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【発明の名称】 生け垣ユニット及びそれを用いた造園
【発明者】 【氏名】飯島 裕之

【氏名】荒木 靖史

【氏名】藤田 東仙

【要約】 【課題】細根の発育を維持しながらルーピングの発生及び枝葉の成長を抑えることができるようにする。

【解決手段】根鉢部材3に1本の草木Nを植生してその枝葉Naを厚板状に繁茂させており、または、根鉢部材3に複数本の草木Nを並べて植生してその枝葉Naを草木並び方向に繁茂させており、前記根鉢部材3を貫根性の被覆材4で被い、この被覆材4から突出する根Nbを切断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 根鉢部材に1本の草木を植生してその枝葉を厚板状に繁茂させており、または、根鉢部材に複数本の草木を並べて植生してその枝葉を草木並び方向に繁茂させており、前記根鉢部材を貫根性の被覆材で被い、この被覆材から突出する根を切断していることを特徴とする生け垣ユニット。
【請求項2】 根鉢部材に1本の草木を植生してその枝葉を厚板状に繁茂させており、または、根鉢部材に複数本の草木を並べて植生してその枝葉を草木並び方向に繁茂させており、前記根鉢部材から突出する根を切断すると共に根鉢部材を貫根性の被覆材で被っていることを特徴とする生け垣ユニット。
【請求項3】 前記草木の枝葉の平面視形状を、直線形、円弧形又は略くの字形に形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の生け垣ユニット。
【請求項4】 前記被覆材を貫根性を有する不織布製の容器に形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生け垣ユニット。
【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれかに記載の生け垣ユニットを複数備え、造園地域内で密接して又は間隔をおいて配置し、かつ各生け垣ユニットを草木の枝葉が同方向又は異方向に向くように配置していることを特徴とする生け垣ユニットを用いた造園。
【請求項6】 前記生け垣ユニットの根鉢部材を、植栽容器又は造園地凹部に根成長抑制材を介して埋設していることを特徴とする請求項5に記載の生け垣ユニットを用いた造園。
【請求項7】 前記根成長抑制材を、固相率略18〜32%でかつ気相率略45〜55%の土壌で形成することを特徴とする請求項6に記載の生け垣ユニットを用いた造園。
【請求項8】 前記生け垣ユニットを工場で生産していることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の生け垣ユニットを用いた造園。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生け垣ユニット及びそれを用いた造園に関する。
【0002】
【従来の技術】屋内外で生け垣を作る際には、植木鉢あるいはプランタ等の植栽容器内の土壌に1本又は複数本の草木を所要の大きさまで養生して、それを生け垣を作る箇所、即ち造園地に運搬して、所定間隔に並べて配置しており、その配置時には、植栽容器に植栽したままにする、植栽容器から抜き取って所要大きさの別容器に移植する、又は造園地に凹部を形成してその凹部に移植する等で生け垣状配置にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、草木を植栽容器に植栽したままにすると、ルーピングの発生により細根の発育不良を生じることがあり、大型容器に移植すると、直根及び直根から伸びた比較的太い枝根が大きく成長し、容器内でルーピングを発生して細根の形成が阻害されることがあり、また、造園地の凹部に移植すると、ルーピングの発生はないが、直根及び太い枝根の成長により細根の成長が阻害され、しかも植え替えが困難になる。
【0004】前記直根及び太い枝根の成長は、草木の枝葉の繁茂と背丈の成長につながり、生け垣としては頻繁に剪定を必要とし、そのような生け垣を用いた造園は、メンテナンスに多大な労力がかかることになる。本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした生け垣ユニット及びそれを用いた造園を提供することを目的とする。本発明は、根鉢部材を貫根性の被覆材で被い、また突出根を切断しておくことにより、細根の発育を維持しながらルーピングの発生及び枝葉の成長を抑えることができるようにした生け垣ユニットを提供することを目的とする。
