| 【発明の名称】 |
防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム及びこれを用いた栽培床 |
| 【発明者】 |
【氏名】徳岡 謙二
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| 【要約】 |
【課題】押出変動を生じさせることが無く、安定的して製造することができる初期低温防曇性及び防曇持続性に優れた防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム及びこれを用いた栽培床を提供する。
【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム及びポリオレフィン系樹脂フィルムが積層されてなる防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムであって、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムが、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して(a)融点が55℃以下であり、親水親油バランス(HLB)が6以上であるソルビタン脂肪族エステル0.1〜2.0重量部、(b)融点が50℃以下であり、親水親油バランス(HLB)が5以上であるモノグリセリン脂肪族エステル0.05〜1.0重量部及び無機充填材4〜8重量部を含有してなることを特徴とする防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム及びポリオレフィン系樹脂フィルムが積層されてなる防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムであって、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムが、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して(a)融点が55℃以下であり、親水親油バランス(HLB)が6以上であるソルビタン脂肪族エステル0.1〜2.0重量部、(b)融点が50℃以下であり、親水親油バランス(HLB)が5以上であるモノグリセリン脂肪族エステル0.05〜1.0重量部及び無機充填材4〜8重量部を含有してなることを特徴とする防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム。 【請求項2】 エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム及びポリオレフィン系樹脂フィルムが積層されてなる防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムであって、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムが、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して(a)融点が55℃以下であり、親水親油バランス(HLB)が6以上であるソルビタン脂肪族エステル0.1〜2.0重量部、(b)融点が50℃以下であり、親水親油バランス(HLB)が5以上であるジグリセリン脂肪族エステル0.05〜0.3重量部及び無機充填材4〜8重量部を含有してなることを特徴とする防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム。 【請求項3】 請求項1又は2記載の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムが栽培床側に面するように栽培床上面を被覆してなることを特徴とする栽培床。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム及びこれを用いた栽培床に関する。 【0002】 【従来の技術】農林業におけるハウス栽培、トンネル栽培等に用いられる被覆資材としては、従来では、一般に、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムが使用されていたが、比重が大きく、ベタツキが大きいため、取扱性、展張作業性が悪く、又、ハロゲン元素を含有することから焼却廃棄がし難いといった問題があった。 【0003】そのため、近年では、軽量性に優れ、ベタツキが少ないこと等から、取扱性、展張作業性が良好であり、且つ、周囲の植生に悪影響を与えることなく焼却廃棄が可能であるポリオレフィン系樹脂フィルムの使用が増加してきている。上記ポリオレフィン系樹脂フィルムは、一般に、疎水性が高く、ハウス栽培やトンネル栽培等の栽培床の閉鎖空間における温度変化によってフィルムの内側全面に微細な水滴が凝結し、太陽光線の入射を妨げ、積算日照強度を低下させるだけでなく、温度の上昇と共に水滴が合体して大きくなり、遂には栽培床に落下して栽培作物に悪影響を及ぼすものであった。 【0004】これらの被覆資材の好ましい結露水の処理は、被覆資材表面に凝縮した水滴が大きな水滴を形成して栽培床に落下することなく、直ちに被覆資材表面に薄膜状に濡れ広がり、該被覆資材表面を伝って栽培床側方に排水されるように被覆資材表面が親水性化されることである。 【0005】上記ポリオレフィン系樹脂フィルム表面の親水性化は、ジグリセリン脂肪族エステル等の防曇剤を製膜時にポリオレフィン系樹脂中に練り込んだり、表面に防曇剤被膜を塗工したりして賦与されるが、一般的に親水性の高い防曇剤は、防曇持続性が低く、ポリオレフィン系樹脂との相溶性を高めると、初期防曇性能や低温時における防曇性能が低下するといった問題があった。 【0006】上記問題を解決する方法として、特開平10−34号公報では、防曇剤として、多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステル化合物及び多価アルコールとオレイン酸との部分エステル化合物からなる組成物を使用している。