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【発明の名称】 ワサビ栽培用の作土、及びこれを使用したワサビ栽培方法
【発明者】 【氏名】平野 登

【氏名】藤原 雅章

【氏名】大倉 敏道

【要約】 【課題】ワサビを短期間で商品として十分なものに成育させることのできるワサビ栽培用の作土を提供すること。

【解決手段】上から順に第1層11〜第4層14の4つの層状に積層されたものとするとともに、第1層11及び第3層13を、直径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%程度と、粘土類10%以下とを混合したものとし、第2層12を、直径が5mm程度の川砂利により構成するとともに、第4層14を、直径が20〜50mm程度の玉砂利により構成したこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ワサビ栽培のための容器内に詰められて、上方から注入された養水を下方に向けて通しながらワサビの栽培を行うために使用される作土であって、この作土を、上から順に第1層〜第4層の4つの層状に積層されたものとするとともに、前記第1層及び第3層を、直径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%程度と、粘土類10%以下とを混合したものとし、前記第2層を、直径が5mm程度の川砂利により構成するとともに、前記第4層を、直径が20〜50mm程度の玉砂利により構成したことを特徴とするワサビ栽培用の作土。
【請求項2】 前記層状の作土は、前記第2層の厚さを、ワサビの根茎が商品となり得る100mm程度とするとともに、これを基準に、前記第1層〜第4層の各層の厚さの比を、5:10:3:18程度となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のワサビ栽培用の作土。
【請求項3】 ワサビの栽培に適した箇所に多数の栽培容器を配列して、これら各栽培容器内に次の4層からなる作土を層状に詰め、第1層(最上層)及び第3層;直径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%程度と、粘土類10%以下とを混合したもの第2層(成育層);直径5mm程度の川砂利第4層(最下層);直径が20〜50mm程度の玉砂利この作土の詰め作業中または完了後に、ワサビ苗等を前記第2層に対して植え付けるか、あるいは、上記作土を詰めた各栽培容器をワサビの栽培に適した箇所に配列して、これら各栽培容器に対して養水の供給が行えるように配管して、この配管から前記各栽培容器内の表面に前記養水を供給して前記作土内を通過させるようにしたことを特徴とするワサビの栽培方法。
【請求項4】 前記層状の作土は、前記第2層の厚さを、ワサビの根茎が商品となり得る100mm程度とするとともに、これを基準に、前記第1層〜第4層の各層の厚さの比を、5:10:3:18程度となるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のワサビの栽培方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワサビ栽培用の作土及びこれを使用したワサビ栽培方法に関し、特に、「ワサビ田」を使用するといった場所の限定を受けないワサビ栽培用の作土及び栽培方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワサビは、山間地の日影の多い場所で、しかも清水が流れていて、「れき」(小石等の川砂利)が比較的入手し易い所に「ワサビ田」を形成し、このワサビ田で長い時間をかけて栽培されているものである。従って、ワサビ栽培は、上記のワサビ田が作れる場所でしか行えないのであり、非常に制限されたものとなっている。
【0003】特に、ワサビは、非常に育てにくい植物であり、少なくとも、次の条件を満たさなければならない。
【0004】■ワサビ田等の「培地」は、富栄養化されていると、ワサビの成育にかえって悪影響を及ぼすので、養分の少ない培地を使用すること。
【0005】■ワサビを育成するための栽培水は、毎秒15〜20cm程度の流速であること。
【0006】■同栽培水は、12℃〜15℃程度の水温であること。
【0007】■栽培水の溶存酸素量は、10ppm以上であること。
【0008】このような条件に合う場所でワサビ田を作ることは、当然のことながら多くの制約を受けるものであり、現在日本に形成されているワサビ田を、これ以上安価に増設することは殆ど不可能な状態になってきている。
【0009】特に、従来より行われている「ワサビ田」におけるワサビ栽培は、その培地を構成している砂利が崩れ易いため、この砂利による「畝」の修復作業を常に行わなければならないものとなっていて、非常に重労働となっている。「畝」の修復は、沢水の流れを良くするためにも、欠かせない作業となっているものである。それだけでなく、このような「ワサビ田」は、沢水をそのまま利用するものであるため、沢の中に形成しなければならないという制約があり、このことが、「ワサビ田」の増設を困難にしている大きな理由でもある。
