| 【発明の名称】 |
植物活力剤及び該植物活力剤を用いた作物栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】廣岡 正一
【氏名】栗本 好章
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなり、病害虫防除効果等の作物機能性を有する植物活力剤を用いた作物栽培方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係る植物活力剤は、食酢に分岐オリゴ糖含有糖類及び/又はトレハロース含有糖類と、フェルラ酸、ガンマーオリザノール、イノシトール、フィチン酸、フィチンの中から選ばれる米糠抽出成分を配合するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなる作物機能性を特徴とする植物活力剤。 【請求項2】 食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなる作物機能性を有する植物活力剤を用いて作物の栽培をすることを特徴とする作物栽培方法。 【請求項3】 前記作物機能性は、雑草抑制、発芽抑制、倒伏軽減、病害防除、害虫防除、連作障害防止の中から選ばれるものである請求項1記載の植物活力剤。 【請求項4】 前記食酢は、醸造酢、合成酢、酢酸水溶液の中から選ばれる1種又は2種以上の混合物であり、かつ、醸造酢は、酒精酢、黒酢、穀物酢、米酢、果実酢、リンゴ酢、ブドウ酢、穀物酢及び果実酢以外の醸造酢の中から選ばれる1種又は2種以上の混合物である請求項1記載の植物活力剤。 【請求項5】 前記オリゴ糖類は、分岐オリゴ糖含有糖類及び/又はトレハロース含有糖類の中から選ばれる1種又は2種の混合物である請求項1記載の植物活力剤。 【請求項6】 前記オリゴ糖類は、固形分中のオリゴ糖の含有率が100分の20を越えるものである請求項1及び請求項5のいずれか1項に記載の植物活力剤。 【請求項7】 前記食酢にオリゴ糖類を配合する割合は、オリゴ糖類の固形分濃度として50重量%以下である請求項1記載の植物活力剤。 【請求項8】 前記米糠抽出成分は、フェルラ酸、ガンマーオリザノール、イノシトール、フィチン酸、フィチンの中から選ばれる1種又は2種以上の混合物である請求項1記載の植物活力剤。 【請求項9】 前記米糠抽出成分は、組成中の含有率が100分の50を越えるものである請求項1及び請求項8のいずれか1項に記載の植物活力剤。 【請求項10】 前記食酢に米糠抽出成分を配合する割合は、米糠抽出成分の濃度として5重量%以下であり、及び/又は米糠抽出成分がサイクロデキストリン包接物である請求項1,請求項8及び請求項9のいずれか1項に記載の植物活力剤。 【請求項11】 前記食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなる植物活力剤を作用させる濃度は、オリゴ糖類の濃度として10%以下、米糠抽出成分の合計濃度として2.5%以下、及び酢酸換算の酸度として2.5%以下である請求項2記載の作物栽培方法。 【請求項12】 葉果面散布用、土壌栽培用、水耕栽培用である請求項1記載の植物活力剤。 【請求項13】 液状あるいは粉末状である請求項1記載の植物活力剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は食品である食酢とオリゴ糖類及び米糠抽出成分を利用したものであって、詳述すると、食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなる作物機能性を有する植物活力剤を用いて作物の栽培をすることにより作物の成長促進、作物の緑化とその期間の延長、作物の品質向上、作物の病気に対する抵抗性向上、作物の害虫に対する抵抗性向上、果樹の結実増加と落下減少、果実の糖度及び味の向上、花の色及び肌つやの向上、作物の日持ち向上等に効果があり、更に詳しくは食用作物、工芸作物、緑肥作物及び園芸作物として蔬菜、果物、草花、その温帯作物、熱帯植物、亜熱帯植物、寒冷地作物、温室作物、観賞作物、薬用作物加工用作物等に有効な食品である食酢とオリゴ糖類及び米糠抽出成分を利用した植物活力剤に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、作物は衣食住の用途のために耕地に栽培される植物のことであり、その植物体の種実、茎、葉、花、根などが利用されるものである、例えば、「キャベツ、茶など葉が利用される作物」、「アスパラガス、ウドなど茎が利用される作物」、「サツマイモ、バレイショなど根及び地下茎が利用される作物」、「ホップ、サフランなど花が利用される作物」、「ムギ、トウモロコシ、ダイズなど種子が利用される作物」、「キュウリ、ブドウ、バナナなど果実が利用される作物」などがある。 【0003】これらの作物栽培において、高い生産性の大きな支えとなっている農薬(薬剤)施用は環境負荷軽減の見地から、また生産者自身の健康意識、及び消費者の食の安全性への高い関心等から、これ以上多量に使うことは許されない状況となっている。そこで法律上の農薬あるいは化学肥料ではないが、天然物を主体とした生産資材が利用されている。例えば、環境保全資材として紹介されている木酢液、生物農薬的作用を有するとされる微生物処理キトサン、更には古くよりの防腐剤でもある食酢などがあり、木酢液とキトサンを混合した生産資材もある。 【0004】木酢液は木材を炭化させる際に生じる煙を冷却し、液化した赤褐色の液体で有機酸類、フェノール類、アルコール類など200以上もの成分を含んでいるが、主成分は酢酸、フェノール酸、メタノール等である。微生物処理キトサンは、蟹殻や海老殻などを微生物酵素により酵素分解、脱アセチル化したものでグルコサミンの2〜20量体を主成分とするものである。食酢には多種のものがあり、一般的には米を醸造した米酢や玄米酢が利用されるが、主成分は酢酸であって、この米酢等は単独使用よりも焼酎とぶどう糖との三者の混合物としたり、黒砂糖を酵素で発酵させた液との二者の混合物としたりして利用されている、これらの生産資材は一般的には水に薄めて利用する。高い濃度、例えば100〜500倍程度では抗菌作用による病害虫防除効果が、低い濃度、例えば500〜1000倍程度では育成効果があるとされている。 【0005】しかしながら、木酢液は、病害虫防除効果は優れているが、精製程度によって成分にバラツキがあり、微量含有成分が安全性に及ぼす問題を有している。一方米酢は長い食経験上から安全性は優れているが、病害虫防除効果は木酢液に及ないと評価されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑みて、本発明者らは、安全性に優れながら病害虫防除効果等の作物機能性を有する天然食材資材について種々研究を重ねた結果、その作用機序は不明であるが、意外にも食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなるものが優れた病害虫防除効果等の作物機能性を見出し、本発明を完成するに至った。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の植物活力剤は、食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなるものを植物活力剤とするものである。 【0008】請求項2記載の作物栽培方法は、前記請求項1記載の植物活力剤を用いてなるものである。 【0009】請求項3記載の作物機能性は、本発明に係わる植物活力剤の作用効果を示し、雑草抑制、発芽抑制、倒伏軽減、病害防除、害虫防除、連作障害防止など作物栽培上の不安定要素を改善することにより作物の生育が促進され、品質向上、収量向上の効果がある。雑草抑制は、例えば水田における田植え時の除草管理がある。発芽抑制は、例えば収穫時期における水稲や小麦の穂発芽防止管理がある。倒伏軽減は、例えば倒伏しやすい水稲品種での栽培管理がある。病害防除は、例えば作物に発生する病気の予防管理がある。害虫防除は、例えば作物に寄生する害虫の駆除管理がある。連作障害防止は、例えば土壌の維持培養管理がある。 【0010】請求項4記載の食酢は、4〜5%の酢酸を主体とするものであり、醸造酢、合成酢、酢酸水溶液が該当する。