| 【発明の名称】 |
屋上緑化用マット、及び該マットを用いた屋上緑化工法 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 雅敏
【氏名】山中 智央
【氏名】品川 隆宣
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| 【要約】 |
【課題】植物を育成すべく内部に充填した土壌が、雨水などの流水によって流失しにくい屋上緑化用マット(A)を提供すること。
【解決手段】植物育成のための土壌を保有し得る空隙を備え、かつ空隙に充填した土壌が雨水などの流水によって流出するのを防ぐことのできる屋上緑化用マット(A)であって、熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線条体(15a)の多数本が、互いに交差しながら各々水平方向ならびに厚み方向に不規則あるいは規則的に屈曲して一方側から他方側に向けて延びるとともに、多数本の連続線条体(15a)は、互いに交差するポイントにおいて融着されてなる立体網状構造体(15)と、立体網状構造体(15)における表裏いずれか一方側に取着された可撓性を有するネット体(14)とからなり、連続線条体(15a)が、ネット体(14)を構成する縦条および/または横条を巻き込んで当該ネット体(14)と立体網状構造体(15)が一体化されてなるものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】植物育成のための土壌を保有し得る空隙を備え、かつ前記空隙に充填した土壌が雨水などの流水によって流出するのを防ぐことのできる屋上緑化用マットであって、熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線条体の多数本が、互いに交差しながら各々水平方向ならびに厚み方向に不規則あるいは規則的に屈曲して一方側から他方側に向けて延びるとともに、前記多数本の連続線条体は、互いに交差するポイントにおいて融着されてなる立体網状構造体からなることを特徴とする屋上緑化用マット。 【請求項2】植物育成のための土壌を保有し得る空隙を備え、かつ前記空隙に充填した土壌が雨水などの流水によって流出するのを防ぐことのできる屋上緑化用マットであって、熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線条体の多数本が、互いに交差しながら各々水平方向ならびに厚み方向に不規則あるいは規則的に屈曲して一方側から他方側に向けて延びるとともに、前記多数本の連続線条体は、互いに交差するポイントにおいて融着されてなる立体網状構造体と、前記立体網状構造体における表裏いずれか一方側に取着された可撓性を有するネット体とからなり、前記連続線条体が、ネット体を構成する縦条および/または横条を巻き込んで当該ネット体と立体網状構造体が一体化されてなることを特徴とする屋上緑化用マット。 【請求項3】植物育成のための土壌を保有し得る空隙を備え、かつ前記空隙に充填した土壌が雨水などの流水によって流出するのを防ぐことのできる屋上緑化用マットであって、熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線条体の多数本が、互いに交差しながら各々水平方向ならびに厚み方向に不規則あるいは規則的に屈曲して一方側から他方側に向けて延びるとともに、前記多数本の連続線条体は、互いに交差するポイントにおいて融着されてなる立体網状構造体と、前記立体網状構造体における表裏いずれか一方側に取着された不織布とからなることを特徴とする屋上緑化用マット。 【請求項4】前記ネット体における網目の大きさが、1〜10cm×1〜10cmであることを特徴とする請求項2に記載の屋上緑化用マット。 【請求項5】前記立体網状構造体が、厚さ1〜5cm、空隙率90〜98%、空隙径3cm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の屋上緑化用マット。 