的に吸着するハイドロキシアパタイト[Ca10(PO46(OH)2]が好ましい。また、絹繊維含有物としては、絹繊維粉末の他、顆粒状に成形したものやゲル状物等も含まれる。これらの吸着材料(絹繊維含有物は粉末の場合)の粒径はより大きな表面積を確保するとともに、良好な被着作業性を考慮すると0.001〜1.0μmが好ましく、特に0.01〜0.05μmが好ましい。光半導体粉末と吸着材料の混合割合は、光半導体粉末100重量部に対して吸着材料は1〜50重量部が好ましく、特に10〜30重量部が好ましい。
【0024】ここで、前記吸着材料も光触媒機能体に必ずしも必要なものではない。光触媒機能体を溶射により基材上に付着せしめる場合、吸着材料は、光触媒作用を弱めて基材を保護するとともに、悪臭物質及び有害物質等の処理対象物を吸着、保持するために用いられるものであり光半導体粉末(TiO2)の光触媒機能を補助するためのものであるから、補助する必要がないときは、必要ないからである。
【0025】しかしながら、光触媒機能体をディッピング等する際に用いる塗料とする場合には、塗料中に含まれるバインダーを光触媒機能体が分解しないようにするために、吸着材料を使用することが好ましい。
【0026】次に、前記光触媒機能体1を基材上へ付着せしめる方法について説明する。
【0027】前記光触媒機能体は、溶射によりポリエステル不織布、紙、織物プラスチック、金属板、セラミックボール等の基材にバインダーなしで付着される場合と、バインダーを含有させた塗料として基材上に付着される場合とがある。
【0028】図1は、溶射により基材1表面に光触媒を付着せしめた状態を示すものであり、不織布、織布、紙、木材、セラミック板、金属板、プラスチック板等の基材5上に例えば融点が2000℃以下である酸化チタン(TiO2)の微粒子(5〜50μm)と、金属の微粒子1〜10μmとを酸素、アセチレン等を使用したガス溶射法により約2900〜3000℃で溶融したセラミックスを溶射したものである。溶射した状態では、光触媒の粒子1は、一方の電極として作用する酸化チタン粒子2aとこの酸化チタン粒子2aに坦持された他方の電極として作用する金属の例えば銀粒子2bとからなる。光触媒粒子2は電気化学セルをなし、溶射後は、30〜40μの偏平積層粒子となり、ガスの高温により溶融しつつアンカー効果により基材1上に付着する。酸素、アセチレン等を使用するガス溶射による溶射法においては、溶融光触媒微粒子を噴射するガストーチと基材とを相対的に移動させて基材表面が50℃以上に上がらないようにして行われ、したがって、紙、布等に対しても溶射が可能となるものである。しかしながら、ガス溶射であるため使用原料の粉体の融点は2000℃以下に制限される。なお、トーチと基材との相対速度を調整することによりプラズマ溶射も可能となるが、プラズマ溶射だと使用原料の融点は3500℃位のものまで溶射可能となる。
【0029】一般に、溶射においては、アンカー効果により基材上にパウダーを付着させるため、溶射用のパウダーは5μm以上の塊状のものが好適であり、溶射パウダーとして全てアナターゼがルチルに転移しているものが用いられている。アナターゼ結晶形態の酸化チタン(チタニア)は、強力な光触媒作用を有するが、溶射後の光触媒粒子がすべてアナターゼ結晶を有していると、その分解作用が強すぎて基材を犯してしまうことがあるので実用化できない場合がある。しかしながら、アナターゼ結晶粒子の粒径、溶射温度、基材表面温度及び使用加熱源をそれぞれ5〜25μm、約2900〜3000℃、40〜50℃及びガスを調整選択することにより、アナターゼ結晶10〜40%を合成することができる。すなわち、アナターゼとルチルとの変態点である約750℃を超えれば、結晶はすべてルチル型結晶になるが、上述の溶射法によれば、全てルチル結晶の粒子を準備してこれを溶射すると、10〜40%のアナターゼ結晶が生成され、残りがルチル結晶となる。種々の実験によれば、溶射後のアナターゼ対ルチルの重量比は1:3が好適であることがX線分析の結果判明した。