醸造酢は含アルコールもろみが酢酸菌の酸化発酵により食酢となるもので、原料により多種類のものがある。合成酢は氷酢酸または酢酸の希釈液に醸造酢を40%以上配合したものである。酢酸水溶液は氷酢酸又は酢酸の希釈液が用いられる。ここで上記醸造酢に係る具体的種類を示す。酒精酢(アルコール酢)、黒酢(玄米酢)、穀物酢(麦芽酢、粕酢、コーン酢、小麦酢、鳩麦酢、ライ麦酢、小麦胚芽酢、そば酢)、米酢(純米酢)、果実酢(柿酢、桃酢、ストロベリー酢、ブルーベリー酢、プルーン酢)、リンゴ酢(アップルビネガー)、ブドウ酢(ワインビネガー)、穀物酢及び果実酢以外の醸造酢(タマネギ酢、トマト酢、梅酢、しそ酢、ハーブ酢、海藻酢、アマランサス酢)がある。また醸造酢及び合成酢にはJAS適合品もある。 【0011】請求項5記載に係るオリゴ糖類を配合するが、その種類、存在等を下記に説明する。分岐オリゴ糖は、非発酵性糖類とも称せられ、特に日本古来の伝統的酒類である清酒中に存在するオリゴ糖として詳細に研究されてきた。即ち、イソマルトース(分子中にα−1,6グルコシド結合を有する二糖類)、パノース(分子内にα−1,6とα−1,4グルコシド結合を有する三糖類)、イソマルトトリオース(分子内にα−1,6グルコシド結合を有する三糖類)等である。 【0012】これらの分岐オリゴ糖は、清酒のうま味、こく味に関与する成分であり、保湿効果もある。分岐オリゴ糖含有糖類製品においてその糖成分が酒税法に適合するものは醸造用糖類としても利用されている。また、分岐オリゴ糖は、ビフィズス菌因子であり、かつ、低う触性等の体調調節機能があることが知られている。本発明における分岐オリゴ糖含有糖類とは、固形分中の分岐オリゴ糖の含有率が100分の20を越えるものであって、その製造法は問わない。下記表1に市販の分岐オリゴ糖含有糖類[群栄化学工業株式会社:グンエイオリゴ(登録商標)]の成分を示す。 【0013】
【0014】トレハロースは植物や昆虫、きのこ、酵母などに多く含まれている天然の非還元グルコオリゴ糖類で、乾燥や凍結からの保護作用等を有する。トレハロースの工業的製造法は、酵母から抽出する方法、トレハロースをつくるバクテリア培養液から分離する方法、植物の体内で作らせる遺伝子組み換え法などがあるが、澱粉に酵素を作用させる方法が優れている。本発明におけるトレハロース含有糖類とは、固形分中のトレハロースの含有率が100分の20を越えるものであってその製造法は問わない。トレハロースの他にグルコース結合様式の異なるネオトレハロース、イソトレハロースがある。 【0015】請求項6記載に係るオリゴ糖類の固形分中のオリゴ糖類含有率は、代表例をもって表2に説明する。 【0016】
【0017】請求項7に記載に係る食酢にオリゴ糖類を配合する割合は、オリゴ糖類の固形分濃度として50重量%以下とするが、望ましくは25重量%以下がより適するものである。 【0018】請求項8記載に係る米糠抽出成分はフェルラ酸、ガンマーオリザノール、イノシトール、フィチン酸、フィチンの各成分を作物に用いるものである。米糠は、米原油と脱脂糠に区分される。米原油(サラダ油等)の脂質精製過程からは、フェルラ酸、ガンマーオリザノールが抽出される。脱脂糠からはイノシトール、フィチン酸、フィチンが抽出される。 【0019】フェルラ酸は、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用、紫外線吸収作用、種子発芽抑制作用、抗菌作用、害虫防除作用に加えて作物機能性がある。ガンマーオリザノールは、トリテルペンアルコールのフェルラ酸エステルで、抗酸化作用に加えて作物機能性がある。イノシトールは、糖アルコールの一種で、生体の体調調節作用に加えて作物機能性がある。フィチン酸は、イノシトールのヘキサリン酸エステルで、生体の成長促進作用、pH緩衝作用に加えて作物機能性がある。フィチンは、フィチン酸のカルシウム・マグネシウム混合塩で、フィチン酸と同様な作物機能性がある。上記の米糠抽出成分は1種又は2種以上で作物機能性を示す。 【0020】請求項9記載に係る米糠抽出成分は、組成中の含有率が100分の50を越えるもので、代表例の規格、形状等をもって表3に説明する。 【0021】