しかしながら、このような防曇剤を使用すると、ポリオレフィン系樹脂フィルムの製膜時に押出変動が生じ易くなり、成形安定性が損なわれ、又、フィルムの外観が悪くなるといった問題があった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の事実に鑑みなされたものであって、その目的は、押出変動を生じさせることが無く、安定的して製造することができる初期低温防曇性及び防曇持続性に優れた防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム及びこれを用いた栽培床を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムは、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム及びポリオレフィン系樹脂フィルムが積層されてなる防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムであって、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムが、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して(a)融点が55℃以下であり、親水親油バランス(HLB)が6以上であるソルビタン脂肪族エステル0.1〜2.0重量部、(b)融点が50℃以下であり、親水親油バランス(HLB)が5以上であるモノグリセリン脂肪族エステル0.05〜1.0重量部及び無機充填材4〜8重量部を含有してなるものである。 【0009】請求項2記載の発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムは、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム及びポリオレフィン系樹脂フィルムが積層されてなる防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムであって、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムが、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して(a)融点が55℃以下であり、親水親油バランス(HLB)が6以上であるソルビタン脂肪族エステル0.1〜2.0重量部、(b)融点が50℃以下であり、親水親油バランス(HLB)が5以上であるジグリセリン脂肪族エステル0.05〜0.3重量部及び無機充填材4〜8重量部を含有してなるものである。 【0010】請求項3記載の発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムは、請求項1又は2記載の発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムが栽培床側に面するように栽培床上面を被覆してなるものである。 【0011】本発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムは、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム及びポリオレフィン系樹脂フィルムからなるものであるが、更に、ポリオレフィン系樹脂フィルムもエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるものであってもよいし、又、防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの機械的強度を担う他のポリオレフィン系樹脂フィルム、例えば、比較的メルトフローレートの低い低密度ポリエチレンフィルムや直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであってもよい。これらの低密度ポリエチレンフィルムや直鎖状低密度ポリエチレンフィルムは、所謂腰が強く、取扱性が良好であると共に、耐候性が良好である等の理由から好適に用いられる。 【0012】又、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムは、単層のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムであってもよいが、防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面側になる第一層と防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの中間層となる第二層のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムの種類を異にしたものからなるのが好ましく、例えば、第一層のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムとして、酢酸ビニル含有量(VAC)3〜12重量%、第二層のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムとして、VAC13〜18重量%が好ましく用いられる。 【0013】上述のように第一層と第二層のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムのVACを変えることによって、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム中に含有される上記ソルビタン脂肪族エステルやモノグリセリン脂肪族エステル及び/又はジグリセリン脂肪族エステルからなる防曇剤のブリードアウト速度やフィルム自体の柔軟性を調整することができる。 【0014】表面が露出する第一層のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムにあっては、上記VACが3重量%未満では防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの柔軟性が低下し、該フィルムのハウス展張作業性が悪くなり、且つ、上記防曇剤のブリードアウト速度を速めるため、防曇持続性が低下するおそれがあり、12重量%を超えるとブロッキング性が大きくなり該フィルムのハウス展張作業性が悪くなる。又、中間層をなす第二層にあっても、VACが18重量%を超えることによって防曇剤の貯留性や柔軟性等の性能の改善やその他の新たな特性の付加は認められず、徒にコストアップをきたすものとなるので、前記するVACが各々の層に相応しいものといえる。 【0015】以下、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムの構成について説明するが、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムが第一層及び第二層からなる場合は、各層についての構成を説明する。 