【0030】また、光触媒粒子2にアパタイト、ゼオライト、活性炭等の菌、有害物質、臭い等を吸着する吸着材料3を混合して溶射すれば、基材を犯さないようにアナターゼ結晶の量を調整することによって光触媒作用が弱められた点が補強される。
【0031】すなわち、溶射後のハイドロキシアパタイト3は、雰囲気中の菌、有害物質、臭い等の処理対象を吸着保持し、この吸着保持した処理対象を20〜30重量%のアナターゼ結晶を有する光触媒粒子が分解するので、光触媒作用が補強されることとなる。光触媒作用を強めるためには、粒子が対象物に触れる接触面積を増やす必要があるが、溶射法によれば、プラズマ溶射に比較して粒子が細かく表面積の大なる膜が形成されるので好ましい。
【0032】なお、チタン原料は必ずしもアナターゼとルチルにする必要はなく、触媒活性の強いアナターゼと触媒活性の弱いアナターゼとの比較を調整することによっても適切な光触媒とすることができる。
【0033】図2は、基材1上に施された光触媒粒子4を含む塗料の皮膜状態を示すものであり、前記光触媒粒子4は、酸化チタン粒子4aとこれに坦持された銀粒子4bとからなる。光触媒粒子4は、図1に示した溶射法の場合の粒子と同一構造とすることができる。
【0034】ここで、全てがアナターゼ結晶形態の酸化チタン(TiO2)はその酸化力が極端に強く基材をぼろぼろにしてしまう場合があるので、塗料においても、原料である酸化チタン粒子のアナターゼとルチルの重量比は20〜50%:50〜80%が好ましく、アナターゼがこれ以下の比率だと光触媒作用が弱いし、これ以上の比率だと光触媒作用が強すぎてバインダー6を分解して塗料がすぐに分解してしまうこととなる。特にアナターゼ対ルチルとの重量比が約3対7が最も好ましい。
【0035】なお、チタン原料は必ずしもアナターゼとルチルにする必要はなく、触媒活性の強いアナターゼと触媒活性の弱いアナターゼとの混合比を調整することによっても適切な光触媒とすることができる。
【0036】塗料は、光半導体粉末、金属粉末及び吸着材料に加えて、少なくともバインダー6としての塗膜形成成分及び分散剤を含有し、必要に応じてその他の成分を含有するものである。
【0037】塗膜形成成分としては、セルロース誘導体、フタル酸樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノアルド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エマルジョン、水溶性樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。分散剤としては、石油系溶剤、芳香族系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、セルソルブ系溶剤、無機シリコン系溶剤、水等を挙げることができる。なお、粉体塗料にする場合には、分散剤としての溶剤は不要となる。また、その他の成分としては、顔料、例えば、二酸化チタン、黄鉛、ベンガラ、酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料、ハンザイエロー、ノバパームオレンジ、キナクリドンバイオレット、銅フタロシアニン等の有機顔料、沈降性炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、ホワイトカーボン等の体質顔料、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム等の防食顔料に代表される特殊機能顔料等を挙げることができる。更に、上記成分以外にも、補助材料として、塗膜乾燥促進性の付与を目的とする乾燥剤、顔料分散剤、フラッディング防止剤、顔料沈降防止剤、塗料の流動性の調節を目的とする増粘剤、チキソトロピック剤、たれ止め剤、塗面の調整を目的とするレベリング剤、泡消し剤、はじき防止剤、フローティング防止剤のほか、可塑剤、皮張り防止剤、静電塗装助剤、すり傷防止剤、ブロッキング防止剤、紫外線防止剤、防染剤、防腐剤、防かび剤等を配合することができる。これらの各成分の配合割合には特別なものはなく、通常販売されている塗料と同じ配合割合を適用することができる。