【0022】請求項10記載に係る食酢に米糠抽出成分を配合する割合は、米糠抽出成分の濃度として5重量%以下とするが、望ましくは1重量%以下がより適するものである。且つ米糠抽出成分に水溶性向上のためサイクロデキストリン包接物として用いることも良い。例えば、フェルラ酸のサイクロデキストリン包接物、ガンマーオリザノールのサイクロデキストリン包接物、イノシトールのサイクロデキストリン包接物、フィチン酸のサイクロデキストリン包接物、フィチンのサイクロデキストリン包接物などである。 【0023】請求項11記載に係る作物栽培方法は、食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合した植物活力剤の作用濃度を示し、水でうすめる割合としては10倍以上、望ましくは30倍以上とするが、オリゴ糖類の濃度として10%以下、米糠抽出成分の合計濃度として2.5%以下及び酢酸換算の酸度として2.5%以下とするものである。 【0024】請求項12記載に係る植物活力剤の使用方法は、葉果面散布として作用させる方法、土壌散布して根からの吸収により作用させる方法、或いは水耕栽培においては液肥に添加して作用させる方法等により使用するものである。 【0025】その結果、本発明の植物活力剤は、例えば、イネ、ムギ、アワ、キビ、ソバ、トウモロコシ、ダイズ、アズキ、カンショ、バレイショ、キャッサバなどの食用作物、ワタ、アサ、アマ、イグサ、クワ、テンサイ、サトウキビ、ステビア、ナタネ、ゴマ、ラッカセイ、オリーブ、ベニバナ、サフラン、タバコ、チヤ、ジョチュウギク、ラベンダー、ユーカリ苗、シチトウイ、ハッカ、コショウ、ホップ、タデアイなどの工芸作物、レンゲソウ、クローバなどの緑肥作物、レッドクローバー、コンモンベッチ、オーチャードグラスなどの飼料作物、ベントグラス類、フェスク類、ライグラス類、バミューダグラス類、ノシバ、コウライシバなどの芝草、キュウリ、シロウリ、カボチャ、マクワ、メロン、スイカ、ナス、トマト、トウガラシ、ピーマン、オクラ、イチゴ、ソラマメ、エンドウ、インゲンマメ、エダマメ、モヤシ、コーヒー、ココア、ハス、クワイ、ショウガ、ヤマノイモ、サトイモ、ナガイモ、コンニャク、タマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョ、ダイコン、ニンジン、オタネニンジン(朝鮮人参)、カブ、ゴボウ、ハクサイ、ツケナ、クレソン、サラダナ、ミツバ、青ジソ、カイワレダイコン、コマツナ、ゴガツナ、チンゲンサイ、ミズナ、カラシナ、キャベツ、コモチカンラン、ハナヤサイ、レタス、ブロッコリー、セロリ、パセリ、ワサビ、チシヤ、ドクダミ、ゼンマイ、ミョウガ、サンショウ、シュンギク、ホウレンソウ、フダンソウ、アスパラガス、モウソウダケ、タケノコ、マシュルーム、シイタケ、マイタケ、ナメコ、エノキダケ、ヒラタケ、ハラタケなどの蔬菜、リンゴ、ナシ、サンザシ、マルメロ、マリン、モモ、スモモ、サクランボ、アンズ、ウメ、アセロラ、クルミ、クリ、ペカン、アーモンド、ハシバミ、カキ、ナツメ、ザクロ、イチヂク、ビワ、バナナ、パイナップル、オレンジ、レモン、シトロン、ブンタン、グレープフルーツ、温州ミカン、夏ミカン、キンカン、ブドウ、キイチゴ、スグリ、フサスグリ、クランベリー、キウイフルーツなどの果物、花卉としてはスイトピー、アサガオ、キンセンカなどの1・2年草、マーガレット、キク、カーネイションなどの宿根草、ユリ、チューリップ、シクラメンなどの球根、バラ、タケ、ササ、アジサイなどの花木、セントポーリア、ブーゲンビレア、ハイビスカスなどの温室植物、ヤシ、ゴム、オモトなどの観葉植物、カトレア、デンドロビウム、バンダなどのラン類、シャコバサボテン、ユーフォルビア、アロエなどのサボテンと多肉植物、モウセンゴケ、ムシトリスミレ、ネペンテスなどの食虫植物、スイレン、ハス、カキツバタなどの水生植物、アオキ、マンリョウ、ツバキなどの斑入植物、フウセンカズラ、クレマチス、トケイソウなどのつる性植物、カンノンチク、シュロチク、フェニックスなどのヤシ科植物、その他の高山植物、山菜、漢方薬草あるいは海草などに施肥することにより、作物の成長促進、作物の緑化とその期間の延長、作物の品質向上、作物の病気に対する抵抗性向上、作物の害虫に対する抵抗性向上、果樹の結実増加と落果減少、果実の糖度及び味の向上、花の色及び肌つやの向上、作物の日持ち向上等に顕著な効果がある。 