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の屋上緑化用マットを、屋根上面である基盤上面に止水シートを敷設したのち敷設し、のち当該屋上緑化用マットにおける空隙に、種子または苗木とともに土壌を充填するか、あるいは土壌を充填したあと、種子を蒔くかまたは苗木を植え付けることを特徴とする緑化工法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、屋上緑化用マット、及び緑化工法に関し、住宅(家屋)や建築物の屋根の上に用いられ、内部に土壌を充填して植物の育成を図るとともに、雨水などの流水による前記土壌の流出(流失)を防ぐ機能を備えた屋上緑化用マット、及びこのマットを用いた緑化工法に関する。 【0002】なお、本発明おける「マット」は「シート状のもの」も含む。 【0003】 【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年になって街での緑化運動があちらこちらで進められてきている。すなわち、近年、めっきりと街から緑(植物)が少なくなり、そこで住む人や働く人の心の憩いが難しくなりつつあるというのが実情である。少なくなった緑を復活させようと、政府や自治体などが植樹・植林を薦めており、緑化を促進する企業に対しては補助金を交付するという提案もされている。 【0004】そこで、街の緑化の一つの手段として、家屋や建築物の屋上に植物を生やし、これにより街の緑化を進めるといった試みがなされている。 【0005】従来、屋上における緑化工法としては、例えば、種子や肥料を混入した客土を単に屋根に対して吹き付ける厚層基材吹き付け工法が行われていた。 【0006】しかしながら、この方法によれば、客土が雨水や風雨によって流失しやすく、緑化が思うほどに進まないといった問題があった。 【0007】[発明の目的]本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、植物を育成すべく内部に充填した土壌が、雨水などの流水によって流失しにくい屋上緑化用マット、及びこの屋上緑化用マットを用いた緑化工法を提供するところにある。 【0008】 【課題を解決しようとする課題】請求項1記載の屋上緑化用マット(以下、単に「マット」ともいう)は、植物育成のための土壌を保有し得る空隙を備え、かつ前記空隙に充填した土壌が雨水などの流水によって流出するのを防ぐことのできる屋上緑化用マットであって、熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線条体の多数本が、互いに交差しながら各々水平方向ならびに厚み方向に不規則あるいは規則的に屈曲して全体的には、各々一方側から他方側のほぼ同じ方向に向けて延びるとともに、前記多数本の連続線条体は、互いに交差するポイントにおいて融着されてなる立体網状構造体からなるものである。 【0009】請求項2記載のマットは、植物育成のための土壌を保有し得る空隙を備え、かつ前記空隙に充填した土壌が雨水などの流水によって流出するのを防ぐことのできる屋上緑化用マットであって、熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線条体の多数本が、互いに交差しながら各々水平方向ならびに厚み方向に不規則あるいは規則的に屈曲して全体的には、各々一方側から他方側のほぼ同じ方向に向けて延びるとともに、前記多数本の連続線条体は、互いに交差するポイントにおいて融着されてなる立体網状構造体と、前記立体網状構造体における表裏いずれか一方側に取着された可撓性を有するネット体とからなり、前記連続線条体が、ネット体を構成する縦条および/または横条を巻き込んで当該ネット体と立体網状構造体が一体化されてなるものである。 【0010】請求項3記載のマットは、植物育成のための土壌を保有し得る空隙を備え、かつ前記空隙に充填した土壌が雨水などの流水によって流出するのを防ぐことのできる屋上緑化用マットであって、熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線条体の多数本が、互いに交差しながら各々水平方向ならびに厚み方向に不規則あるいは規則的に屈曲して全体的には、各々一方側から他方側のほぼ同じ方向に向けて延びるとともに、前記多数本の連続線条体は、互いに交差するポイントにおいて融着されてなる立体網状構造体と、前記立体網状構造体における表裏いずれか一方側に取着された不織布とからなるものである。 