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【発明の名称】 果実栽培用袋
【発明者】 【氏名】布施 宏英

【氏名】小川 孝

【氏名】西村 賢次

【要約】 【課題】リンゴの袋かけ、袋の除去作業を、楽に能率的に行えるようにすることである。

【解決手段】袋の上部に果柄より短い短辺と、幼果の直径より大きな環を構成する長辺でなる弾力性のある長方形状の突起を付け、親指と示指で表裏の突起両端を挟み長辺方向に押すと環となり開口するが、この開口部を先頭に袋を幼果に上からかぶせる。そして環状となっている長方形突起の押圧を解くと突起は平板となり果柄を緩く挟むことになる。このとき果柄にしっかり突起部分を保持させるために、接着剤を塗布しておいた突起の内面を果柄を中にして相合わせ接着する。また袋の除去作業を容易にする機能として、袋の突起に糸を付け地上近くにまで垂らしておくようにする。この糸を引くことによって樹に上らずまた、腕を上げずに袋を取り外すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】果実を保護育成するために取りつける袋の構造において、袋の開口部として、袋本体の上部表裏に、幼果の果柄の長さより短いサイズの幅と、幼果の球面の半円周の長さより長いサイズの突起をそれぞれ付ける。開口部の突起には、突起両端を指で押す程度の力で片方の突起が半円状になる剛性を持たせる。すなわち表裏突起の両端部を押すことで突起全体を環状に開口させる剛性を持たせる。この環状の開口部は幼果を傷つけずに果柄の基部に突起を位置させることを可能とさせる。また突起の両端部の押圧を解除した後、突起を果柄に固定保持させるために、表裏の突起内面に接着剤を塗布し、果柄を中にして接着剤塗布面を相互に合わせ接着する。接着剤を塗布が容易にできるように、突起部の両端は連結せず、袋の外側に向けて折り返せる構造とした。以上を特徴とする果実栽培用袋。
【請求項2】袋を剥離し除去するための糸状の材料を、袋の突起に取り付けてなる、請求項1記載の果実栽培用袋。
【請求項3】果柄と果柄の付く小枝に袋を保持するため、開口部突起に小枝保持用の突起を付けてなる請求項1記載の果実栽培用袋。
【請求項4】袋を剥離し除去するための糸状の材料を、小枝保持用の突起上部に取り付けてなる、請求項3記載の果実栽培用袋。
【請求項5】袋を幼果の果柄に取り付けやすくするため、袋の上部の縁に傾斜を付け、袋上部を台形状とし、その台形状の上部に、幼果の果柄の長さより短いサイズの幅と、幼果の球面の半円周の長さより長いサイズの突起を付ける。突起の側面両端は閉じて形成される。突起は開口部となるが、突起の両端を指で押す程度の力で突起が環状に開口する剛性を持たせる。以上を特徴とする果実栽培用袋。
【請求項6】袋の開口部の突起内面に弾性体をつけてなる請求項1記載の果実栽培用袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】リンゴ栽培に用いられる果実保護育成用の袋として、省力化ができる形状と機能に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のリンゴ保護育成用の袋は、長方形状の袋の開口部側面に細い針金を備えていて、これを果柄に巻き付けて袋を保持している。また、育成途中での袋の除去は、手で袋を引き裂き剥がすことで行っている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】従来の袋かけでは、長方形の袋の上部を果柄に当ててまとめ、開口部の側面に付属している針金を巻きつけて果柄に取り付けるので作業が煩雑であった。また果実の成熟途中で袋を除去する作業が必要だが、手で直接袋を引き裂き外す作業をしなければならなかった。課題は形状、機能の改良を通して、袋かけ、袋外しの手作業の省力化と能率アップを図ろうとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】リンゴの幼果の時期は、幼果が上方を向いて枝に付いているので(成熟するにしたがってリンゴ自体の重さで果柄が曲がり下垂する)袋の取り付けは、幼果の上からかぶせる作業となる。本案は袋に、単純な動作で取り付ける機能を生じさせるため、袋の上部に果柄より短い短辺と、幼果の直径より大きな環を構成するサイズの長辺でなる弾力性のある突起を付けた。指でこの表裏の突起の両端を挟み長辺方向に押すと環となり開口するが、この開口部を幼果の上方からかぶせる。そして環状となっている長方形突起の押圧を解くと突起部分は平板となり果柄を緩く挟むことになる。このとき果柄にしっかり突起部分を保持させるために、接着剤を塗布しておいた突起の内面を、果柄を中にして相い合わせ指で圧し接着する。袋の取り除き作業を容易にする機能としては、袋の突起に糸を付け地上近くにまで垂らしておくようにする。この糸を引くことによって袋の上部から左右に剥離できる。この糸によって樹に上らずまた、腕を上げずに袋を取り外すことができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本案を図によって説明する。図1は袋全体を斜め上部から見た図である。1は袋本体を示す。袋は紙、合成紙、プラスチックなどで形成される。この袋上部には、中央開口部3に向けて傾斜2を付ける。この傾斜は袋を取り付ける際に、幼果の周辺にある枝葉に袋の角が触れて取り付け難くなることを防ぐとともに、親指と示指で開口部の突起4の両端を押圧し易くする空間を作る。開口部3の表裏の突起4は、両端を連結せず袋の上部に形成する。突起4は果柄より短い短辺と、幼果の直径より大きな環を構成するサイズの長辺でなる弾力体である。突起4には剛性を持たせるが、親指と示指で突起を挟んで押圧することで表裏の突起が相対し環状になる程度の剛性とする。剛性は合成樹脂の塗布、薄く剛性のあるシート状材料などの使用でその能力を備える。6は袋外し用の糸である。糸の固定部7から袋下部のガイド部8を通り地上にいる作業者の肘の位置まで達する長さとする。この糸を地上で引っ張ることで袋を剥離除去する。この袋剥がし用の糸によって樹に上って行う、危険でつらい作業がなくなる。また腕を高く上げて作業することもなくなり作業が楽になる。5は袋を形成する接着剤塗布部分である。接着剤に効果期間を設定して一定期間が来たら劣化し、袋が自然剥離し脱落するようにする。