【0026】本発明の食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出物成分を配合してなる植物活力剤が、作物に対して及ぼす、その作物機能性等の現象効果は明確であるが、これは、直接作物に吸収、利用されることによるのか、あるいは土の理学的性質を改善し、あわせて土の中の有益な微生物の繁殖を促すことなどによるものか、作用機序は今のところ不明である。 【0027】請求項13記載に係る植物活力剤は液状であるが、噴霧乾燥法により粉末とすることもできる。また、泥炭、腐植酸質資材、木炭、ゼオライト、バイミキュライト、パーライト、ベントナイト、ポリエチレンイミン系資材、ポリビニルアルコール系資材などの吸着性を有する資材に吸着させることにより粉末とすることもできる。 【0028】 【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は係る実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。 【0029】(本発明に係る植物活力剤の調製)醸造酢として、市販の穀物酢(酸度6%)753g、表2(A)に示した分岐オリゴ糖含有糖類134g、表2(B)に示したトレハロース含有糖類110g、表3(A)に示したフェルラ酸として1gのサイクロデキストリン包接物、表3(D)に示したフィチン酸2gを混合したものであり、この混合物は酢酸換算の酸度として4.5%、オリゴ糖類の固形分濃度して20重量%(分岐オリゴ糖含有糖類10重量%+トレハロース含有糖類10重量%)、米糠抽出成分の濃度として2重量%(フェルラ酸1重量%+フィチン酸1重量%)である。上記の混合物を水で希釈して植物活力剤とした。 【0030】 【実施例1】(水田における田植え時の雑草抑制管理)平成10年5月、群馬県藤岡市の水田で試験した。品種はコシヒカリ。施肥等は圃場の慣行に従った。隣接する10アール区画の水田3枚を用いて、A区、B区、C区とした。A区は本発明に係る植物活力剤(酢酸含有量4.5%)、B区は市販の木酢液(酢酸含有量6.0%)、C区は市販の米酢(酢酸含有量4.2%)とした。各区とも■本田を代掻して、トロトロ状態にして雑草種子を泥で包み込んだ。■代掻の3日後に苗(中苗)を田植えした。■田植え翌日、水深を10センチメートルとしながら、酢酸量が同一になるようにA区は本発明に係る植物活力剤4.0リットルを、B区は市販の木酢液3.0リットルを、C区は市販の米酢4.3リットルを各50倍に薄めて本田に流し込んだ。田植えしてから約45日後の中干し(落水して田面を完全に干す)時期に雑草の生育状態を比較した。雑草は代表的な水生雑草5種を指標とし、生育抑制を3段階で評価した。 【0031】
【0032】表4に示す如く、本発明に係るA区(植物活力剤)は、C区(米酢)に比較して雑草抑制効果が高く、その効果はB区(木酢液)と同程度であった。すなわち、本発明である食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなる植物活力剤を田植え時期に作用させることにより、除草剤等の薬剤を全く使用せずに雑草抑制効果があることが分かる。本発明に係る植物活力剤を作用させた本田は、その後の収穫までの稲生育も順調であった。 【0033】 【実施例2】(収穫時期における小麦の穂発芽防止管理)実施例1と同じ試料を用いた。平成10年、群馬県前橋市の同一条件の小麦圃場1000平方メートルにおいて行った。品種は農林61号、収穫時期となる登熟成熟期は6月中旬である。2列の間隔をおいて面積4平方メートル(穂数約540本/平方メートル)の3区画を設定して、A区、B区、C区とした。A区は本発明に係る植物活力剤、B区は市販の木酢液、C区は市販の米酢とした。 【0034】(6月3日)酢酸量が同一になるように、A区は本発明に係る植物活力剤16ミリリットルを水で50倍に薄めて800ミリリットルとして、小麦4平方メートルに均一に葉面散布した。