【0011】請求項4記載のマットは、請求項1に記載のマットにおいて、前記ネット体における網目の大きさが1〜10cm×1〜10cmであることを特徴とする。 【0012】請求項5記載のマットは、請求項1〜3のいずれか1項記載のマットにおいて、前記立体網状構造体が、厚さ1〜5cm、空隙率90〜98%、空隙径3cm以下であることを特徴とする。 【0013】請求項6記載の緑化工法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の屋上緑化用マットを、屋根上面である基盤上面に止水シートを敷設したのち敷設し、のち当該屋上緑化用マットにおける空隙に、種子または苗木とともに土壌を充填するか、あるいは土壌を充填したあと、種子を蒔くかまたは苗木を植え付けることを特徴とする緑化工法である。 【0014】[作用]請求項1に記載の屋上緑化用マットを、例えば屋根における傾斜面上に敷設する。この屋上緑化用マットは、立体網状構造体が熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線条体によって構成されていることから比較的軽量であり、また柔軟であることから屋上傾斜面上への敷設作業が容易である。なお、前記連続線条体が0.1mm径未満の場合、得られる立体網状構造体の機械的強度が乏しくなるとともに、所望の空隙径(後述する)が得られにくくなるという問題が生じる。また、前記連続線条体が5mm径を超す場合、得られる立体網状構造体の剛性が高くなり、施工性、取扱性が悪化する。連続線条体の径の好ましい範囲は、0.5〜3mmである。 【0015】この屋上緑化用マットにおいて、所定厚みを有する立体網状構造体の内部に土壌が充填される。この土壌には、場合によっては肥料や種子を混入することもでき、また植物の苗木や芝生を併用することもできる。充填された土壌は、立体網状構造体を構成する互いに絡み合った多数本の連続線条体により当該立体網状構造体の空隙内にしっかりと保持される。これにより、雨水などの流水による前記土壌の流出を最小限に抑えることができる。 【0016】土壌上に自然に落下した種子(飛来種子)あるいは土壌に人為的に混入させた種子(あるいは苗木)は、やがて成長をはじめ、根が立体網状構造体を構成する多数本の連続線条体に絡みながら土壌中で生育する。これにより、土壌の保持効果がより一層強力なものとなり(土壌の流出防止効果が向上し)、延いては成長した植物が雨水などの流水にさらされても流失しにくくなる。 【0017】請求項2に記載の屋上緑化用マットは、請求項1に記載のマットに加え、次のような作用効果を奏する。すなわち、請求項2に記載のマットにあっては、立体網状構造体における表裏いずれか一方の面に可撓性を有するネット体が取着(接着剤による接着、熱融着など)されているので、立体網状構造体の機械的強度が向上する。しかも、このネット体は、立体網状構造体の表面に単に接着されているのでは無く、ネット体を構成する縦条および/または横条に連続線条体が巻き付くことにより立体網状構造体と一体化されているので、ネット体が立体網状構造体から剥がれるといった心配はない。 【0018】また、本発明の屋上緑化用マットは、可撓性を有するネット体を具備していることから、立体網状構造体の広さ方向(広がり方向)に及ぼされる力に対してこのネット体が優れた抵抗性を示し(すなわち、立体網状構造体の伸びがこのネット体によって飛躍的に抑制され)、施工性がアップする。すなわち、屋上における傾斜面上に本発明の屋上緑化用マットを多数敷設する場合において、数人の作業者が既に傾斜面上に敷設した屋上緑化用マットの上に載りながら他の屋上緑化用マットを順次縦横に敷き並べるわけであるが、作業者が屋上緑化用マットの上に載った際、どうしても人の重量によって当該屋上緑化用マットは広さ方向(広がり方向)に力が及ぼされ、傾斜面の下側方向に伸びようとする。しかしながら、前述したように本発明の屋上緑化用マットはネット体を備えているので、たとえ傾斜面に敷設したマットの上に人が載った場合でも下側方向への伸びは抑制される。 【0019】更に、立体網状構造体に取着するネット体は、金属線条体のように剛性を有するものではなく、例えば天然繊維や合成樹脂繊維のように柔軟性を有するもので構成されているので、敷設地の微妙な凹凸やコーナー部分に対しても容易に追従し得(密着性が良くなり)、優れた施工性が得られる。