| 【発明の名称】 |
天然芝入り人工芝 |
| 【発明者】 |
【氏名】柴田 和正
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、芝生の発芽、育成を阻害することなく、確実に生えムラを生じることなく天然芝と人工芝とが均一に混在する舗装面を容易かつ確実に形成しうる天然芝入り人工芝の提供する。
【解決手段】複数の小孔部を有する基布材に芝生マットを積層したのち、人工芝のパイルを植設させることを基本として、芝生の発芽、育成を阻害することなく、確実に生えムラを生じることなく天然芝と人工芝とが均一に混在する舗装面を容易かつ確実に形成しうる天然芝入り人工芝を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】シート状の基布材上に芝生マットを積層したのち、合成樹脂を用いた人工芝用パイルが、該シート状基布材に、芝生マットと人工芝パイルが混在するように、タフトされたことを特徴とする天然芝入り人工芝。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、人工芝と天然芝の双方の特性を有効に発揮でき、例えばスポーツ施設、広場などの舗装材として好適に使用しうる天然芝入り人工芝に関する。 【0002】 【従来の技術】天然芝と人工芝とを混在させて天然芝の持つクッション性と人工芝の持つ耐久性とを兼備した舗装材を、スポーツ施設、広場などに提供する試みは従来から考えられてきた。この例として、例えば実公昭63−40493号公報、及び特開平7−207614号公報に開示された技術がある。 【0003】このうち前者のものは、複数の穴を設けた耐腐食性の基片の表面に、人工芝である細条片を植設した人工芝生板の下部に、2枚の水溶性紙布片の間に天然芝の種子を挟着させた張芝体を張設させることを提案している。 【0004】また後者のものは、耐腐食性を有する透水性の材料からなりかつ上面に天然芝の種子を付着させた基布に、人工芝であるパイルをタフトすることを提案している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前者のものは、人工芝生板の下部に天然芝の種子が位置するため、人工芝生板に設けられた穴の間隔、大きさによっては、人工芝生板が天然芝の育成を阻害する恐れがある。また、人工芝である細条片を保持する人工芝生板と天然芝の種子を挟着した張芝体とが別体で構成されているため、敷設時に双方の密着が不充分となり種子の育成が阻害される恐れがある。 【0006】後者のものは、前者に比べ種子の育成を阻害する要因は少ない。しかし、種子を基布に付着させた後、パイルをタフトするため、タフト時に基布を突き刺す縫い針やタフト完了後の運搬などで種子が脱落することで、天然芝の生え方にムラが生じる恐れがある。 【0007】そこで本発明は、基布材に芝生マットを積層したのち、人工芝のパイルを植設させることを基本として、芝生の発芽、育成を阻害することなく、確実に生えムラを生じることなく天然芝と人工芝とが均一に混在する舗装面を容易かつ確実に形成しうる天然芝入り人工芝の提供を目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明の天然芝入り人工芝は、シート状の基布材上に芝生マットを積層したのち、合成樹脂を用いた人工芝用パイルが、該シート状基布材に、芝生マットと人工芝パイルが混在するように、タフトされたことを特徴とする天然芝入り人工芝である。しかも前記基布材は、前記の基布材に、芝生マットからの根又は芽が貫通するための小孔部を形成することがある。 【0009】また、本発明の天然芝入り人工芝の地面への密着性を良好にするためと、例えば、スポーツサーフェイスとしての適度の硬さ、クッション性を好適にするために、天然芝及び人工芝の芝目の間に、被覆材(目土)を充填することも好ましい方法である。 【0010】なお天然芝の良好な育成のためには、前記基布材に設ける小孔部は、その平均径を1〜3mm、かつ間隔を3〜5mmとすることが好ましい。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図示例とともに説明する。図1において、天然芝入り人工芝1は、天然芝のマット2に積層した基布材3と、この基布材3に植設される人工芝用のパイル5とから形成される。 【0012】前記基布材3は、シート状の基布材3であり、その上側に天然芝の芝生マット2を積層するのである。 【0013】前記基布材3は、合成繊維材または天然繊維材の一方または双方を組み合わせて形成した、例えば織布、編布、不織布、紙など、あるいは合成樹脂からなるフィルムなどのシート状体であり、前記芝生マット2からの根又は芽が貫通してのびるための小孔部6を夫々全面に配している。 