B区は市販の木酢液12ミリリットルを水で50倍に薄めて600ミリリットルとして、A区と同様に葉面散布した。C区は市販の米酢17.2ミリリットルを水で50倍に薄めて860ミリリットルとして、A区と同様に葉面散布した。 (6月6日)穂発芽を生じさせるためA区,B区、C区に水800ミリリットルを葉面散布した。 (6月9日)同じく各区に水800ミリリットルを葉面散布した。 (6月12日)同じく各区に水800ミリリットルを葉面散布した。 (6月15日)各区の小麦について四隅付近(4か所)と中央付近(1か所)より3株ずつ(計15株)刈取、2日間地干しをした後、脱穀して水分12%まで乾燥して試料小麦とした。試料1000粒当たりの穂発芽粒の割合を比較した。結果を表5に示す。 【0035】
【0036】表5に示す如く、本発明に係るA区(植物活力剤)は、C区(米酢)に比較して小麦の穂発芽防止効果が高く、その効果はB区(木酢液)と同程度であった。すなわち、本発明に係る食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなる植物活力剤を小麦の登熟期に葉面散布することにより、小麦の穂発芽防止効果があることが分かる。 【0037】 【実施例3】(倒伏しやすい水稲品種の倒伏防止管理)平成9年、埼玉県北埼玉郡のコシヒカリ圃場30アールにて実施した。隣接のコシヒカリ慣行区(30アール)と倒伏防止効果を比較した。落水して田面を完全に干す中干し後の水張り時(出穂前)と落水と水張りを交互に繰り返す間断灌漑時(出穂後)の2回に分けて本発明に係る植物活力剤(計30リットル)を流し込んだ。 (田植え) 5月10日(中干し) 6月28日〜7月9日(流し込み■) 7月10日実施例1と同じ、本発明に係る植物活力剤15リットルを水口より流し込んだ。 (流し込み■) 8月10日流し込み■と同様に行った。 (収穫) 9月28日下記表6に結果を示す。 【0038】
【0039】表6に示す如く、本発明に係る植物活力剤区は慣行区に比較して、倒伏に関係する水稲の節間、特に下位節間の伸長を抑制するため稈長が短くなり、倒伏を防止した。すなわち、本発明である食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなる植物活力剤を流し込むことにより、倒伏防止効果があることが分かる。 【0040】 【実施例4】(作物に発生する病気の予防管理)実施例1と同じ試料を用いた。平成10年、新潟県魚沼郡のコシヒカリ圃場30アールを3区に分け、A区,B区、C区とした。A区は本発明に係わる植物活力剤、B区は市販の木酢液、C区は市販の米酢とした。各区とも水で薄めて■出穂前は500倍液を、■出穂後は250倍液を、■収穫前は50倍液を用いて、いもち病予防効果を指標として計3回葉面散布した。酢酸量を同一とするため、使用割合は以下とした。 (■出穂前/7月25日)A区植物活力剤400ミリリットルを水で200リットルとして、B区木酢液300ミリリットルを水で150リットルとして、C区米酢428ミリリットルを水で214リットルとして用いた。 (■出穂後/8月10日)A区植物活力剤800ミリリットルを水で200リットルとして、B区木酢液600ミリリットルを水で150リットルとして、C区米酢856ミリリットルを水で214リットルとして用いた。 (■収穫前/9月1日)A区植物活力剤4リットルを水で200リットルとして、B区木酢液3リットルを水で150リットルとして、C区米酢4.3リットルを水で214リットルとして用いた。 下記表7に結果を示す。 【0041】
【0042】表7に示す如く、本発明に係るA区(植物活力剤)はC区(米酢)に比較して、いもち病予防効果が高く、その効果はB区(木酢液)と同じであった。すなわち、本発明である食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなる植物活力剤を稲に葉面散布することにより、殺菌剤等の薬剤を全く使用せずに病害虫予防効果があることが分かる。 【0043】 【実施例5】(作物に寄生する害虫の駆除管理)実施例1と同じ試料を用いた。平成10年6〜7月、試験場所は群馬県高崎市の桃園で行った。品種は白鳳。