すなわち、このネット体が金属線条体(金網)により構成されている場合には、敷設地の凹凸やコーナー部分に対しては、作業者が敷設前に、外部からこのネット体に対して力を加え、屋根の形状に見合った形に成形し直す必要が生じるが、本発明の屋上緑化用マットにあっては、ネット体が柔軟性を備えたものであることから、当該マットを屋根に敷設するだけで、自ずと敷設地の形状に追従し(敷設地に密着し)、敷設前にわざわざ敷設地の形状に見合った形に整えるような必要はない。 【0020】請求項3に記載の屋上緑化用マットは、請求項2記載のマットにおけるネット体が不織布に代わった点で異なる。請求項3に記載のマットは、請求項1に記載のマットに加え、次のような作用効果を奏する。すなわち、立体網状構造体における表裏いずれか一方の面に不織布が取着されているので、立体網状構造体の機械的強度が向上する。この不織布は、立体網状構造体の一方の面に熱接着、熱融着されていることが好ましい。 【0021】また、不織布を備えていることにより、立体網状構造体を厚み方向に通過した、例えば雨水がこの不織布に取り込まれ、そしてこの不織布の内部を通水路として流れる。従って、前記雨水が、立体網状構造体の内部に充填した土壌を引き連れて外部に流出(流失)させるといった心配はない。 【0022】さらに、本発明の屋上緑化用マットは、前述したように不織布を具備していることから、立体網状構造体の広さ方向(広がり方向)に及ぼされる力に対してこの不織布が優れた抵抗性を示し(すなわち、立体網状構造体の伸びがこの不織布によって飛躍的に抑制され)、施工性がアップする。すなわち、屋上における傾斜面上に本発明の屋上緑化用マットを多数敷設する場合において、数人の作業者が既に傾斜面上に敷設した屋上緑化用マットの上に載りながら他の屋上緑化用マットを順次縦横に敷き並べるわけであるが、作業者が屋上緑化用マットの上に載った際、どうしても人の重量によって当該屋上緑化用マットは広さ方向(広がり方向)に力が及ぼされ、傾斜面の下側方向に伸びようとする。しかしながら、前述したように本発明の屋上緑化用マットは不織布を備えているので、たとえ傾斜面に敷設したマットの上に人が載った場合でも下側方向への伸びは抑制される。 【0023】立体網状構造体に取着する不織布は、金属線条体のように剛性を有するものではなく、例えば天然繊維や合成樹脂繊維のように柔軟性を有するので、敷設地の微妙な凹凸やコーナー部分に対しても容易に追従し得(密着性が良くなり)、優れた施工性が得られる。すなわち、この不織布の代わりに金属線条体(金網)が構成されている場合には、敷設地の凹凸やコーナー部分に対しては、作業者が敷設前に、外部からこの金属線条体に対して力を加え、屋根の形状に見合った形に成形し直す必要が生じるが、本発明の屋上緑化用マットにあっては、不織布が可撓性を備えたものであることから、当該マットを屋根に敷設するだけで、自ずと敷設地の形状に追従し(敷設地に密着し)、敷設前にわざわざ敷設地の形状に見合った形に整えるような必要はない。 【0024】不織布の厚みとしては特に限定はないが、5〜20mmであることが好ましい。5mm未満の場合、不織布を取着することによって発揮される効果に乏しくなり、20mmを超える場合、厚みを増やしただけの効果が特別に得られないばかりか、全体の厚みが大きくなり過ぎて取り扱い性が悪化したり、経済的不利を招く。 【0025】請求項4に記載の屋上緑化用マットのように、ネット体における網目の大きさが1〜10cm×1〜10cmであることが好適である。ネット体の網目の一辺の大きさが1cm未満の場合、土壌流出防止という点では特に問題はないが、重量が大きくなって施工性が悪くなるという問題が生じやすくなり、また10cmを超えることにより、立体網状構造体の伸びを防止する効果に乏しくなる可能性が生じる。更に好ましい範囲は3×7cm〜3×7cmである。 【0026】請求項5の屋上緑化用マットのように、前記立体網状構造体の厚さは1〜5cmであることが好ましい。この厚さが1cm未満の場合、植物の、特に根の定着に支障を来す可能性が生じ、期待するほどの土壌流出防止効果が得られない場合がある。また、5cmを超えることにより、作業性に悪影響を及ぼす可能性が生じる。 