【0038】塗料における光半導体粉末、金属粉末及び吸着材料の合計配合量は、殺菌、防臭等の作用を発揮し、適度な塗装性を確保するため、塗料全量中3〜55重量%が好ましく、特に15〜35重量%が好ましい。
【0039】なお、光半導体粉末及び金属粉末(Ag)対吸着材料(ハイドロキシアパタイト)の重量比は、70〜80重量%対10〜20重量%が好適である。
【0040】このような塗料の塗装方法は特に制限されるものではなく、刷毛塗り、エアスプレー塗装、静電塗装、粉体塗装、電着塗装、カーテンフロー塗装、ロール塗装等の方法を適用することができる。
【0041】本件出願人が使用している塗料の成分割合は以下の通りである。
【0042】1)アクリルラッカー塗料【表1】

【0043】2)液ウレタン塗料(乾燥時の塗膜中)光触媒30%、バインダー固形分70%。
【表2】

【0044】3)焼付アクリル塗料(乾燥時の塗膜中)光触媒30%、バインダー固形分70%。
【表3】

【0045】4)水性アクリル塗料(乾燥時の塗膜中)光触媒50%、バインダー固形分50%。
【表4】

【0046】一般に、光触媒は非溶出系であり、光半導体粉末に坦持される金属は電極として作用し、それが液中に溶出して殺菌するわけではなく、水の存在下で発生するOHラジカルにより殺菌効果を発揮するものである。これに対して、従来の溶出系抗菌剤、例えば、抗菌性を有する銀、銅、亜鉛等の金属を坦持したゼオライトからなる抗菌剤とバインダーとの混合物を必要個所に塗布し乾燥したようなものは、図3に示すように前記金属が直ちに液中に溶出して即効性を示すが、短時間でその効果は減少し、しかも金属が溶出した部分が細菌の巣となり却って害を及ぼすこととなる。
【0047】本発明の光触媒機能体は、図3に示すように、即効性については、従来の抗菌剤より劣る場合があるが、非溶出型であるため、殆ど、液中に溶け出すことはなく、その効果が長時間持続することとなる。
【0048】次に、上記で説明してきた光触媒機能体を利用した植物の栽培方法について説明する。
【0049】図4(a)は、光触媒機能体が植木鉢に設置されている場合の斜視図である。図4(a)に示すように、植木鉢40には、通常植物を栽培する場合と同様に植木鉢40内に培地となる土41を入れて植物42を栽培している。ここで、本発明の植物の栽培方法では、前記培地となる土41の表面に光触媒機能体が付着せしめられたセラミックスの球体43が敷き詰められていることを特徴とする。
【0050】このように光触媒機能体が付着せしめられたセラミックスの球体43を敷き詰めることにより、植物42に水を供給した場合、供給された水は光触媒機能体と直接接触し、殺菌されることとなり常に衛生的な水を植物に供給することができる。また、光触媒処理された水は、そのクラスターが小さくなるため、植物の根から吸収されやすくなる、といった効果もある。
【0051】光触媒機能体をセラミックスの球体43に付着せしめる方法は、特に限定されるものではなく、上述したように、溶射法により付着せしめることも可能であり、また、光触媒機能体を含有する塗料を塗布することにより付着せしめることも可能である。そして、溶射法により光触媒機能体を付着せしめた場合、その色は濃い灰色となり、したがって、植木鉢内の土の表面に敷き詰めても景観を損ねることはない。また、その表面は多孔質となるため、水を供給した場合に水が一時的に孔に溜まるので水を十分に殺菌することができ好ましい。
【0052】一方、光触媒機能体を含有する塗料を用いる場合においては、セラミックスの球体の色は任意に決定することができ、植木鉢に新たな色彩を付与することができ好ましい。
【0053】また、光触媒機能体を設置する場所であるが、上記で説明してきたように土の表面に敷き詰めることが好ましい。光触媒機能体がその効果(有機物の分解作用)を充分に発揮するためには、光が必要だからである。
