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【発明の名称】 もやし栽培箱及びそれを用いたもやし栽培方法
【発明者】 【氏名】秋田 幸男

【要約】 【課題】栽培に必要な水の使用量を減らすことができ、肥料や漂白剤等の化学物質を添加しなくても品質的に優れたもやしを短期間で効率よく製造することができるもやし栽培装置及びそれを用いたもやし栽培方法を提供する。

【解決手段】本発明のもやし栽培装置1は、内底面から突出し、且つ内底面から外底面へ貫通するボス穴211が設けられている保水用突出部21を底面壁に有し、播殖台受部22を底面壁及び/又は側壁に備えた育成箱2と、上面から下面に貫通するように播殖台細孔34が設けられ、且つ複数に区画されて形成された播殖室33を有し、上記育成箱2の上記保水用突出部21との間に間隙を有するように上記播殖台受部22に載置される播殖台3と、上面から下面に貫通するように遮光材細孔44を有し、且つ上記播殖台の上面に載置される遮光材4と、を備えることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内底面から突出し、且つ内底面から外底面へ貫通するボス穴が設けられている保水用突出部を底面壁に有し、播殖台受部を底面壁及び/又は側壁に備えた育成箱と、上面から下面に貫通するように播殖台細孔が設けられ、上記育成箱の上記保水用突出部との間に間隙を有するように上記播殖台受部に載置される播殖台と、上面から下面に貫通するように遮光材細孔を有し、且つ上記播殖台の上面に載置される遮光材と、を備えることを特徴とするもやし栽培箱。
【請求項2】 上記育成箱の外底面に係止用突部又は凹部を設け、側壁上面にはこれに嵌合するための係止用凹部又は突部を設けた請求項1記載のもやし栽培箱。
【請求項3】 上記請求項1又は2に記載されているもやし栽培箱を2以上積み重ねて構成されるもやし栽培箱。
【請求項4】 積み重ねられた上記もやし栽培箱の外底面と側壁上面との間に空気供給間隙を有する請求項3記載のもやし栽培箱。
【請求項5】 上記播殖台に原料豆が播かれている上記請求項1乃至4のいずれかに記載のもやし栽培箱の上記遮蔽材の上方から、給水具により栽培水をもやし栽培箱に供給することによりもやしを栽培することを特徴とするもやし栽培方法。
【請求項6】 上記播殖台に原料豆が播かれている上記請求項1乃至4のいずれかに記載のもやし栽培箱の上方に上記給水具を設置し、次いで、上記給水具を各もやし栽培箱の上方に移動させることにより上記栽培水を供給することを特徴とするもやし栽培方法。
【請求項7】 上記播殖台に原料豆が播かれている上記請求項1乃至4のいずれかに記載のもやし栽培箱の上方に上記給水具を設置し、次いで、上記もやし栽培箱を移動させることにより上記栽培水を供給することを特徴とするもやし栽培方法。
【請求項8】 上記栽培水としてキトサン含有栽培水を使用する請求項5乃至7のいずれかに記載のもやし栽培方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、もやし栽培箱及びそれを用いたもやし栽培方法に関し、更に詳しくは、従来よりも栽培に必要な水の使用量を減らすことができ、肥料や漂白剤等の化学物質を添加しなくても品質的に優れたもやしを効率よく短期間で製造することができるもやし栽培箱及びそれを用いたもやし栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、もやしは原料豆を培養庫に入れて2日程度で培養発芽させた後、育成室に移し替えて散水を繰り返して栽培するという方法で製造されており、この期間として通常は7〜10日程度要している。また、従来のもやし栽培においては、育成室における散水は単に上部からシャワー状に散布するだけであり、原料豆から直ちに流出してしまうので無駄が多く、また、栽培水に何かを添加しても、直ちに流出してしまうので効果がない。
【0003】このような水の無駄を無くすには、例えば、かいわれ大根の場合のように不織布等の上に種子を置き、この不織布等に水を染み込ませて水分を保持することにより、少ない栽培水で栽培するという方法も考えられる。しかし、もやしの場合に同様の方法を取ると、最終的には不織布等を取り除くことになる結果、かかる不織布等は再利用することが困難で処分するのに問題がある。