【0005】本発明は、根鉢部材を貫根性の被覆材で被い、また突出根を切断した生け垣ユニットを造園地域内に複数配置して、少ない労力で簡単にメンテナンスができるようにした造園を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明生け垣ユニットにおける課題解決のための第1の具体的手段は、根鉢部材3に1本の草木Nを植生してその枝葉Naを厚板状に繁茂させており、または、根鉢部材3に複数本の草木Nを並べて植生してその枝葉Naを草木並び方向に繁茂させており、前記根鉢部材3を貫根性の被覆材4で被い、この被覆材4から突出する根Nbを切断していることである。これによって、被覆材4内の根鉢部材3で細根の発育が維持され、被覆材4から突出するような直根及び太い枝根の成長を抑制し、枝葉Naの成長を抑制する。
【0007】本発明生け垣ユニットにおける課題解決のための第2の具体的手段は、根鉢部材3に1本の草木Nを植生してその枝葉Naを厚板状に繁茂させており、または、根鉢部材3に複数本の草木Nを並べて植生してその枝葉Naを草木並び方向に繁茂させており、前記根鉢部材3から突出する根Nbを切断すると共に根鉢部材3を貫根性の被覆材4で被っていることである。これによって、被覆材4内の根鉢部材3で細根の発育が維持され、根鉢部材3から突出するような直根及び太い枝根の成長を抑制し、枝葉Naの成長を抑制する。
【0008】本発明生け垣ユニットにおける課題解決のための第3の具体的手段は、第1又は2の具体的手段に加えて、前記草木Nの枝葉Naの平面視形状を、直線形、円弧形又は略くの字形に形成していることである。これによって、生け垣ユニット2は平面視形状が直線形、円弧形又は略くの字形等種々の形状になる。本発明生け垣ユニットにおける課題解決のための第4の具体的手段は、第1〜3のいずれかの具体的手段に加えて、前記被覆材4を貫根性を有する不織布製の容器に形成していることである。
【0009】これによって、根鉢部材3に対する被覆材4の被覆を容易にし、生け垣ユニット2の取扱いを簡便化し、直根及び太い枝根の成長を抑制して細根の成長を促進する。本発明造園における課題解決のための第1の具体的手段は、前記いずれかに記載の生け垣ユニットを複数備え、造園地域内で密接して又は間隔をおいて配置し、かつ各生け垣ユニット2を草木Nの枝葉Naが同方向又は異方向に向くように配置していることである。
【0010】これによって、成長が抑制された生け垣ユニット2で、イージメンテナンスでかつバリエーションの多い生け垣を有する造園が形成できる。本発明造園における課題解決のための第2の具体的手段は、造園第1具体的手段に加えて、前記根鉢部材3を植栽容器5又は造園地凹部6に根成長抑制材7を介して埋設していることである。これによって、さらに、イージメンテナンスな生け垣を有する造園が形成できる。
【0011】本発明造園における課題解決のための第3の具体的手段は、造園第2具体的手段に加えて、前記根成長抑制材7を、固相率略18〜32%でかつ気相率略45〜55%の土壌で形成することである。これによって、枝葉Naの成長を抑制して直根及び太い枝根の成長をより確実に抑制して、草木Nの細根の成長を維持し、より長期間にわたってメンテナンスが不要な生け垣を有する造園となる。本発明造園における課題解決のための第4の具体的手段は、造園第1〜3のいずれかの具体的手段に加えて、前記生け垣ユニット2を工場で生産していることである。
【0012】これによって、生け垣ユニット2の規格化、量産化、製作から造園地域内配置までのシステム化が可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1、2に示す第1の実施の形態において、生け垣ユニット2は、工場内の圃場(農地、容器内土壌を含む)に凹部11を形成し、この凹部11内に貫根性の被覆材4を埋め込み、この被覆材4内に根鉢部材3を形成する養生土壌を充填し、その養生土壌で草木Nを半年から1年の間養生し、枝葉Naが所要状態にまで生育した後に、被覆材4の周囲を掘り起こして被覆材4と共に草木Nを取り出し、根Nbの被覆材4から突出した部分を切断して、根鉢部材3及び被覆材4を備えた生け垣ユニット2の完成品としている。