【0016】上記ソルビタン脂肪族エステルの融点が55℃を超えると、白色のブリード物が多くなり得られるフィルム表面を汚染し、HLBが6未満、即ち、疎水性が高い場合、得られるフィルムの初期低温防曇性が低下するので、融点が55℃以下であり、HLBが6以上であるソルビタン脂肪族エステルに限定される。上記ソルビタン脂肪族エステルとしては、例えば、理研ビタミン社製、「ソルビタンパルミテート3EO」(融点44℃、HLB8)等が挙げられる。 【0017】上記ソルビタン脂肪族エステルの添加量が余り少ないと、得られるフィルムの防曇性が十分に発現せず、余り多いと、得られるフィルム表面へのブリードアウト量が多くなって、フィルム表面のベタツキがひどくなり、フィルム同士ブロッキングして取扱性が悪くなるので、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して0.1〜2.0重量部に限定され、0.2〜1.5重量部が好ましい。 【0018】上記モノグリセリン脂肪族エステルの融点が50℃を超えると、白色のブリード物が多くなり得られるフィルム表面を汚染し、HLBが5未満、即ち、疎水性が高い場合、得られるフィルムの初期低温防曇性が低下するので、融点が50℃以下であり、HLBが5以上であるモノグリセリン脂肪族エステルに限定される。上記モノグリセリン脂肪族エステルとしては、例えば、グリセリンラウレート(融点45℃、HLB5.5)等が挙げられる。 【0019】上記モノグリセリン脂肪族エステルの添加量が余り少ないと、得られるフィルムの防曇性が十分に発現せず、余り多いと、製膜時、樹脂組成物の押出スクリューへの食込みが悪くなり、押出変動を起こし易くなり、更には、得られるフィルム表面へのブリードアウト量が多くなって、フィルム表面のベタツキがひどくなり、フィルム同士ブロッキングして取扱性が悪くなるので、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して0.05〜1.0重量部に限定され、0.2〜0.5重量部が好ましい。 【0020】又、上記ジグリセリン脂肪族エステルの融点が50℃を超えると、白色のブリード物が多くなり得られるフィルム表面を汚染し、HLBが5未満、即ち、疎水性が高い場合、得られるフィルムの初期低温防曇性が低下するので、融点が50℃以下であり、HLBが5以上であるジグリセリン脂肪族エステルに限定される。上記ジグリセリン脂肪族エステルとしては、例えば、ジグリセリンオレート(常温で液状、HLB5.7)等が挙げられる。 【0021】上記ジグリセリン脂肪族エステルの添加量が余り少ないと、得られるフィルムの防曇性が十分に発現せず、余り多いと、製膜時、樹脂組成物の押出スクリューへの食込みが悪くなり、押出変動を起こし易くなり、更には、得られるフィルム表面へのブリードアウト量が多くなって、フィルム表面のベタツキがひどくなり、フィルム同士ブロッキングして取扱性が悪くなるので、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して0.05〜0.3重量部に限定され、0.1〜0.2重量部が好ましい。 【0022】上記モノグリセリン脂肪族エステル及びジグリセリン脂肪族エステルは、各々単独で用いられてもよいが、両者が併用されてもよい。上記モノグリセリン脂肪族エステル及びジグリセリン脂肪族エステルを併用する場合には、前記するエチレン−酢酸ビニル共重合体に対する添加量に従って配合される。又、モノグリセリン脂肪族エステルとジグリセリン脂肪族エステルの併用の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、両者を混合して一の層に含有させてもよいが、各々層を分けて二つの層に含有させてもよい。 【0023】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムには、無機充填材が添加されることが好ましい。上記無機充填材は、得られる防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの保温性を向上させるために添加されるが、同時に、製膜時の押出スクリューへの食込み性改善に寄与し得るものである。上記無機充填材としては、上記機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、酸化珪素、珪酸塩類、燐酸塩類、一般式Mx Aly (OH)2x+2y CO3 mH2 O〔但し、式中、Mはアルカリ土類金属又は亜鉛を示し、0<x<7、0<y<5、0≦m≦6〕で表される屈折率が1.47〜1.52の範囲にあるハイドロタルサイト類が挙げられる。中でも、合成ハイドロタルサイト類化合物は、保温性が良好であること等から好適に用いられる。 【0024】上記無機充填材の添加量は、余り少ないと添加した効果が十分に現出せず、余り多いと、得られる防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの防曇性が低下するので、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して4〜8重量部に限定される。 【0025】本発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの各層には、更に、必要に応じてブリードアウト抑制剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、滑剤、防霧剤、着色剤等が添加されてもよい。 【0026】上記ブリードアウト抑制剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムに添加されポリオレフィン系樹脂等の高分子物質に添加される低分子量化合物、特に上記防曇剤のブリードアウトによる防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム表面の白化を抑制するための添加剤であって、例えば、直鎖アルキルスルホン酸金属塩が挙げられる。上記ブリードアウト抑制剤の添加量は、余り多いと得られる防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの防曇性が低下するので、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して好ましくは0.08重量部以下、より好ましくは0.06重量部以下で添加される。 