【0004】また、従来のもやし栽培方法では、培養庫に入れて2日程度で培養発芽させた後、大量生産のために大きなケースに移し替えて原料豆が山盛りになったような状態で栽培を行うこともあるが、この方法では、山盛りの中心付近の原料豆には空気や栽培水がうまく供給されないことから発芽熱がこもる結果、その部分が腐ったり、あるいは成長が不均衡になる等により、収率が必ずしも向上するとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、従来よりも栽培に必要な水の使用量を減らすことができ、肥料や漂白剤等の化学物質を添加しなくても品質的に優れたもやしを短期間で効率よく製造することができるもやし栽培箱及びそれを用いたもやし栽培方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に鑑みて検討した結果、育成箱の内底面に保水用突出部を設け、該育成箱の上記保水用突出部との間に間隙を有するように、原料豆を播いた繁殖台と遮光材とを配設することにより、栽培水が散布後直ちに流出するのを防止して有効に栽培水を活用し、短期間で効率的にもやしを栽培することができることを見出した。また、栽培水にキトサンを添加したキトサン含有栽培水とすることにより、肥料や漂白剤等の化学物質を添加しなくても品質的に優れたもやしを製造することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0007】本第1発明のもやし栽培箱は、内底面から突出し、且つ内底面から外底面へ貫通するボス穴が設けられている保水用突出部を底面壁に有し、播殖台受部を底面壁及び/又は側壁に備えた育成箱と、上面から下面に貫通するように播殖台細孔が設けられ、上記育成箱の上記保水用突出部との間に間隙を有するように上記播殖台受部に載置される播殖台と、上面から下面に貫通するように遮光材細孔を有し、且つ上記播殖台の上面に載置される遮光材と、を備えることを特徴とする。
【0008】本第1発明のもやし栽培箱及び各構成部材の一例の概略を図1〜図5に示す。図1及び図2に示すように、本第1発明のもやし栽培箱1は、育成箱2と、該育成箱2中に配設されている繁殖台3と、該繁殖台の上面に載置されている遮光材4とから構成されている。
【0009】図2及び図3に示すように、本第1発明の上記「育成箱」2の内底面には、所定高さの保水用突出部21が設けられている。上記保水用突出部21を有することにより、散水をしても直ちに栽培水が流出するのではなく、この保水用突出部21の高さ分に相当する量の水が育成箱に滞留することになるので、栽培水を効率的に使用でき、また、栽培水中の養分や溶存酸素を根から十分に吸収することができる結果、短期間で栽培することができる。
【0010】上記保水用突出部21を設ける位置は、育成箱2の底面である限り特に限定はないが、通常は図3に示すように、育成箱2の中央部に設けられる。また、保水用突出部21の高さ分に相当する量の水を育成箱に滞留させることができる限り、その形状及び高さについても限定なく、例えば、図3に示すような円柱形状の他、直方体形状、三角柱形状等の種々の形状とすることができる。更に、上記保水用突出部21には、過剰な栽培水を外部に排除するためのボス穴211が設けられている。
【0011】上記「育成箱」2の側壁には、繁殖台3を載置するための凸形状の繁殖台受部22が設けられている。この繁殖台受部22の高さについては特に限定はなく、繁殖台を載置した場合に、上記保水用突出部21の上部面から一定間隔があり、栽培水を供給した場合に底部に溜まる栽培水と繁殖台との間に空気溜りを作ることができれば良い。また、この繁殖台受部22を設ける数及び位置についても特に限定はないが、図3に示すように、育成箱2の底面壁と側壁の境界部分だけでなく、中央の保水用突出部21に対して対称になるように、育成箱2の底面壁中央に設けると、原料豆の重みにより、繁殖台が中央付近で湾曲することを防止できるので好ましい。更に、本第2発明に示すように、上記育成箱の外底面に係止用突部23を設け、側壁上面にはこれに嵌合するための係止用凹部24を設けると、上記育成箱を積み重ねて使用する場合、この両者を嵌合させることにより、積層状態を安定化させることができるので好ましい。尚、本第2発明においては、外底面に係止用凹部を設け、側壁上面に係止用突部を設けてもよい。