【0054】そして、光触媒機能体には、有機物の分解作用に加えて植物と直接接触している場合には、当該植物の成長を抑制する作用も有しているため、光触媒機能体を敷き詰める際には、光触媒機能体が直接植物に接触することは好ましくない。しかしながら、この作用(植物の成長を抑制作用)を逆に利用することも可能である。つまり、図4(a)に示すように、植物の周りに光触媒機能体を敷き詰めることにより雑草が繁殖するもを防止することができる。
【0055】図4(a)では、光触媒機能体が付着したセラミックスの球体43を植木鉢40に使用しているが、家庭等の花壇や庭全体に使用することも可能である。花壇や庭等に使用することにより、雑草や蟻、その他害虫による被害を防ぐことができる。
【0056】さらに、本発明の植物の栽培方法は、植物を栽培するための培地に遠赤外線発生手段が設置されていることも特徴の一つである。図4(a)に示す本発明の実施の形態では遠赤外線発生手段として、遠赤外線を発生することが確認されている石44を培地である土41内に混入せしめて使用している。このように遠赤外線を発生する石44を培地に混入せしめることにより、遠赤外線の効果により、植物の成長を促進することができる。
【0057】遠赤外線を発生する石としては、例えば、以下の表5に示す成分の石が挙げられる。
【0058】
【表5】

【0059】ここで、遠赤外線発生手段は、石44に限定されるものではなく遠赤外線を発生するものであればいかなるものであってもよい。しかしながら、植物の培地は一般的には土、若しくは水でありこれらの中に容易に設置することが可能であるものが好ましく、このことを考慮すると遠赤外線を発生する石(上記表5の成分の石等)であることが好ましい。
【0060】植物の栽培において、光触媒機能体と遠赤外線発生手段とを同時に用いることで、光触媒機能体により植物が成長する環境(培地)を衛生的に保持することができ、また雑草等の成長を抑制することができる、と同時に、遠赤外線発生手段により栽培目的物である植物の成長を促進することができる。更に、本発明の栽培方法で栽培された植物には、害虫等が付かないという効果もある。
【0061】図4(a)に示す実施の形態では、光触媒機能体をセラミックスの球体43に付着せしめて用いているが、セラミックスの球体以外に付着せしめることも当然可能である。
【0062】例えば図4(b)に示すように不織布に光触媒機能体を付着せしめることも可能である。図4(b)は、図4(a)に示すような植木鉢に使用するための不織布の正面図であり、その表面には光触媒機能体が付着せしめられている。そして、当該不織布45の中心には、植物が植木鉢上方に成長するための穴45aが設けられており、また前記植物用の穴45aの周りには、植木鉢上方から供給された水が浸透しやすいようにいくつかの穴45bが設けられている。不織布45へ光触媒機能体を付着せしめる方法はいかなる方法であってもよく、例えば溶射法、光触媒機能体が含有された印刷インキを用いて印刷により付着せしめる方法、光触媒機能体が含有された塗料を用いる方法等が挙げられる。
【0063】また、上記の光触媒機能体が付着せしめられた不織布45は、植物を栽培するための培地表面を覆うために使用するだけでなく、例えば、植木鉢の内壁に沿って設置することも可能である。この場合、植木鉢は光を透過することができる材質であることが好ましく、例えば、ガラス、透明のプラスチック等を用いることが好ましい。このように光触媒機能体(例えば不織布)を培地内に設置することにより、根ぐされを効果的に防止することができる。
【0064】また、植木鉢等で植物を栽培する場合、当該植木鉢下方には、水や土がこぼれるのを防止するためにトレーを設置することがある。本発明では図4(a)に示すように、トレー46に光触媒機能体を設置することも可能である。トレーに光触媒機能体を設置することにより、トレー46に溜まった水が腐敗することを防ぐことができ、また水の供給が絶たれた場合などは、当該トレー46に溜まった水を植物が吸収する場合があるが、このような場合であっても、植物に衛生的な水を供給することができるからである。