【0027】上記熱安定剤、酸化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジンクステアレート、ジンクラウレート、バリウムステアレート等のカルボン酸の金属塩、フェノール系酸化防止剤、有機亜燐酸エステル等のキレーター等が挙げられる。 【0028】上記紫外線吸収剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。 【0029】上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、チバスペシャリティ社製「Chimassorb 944LD」、「Tinuvin 622LD 」等が挙げられる。 【0030】上記滑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、金属石鹸系滑剤、ステアリン酸等の高級脂肪酸系滑剤等が挙げられる。 【0031】上記防霧剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。 【0032】本発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを製造する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、押出機と共押出用金型を含む共押出成形機を用いたインフレーション成形法又はTダイ成形法等が挙げられる。 【0033】本発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの厚さは、用途に応じて決められるものであって特に限定されるものではないが、余り薄くなると機械的強度が低下し、余り厚くなると取扱性、展張作業性等が低下するので、好ましくは0.02〜0.3mm程度であり、より好ましくは0.03〜0.15mm程度である。又、積層されている各層の個々の層厚さは、用途に応じて決められるものであって特に限定されるものではないが、例えば、第一層及び第二層からなるエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムに、ポリオレフィン系樹脂フィルム(第三層)が積層されてなる防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの場合では、第一層から第三層の方向に機械的強度が強くなるように、又、これと逆向きの方向に防曇性の機能が高まるように構成し、各々の厚さ比を、第一層/第二層/第三層=2:7:1とした厚さ構成が挙げられる。 【0034】本発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの個々の層は、更に、各層を複数の層に分かち、防曇剤の濃度勾配を設けたり、異種の防曇剤を層別して積層されてもよい。 【0035】本発明の栽培床は、上述のように構成された本発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムが栽培床側に面するように栽培床上面を被覆してなるものである。従って、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムに貯留された防曇剤は、逐次ブリードアウトし、上記栽培床側に面する露出表面に良好な濡れ性を賦与し、結露する水分を展張された上記防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの傾斜面に沿って作物が栽培されない畝間に静かに流れ落とし、地中に浸透させるものであるので、微細な水滴の付着によって太陽光線の透過を遮蔽し、発芽を遅らせたり、作物を軟弱化したり、することがなく、又、上記微細な水滴が合体して大きな水滴となり、その自重に耐えかね栽培作物に培土を撥ねかけて病害の因をなしたりするおそれがなく、効率的な施設利用を可能ならしめるものである。 【0036】 【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に沿って説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例で用いた樹脂のメルトインデックス(MI)は、JISK 7210に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgfの条件で測定した値である。 【0037】(実施例1) 〔各層の樹脂組成物の配合量又は配合比〕(第一層)EVA樹脂(酢酸ビニル単位含有量=5%、MI=1.3、密度=0.93g/cm3 );100重量部、ソルビタンパルミテート3EO(融点=44℃、HLB=8.0);1重量部、グリセリンラウレート(融点=45℃、HLB=5.5);0.5重量部及びハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「DHT−4A」、Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2 O、屈折率1.49)5重量部【0038】(第二層)EVA樹脂(酢酸ビニル単位含有量=15%、MI=1.4、密度=0.93g/cm3 );100重量部、ソルビタンパルミテート3EO(融点=44℃、HLB=8.0);1重量部、グリセリンラウレート(融点=45℃、HLB=5.5);0.5重量部及びハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「DHT−4A」、Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2 O、屈折率1.49)5重量部【0039】(第三層)L−LDPE樹脂(MI=2.1、密度=0.94g/cm3 )とLDPE樹脂(MI=2.1、密度=0.92g/cm3 )を2:1(重量比)の割合でブレンドしたもの【0040】上記(第一層):(第二層):(第三層)を厚さ比で2:7:1となるようにインフレーション法3層押出成形機を用いて厚さ100μmの防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。 【0041】(実施例2)実施例1の第一層及び第二層のグリセリンラウレートの配合量を0.8重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。 【0042】(比較例1)実施例1の第一層のハイドロタルサイトの配合量を1.0重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。 【0043】(比較例2)実施例1の第一層のハイドロタルサイトの配合量を16重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。 