【0010】このため、本発明者等は、上記■〜■のワサビ栽培条件を満たしながら、自然環境的に制約されたワサビ田の増設をより人工的に行えないかについて種々検討を重ねてきた結果、次の結論を得たのである。
【0011】(1)上記■の培地については、人工的なものが種々開発されてきており、安価に入手できるものとなっているので、現地で入手する必要がなくなってきている。
【0012】(2)上記■及び■については、山間地の沢水を利用するとともに、山間地の傾斜を利用すれば、何とか可能性が出てくる。
【0013】(3)日影条件は、現在ワサビ田でも使用されているような「寒冷紗」を利用すればよい。
【0014】(4)■の溶存酸素量については、沢水がその程度の酸素を既に有しており、この沢水を常に流すようにすれば十分と考えられる。
【0015】そこで、出願人等は、特開平11−151049号公報にて、「複数の栽培槽を順次低くなるように配置し、これら各栽培槽内に、少なくとも底面に多数の通水孔を設けた少なくとも1つの栽培容器を収納することにより、これら各栽培容器を順次低くなるように配置し、前記各栽培槽の高い位置のものから低い位置のものに配水管によって順次接続するとともに、これら各栽培槽内に下端が開口した止水板を設けて、前記配水管から供給された栽培水を、前記各止水板にて一旦止めて下方の開口から下流側へ流すことにより、前記各栽培容器の上流側のものから順に、その下部に前記栽培水を供給するようにしたことを特徴とするワサビ栽培方法」を提案してきているのであるが、その後の実験によって、培地を作る「作土」の改良をすることの必要性に気付いたのである。
【0016】すなわち、ワサビを十分成育させて、葉、茎及び根茎の全てが「商品」として十分なものとするには、上述した周囲環境を整えることも重要であるが、成育のための培地そのものの改良改善を行うことにより、より一層の収量と、促成が望めることに結論が至ったのである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のような経緯の下になされたもので、その解決しようとする課題は、ワサビの成育をより十分にかつ短期間に行えるようにすることである。
【0018】すなわち、請求項1及び請求項2に係る発明の目的とするとことろは、ワサビを短期間で商品として十分なものに成育させることのできるワサビ栽培用の作土を提供することである。
【0019】また、請求項3及び請求項4に係る発明の目的とするところは、上記請求項1または請求項2の作土を容器内で使用することによって、この容器に養水を容易に供給できる場所、例えば休耕田や山林中等の日陰を効果的に利用することができて、ワサビを短期間内で十分成育させることのできるワサビ栽培方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、まず請求項1に係る発明の採った手段は、後述する実施の形態中において使用する符号を付して説明すると、「ワサビ栽培のための容器20内に詰められて、上方から注入された養水を下方に向けて通しながらワサビ40の栽培を行うために使用される作土10であって、この作土10を、上から順に第1層11〜第4層14の4つの層状に積層されたものとするとともに、第1層11及び第3層13を、直径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%程度と、粘土類10%以下とを混合したものとし、第2層12を、直径が5mm程度の川砂利により構成するとともに、第4層14を、直径が20〜50mm程度の玉砂利により構成したことを特徴とするワサビ栽培用の作土10」である。
【0021】すなわち、この請求項1に係る作土10は、図1に示すように、ワサビ40を栽培する適宜箇所に配置される栽培容器20内に詰められるものであるが、図2に示すように、上から順に、第1層11〜第4層14の合計4層からなる層状のものである。これら各層の構成素材である、粗砂、微砂、川砂利あるいは玉砂利等は、天然のものを選別して使用するようにしてもよいが、前述したように、人工的なものを使用してもよい。
【0022】以上のように構成した作土10の表面に対しては、図1に示すように、配管30を通して谷水や湧水等の養水が供給されるのであるが、これらの養水は、配管30の先にある注入槽31内に一旦溜められて落葉等の不純物を除去したものとして形成されたものである。そして、各作土10の表面に供給された養水は、全層を通過して栽培容器20外に排出されることになる。
【0023】ここで、作土10を構成している各層での作用を説明すると、まず第1層11では、養水中に混入していて汚れの原因となっている細かな土や泥の除去がなされるとともに、供給された養水の蒸散防止が図られるのである。この蒸散防止を図るためには、当該第1層11がある程度の保水性を有していなければならないし、またゴミ除去のためには、それなりの細かさが必要である。従って、この第1層11は、上記のような材料によって構成する必要がある。