【0065】トレー46に光触媒機能体を設置する方法であるが特に限定されるものではなく、例えば、前記の光触媒機能体が溶射により表面に付着せしめられたセラミックス球体43を設置することも可能であり、また光触媒機能体が付着せしめられた不織布47をトレー46の底面に敷くことも可能である(図4(a)参照。)。
【0066】さらに図5に示すような実施の形態について説明する。
【0067】図5(a)は植木鉢の一部切欠図である。植木鉢50は一般的に家庭等で使用しているのと同様のものであり、その底面中央には余分な水を排出するための穴51が設けられている。そして図5(a)に示すように、植木鉢50内には光触媒機能体が付着せしめられた付着体52が内蔵されており、当該付着体52は前記穴51から引出されている(以下、引出部という。)。また、植木鉢50の下方には、前記図4でも示したトレー53が設置されている。
【0068】そして、当該トレー53には、植木鉢を適当な高さに保持するための支持部材54が設置されている。支持部材54を設置することにより植木鉢50の下方に適当な空間を作ることができ、付着体52に光を照射せしめることが可能となり好ましい。
【0069】植木鉢50上方から植物に与えられた水は、植木鉢50内の土を浸透していき植物の根に吸収される。また、吸収されなかった水は、そのまま浸透し続け植木鉢下方に設置された穴51に到達する。前述のように穴51には、光触媒が付着せしめられた付着体52が設置されているため、穴51に到達した水は当該付着体52を通って植木鉢下方に設置されているトレー53に溜められる。よって、まず水は、植木鉢50からトレー53へ移動する際に付着体52を通り、この際光触媒処理されることとなる。
【0070】そして、植木鉢内が乾燥してくると、トレー53内に溜まっている水は毛細管現象により付着体52を通って植木鉢50内に浸透していき、植物の根により吸収される。よって、更に水は、トレー53から植木鉢50へ戻る際にも付着体52を通り、この際も光触媒処理されることとなり好ましい。
【0071】ここで、前記付着体52について説明する。まず、当該付着体52の材質であるが、これは特に限定されるものではなくいかなるものであってもよい。しかしながら、毛細管現象を利用してトレーから植木鉢へ水を吸い上げることが必要であるので、光触媒機能体を付着せしめた繊維(例えばガラス繊維)等を用いることが好ましい。そして、繊維等への光触媒機能体の付着方法は、前述した溶射法や塗料により塗布する方法等を用いることが可能である。
【0072】次に、前記付着体52の形状について説明する。付着体52の形状についても特に限定されるものではなく、いかなる形状のものであってもよい。しかしながら、植木鉢内に設置することができ、かつ植木鉢の底面に施された穴51から引出せしめることが可能であることが必要であり、このことを考慮すると図5(a)に示すような、ろうそくの芯のようなひも状のものが好ましい。
【0073】図5(b)に植木鉢で使用する付着体の一例を示す。
【0074】図5(b)は植木鉢で使用する付着体の断面図を示したものである。図5(b)に示す付着体55はガラス繊維を編んで形成されている。そして当該付着体55の上部56は平らな円形状を呈している。このような形状とすることにより、植木鉢内においてトレーから吸い上げた水をより広範囲に供給し、また植木鉢内の土を広範囲で殺菌することができるからである。そして、当該円形状の上部56の下方は、ひも状を呈している(符号57)。このような形状とすることにより、植木鉢底面に施された穴から容易に引出すことが可能となる。
【0075】そして、当該付着体55の下方のひも状部分57には、ゴムで形成されたフランジ58が設置されている。当該フランジ58は、植木鉢底面の穴の直径より大きく形成されており、付着体55を植木鉢に設置する際に、植木鉢底面の穴にフランジが引っかかり付着体55を所定の高さに設置することが容易となる。