【0006】図2は、袋の開口部3の突起4の内面に接着剤を塗布した状態を示す。9は、外側に折り返した突起4に塗布された接着剤を示す。接着剤9は果柄に悪影響を与えない天然接着剤等を使用する。接着剤9に効果期間を設定して一定期間が来たら劣化し袋が自然剥離し脱落するようにする。剥離用糸6による剥離作業は、自然剥離できなかったものだけに行う。これで袋外しの労力を省くことができる。図1の1で示した袋の形状は、袋上部の辺縁を傾斜させた台形状になっているので、糸の固定部7から剥離を始めることで、袋の突起先端から全体を剥離しやすい機能を持つ【0007】図3は袋の突起4の幼果の果柄への装着状態を示す。リンゴの幼果の時期は、幼果が上方を向いて枝に付いているので(成熟するにしたがってリンゴ自体の重さで果柄が曲がり下垂する)袋1は幼果の上からかぶせるように取り付けることになる。10は幼果で、11は果柄である。突起4が親指と示指で押圧され環状になり、その形状のまま幼果10を袋1に内蔵する。突起4は果柄が付く小枝12に接触する。
【0008】図4は突起4の両端にかけていた指での押圧を解いて、突起4を平板にして相合わせ接着剤で果柄11に保持した状態である。接着剤の塗布面は、円柱状である果柄の長尺方向の表裏に細く線状に接着するので、接着剤の果柄に対する悪影響は、ほとんど無い。
【0009】図5は関連案の袋の形状構造を示す。袋体の形状は前述案と同じであるが、開口部の構造が異なる。この案の開口部は、長方形状の突起4部分から台形状に形成された小枝保持用突起13を持つ。
【0010】図6は台形状に形成された小枝保持用突起13を、袋の外側に折り曲げて開いた状態を示す。また接着剤14の塗布状態を示す。小枝保持用突起13の材質は親指と示指で小枝保持用突起13の両端を押すことで環状に開口できる剛性を持つ材料(紙、合成紙、プラスチックなどのシート)で形成される。
【0011】図7は小枝保持用突起13の表裏を、親指と示指で押して環状にした状態を示す。小枝保持用突起13基部を袋本体の突起4に接着した両端部とともに親指と示指で挟み押圧し、環状に開口する。小枝保持用突起13の台形状の傾斜によって、両端部を押圧した時に側面開口部が広くなり、果柄より太い小枝12をはさむことが容易になる。
【0012】図8は小枝保持用突起13を相合わせて接着し小枝12に袋を保持させた状態を示す。突起4は果柄11を接着して保持する。小枝保持用突起13は小枝12を包み小枝上で表裏を相い合わせて接着する。
【0013】図9は両端が連結した突起15を備える袋を示す。袋の上部の縁は傾斜し台形状になっている。この傾斜は袋を取り付ける際に、幼果の周辺にある枝葉に袋の角が触れて取り付け難くなることを防ぐとともに、親指と示指で突起15の端部を押圧し易くする空間を作る。突起15両端が分離していないので取り付け時の作業効率が高くなる。突起内面には幼果の果柄に接着させるための接着剤16を塗布するが、袋かけ前の保存時に突起15の表裏両面が接着しないように、間に蝋紙などの剥離紙をつける。
【0014】図10は弾性体をつけた突起部分のみを斜め上から見た図である。17は弾性体である。スポンジ状の合成樹脂シートなどを使う。弾性体17は、果柄11に加わる突起による圧を緩和して果柄を挟み、袋を保持する役割を果たす。この弾性体17の部分には、接着剤は塗布されない。したがって、弾性体17は、接着剤を塗布した部分の相合わせる加減によって、挟む力を調節できる。接着剤を果柄に付着させたくない場合に使用する。
【0015】
【発明の効果】本発明は以上説明したような形状と機能があり、以下述べる効果がある。
【0016】袋の上部の長方形状の突起を親指と示指で押圧することで環状に開口でき、押圧を解くことで相対する板状となり円柱状の果柄の2点に線状に接する。緩く接触することで果柄に圧力をかけず樹液の流れを妨げない。果柄に接触する接着剤は表裏2点に縦の線状に接触するのみなので植物生理を損なうことほとんどない。こうした袋の形状と機能で、袋の取り付け作業が容易になり、作業動作と作業時間を短縮化できる。
【0017】果実の成熟段階が一定段階に達すると袋除去作業が必要になるが、袋上部の突起4に、あるいは小枝保持用突起13の先端につけた袋剥離用の引き糸を、地上で引っ張ることで楽に剥離除去できる。接着剤は袋の縁に付けられるが、袋上部の台形状の形状は、袋の上部先端から全体を剥離しやすい機能を持つ。また一定期間だけ効果のある接着剤を使用することで、必要時に袋が自然に剥離脱落するようにする。こうしたことで袋除去の省力化が可能である。リンゴ栽培農家の高齢化がすすみ作業ができにくくなっている上、怪我などの事故も起きるようになっている。こうした状況を改善することができる。
【出願人】 【識別番号】500041743
【氏名又は名称】小川 孝
【識別番号】592127677
【氏名又は名称】西村 賢次
【識別番号】000238142
【氏名又は名称】布施 宏英
【出願日】 平成11年12月22日(1999.12.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−178282(P2001−178282A)
【公開日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【出願番号】 特願平11−376985