【0012】本第1発明の上記「繁殖台」3は、繁殖台受部22上に載置することにより、図2に示すように、上記育成箱2の上記保水用突出部21上面との間に間隙を有するように上記育成箱2中に配設されている。この間隙を有することにより、底部に滞留する栽培水と繁殖台上に置かれた原料豆との間に空気溜まり部を形成することができ、根の張りを良くすると共に、栽培水に完全に漬かることにより腐ることを防止することができる。
【0013】上記「繁殖台」3は、もやしの原料豆を配置することができる限りその形状については限定はなく、図4に示すように、格子31、32により区画して播殖室33を形成した構成とすると、原料豆が栽培中に大幅に移動することを防止できるので好ましい。このような繁殖室33の形状や大きさについては特に限定はなく、通常は図4に示すように方形状であるが、栽培するもやしの量や配置する原料豆の量等に応じて種々の形状、大きさとすることができる。また、上記「繁殖台」3は、原料豆の根を育成箱2の底部の方へ成長させるため、根を通すための播殖台細孔34が設けられている。この孔の大きさ、設ける箇所については特に限定はないが、通常は図4に示すようにメッシュ状としている。更に、上記「繁殖台」3の材質についても特に限定はない。
【0014】本第1発明の上記「遮光材」4は、上記繁殖台3の上面を覆って遮光するために、繁殖台3上に配設されるものである。上記「遮光材」4の形状は、繁殖台3の上面を覆って遮光することができる限り特に限定はないが、図5に示すように、格子41、42により複数の遮光材区画室43を設けた構成とすると、区画内に一定量の栽培水が残り、その結果、以下に述べる区画内の遮光材細孔41からゆっくり栽培水を供給することができるので好ましい。また、図5に示すように、上記「遮光材」4には、栽培中に発生したガスを外部へ排除すると共に、空気や栽培水を繁殖台3上の原料豆に供給するために、上面から下面に貫通するように遮光材細孔44が設けられている。このような遮光材細孔41を有する遮光材4を使用することにより、特に栽培水を上部から供給する際に上記「遮光材」4に当たって水はねを起こし、上記「遮光材」4全体に栽培水が広く行き渡る結果、遮光材細孔44を通じて繁殖台3上の原料豆全体に栽培水が行き渡るので、効率的に栽培水を原料豆に散布することができる。更に、上記「遮光材」4の材質についても特に限定はないが、あまりに重量があると、もやしの成長を抑えてしまうおそれがあり、また、酸化防止の点からも、比較的軽量の樹脂製のものが好ましい。
【0015】本第1発明及び本第2発明のもやし栽培箱は、それ単独で使用してもやしを栽培することもできるが、本第3発明に示すように、2以上のもやし栽培箱を積み重ねたもやし栽培箱として、もやし栽培に使用することもできる(図6参照)。この場合、積み重ねる箱の数については特に限定はなく、また、図6の6段1列の積み重ねのように多段1列とするだけでなく、図7の6段3列の積み重ねのように多段多列とすることもできる。
【0016】上記の場合、本第4発明に示すように、上部のもやし栽培箱と下部のもやし栽培箱との間から、栽培の際に必要な空気を装置内の原料豆に供給すると共に、栽培の際に発生するガスを外部に排出するために、両者の間に空気供給間隙を設けることができる。この空気供給間隙の形成方法については、間隙が形成できる限り特に限定はなく、例えば、育成箱の側壁上面や外底面に凹部を設けることにより形成する他、上部に載置される育成箱の外底面や下部の育成箱の側壁上部に間隙形成突部を設けたり、あるいは側壁に貫通孔を設けることにより形成することもできる。
【0017】本第5発明のもやし栽培方法は、上記播殖台に原料豆が播かれている本第1発明乃至本第4発明のいずれかに記載のもやし栽培箱の上記遮蔽材の上方から、給水具により栽培水をもやし栽培箱に供給することによりもやしを栽培することを特徴とする。従来のように、上部が開放されている系でもやしを栽培する場合は、成長促進ガスであるエチレンガスが拡散してしまうことになるので成長に悪くなり、逆に密閉系でもやしを栽培すると、エチレンガスが大量に溜まる結果、もやしが腐るおそれがある。これに対し、本第5発明のもやし栽培方法によれば、上記のように、本第1発明又は本第2発明のもやし栽培箱は上記保水用突出部21を有することにより、保水用突出部21の高さ分に相当する量の水が育成箱に滞留し、栽培水中の溶存酸素が多いと、これがエチレンガスを中和するので、エチレンガス濃度を適度に調節することにより、ジベルリンの発生が促進され、α−アミラーゼのような酵素を合成する。その結果、従来よりもエチレンガスを有効に活用でき、短期間で成長させることができる。