【0076】また、当該フランジ58は図5(c)に示すように円形状のゴムの中心に放射状に切り込みが形成されているものである。このよう形状とすることにより、設置せしめる植木鉢の大きさによりフランジの位置を容易に変えることができる。さらに、フランジをゴムで生成することにより、植木鉢内の水がトレーに排出される際には、水は必ず当該付着体55を通過することとなるためトレーに溜まる水を光触媒処理することができ好ましい。
【0077】次に、支持部材54について説明する。
【0078】支持部材54は、トレー上の植木鉢50を適当な高さに支持しておくためのものであり、特に形状等を限定されるものではない。しかしながら、前述した付着体に光が照射された方が光触媒作用を効果的に発揮することができるため、その材質は透明のアクリル等が好ましい。
【0079】また、図6は、本発明の更に別の実施の形態を示している。
【0080】例えば、図6に示すように、ビニールカバー60に付着せしめることも可能である。図5に示すビニールカバー60は畑に霜が降りること等を防止するために使用するものであり、植物が芽を出し、成長していくための穴61が等間隔に空いているものである。このようなビニールカバー60にも光触媒機能体を付着せしめることが可能であり、蟻その他の植物にとっての害虫の繁殖を防止すると共に、雑草の生長を抑制することができる。ビニールカバー60に光触媒機能体を付着せしめる方法は、特に限定されるものではなく、上述した溶射法、塗布等のいかなる方法でも使用可能である。中でも、ビニールカバー60は帯状の形態をしている場合が多いため、塗料をディッピングにより塗布せしめることが容易であり好ましい。
【0081】そして、図6に示すように、光触媒機能体を畑等に使用する場合においても、光触媒機能体と同時に遠赤外線発生手段を使用することは可能である。
【0082】また、上述の説明は光触媒機能体を植物の栽培地に設置する場合についての説明であるが、本発明の栽培方法の特徴は、光触媒機能体により処理された水を使って植物を栽培する点にある。従って、光触媒機能体が培地に設置されていることが必ずしも必要なわけではなく、例えば貯水タンク等の中で水を光触媒処理して、その水を植物に供給することも可能である。
【0083】図7は、植物を栽培するための培地70と、前記培地へ供給するための水を貯水し光触媒処理をするための光触媒処理タンク71と、配管72と、ポンプ73および噴霧口74とにより概略構成される植物の栽培システム75である。
【0084】当該システム75によれば、光触媒処理タンク71に一時貯水された水は、当該タンク内に設置されている光触媒機能体により殺菌され、そのクラスターは小さくなり、pHは約1だけ上昇する。そして、光触媒処理タンク71内で処理された水はポンプ73により汲上げられて、配管72内を通り噴霧口74により培地に供給される。前述したように当該システムを使用することで、培地に光触媒機能体を直接設置したのと同様の効果を得ることが可能である。
【0085】また、前記光触媒処理タンク71の形状や、光触媒機能体の設置方法等は特に限定されるものではなく、例えばタンク71の内壁に光触媒機能体が含有された塗料を塗布することで、光触媒機能体を設置することも可能であり、また、光触媒機能体が表面に付着せしめられた不織布をタンク内に設置することも可能である。
【0086】
【発明の効果】植物を栽培するための培地に、光触媒機能体及び遠赤外線発生手段を設置することにより、培地を衛生的に保持することができると共に、栽培目的植物の成長を促進し、かつ雑草等の成長を抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】500050011
【氏名又は名称】崎浦 利之
【出願日】 平成12年1月17日(2000.1.17)
【代理人】 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
【公開番号】 特開2001−197831(P2001−197831A)
【公開日】 平成13年7月24日(2001.7.24)
【出願番号】 特願2000−10360(P2000−10360)