【0027】立体網状構造体の空隙率は、90〜98%であることが好適である。空隙率が90%未満の場合、土壌のための空間が小さくなり、植物の成長に支障を来す可能性があり、また98%を超えることにより、機械的強度に乏しくなる傾向にある。 【0028】空隙径は3cm以下であることが好ましい。3cmを超えることにより、この空隙径を通過し得る土、砂、小石が多くなり、土壌流出防止効果に支障を来す可能性がある。 【0029】請求項6に記載の緑化工法において、まず請求項1〜5のいずれか1項に記載の屋上緑化用マットを、例えば屋根における傾斜面上(屋上)に敷設する。この屋上緑化用マットは、立体網状構造体が熱可塑性樹脂重合体よりなる0.1〜5mm径の連続線条体によって構成されていることから比較的軽量であり、また柔軟であることから屋上傾斜面上への敷設作業が容易である。 【0030】このマットにおける立体網状構造体の内部に土壌を充填する。この土壌には、場合によっては肥料や種子を混入することもでき、また植物の苗木や芝生を併用することもできる。あるいは、充填したあとに種子を蒔いたり、苗木を植えたりする。なお、充填された土壌は、立体網状構造体を構成する互いに絡み合った多数本の連続線条体により当該立体網状構造体の空隙内にしっかりと保持されるので、雨水などの流水による前記土壌の流出を最小限に抑えることができる。 【0031】種子(あるいは苗木)は、やがて成長をはじめ、根が立体網状構造体を構成する多数本の連続線条体に絡みながら土壌中で生育する。これにより、土壌の保持効果がより一層強力なものとなり(土壌の流出防止効果が向上し)、延いては成長した植物が雨水などの流水にさらされても流失しにくくなり、そして屋上の緑化を効果的に進めることができる。 【0032】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。 【0033】立体網状構造体の製造(ネット体を具備する場合)本発明で用いられる立体網状構造体は、例えば図1〜図4に略示した装置を用いることによって能率的に製造することができる。 【0034】すなわち、図に示すように、一方向に向けて走行する無端ベルト(10)を備えた搬送体(12)の上に長尺状のネット体(14)が載せられながら同方向に走行している。このネット体(14)は柔軟性を有し、網目の大きさは5cm×5cmであり、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミドなど)よりなる。 【0035】符号(20)は、走行するネット体(14)の上方に設けられた紡糸口金であり、その下面において、紡糸ノズル(例えば、孔径:0.5mm、図示せず)が多数列設されている。この紡糸ノズルから、熱可塑性樹脂の溶融物、例えばポリプロピレン樹脂の溶融物が紡糸口金(20)より連続線条体(15a)として紡出され、下方に向けて自然落下する。なお、無端ベルト(10)よりなる搬送体(12)は、上記した紡出連続線条体(15a)の落下速度よりも遅い速度で移動しており、このような搬送体(12)の上に前記した連続線条体(15a)をネット体(14)を介して自然落下させる。また、この搬送体(12)は、その上面(紡出連続線条体(15a)の落下面)において、図3および図4に示すように、板状をなす凹凸片(22)の多数が搬送体(12)における無端ベルト(10)の長手方向に並設されている。 【0036】この凹凸片(22)は、上方に向かって突出し幅方向(あるいはそれに近い方向)に延びる断面三角形の凸部(22a)と、下方に向かって凹入形成され幅方向(あるいはそれに近い方向)に延びる断面逆三角形の凹部(22b)とが走行方向において繰り返されてなり、ゴム製、金属製、合成樹脂製あるいは木製よりなる。最終的に得られる立体網状構造体の厚さは、この凹凸片(22)における凸部(22a)の頂部から凹部(22b)の底部の間隔によって大きく左右されるわけであるが、本実施例においては、前記凸部(22a)の頂部から凹部(22b)の底部の間隔は2cm〜4cmである。 【0037】これにより、紡糸ノズルから落下する紡出連続線条体(15a)の多数本が、走行するネット体(14)を構成する縦条および/または横条と交絡しつつ、かつ搬送体(12)上では互いに交差しながらそれぞれ不規則な上向きループと下向きループとを描いて順次集積される(図3参照)。 