| 【発明の名称】 |
育苗管理システムおよび方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊勢谷 之彦
【氏名】美濃和 寿幸
|
| 【要約】 |
【課題】各トレイを常に正確に識別することができ、且つ各トレイの苗の育成履歴情報を作業中に随時参照することのできる育苗管理システム。
【解決手段】育苗管理の対象単位を構成する各苗床部材(3)にそれぞれ取り付けられた非接触型のICモジュール部材(4)と、ICモジュール部材のメモリへ所定の情報を書き込み且つ読み出すための携帯型の情報処理装置(2)とを備えている。各苗床部材における苗の生産経過に関する各種の情報を携帯型の情報処理装置を介して各ICモジュール部材のメモリに書き込み、携帯型の情報処理装置を介して各ICモジュール部材のメモリから読み出した育成履歴情報を参照して以降の生産工程の予定日時および予定条件を微調整する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 育苗管理の対象単位を構成する各苗床部材にそれぞれ取り付けられた非接触型のICモジュール部材と、前記ICモジュール部材に組み込まれたICモジュールのメモリへ所定の情報を書き込み、且つ前記メモリから所定の情報を読み出すための携帯型の情報処理装置とを備え、各苗床部材における苗の生産経過に関する各種の情報を前記携帯型の情報処理装置を介して各ICモジュール部材のメモリに書き込み、前記携帯型の情報処理装置を介して各ICモジュール部材のメモリから読み出した育成履歴情報を参照して以降の生産工程の予定日時および予定条件を微調整することを特徴とする育苗管理システム。 【請求項2】 前記ICモジュール部材は、ラベル状のシート部材と、該シート部材の内部に設けられた非接触型のICモジュールと、前記シート部材の内部に設けられ且つ前記ICモジュールに接続されたアンテナとを有し、前記シート部材の表面は印字または印画可能に形成され、前記シート部材の裏面は前記苗床部材の表面に貼付可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の育苗管理システム。 【請求項3】 生産すべき苗の品種および出荷予定日に関する入力情報に応答して、各生産工程の予定日時および予定条件を初期設定するための上位の情報処理装置をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の育苗管理システム。 【請求項4】 前記上位の情報処理装置には、各苗床部材において生産すべき苗の品種に関する情報および各ICモジュール部材が取り付けられる各苗床部材を識別するための識別コードを各ICモジュール部材の表面に印字または印画し、且つ前記品種に関する情報および前記識別コードを各ICモジュール部材のメモリに書き込むためのICモジュール部材発行機が接続されていることを特徴とする請求項3に記載の育苗管理システム。 【請求項5】 育苗管理の対象単位を構成する各苗床部材に対して非接触型のICモジュール部材をそれぞれ取り付け、各苗床部材における苗の生産経過に関する各種の情報を携帯型のリーダー・ライターを介して各ICモジュール部材のメモリに書き込み、前記リーダー・ライターを介して各ICモジュール部材のメモリから読み出した育成履歴情報を参照して、以降の生産工程の予定日時および予定条件を微調整することを特徴とする育苗管理方法。 【請求項6】 生産すべき苗の品種および出荷予定日に関する入力情報に応答して、各生産工程の予定日時および予定条件を初期設定することを特徴とする請求項5に記載の育苗管理方法。 【請求項7】 各苗床部材において生産すべき苗の品種に関する情報および各ICモジュール部材が取り付けられる各苗床部材を識別するための識別コードを各ICモジュール部材の表面に印字または印画し、前記品種に関する情報および前記識別コードを各ICモジュール部材のメモリに書き込むことを特徴とする請求項5または6に記載の育苗管理方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は育苗管理システムおよび方法に関し、特に非接触型のICラベルなどを利用した苗の育成管理に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、農家では、人手不足に起因して、あるいは生産性の向上を目的として、野菜や花などを種から生産するのではなく、育苗業者より購入した苗の段階から生産を開始することが多くなってきている。一般に、苗の育成(生産)は、多数の穴(セル)が縦横に成型された苗床トレイ(以下、単に「トレイ」という)を用いて行われる。このトレイの各穴には生産すべき苗に適した専用の培土が詰められ、各穴に詰められた培土の上に所定の種が播かれる。 【0003】なお、播かれた種の育成状態はトレイ毎に変化することが多く、苗の育成管理すなわち育苗管理は簡易でない。たとえば、発芽工程では、温度や湿度などの諸条件を同じように設定しても、発芽時期がトレイ毎に異なることが多い。同様に、他の工程においても苗の成長速度がトレイ毎に異なることが多く、出荷時期の決定などをトレイ毎に管理する必要がある。したがって、育苗管理は、原則としてトレイ毎に行われている。 【0004】従来、育苗業者は、育苗管理をトレイ毎に行うために、手書きの札やバーコードラベルを各トレイに取り付けている。すなわち、手書きの札を各トレイの土に直接差し込んだり、バーコードラベルを各トレイに貼り付けたりしている。この場合、手書きの札やバーコードラベルには、当該トレイを特定するための識別コードや当該トレイで生産すべき苗の品種などの固定的な情報(不変情報)が含まれている。一方、各トレイの苗の生産経過に関する各種の情報すなわち育成履歴情報は、伝票などに別途記録され、育苗管理に利用される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の従来技術では、苗の生産過程において手書きの札やバーコードラベルが汚れ易く、目視的あるいは光学的に読み取り不可能になることが多く、その場合には各トレイを正確に識別することができないという不都合があった。また、育成履歴情報が伝票などに別途記録されているため、各トレイの苗の育成履歴情報を作業中に随時参照することができないという不都合があった。