【0024】第2層12は、図2に示すように、ワサビ40の特に根茎43を育てる部分であり、ワサビ栽培にとって最重要部分である。すなわち、この第2層12では、上記第1層11にて調整された養水を、根44がたくさん生えているワサビ40の根茎43に供給するとともに、根茎43の支えも行うものである。ワサビ40の根茎43は、真すぐ下方に伸び、また商品形態を左右するものであるから、この第2層12の厚さは、根茎43の大きさを決定することにもなるものである。
【0025】この第2層12の下方にある第3層13は、実質的には上記第1層11と同じ構成のものであるが、第2層12を構成している川砂利の下方への流亡を防止することになるものである。換言すれば、この第3層13と第1層11とによって第2層12が包まれているのであり、第2層12を通るべき養水の短時間内での流出をも防止するものである。従って、この第3層13は、第2層12の構成材料の流亡防止と、第2層12における養水の保存機能、つまり保水作用を発揮するものである。
【0026】最下層の第4層14は、上記のように粗目の玉砂利を使用することにより、養水中に混入している泥土等を積極的に外部へ排出させる機能を有していて、各層での目詰り防止を図りながら、当該作土10の全箇所における養水の流れを安定化させるものである。
【0027】従って、この請求項1の作土10によれば、ワサビ40の特に根茎43に対して最適な養水の流れを形成することができるのであり、これにより、ワサビ40を早期かつ十分に成育させることができるのである。
【0028】上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1の作土10について、「層状の作土10は、第2層12の厚さを、ワサビの根茎43が商品となり得る100mm程度とするとともに、これを基準に、第1層11〜第4層14の各層の厚さの比を、5:10:3:18程度となるようにしたこと」である。
【0029】すなわち、この請求項2の作土10では、商品化されるべきワサビ40の根茎43の最適な大きさは10cm程度であることに着目して、根茎43の成育がなされる第2層12の厚さをこの10cm程度にしたものである。そして、この第2層12の厚さに対して、他の層の最適な厚さを上記したように決定したものである。
【0030】従って、この請求項2の作土10によれば、長さ10cmの程度の根茎43を得るにあたって、その早期成育を果たしながら、ワサビ40の成育を十分なものとすることができるのである。
【0031】また、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、同様に、「ワサビ40の栽培に適した箇所に多数の栽培容器20を配列して、これら各栽培容器20内に次の4層からなる作土10を層状に詰め、第1層11(最上層)及び第3層13;直径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%程度と、粘土類10%以下とを混合したもの第2層12(成育層);直径5mm程度の川砂利第4層14(最下層);直径が20〜50mm程度の玉砂利この作土10の詰め作業中または完了後に、ワサビ苗等を第2層12に対して植え付けるか、あるいは、上記作土10を詰めた各栽培容器20をワサビ40の栽培に適した箇所に配列し、これら各栽培容器20に対して養水の供給が行えるように配管30して、この配管から各栽培容器20内の表面に養水を供給して作土10内を通過させるようにしたことを特徴とするワサビ40の栽培方法」である。
【0032】すなわち、この請求項3に係るワサビ栽培方法は、上述した請求項1に係る作土10を採用しながら、ワサビ栽培を制限を受けないで行えるようにしたものであり、そのために、栽培容器20を使用するようにしたものである。
【0033】栽培容器20は、ワサビの成育状態や天候に応じた養水の供給量を調整するものであって、ワサビ栽培に適した場所であれば、別に谷水が流れている「ワサビ田」のような場所に限定されることなく設置されるものであり、例えば休耕田であってもよいし、勿論山林中の斜面であってもよい。また、この栽培容器20内に作土10を詰めておけば、作土10を構成している各層が流れによって動くことがないため、ワサビ田の整地のような作業は全く不要となる。
【0034】勿論、各栽培容器20に対しては、図1に示すように、配管30を利用して1箇所の注入槽31から養水の供給を行うようにするのであるから、谷から離れた休耕田でのワサビ栽培をも十分可能にするものである。注入槽31に対しては、谷水は勿論、湧水が近くにあればこれを供給するようにしてもよいし、ポンプ等を利用して養水を供給するようにすれば、天候や自然災害に影響を受けることなく、ワサビ栽培を行うことができるものである。
【0035】従って、この請求項3に係るワサビ栽培方法によれば、ワサビ栽培のための場所の限定を殆んど受けることがないのであり、請求項1の作土10を使用することによって、ワサビ栽培を短期間内に十分に行うことができるのである。
【0036】さて、請求項4に係る発明の採った手段は、上記請求項3のワサビ栽培方法について、「層状の作土10は、第2層12の厚さを、ワサビの根茎43が商品となり得る100mm程度とするとともに、これを基準に、第1層11〜第4層14の各層の厚さの比を、5:10:3:18程度となるようにしたこと」である。