【0014】そして、この生け垣ユニット2は、造園地まで搬送し、被覆材4付きのまま造園地凹部6に挿入し、被覆材4と造園地凹部6との間に根成長抑制材7を充填して植栽し、造園の生け垣を形成する。前記根鉢部材3を形成する土壌としては、植物の栽培に通常使用されている基本用土(赤玉土、黒土、川砂)、改良用土(腐葉土、ピートモス)、調整用土(バーミキュライト、パーライト)等の各種の土壌(培養土)を使用することができ、天然土壌、人工土壌、あるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。
【0015】そしてこの根鉢部材3の三相比率は、固相率略40%以上、気相率略15%以上、かつ液相率略10%以上の土壌である。なお、工場内の圃場の土壌も根鉢部材3と同様なものが使用されている。前記被覆材4は貫根性を有する不織布で形成することが好ましく、シート状の不織布で凹部11内面を被う、または、不織布で定型容器又は柔軟性のある袋状容器を形成して、その容器を凹部11内に配置する、ことによって、その内部に挿入された草木Nの根鉢部材3を被うことになる。
【0016】また、被覆材4用の不織布としては、脂肪族ポリエステル、コポリエステルエーテル等の生分解性合成樹脂(合成繊維を含む)、又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の非生分解性合成樹脂(合成繊維を含む)を用いることができ、例えば、密度0.07〜0.14g/m3 、繊度1〜4d、通気性100〜250cc/cm2 /sec、貫通抵抗値9.8〜39.2N(約1〜4kgf)に設定した不織布を使用することが好ましい。前記草木Nは根鉢部材3を貫根抵抗のある被覆材4で被うと、根系への高い捕捉性と貫通抵抗値により、細根が生成し易く、ルーピングの発生を抑制して、耐風倒木性を向上させることができる。
【0017】しかし、被覆材4は例えば、目付10〜70g/m2 の網状材を使用することもでき、これは高い貫根性を有するので、直根及び太い枝根がある程度貫通するが、被覆材4を設けない場合よりも大幅に細根が生成し、その後の掘り出し作業及び根切断作業を容易する。前記被覆材4を貫通して表面から突出する直根及び太い枝根は、カッタ等で切断され、運搬作用及び移植作業が容易になるようにしている。前記生け垣ユニット2は、根鉢部材3に1本の草木Nを植生して、その枝葉Naを厚板状に繁茂させることにより生け垣形状に形成する方法と、図2に示すように、根鉢部材3に複数本の草木Nを並べて植生して、その枝葉Naを草木並び方向に繁茂させることにより生け垣形状に形成する方法とを採ることができ、どちらも枝葉Naの長手方向と直交する横断面形状は図1のようになる。
【0018】そして前記草木Nの枝葉Naの平面視形状は、直線形、円弧形又は略くの字形等に形成することができ、特に根鉢部材3に複数本の草木Nを並べて植生する場合は、草木Nの並び方向を円弧、略くの字又は略Sの字等にすることにより、種々の形状の生け垣を形成できる。草木Nの根Nbは土壌の三相比率の相違によって、その生育程度が異なることが知られており、例えば、固相率が高いと直根及び太い枝根がよく成長して、枝葉Naが速く繁茂しかつ草木背丈が高くなり、逆に、固相率が低いと直根及び太い枝根の成長が抑制されて、枝葉Naが伸び難くなる。
【0019】換言すると、植物の発育によい三相の比率は、固相40%、気相30%、液相30%であるが、それよりも気相と液相とを合わせた量である空隙率(孔隙率)が高いと、直根及び太い枝根が成長して細根が成長し難く、逆に空隙率が低いと細根が成長し易くなる。前記根成長抑制材7はこの原理を利用したものであり、パーライト系土壌では例えば、固相率略18〜32%でかつ気相率略45〜50%{残余が液相率(略18〜38%)であり、またシリカ含有率は73〜76%前後}が好ましく、自然石系土壌では例えば、固相率略15〜20%でかつ気相率略45〜55%{残余が液相率(略28〜35%)}が好ましい。