【0038】凹凸片(22)上に落下した紡出連続線条体(15a)の多数本は次第に固化するが、その際、交差点において互いに自己融着するとともに、ネット体(14)と紡出連続線条体(15a)とが互いに融着する。そして、ネット体(14)を巻き込みながら成型された立体網状構造体を凹凸片(22)から引き離すことにより、図5および図6に示すように、ネット体(14)と立体網状構造体(15)とが一体化した屋上緑化用マット(A)(厚さ:2〜4cm、空隙率97%)が得られる。 【0039】なお、屋上緑化用マット(A)における空隙径(30)は3cm以下(好ましくは、3mm〜3cm)であることが好ましいが、一度の工程でこのような空隙径(30)が得られない場合には、上記のようにして得られた屋上緑化用マット(A)に対し、紡糸ノズルからの熱可塑性樹脂溶融物の紡出を1度または2度行なえばよい。すなわち、前記屋上緑化用マット(A)を搬送体(12)に載せて走行させ、紡糸口金(20)の紡糸ノズルから熱可塑性樹脂の紡出連続線条体(15a)を、前記マット(A)の上面に対して直接落下させればよい。これにより、当該マット(A)の空隙径(30)が小さくなり、所望の値(5mm〜3cm)を得ることができる。空隙径(30)を小さくすることにより、土壌の流動を阻止する性能が向上し、侵食防止効果に優れた屋上緑化用マット(A)が得られる。 【0040】なお、ネット体(14)を具備しないで屋上緑化用マット(A)を構成する場合には、上記した実施例において、ネット体(14)を省略してマット(A)の製造をすればよい。 【0041】立体網状構造体の製造(不織布を具備する場合)立体網状構造体の表裏どちらか一方の片面に不織布を設ける方法としては、例えば次のような方法を採ることができる。 【0042】すなわち、図7に示すように、一方向に向けて走行する無端ベルト(10)を備えた搬送体(12)の上方に、紡糸口金(20)が設置されており、紡糸口金(20)の下面には、紡糸ノズル(例えば、孔径:0.5mm、図示せず)が多数列設されている。 【0043】搬送体(12)は、その上面において、上記した実施例と同様、板状をなす凹凸片(22)の多数が搬送体(12)における無端ベルト(10)の長手方向に並設されている。この凹凸片(22)は、上方に向かって突出し幅方向(あるいはそれに近い方向)に延びる断面三角形の凸部と、下方に向かって凹入形成され幅方向(あるいはそれに近い方向)に延びる断面逆三角形の凹部とが走行方向において繰り返されてなり(図3および図4参照)、ゴム製、金属製、合成樹脂製あるいは木製よりなる。最終的に得られる立体網状構造体の厚さは、この凹凸片(22)における凸部の頂部から凹部の底部の間隔によって大きく左右されるわけであるが、本実施例においては、前記凸部の頂部から凹部の底部の間隔は2cm〜4cmである。 【0044】この紡糸ノズルから、熱可塑性樹脂の溶融物、例えばポリプロピレン樹脂の溶融物が紡糸口金(20)より連続線条体(15a)として紡出され、下方に向けて自然落下する。なお、無端ベルト(10)よりなる搬送体(12)は、上記した紡出連続線条体(15a)の落下速度よりも遅い速度で移動しており、このような搬送体(12)の上に前記した連続線条体(15a)を自然落下させる。これにより、紡糸ノズルから落下する紡出連続線条体(15a)の多数本が搬送体(12)上で互いに交差しながらそれぞれ不規則な上向きループと下向きループとを描いて順次集積される。 【0045】そして、凹凸片(22)上に落下した紡出連続線条体(15a)が固化しないうちに(未だ溶融状態にあるうちに)、当該紡出連続線条体(15a)の上に不織布(F)を貼り合わせる。すなわち、図7に示すように、紡出連続線条体(15a)群より構成するとともに一方向に走行する立体網状構造物の上面に不織布(F)を加圧する。これにより、立体網状構造体の上面側にスポット的に不織布(F)が熱融着(熱接着)される。 【0046】次第に紡出連続線条体(15a)の多数本は次第に固化するが、その際、交差点において互いに自己融着するとともに、不織布(F)と紡出連続線条体(15a)とが互いにしっかりと融着し、図8に示すように、立体網状構造体の片面に不織布(F)が貼り合わされてなる屋上緑化用マット(A)(厚さ:2〜4cm、空隙率97%)を得ることができる。 