【0037】従って、この請求項4のワサビ栽培方法によれば、上記請求項3のワサビ栽培方法と同様なワサビ栽培を行うことができることは勿論、長さ10cmの程度の根茎43を得るにあたって、その早期成育を果たしながら、ワサビ40の成育を十分なものとすることができるのである。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、上記のように構成した各発明を、図面に示した実施の形態に従って説明するが、この実施形態は、上記各発明の全てを実質的に含むものであるため、以下では、この実施形態を中心に説明していくこととする。
【0039】まず、図1には、本発明に係る作土10を詰めた多数の栽培容器20を、休耕田や山林中の、ワサビ栽培に適した地面に設置して、これら各栽培容器20に養水の供給を集中管理して行えるように、配管30を適宜配列した状態の平面図が示してある。すなわち、この図1には、本発明に係るワサビ栽培方法を実施している状態が示してある。
【0040】本実施形態における配管30は、図1に示したように、縦に並べた各栽培容器20上に取付けることにより、栽培容器20の作土10上面に散水できるようにしてあるが、ワサビ40の成育に適した養水の供給調整が行えるようになっていることは言うまでもない。また、この配管30には、散水ムラが生じないようにするための孔が、適宜な数や大きさのものとして開口させてある。
【0041】そして、各配管30に対しては、例えば各栽培容器20の設置場所より高い位置に設置した注入槽31に接続してあり、この注入槽31から各栽培容器20に養水が自然流下するようにしてある。この注入槽31に対しては、谷水や湧水を自然流下させるか、場所によってはポンプによって汲み上げて、一定量の養水が溜められるようにしてある。なお、本実施形態では、水温13℃前後の湧水を使用して、各栽培容器20に毎分80リットル程度流れるようにしている。
【0042】注入槽31においては、図示していないけれども、ネットや内部堰あるいは上述した止水板等を設けることによって、養水中に混入している葉等の有機物を留めるようにして、下流の配管30側へ流下しないようにしている。勿論、小さな砂等は内部堰あるいは止水板によって底に溜まるようにしてあり、これらの砂等も下流の配管30側に流下しないようにしてある。
【0043】作土10が詰められている各栽培容器20は、図2に示したように、タテ×ヨコ×高さが、約725mm×1230mm×360mm程度の合成樹脂製容器であり、その容器本体21の底面、または側壁下端の適宜位置(図示せず)には多数の排水孔21aが形成してある。これら各容器本体21からは、作土10中を通ってきた養水が排出されるのであり、これら各栽培容器20は養水をオーバーフローさせて使用するものではないものとしてある。
【0044】なお、本実施形態の栽培容器20は、ワサビ40の根茎43が比較的大きなものも栽培できるようにするために、上述したような大きさのものとして形成してあるが、通常の商品化されるべき根茎43を形成するため、及び排水を良好にするためには、図2に示したように、支持台22を使用することによって作土10の底上げを行うようにしている。
【0045】換言すれば、本実施形態の栽培容器20は、その容器本体21内に多数の排水孔22aを有した支持台22を収納するとともに、この支持台22上にネット23を敷いてこのネット23上に作土10を層状に積層するものである。勿論、各排水孔22aやネット23は、養水を底面にまで流下させることができるものであり、作土10を構成している各材料を流下させない程度のものであることは言うまでもない。
【0046】そして、この栽培容器20は、その中に作土10を詰めて、休耕田等のワサビ栽培適地に配置されるのであるが、その場合には、図2にも示したように土台上に載置するようにするとよい。この土台は、例えば合成樹脂を材料として一体成形した運搬用パレットを採用するのが、常に水に濡れしかも自然環境にそのまま置かれるものであることから、有利である。
【0047】さて、この作土10であるが、この作土10は、図2に示したように、上から順に、第1層11、第2層12、第3層13及び第4層14からなっているものである。これらの第1層11等を構成している材料は、谷川にある砂利を選別することにより入手してもよいが、人工的に作られたものであってもよいものである。各層は、次のようなものである。
【0048】作土10を構成している第1層11は、直径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%程度と、粘土類10%以下とを混合したものによって構成したものであり、養水中に混入しているゴミの除去を行うとともに、養水の蒸散防止を図るものである。
【0049】また、作土10を構成している第2層12は、直径が5mm程度の川砂利により構成したものであり、上記第1層11にて調整された養水を、根44がたくさん生えているワサビ40の根茎43に供給するとともに、根茎43の支えも行うことになるものである。