【0044】(比較例3)実施例1の第一層及び第二層のグリセリンラウレートに替えて、グリセリンステアレート(融点=66℃、HLB=4.3)0.5重量部を各々用いたこと以外は、実施例1と同様にして防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。 【0045】(比較例4)実施例1の第一層及び第二層のソルビタンパルミテート3EOに替えて、グリセリンパルミテート(融点=53℃、HLB=4.8)1.0重量部を各々用いたこと以外は、実施例1と同様にして防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。 【0046】(実施例3)実施例1の第一層及び第二層のグリセリンラウレートに替えて、ジグリセリンオレート(室温で液状、HLB=5.7)0.1重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。 【0047】(実施例4)実施例3の第一層及び第二層のジグリセリンオレートの配合量を0.2重量部に変更したこと以外は、実施例3と同様にして防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。 【0048】(比較例5)実施例3の第一層のハイドロタルサイトの配合量を1.0重量部に変更したこと以外は、実施例3と同様にして防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。 【0049】(比較例6)実施例3の第一層のハイドロタルサイトの配合量を16重量部に変更したこと以外は、実施例3と同様にして防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。 【0050】(比較例7)実施例3の第一層及び第二層のジグリセリンオレートの配合量を0.6重量部に変更したこと以外は、実施例3と同様にして防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを作製した。 【0051】実施例1〜4及び比較例1〜7の製造プロセス及び該製造プロセスで得られた防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの性能を評価するため、■押出変動の有無、■初期低温防曇性、■防曇持続性及び■経時白化性を以下に示す方法で評価した。評価結果は表1及び表2に示した。 【0052】■押出変動の有無:スクリュー負荷電力の変動及び得られた防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム断面写真(長さ方向及び幅方向)の変動幅を測定し、これらを総合して判定し、押出変動が有(○)及び無(×)の2段階で評価した。 【0053】■初期低温防曇性:図1に示されるように、傾斜角度30度の試料展張板1の窓(20cm×30cm、2個)2に防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム3をその第一層が容器内側になるように展張し、該試料展張板下方の密閉容器4内に水5を封入して環境試験室を形成し、気温を0℃、水温を5℃に設定して、2週間試験し、展張された防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム表面の濡れ面積によって初期低温防曇性を評価した。評価基準としては、評価5:8割超が水膜で濡れている状態、評価4:6割超〜8割が水膜で濡れている状態、評価3:4割超〜6割が水膜で濡れている状態、評価2:2割超〜4割が水膜で濡れている状態、評価1:水膜で濡れている面積が2割以下の状態とし、2個の平均値を示し、平均値が3.5以上を防曇性良好とした。 【0054】■防曇持続性:前項の試験装置を用い、気温を0℃、水温を30℃に設定して、2週間試験し、展張された防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルム表面の濡れ面積によって防曇持続性を評価した。評価基準は前項の試験と同じである。 【0055】■経時白化性:得られた防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムを23℃の室内に、通常の製品保管と同条件で保管し、製造直後、1ヵ月後及び2ヵ月後のヘーズ(Haze)をHAZE計を用いて、各々測定した。 【0056】 【表1】
【0057】 【表2】
【0058】 【発明の効果】請求項1記載の発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムは、叙上のように構成されているので、初期低温防曇性及び防曇持続性に優れ、且つ、経時による白化もなく、ヘーズの悪化をきたすこともなく長期の透明性を保持し得るものであり、且つ、製膜時に、防曇剤に起因する押出変動もなく極めて優れた成形安定性を有するものである。 【0059】請求項2記載の発明の防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムは、叙上のように構成されているので、初期低温防曇性及び防曇持続性に優れ、且つ、経時による白化もなく、ヘーズの悪化をきたすこともなく長期の透明性を保持し得るものであり、且つ、製膜時に、防曇剤に起因する押出変動もなく極めて優れた成形安定性を有するものである。 【0060】請求項3記載の発明の栽培床は、叙上のように構成されているので、被覆された防曇性ポリオレフィン系樹脂フィルムの前記する優れた初期低温防曇性及び防曇持続性、高い透明性によって、高い積算日照量が確保されると共に、高い保温性によって温度管理を極めて効率的に実施できるので、多数の栽培作物について広い作型の選択が可能となり、施設コストを大幅に低減することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月7日(1999.10.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−103848(P2001−103848A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月17日(2001.4.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−287220 |
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