【0047】なお、屋上緑化用マット(A)における空隙径(30)は3cm以下(好ましくは、3mm〜3cm)であることが好ましいが、一度の工程でこのような空隙径(30)が得られない場合には、上記のようにして得られた屋上緑化用マット(A)に対し、紡糸ノズルからの熱可塑性樹脂溶融物の紡出を1度または2度行なえばよい。すなわち、前記屋上緑化用マット(A)を搬送体(12)に載せて走行させ、紡糸口金(20)の紡糸ノズルから熱可塑性樹脂の紡出連続線条体(15a)を、前記マット(A)の上面に対して直接落下させればよい。これにより、当該マット(A)の空隙径(30)が小さくなり、所望の値(5mm〜3cm)を得ることができる。空隙径(30)を小さくすることによって、土壌の流動を阻止する性能が向上し、侵食防止効果に優れた屋上緑化用マット(A)が得られる。 【0048】屋上緑化用マット(A)の敷設と屋上緑化上記のようにして得られた屋上緑化用マット(A)を適当な大きさ(例えば2m×2m)に裁断し、これの多数を屋上における傾斜面上に敷設する。以下、この点について図9および図10に基づいて説明する。 【0049】まず、本発明の屋上緑化用マット(A)を敷設する屋根の上に非透水性の止水シート(ポリ塩化ビニルシート、EVAシートなど。0.5〜2mm)を敷設し、接着剤あるいはピンなどを用いてこの止水シートを屋根上面に固定する。 【0050】屋根の上に敷設した止水シート上に、本発明のマット(A)の多数を、隙間を作らないようにして(あるいは耳部を互いに重ね合わせながら)敷設していき、そして、アンカーピン(図示せず)で(あるいは接着剤で)当該マット(A)が動かないように1つずつ固定する。 【0051】屋根の上面の全体にマット(A)を敷設固定し終わったら、この上から植物育成のための土壌(D)を被せ、前記マット(A)の立体網状構造体における空隙内に土壌(D)を充填し、さらにマット(A)の上に2〜3cm程度の盛土を作成する。盛土の作成が終わったら蒔種や植苗を行なう。なお、土壌(D)の中に予め種子(必要に応じて肥料)を混入しておいても良い。 【0052】土壌(D)中の種子はやがて発芽し、さらなる成長を続け、図11に示すように、しばらくして屋根の上が植物によって緑化されることになる。 【0053】植物育成のために充填された土壌(D)は、立体網状構造体を構成する互いに絡み合った多数本の連続線条体により当該立体網状構造体の空隙内にしっかりと保持されるので、雨水などの流水による前記土壌(D)の流出を最小限に抑えることができる。しかも、成長した植物の根が立体網状構造体を構成する多数本の連続線条体に絡みながら土壌(D)中で生育するので、土壌(D)の保持効果がより一層強力なものとなり(土壌(D)の流出防止効果が向上し)、延いては成長した植物や土壌(D)自身が雨水などの流水にさらされても流失しにくくなり、そして屋上の緑化を効果的に進めることができる。 【0054】 【発明の効果】本発明によれば、植物を育成すべく内部に充填した土壌が、雨水などの流水によって流失しにくい屋上緑化用マットを提供することができる。 【0055】また、本発明の緑化工法によれば、例えば住宅(家屋)・建築物の屋上の緑化を効果的に促進させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390039114 【氏名又は名称】株式会社田中
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| 【出願日】 |
平成11年11月19日(1999.11.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059225 【弁理士】 【氏名又は名称】蔦田 璋子 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−145422(P2001−145422A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月29日(2001.5.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−329614 |
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