【0050】さらに、作土10を構成している第3層13は、上記の第1層11と実質的に同様に構成したものであり、直径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%程度と、粘土類10%以下とを混合したものである。また、この第3層13は、上記第1層11との協動によって第2層12をサンドイッチ状に包み込むものであり、第2層12を通るべき養水の短時間内での流出をも防止するものである。
【0051】そして、作土10を構成している第4層14は、直径が20〜50mm程度の玉砂利により構成したものであり、養水中に混入している泥土等を積極的に外部へ排出させる機能を有していて、各層での目詰り防止を図りながら、当該作土10の全箇所における養水の流れを安定化させるものである。
【0052】以上のような作土10は、栽培容器20内のネット23上に、第4層14から順に第3層13、第2層12及び第1層11というように詰められるものであるが、第2層12は、図2にも示したように、ワサビ40の主として根茎43の成育を果す部分となるものであり、この第2層12を第1層11と第3層13とによってサンドイッチ状にするものである。そして、この第2層12の厚さを10cm程度とすることにより、ワサビ40の根茎43を商品化するのに適した大きさのものとするのである。
【0053】この第2層12は、根茎43を成育させる重要部分であり、この第2層12中には養水が必要かつ十分に通されなければならないため、作土10はこの第2層12を中心にした前述の4層から構成しなければならないものである。そして、各層の機能については、前述した通りである。
【0054】本実施形態においては、作土10を構成している第2層12の厚さを10cm程度としたときに、他の層の厚さは、以下に示す比の程度の厚さとしてある。
【0055】第1層11:第2層12:第3層13:第4層14=5:10:3:18また、作土10全体の厚さは、上記実施形態の栽培容器20に対して、380mm程度であり、第1層11の表面は容器本体21の縁から約30mm程度下方にあり、容器本体21内の支持台22によって形成されている養水の流れ空間の厚さは230mm程度となっている。
【0056】
【発明の効果】以上、詳述した通り、まず請求項1に係る発明においては、上記実施形態にて例示した如く、「ワサビ栽培のための容器20内に詰められて、上方から注入された養水を下方に向けて通しながらワサビ40の栽培を行うために使用される作土10であって、この作土10を、上から順に第1層11〜第4層14の4つの層状に積層されたものとするとともに、第1層11及び第3層13を、直径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%程度と、粘土類10%以下とを混合したものとし、第2層12を、直径が5mm程度の川砂利により構成するとともに、第4層14を、直径が20〜50mm程度の玉砂利により構成したこと」を特徴とするワサビ栽培用の作土10」にその構成上の特徴があり、これにより、ワサビ40を短期間で商品として十分なものに成育させることのできるワサビ栽培用の作土10を提供することができる。
【0057】また、上記作土10について、各層の厚さを、第1層11から順に、5:10:3:18とすることにより、第2層12の通水を良好なものとすることができて、ワサビ40の特に根茎43の成育を促すことができるのである。
【0058】さらに、請求項3に係る発明のように、「ワサビ40の栽培に適した箇所に多数の栽培容器20を配列して、これら各栽培容器20内に次の4層からなる作土10を層状に詰め、第1層11(最上層)及び第3層13;直径が0.25〜2.0mm程度の粗砂60%以上と、直径が0.25mm以下の微砂30%程度と、粘土類10%以下とを混合したもの第2層12(成育層);直径5mm程度の川砂利第4層14(最下層);直径が20〜50mm程度の玉砂利この作土10の詰め作業中または完了後に、ワサビ苗等を第2層12に対して植え付けるか、あるいは、上記作土10を詰めた各栽培容器20をワサビ40の栽培に適した箇所に配列し、これら各栽培容器20に対して養水の供給が行えるように配管30して、この配管から各栽培容器20内の表面に養水を供給して作土10内を通過させるようにしたことを特徴とするワサビ40の栽培方法」を採用すれば、ワサビ40を、少ない管理でしかも商品化するのに十分なものとして育てることができて、休耕地の有効利用ができることは勿論、ワサビ田の砂利等の資源を有効に利用することができるのである。
【出願人】 【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
【識別番号】597163980
【氏名又は名称】平野 登
【識別番号】599163252
【氏名又は名称】有限会社エフコンサルタント
【識別番号】597164002
【氏名又は名称】大倉 敏道
【出願日】 平成11年11月19日(1999.11.19)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典
【公開番号】 特開2001−145421(P2001−145421A)
【公開日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【出願番号】 特願平11−329402