【0020】従って、根成長抑制の物性値としては、固相率略18〜32%でかつ気相率略45〜55%の土壌が使用でき、空隙率は略68〜82%になる。なお、養生土壌の空隙率は略60〜65%が好ましい。この根成長抑制材7で造園地凹部6に挿入した草木Nの根鉢部材3を被うことにより、細根の生育は維持されるが、直根及び太い枝根の成長を確実に抑制し、枝葉Naの成長が抑えられ、生息していても成長の極めて少ない矮化植物となり、1年以上の長期にわたって植栽初期の形態を維持し、剪定作業を不要にする。
【0021】図3、4は第2の実施の形態において、生け垣ユニット2は、1本又は複数本で生け垣形状に育成した草木Nを、根Nbに土(根鉢部材3)を付けたまま圃場(山、農地等を含む)から掘り出し、根Nbを切断しかつ土を削除して、矩形体、円形体等のブロック形状の所要大きさの根鉢部材3を形成し、その根鉢部材3をシート状、定型容器状又は袋容器状の貫根性の被覆材4で包囲して形成する。そして、この生け垣ユニット2は、根成長抑制材7を充填した植栽容器5に根鉢部材3を挿入して造園地まで搬送する、又は造園地まで搬送してから植栽容器5に挿入し、これを複数並べて造園の生け垣を形成する。
【0022】この第2の実施の形態の場合、草木Nを植栽容器5に移植するので、屋内、ビルの屋上、その他どのような場所にも、生け垣を有する造園を形成することができる。なお、図3において、根鉢部材3及び被覆材4は、下部を上部より小さく形成しておいてもよい。図5は前記生け垣ユニット2を複数使用して形成した造園を示している。符号Aは枝葉Naを直線状に繁茂させた生け垣ユニット2を直列密接配置して、長尺の生け垣を形成しており、符号Bは枝葉Naを直線状に繁茂させた生け垣ユニット2を並列密接配置して、短尺で厚みのある生け垣を形成している。
【0023】符号Cは枝葉Naを円弧状に繁茂させた生け垣ユニット2を2個連結し、それを間隔をおいて配列しかつ配列方向に対して傾斜させており、目隠し機能を有しながらも風通しを可能にしている。符号Dは枝葉Naをくの字状に繁茂させた生け垣ユニット2を、造園地域の中程に間隔をおいて略平行に配置して、造園内での目隠し機能、風流通維持、趣向上等を可能にしている。また、図5の造園では、多数の草木Eが造園地凹部6に入れて又は植栽容器5に入れて配置されており、大きく成長する種類の草木は前記生け垣ユニット2と同様に根成長抑制材7を介して植えられており、そして、池Fを形成し、石G等も配置してビオトープを達成するようになっている。
【0024】前記造園では、生け垣ユニット2は草木Nの枝葉Naの方向をさらに種々選択することができ、イージメンテナンスでかつ種々のバリエーションの生け垣を有することが可能になり、被覆材4、根成長抑制材7等を有することにより、草木Nの植え替えも容易になる。また、造園では、より完全なビオトープを達成するための水循環設備等も施すことができる。なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、生け垣ユニット2は草木Nのみで自立させているが、添え木、添え柵等を根鉢部材3から立設してもよく、背丈の異なるものを複数種類形成し、また適宜造園に用いてもよい。
【0025】また、第1実施形態の生け垣ユニット2を植栽容器5に植栽したり、第2実施形態の草木Nの根鉢部材3に被覆材4を被せて、造園地凹部6に植栽してもよい。
【0026】
【発明の効果】 以上詳述した本発明生け垣ユニットによれば、被覆材4内の根鉢部材3で細根の発育を維持しながら、枝葉Naの成長を抑えてイージメンテナンスを図ることができ、しかも、量産できかつ取扱いが容易になる。また、本発明造園によれば、生け垣ユニット2を複数使用することにより、イージメンテナンスでかつ形状、配置等が異なるバリエーションに富む生け垣を有する造園を造成できる。
【出願人】 【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
【出願日】 平成11年11月10日(1999.11.10)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2001−136848(P2001−136848A)
【公開日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【出願番号】 特願平11−320238