【0014】前記芝生マット2としては、野芝、高麗芝等の日本の在来種を育成圃場で生育させて芝の根茎が相互に絡み合った芝生マットが通常使用されるが、その他に、ベントグラス類、バーミューダグラス類等の匍匐茎をもった洋芝類、トールフェスク、レッドフェスク、ライグラス類等の直立茎の洋芝類を育成して芝生マットとしたものも使用できる。刈り込み等のメンテナンス、耐乾、耐暑性などを考慮すると、野芝等の在来種がより好ましい。 【0015】このような芝生マット2をシート状基布材3に積層して、人工芝のパイルをタフトする場合、芝生マットの育成の際、芝生の根に付着した土壌等を払い落としたり、洗浄するなどすることが好ましい。また、芝生の育成において、育成用トレイ(稲の苗を育成するトレイなど)を使用して、水耕栽培的に育成して芝生マットを形成することも好ましいやり方である。このような根茎に土壌などの付着のない芝生マットは、人工芝のパイルをタフトする際に、タフティング機械のスムーズな稼動ができ、効率のよい本発明の天然芝入り人工芝の製造ができる。 【0016】ここで前記の基布材3には、以下のような機能が必要である。1)植設したパイルを保持する。2)天然芝の芽や根の育成を妨げない。 【0017】このような観点から基布材3は、パイル5の保持を主に考慮して耐久性、強度、耐腐食性に優れる合成繊維、特にポリプロピレンからなる不織布が好ましく用いうる。ただし、天然芝の根が貫通できるように、図1に示すように、前記小孔部6が全面に必要である。この小孔部6は、パイル5の植設が完了する前とか、あるいは基布材3にパイルを植設する途中で、パンチ、針などを用いて機械的に穿設することができる。 【0018】なお作業効率を考慮したとき、基布材3をにパイル5を植設する途中で基布材3に同時に小孔部6を形成することが好ましく、特にパイル5をタフティングする際、2本ある針のうちの1本で空打ちすることにより形成するのがよい。 【0019】この小孔部6は、パイル5の保持等を考慮し、平均径が1〜3mmであり、又3〜5mmの間隔で互いに隔たることが好ましい。ここで平均径とは、前記小孔部が丸穴でないときには、小孔部に内接する内接円の直径と小孔部に外接する外接円の直径との平均値で定義する。平均径が1mm未満では芽及び根の発育が悪化傾向となる。又間隔が3mmより小では、強度が低下してパイル5の保持性を損ねる危険性があり、5mmを越えると芝生マット2の乾燥のおそれがあり、基布材3の下の地面に芝の根の伸長を阻害し、芝生が生育して目的とするスポーツサーフェイスとしての共用に時間を要することとなる。 【0020】なお基布材3を織布や編布で形成し、その織り目、編み目によって、前記範囲に類似する平均径を有する小孔部6形成してもよい。又合成繊維と天然繊維とを組み合わせ、敷設後に天然繊維の部分が腐食することによって、この腐食部分で小孔部6を構成することもできる。 【0021】基布材3はヘシャンクロス等の麻など腐食性の織布とすることも可能で、これらの腐食性基布材が、施工後に腐食しても、天然芝及び人工芝の芝目に敷設する砂などの被覆材(目土)によって人工芝パイルが保持されるので、パイルが抜けることはなく、天然芝と人工芝の共存ができる。 【0022】他方、人工芝用の前記パイル5は、従来と同様に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、塩化ビニリデン等の合成繊維から作られた偏平な直毛状のスプリット糸やモノフィラメント糸またはこれらの混合糸からなる。このパイル5の植設は、基布材3から上方に突出するように、パイル5が基布材3を裏面から貫く形でタフティングすることにより行われ、上部を所定の高さに切り揃えるか、または、ループ状に残される。 【0023】このパイル5は、基布材3との摩擦力及び天然芝や人工芝の芝目に敷設される被覆材(目土)との摩擦力によりしっかりと保持される。従って、パイル5を固定するために裏面に接着材等を塗布したり、裏地などの別のシート体を貼着する必要がなくなる。そのため、基布材3に設けられた小孔部6が、この接着材の塗布あるいは裏地の貼着等によって塞がれることなく、植設後も維持される。従って、基布材3上の天然芝2は、定着後この小孔部6から根を伸ばし確実に生育できる。 【0024】なお、パイル5の基布材3からの突出高さH1は5〜40mm程度、又パイル5の植え付け間隔Pは7〜38mmが好ましく、これにより人工芝及び天然芝の夫々の長所により他方の短所を補う効果が充分に発揮される。