【0018】上記「給水具」については、栽培水を供給できる限り限定はなく、水道の蛇口はホース、ノズル付きのホース、シャワー等を用いることができる。また、栽培水を供給する方法についても、もやし栽培箱の上記遮蔽材の上方から供給できる限り特に限定はなく、通常は図6に示すように、もやし栽培箱の上方に給水具を設置して供給するが、その他にも、育成箱の側壁に給水孔を設け、ここにホース等の給水具を接続して供給することもできる。
【0019】本第6発明のもやし栽培方法は、上記播殖台に原料豆が播かれている本第1発明乃至本第4発明のいずれかに記載のもやし栽培箱の上方に上記給水具を設置し、次いで、上記給水具を各もやし栽培箱の上方に移動させることにより上記栽培水を供給することを特徴とする(図7参照)。このような状態でもやし栽培を行うと、給水具1つで複数のもやし栽培箱に栽培水を供給することができるので好適である。この場合、給水具5ではなく、本第7発明に示すように、上記播殖台に原料豆が播かれている本第1発明乃至本第4発明のいずれかに記載のもやし栽培箱の上方に上記給水具を設置し、次いで、上記もやし栽培箱を移動させることにより上記栽培水を供給することもできる。
【0020】本第5発明〜第7発明の各もやし栽培方法において、上記のように、本発明のもやし栽培箱は、保水用突出部21を有することにより、散水をしても直ちに栽培水が流出するのではなく、この保水用突出部21の高さ分に相当する量の水が育成箱に滞留することになる。そこで、栽培水として、本第8発明に示すようにキトサンを添加したキトサン含有栽培水を使用すると、原料豆が効率的にキトサン含有栽培水を吸収する結果、漂白剤等を使用しなくても色が白く、保存性も良好な品質的に優れたもやしを製造することができるので好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。
(1)本実施例のもやし栽培箱の構成本実施例で用いたもやし栽培箱及び各構成部材の概略を図1〜図5に示す。本実施例の育成箱2は樹脂製で、外寸法が縦500mm、横500mm、高さ158mであり、側壁の厚さが4mmである。また、保水用突出部21は円柱形状であり、その高さは10mmである。そして、繁殖台3と育成箱2の保水用突出部21との距離は5mm程度である。また、本実施例の繁殖台3は樹脂製で、寸法が縦443mm、横443mm、高さ9mmのメッシュ状(メッシュの大きさ:2mm×2mm)のプレートであり、縦24mm、横24mm、高さ7mmの方形状の繁殖室33が256個設けられている。更に、本実施例の遮光材4は樹脂製で、寸法が縦444mm、横444mm、高さ18mmであり、遮光材区画室43が1024個設けられている(尚、図1〜図5は概略図であり、繁殖室33及び遮光材区画室43の数は一致していない。)。
【0022】(2)もやしの栽培上記繁殖台3に設けられた各繁殖室33に原料豆6を1.2〜1.3g(繁殖台3全体で310〜330g程度)入れた後、遮光材4を上部に載置して一体物とし、この一体物を育成箱2の側壁面に設けられた繁殖台受部22上に載置してもやし栽培箱を組み上げる。そして、図6に示すように、上記もやし栽培箱1A〜1Fを高さ方向に組み合わせて積み重ね、最上段のもやし栽培箱1Aの上方に設けられた給水具5から栽培水を供給することにより、もやしの栽培を行った。尚、もやし栽培は室温で110時間かけて行った。また、給水サイクルは、P1〜P28の各段階までに分けた上で、以下のように行った。
■P1段階(6時間)は給水量8lで浸水させる。
■P2段階(13時間)は給水量6lで浸水10分後に排水後、残り時間その状態を維持する。
■P3段階(3時間半)は給水量6lで浸水10分後に排水してから残り時間その状態を維持する。
■P4段階〜P10段階(各3時間半、計24.5時間)は、各段階において、給水量4lで浸水10分後に排水してから残り時間(3時間20分)、その状態を維持する。
■P11段階〜P19段階(各3時間半、計31.5時間)は、各段階において、給水量5lで浸水10分後に排水してから残り時間(3時間20分)、その状態を維持する。