同様な生育状態でアブラムシが多い桃木3本を用いて、A区、B区、C区とした。A区は本発明に係る植物活力剤、B区は市販の木酢液、C区は市販の米酢とした。酢酸量が同一になるように、A区は植物活力剤100ミリリットルを水で100倍に薄めて10リットルを新芽、新梢、新葉などアブラムシが群棲しやすいところを主に、果実も含めて木の幹、枝全体に葉面散布した。B区は木酢液75ミリリットルを100倍に薄めて7.5リットルをA区と同様に葉面散布した。C区は米酢107ミリリットルを100倍に薄めて10.7リットルをA区と同様に葉面散布した。散布後、各区ともアブラムシは駆除できたが、効果の評価を駆除の持続日数で比較したところ、A区26日、B区24日、C区8日で、本発明に係るA区(植物活力剤)はC区(米酢)に比較して、アブラムシ駆除効果が高く、その効果はB区(木酢液)と同じであった。 【0044】すなわち、本発明である食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなる植物活力剤を葉面散布することにより、殺虫剤等の薬剤を全く使用せずに害虫駆除効果があることが分かる。 【0045】 【実施例6】(土壌の維持培養による連作障害防止管理)実施例4の試験場所の土壌を用いて行った。平成10年10月、稲収穫作業終了後の圃場、A区、B区、C区をロータリティラーで均一に耕起した。平成11年4月に各区(10アール)とも四隅付近と中央付近の計5か所から、地表下15センチメートルの土壌を採取して試料とした。土壌の維持培養による連作障害防止効果の指標として、試料土壌が種籾の発芽率に及ぼす影響を比較した。発芽率は、土壌1グラムに20ミリリットルの水を加え、35℃で3時間放置した。この抽出液を濾過して、濾液10ミリリットルをあらかじめ濾紙2枚を敷いてあるシャーレに加え、その上から種籾50粒を蒔いて、室温で7日後の発芽率を調べた。シャーレは2点平行として、各区とも5点の平均で比較した。連作障害の要因となる生育阻害物質があると発芽率は低下するが、比較の結果、A区98%、B区96%、C区83%であり、本発明に係るA区(植物活力剤)はC区(米酢)より発芽率が高く、その効果はB区(木酢液)と同等であった。 【0046】すなわち、本発明である食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなる植物活力剤を葉面散布することにより、土壌の維持培養による連作障害防止効果があることが分かる。 【0047】 【発明の効果】農業の基本は土づくりにあると言われ、化学農薬や化学肥料に頼らず、天然物の機能などを利用して土壌を維持培養する有機農法への関心が高まり、木酢液や米酢等が利用されている。木酢液は、病害虫駆除効果は優れているが、精製程度によって成分にバラツキがあり、微量含有成分の一部が安全性に影響すると言われている。米酢は長い食経験上から安全性は優れているが、病害虫防除効果は木酢液に及ばないとされている。本発明は食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合することにより、安全性に優れながら病害虫防除効果等の作物機能性を有する植物活力剤を提供することができる。本発明の実施により環境保全への配慮をしながら、生産性の向上を実現して食糧確保に貢献できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000165000 【氏名又は名称】群栄化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年8月26日(1999.8.26) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−61344(P2001−61344A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月13日(2001.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−239501 |
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