つまり、突出高さH1が5mm未満であると、天然芝を保護する効果が薄く、40mmを越えると天然芝の発育に支障をきたす。又植え付け間隔Pが7mm未満では、人工芝により発生する摩擦熱が天然芝により緩和しにくくなり、逆に38mmを越えると天然芝を保護する効果が薄くなるからである。 【0025】このような天然芝入り人工芝1は、芝培養に適した培養土砂を敷き詰めた下地の上に敷設される。この天然芝入り人工芝1を、前記下地に密着させるためには、天然芝入り人工芝1を釘で下地に固定したり、基布材3上のパイル5間に無機質または有機質の被覆材(目土)、または、これらを混合した被覆材(目土)を充填し、しかる後、水を散布することによって、天然芝を定着・生育させる。被覆材(目土)には時として肥料を混合することもある。 【0026】また、被覆材(目土)を軽量で、保水性のある素材、例えば、パーライト、ピートモス、バーク堆肥などを小粒径に調整したものを使用すると、本発明の天然芝と人工芝の混在する舗装面の踏圧による固結を防止するので、芝生が健全に生育するとともに、スポーツサーフェイスとしての適度のクッション性を長期間維持できるなどの機能を付加できる。 【0027】又パイル5の引抜き抵抗力、及び天然芝入り人工芝1の寸法安定性の向上を目的として、例えば、基布材3を2枚若しくはそれ以上のシート体で形成することもでき、しかし、何れの場合にも、基布材3を貫通する小孔部6が必要である。 【0028】 【実施例】下記に示す仕様の人工芝(実施例1、比較例1、2)を試作し、各試供品の生産性、および施工による天然芝の発育状況を比較した。 【0029】実施例1ポリプロピレンの不織布からなる基布材の上に、根に付着している土壌などを洗い落とした高麗芝の芝生マットを重ね合わせて、この基布材に、ポリオレフィンからなるパイルを、突出高さ20mm、植え付け間隔5mm、単位面積当たり1000g/m2 でタフティングした。できあがったものを、前記下地上に敷設しかつ15mmの厚さの被覆材(目土)をして栽培した。 【0030】実施例2ポリプロピレンの平織布からなる基布材の上に、水耕栽培にて育成したペンクロスベントグラスの芝生マットを重ね合わせて、この基布材に、ナイロンからなるパイルを、突出高さ30mm、植え付け間隔をタフトゲージ5/16インチとし、単位面積当たり800g/m2 でタフティングした。できあがったものを、前記下地上に敷設しかつ20〜25mmの厚さの被覆材(目土)をして栽培した。 【0031】比較例1実施例1と同質のポリプロピレンの基材上に種子を糊付けし、レーヨンの基材で挟み込むことなくこのポリプロピレンの基材のみで基布材を形成するとともに、実施例1と同じ条件でパイルをタフティングしたものを実施例1と同じ条件で栽培した。 【0032】比較例2実施例1と同じ条件の下地上に、2枚のレーヨン不織布の間に天然芝の種子を挟着したものを敷設する。さらにその上に、前記実施例1と同質のポリプロピレンの基材にパイルをタフティングした人工芝を敷設し、実施例1と同じ条件で栽培した。 【0033】なお小孔部は、実施例1、2、比較例1、2ともに、タフティングの際、2本ある針のうちの1本で空打ちすることにより、実施例1、比較例1、2では直径1mm、間隔5mmで形成され、又実施例2では直径1mm、間隔5/16インチ(約7.9mm)で形成された。上記実施例1、2、比較例1、2のパイルのタフト性および天然芝の発育状況の結果は以下の通りである。 【0034】 【表1】
【0035】実施例1、2は、天然芝を、生えムラを招くことなく均一かつ発育良く栽培しうることが確認できた。 【0036】 【発明の効果】叙上の如く本発明は構成しているため、芝生の育成を阻害することなく、確実生育させることができ、生えムラを生じることなく天然芝と人工芝とが均一に混在する舗装面を容易かつ確実に形成しうる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000231431 【氏名又は名称】日本植生株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月11日(1999.11.11) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−136829(P2001−136829A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月22日(2001.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−321658 |
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