■P20段階〜P28段階(各3時間半、計31.5時間)は、各段階において、給水量6lで浸水10分後に排水してから残り時間(3時間20分)、その状態を維持する。
【0023】また、栽培水として、溶存酸素量8mg/l、キトサン濃度10000分の1の栽培水で行ったものを試験例1とし、溶存酸素量4.5mg/lの通常の水道水を使用したものを試験例2とした。そして、試験例1で栽培されたもやしは、9月30日に収穫後、10月5日までは10℃前後で保冷し、10月6〜8日では19〜21℃で保存した。一方、試験例2で栽培されたもやしは、9月30日に収穫後、保冷庫で10℃前後で保存した。
【0024】(3)本実施例の効果一般に、もやしを1000kg生産する場合、栽培水は約160m3必要であると言われており、また、育成日数は10〜12日であり、育成率(全原料豆中、成長した原料豆の割合)は70〜80%程度である。これに対し、本実施例のもやし栽培箱を用いてもやし栽培を行った結果、成長率は97%以上、一繁殖台あたりの収穫量は3300〜4000gであった。よって、本実施例のもやし栽培箱を用いると、成長率が高く、収率がかなり向上することが分かる。また、栽培に使用した栽培水の量は、本実施例のもやし栽培箱あたり150lであった。この結果から、本実施例のもやし栽培箱を用いてもやしを1000kg生産するのに必要な栽培水の量は、約37〜46m3と、従来のものと比較して1/4前後まで減らすことができるので、効率的に栽培水を使用できることが分かる。
【0025】図8に示すように、キトサン含有栽培水を用いて栽培した試験例1のもやしは、根の量がかなり多く、根の成長がよいのに対し、図9に示すように、通常の水道水を用いて栽培した試験例2のもやしでは、根の量が試験例1ほどではなく、根の成長が試験例1ほどではないことが分かる。また、図10に示すように、試験例1で栽培されたもやしは、収穫後、5日間は10℃前後で保冷し、次の3日間は19〜21℃と、温度を変化させて保存したが、8日後の段階で変色することなく、依然として白いままである。これに対し、図11に示すように、試験例2で栽培されたもやしは、収穫後、保冷庫で10℃前後で保存したが、3日後の段階で既に下部、内部より変色しているところが見られる。以上より、栽培水としてキトサン含有栽培水を使用し、本実施例のもやし栽培箱を用いて栽培すると、保存性に優れたもやしが得られることが分かる。
【0026】尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、栽培水は、栽培水供給管に自動弁及び水量計等を設置して、水量及び給排水時間をコンピューターにより自動的にコントロールすることができる。また、もやし栽培箱から排出された排水は、回収することによりリサイクルして使用することもできる。また、本発明のもやし栽培方法では、化学物質を使用しないため、切り取った根が有機肥料として使用でき、栄養分が多いため有効である。
【0027】
【発明の効果】本第1発明及び本第2発明のもやし栽培箱によれば、育成箱の外底面に保水用突出部を設け、該育成箱の上記保水用突出部との間に間隙を有するように繁殖台と遮光材とを配設することにより、栽培水が散布後直ちに流出するのを防止して有効に栽培水を活用し、短期間で効率的にもやしを栽培することができる。特に、本第3発明及び本第4発明に示すように、2個以上積み重ねて使用すると、栽培水を効率的に利用できるので好ましい。
【0028】また、本第5発明〜本第7発明のもやし栽培方法によれば、従来のように種子を発芽させてから育成装置に入れ替える必要がないので、栽培期間を短縮でき、また、栽培水の量も従来の栽培方法に比べて半分以下の量にすることができる。更に、本第8発明に示すように、栽培水としてキトサン含有栽培水を使用すると、原料豆が効率的にキトサン含有栽培水を吸収する結果、漂白剤等を使用しなくても色が白く、保存性も良好な品質的に優れたもやしを製造することができる。
【出願人】 【識別番号】599168970
【氏名又は名称】株式会社秋田エンジニアリング
【出願日】 平成11年12月1日(1999.12.1)
【代理人】 【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
【公開番号】 特開2001−157516(P2001−157516A)
【公開日】 平成13年6月12日(2001.6.12)
【出願番号】 特願平11−342327