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【発明の名称】 出芽育苗器用蒸気発生器
【発明者】 【氏名】富田 幸蔵

【氏名】大丸 譲二

【要約】 【課題】従来の出芽育苗器用の蒸気発生器は、ヒートポットから沸騰水が溢れ出てケースを腐食させると共に、ヒーター等の電気機器を濡らして漏電を起こす恐れがあり、危険であることである。

【解決手段】ケース11内に水槽12、ヒートポット13およびヒーター14を設けて構成した出芽育苗器1用の蒸気発生器であり、ヒートポット13の垂直孔13aに、長管部15aと短管部15bを有する逆J字状通孔パイプ15の長管部15aを挿入し、短管部15bの先端を水槽12の水Wに臨ませる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケース(11)内に水槽(12)、ヒートポット(13)およびヒーター(14)を設けて構成した出芽育苗器(1)用の蒸気発生器であり、ヒートポット(13)の垂直孔(13a)に、長管部(15a)と短管部(15b)を有する逆J字状通孔パイプ(15)の長管部(15a)を挿入し、短管部(15b)の先端を水槽(12)の水(W)に臨ませてなる出芽育苗器用蒸気発生器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、出芽器や育苗器(以下、出芽育苗器と記す)の底部に取付けられ、出芽育苗器内に沸騰蒸気と温水蒸気を供給し、当該出芽育苗器内を加温および加湿する蒸気発生器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 図1および図2を参照して説明する。従来から、出芽育苗器1内に、種や苗を植え付けた育苗箱2を入れ、それら種や苗の成長を促すために、出芽育苗器1の底部に蒸気発生器20を取付けている。この蒸気発生器20は、ケース21の両側端部に一対のヒートポット23を設けると共に、その直下にヒーター24を設け、さらに、一対のヒートポット23の間に当該ヒートポット23と連通する水槽22を設けて構成されている。
【0003】そして、ヒーター24でヒートポット23および水槽22内の水Wを加熱し、ヒートポット23から沸騰蒸気を発生させると共に、水槽22から温水蒸気を発生させ、これらの蒸気で出芽育苗器1内を加温および加湿して苗の成長を促すこととしている。
【0004】しかし、この従来の蒸気発生器20においては、ヒートポット23の上端開口部から沸騰水Hが溢れ出てケース21を腐食させると共に、ヒーター24等の電気機器を濡らして漏電を引き起こし、危険であるといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 解決しようとする課題は、従来の出芽育苗器1用の蒸気発生器20は、ヒートポット23から沸騰水Hが溢れ出てケース21を腐食させると共に、ヒーター24等の電気機器を濡らして漏電を引き起こし、危険であることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】 図1および図3、図4を参照して説明する。本発明は、ケース11内に水槽12、ヒートポット13およびヒーター14を設けて構成した出芽育苗器1用の蒸気発生器であり、ヒートポット13の垂直孔13aに、長管部15aと短管部15bを有する逆J字状通孔パイプ15の長管部15aを挿入し、短管部15bの先端を水槽12の水Wに臨ませてなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】 本発明の一実施形態について説明する。この発芽育苗器用蒸気発生器10は、ケース11内に水槽12、ヒートポット13およびヒーター14を設けて構成したものであり、ケース11は金属製で、その両端部に一対のアルミニウム製ヒートポット13を取付け、その一対のヒートポット13の間に金属製で熱伝導性に優れる水槽12を取付けている。また、ヒートポット13の直下にヒーター14を取り付けている。
【0008】ヒートポット13は、二つの垂直孔13aを有する垂直部13bの下端中央部に水平部13cを設け、その水平部13cの上端部に穿設した開口13dと、水槽12の底壁に形成した連通孔12aとを水密に連通させ、水槽12内の水Wをヒートポンプの垂直孔13aに供給することとしている。
【0009】そして、各ヒートポット13の二つの垂直孔13aの一方に、長管部15aと短管部15bを有する逆J字状通孔パイプ15の長管部15aを挿入し、短管部15bの先端を水槽12の水Wに臨ませている。この通孔パイプ15は、ステンレス製で、長管部15aの長さは垂直孔13aの深さにほぼ等しく設定され、短管部15bのそれは水槽12内の水面に届かない程度に短く設定している。なお、通孔パイプ15は全ての垂直孔13aに挿入しても良い。
【0010】この発芽育苗器用蒸気発生器10の作用について説明する。ヒーター14に通電すると、当該ヒーター14の直上に位置するヒートポット13内の水Wが加熱されて沸騰し、沸騰蒸気となり、また、水槽12内の水Wも加熱されて温水蒸気となって、共に発芽育苗器1内に供給され、当該発芽育苗器1内を加温および加湿する。これによって、育苗箱2内の種や苗の成長を促す。沸騰蒸気は、特に発芽育苗器1内に素早く広がって育苗箱2の床土へ浸透し、また、温水蒸気は、特に床土の乾燥を防ぐはたらきをする。
【0011】ヒートポット13内の水Wが沸騰した状態において、従来技術ではヒートポット13の上端開口部から沸騰水Hが溢れ出ていたが、本発明の蒸気発生器10では、通孔パイプ15のはたらきによってそれが未然に防止される。すなわち、ヒートポット13内の水Wが沸騰することによって気泡が発生し、垂直孔13a内を上昇するが、この気泡が垂直孔13a内に挿入されている通孔パイプ15内の長管部15aに侵入して上昇し、それに伴って沸騰水Hも一緒に長管部15a内を上方へ移動する。沸騰した湯があぶくと共に薬罐の口から噴き出す現象にも見られる気泡揚水ポンプ(Air Lift Pump・・・空気を小気泡に細分して吹き込むフリッチェル式と、空気を大粒のまま途切れ途切れに吹き込むポール式の2通りあるが、ポール式によるものと考えられる)の原理によって沸騰水が上方へ移動する。そして、そのまま短管部15bを通って、水槽12内へ導かれる。この沸騰水Hの流れが一旦始まると、ヒートポット13内の水面と水槽12内の水面が一致するまで、ヒートポット13内の水位を下げる。
【0012】従って、従来、沸騰してヒートポット13の上端開口部から溢れ出ていた沸騰水Hが、通孔パイプ15によって連続的に水槽12に導かれるので、ヒートポット13の上端開口部から溢れ出ることがない。これによって、溢れ出た沸騰水Hによってケース11が腐食したり、また、ヒーター14が濡れて漏電を引き起こすことがない。
【0013】
【発明の効果】 本発明は、ケース11内に水槽12、ヒートポット13およびヒーター14を設けて構成した出芽育苗器用の蒸気発生器10において、ヒートポット13の垂直孔13aに、長管部15aと短管部15bを有する逆J字状通孔パイプ15の長管部15aを挿入し、短管部15bの先端を水槽12の水Wに臨ませたので、ヒートポット13内の沸騰水Hを、通孔パイプ15内で速度水頭により気泡と共に上方に移動させて水槽12内に導くことができる。従って、溢れ出た沸騰水Hによってケース11が腐食することがなく、また、ヒーター14が漏電することもない。
【出願人】 【識別番号】000142643
【氏名又は名称】株式会社啓文社製作所
【出願日】 平成11年11月17日(1999.11.17)
【代理人】 【識別番号】100062328
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 剛啓
【公開番号】 特開2001−136846(P2001−136846A)
【公開日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【出願番号】 特願平11−327148