なお、LANなどの構築により育成履歴情報を作業中に随時確認する方法も考えられるが、育苗作業場(ビニールハウスや温室)とシステム管理室とが離れている場合が多く、LANや無線ネットワークシステムの構築は困難である。 【0006】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、各トレイを常に正確に識別することができ、且つ各トレイの苗の育成履歴情報を作業中に随時参照することのできる、育苗管理システムおよび方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明では、育苗管理の対象単位を構成する各苗床部材にそれぞれ取り付けられた非接触型のICモジュール部材と、前記ICモジュール部材に組み込まれたICモジュールのメモリへ所定の情報を書き込み、且つ前記メモリから所定の情報を読み出すための携帯型の情報処理装置とを備え、各苗床部材における苗の生産経過に関する各種の情報を前記携帯型の情報処理装置を介して各ICモジュール部材のメモリに書き込み、前記携帯型の情報処理装置を介して各ICモジュール部材のメモリから読み出した育成履歴情報を参照して以降の生産工程の予定日時および予定条件を微調整することを特徴とする育苗管理システムを提供する。 【0008】本発明の好ましい態様によれば、前記ICモジュール部材は、ラベル状のシート部材と、該シート部材の内部に設けられた非接触型のICモジュールと、前記シート部材の内部に設けられ且つ前記ICモジュールに接続されたアンテナとを有し、前記シート部材の表面は印字または印画可能に形成され、前記シート部材の裏面は前記苗床部材の表面に貼付可能に形成されている。また、生産すべき苗の品種および出荷予定日に関する入力情報に応答して、各生産工程の予定日時および予定条件を初期設定するための上位の情報処理装置をさらに備えていることが好ましい。 【0009】この場合、前記携帯型の情報処理装置は、リーダー・ライターであり、前記上位の情報処理装置には、前記リーダー・ライターと前記上位の情報処理装置との間の接続を随時形成するための通信アダプターが接続されていることが好ましい。また、前記上位の情報処理装置には、各苗床部材において生産すべき苗の品種に関する情報および各ICモジュール部材が取り付けられる各苗床部材を識別するための識別コードを各ICモジュール部材の表面に印字または印画し、且つ前記品種に関する情報および前記識別コードを各ICモジュール部材のメモリに書き込むためのICモジュール部材発行機が接続されていることが好ましい。 【0010】また、本発明の別の局面によれば、育苗管理の対象単位を構成する各苗床部材に対して非接触型のICモジュール部材をそれぞれ取り付け、各苗床部材における苗の生産経過に関する各種の情報を携帯型のリーダー・ライターを介して各ICモジュール部材のメモリに書き込み、前記リーダー・ライターを介して各ICモジュール部材のメモリから読み出した育成履歴情報を参照して、以降の生産工程の予定日時および予定条件を微調整することを特徴とする育苗管理方法を提供する。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明では、育苗管理の対象単位を構成する各苗床部材としての各トレイに対して、非接触型のICモジュール部材をそれぞれ取り付ける。ここで、非接触型のICモジュール部材とは、非接触型のICモジュールを具備する電子部材であって、ICラベルやICカードやICタグなどを含む広い概念である。たとえばICラベルの場合、ラベル状のシート部材の内部に非接触型のICモジュールとアンテナとが互いに接続された形で設けられている。そして、ICラベルの表面は印字または印画可能に形成され、その裏面はトレイの表面に貼付可能に形成されている。以下、ICモジュール部材としてICラベルを用いる例に基づいて本発明を説明する。 【0012】従来の手書きの札やバーコードラベルに代えてICラベルを用いると、生産すべき苗の品種に関する情報やトレイを識別するための識別コードを各ICラベルの表面に印字または印画するとともに、同じ情報を各ICラベルのメモリに書き込むことができる。その結果、通常の場合には従来の手書きの札と同様に所望の情報を目視的に読み取ることができ、且つ育苗の作業に際してICラベルの表面が著しく汚れた場合においてもリーダー・ライターを近づけるだけで所望の情報を随時読み取ることができる。換言すると、本発明では、ICラベルの使用により各トレイを常に正確に識別することができるので、育苗管理を正確且つ迅速に行うことが可能となり、ひいては良質苗の生産が可能になる。 【0013】また、本発明では、育成履歴情報を伝票などに別途記録する従来の形態に代えて、各トレイの苗の生産経過に関する各種の情報を各ICラベルのメモリに随時書き込む形態が採用されている。したがって、作業中にもリーダー・ライターを近づけるだけで各ICラベルのメモリから育成履歴情報を読み出し、読み出した育成履歴情報を随時参照することができる。その結果、本発明では、苗の成長具合と育成履歴情報とに基づいて以降の各生産工程の予定日時および予定条件を必要に応じて適宜微調整することが可能となり、良好な育苗管理が可能になる。 【0014】本発明の実施例を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施例にかかる育苗管理システムの構成を概略的に示す図である。本実施例のシステムは、上位の情報処理装置としてのホストコンピュータ(たとえばパーソナルコンピュータ)1と、その端末の携帯型情報処理装置としてのハンディターミナル2と、各トレイ3に貼付された非接触型のICラベル4とを備えている。 【0015】ハンディターミナル2は、所定周波数の微弱電波を用いた通信を介して、ICラベル4に組み込まれたICモジュールのメモリに情報を書き込んだり、そのメモリから情報を読み出したりする。すなわち、ハンディターミナル2は、各トレイ3に貼付されたICラベル4のリーダー・ライターとして機能する。また、本実施例のシステムは、ホストコンピュータ1に接続された通信アダプター5とICラベル発行機6とを備えている。通信アダプター5はホストコンピュータ1とハンディターミナル2との間でデータ転送を行うための装置であって、通信アダプター5の所定位置にハンディターミナル2を載置することにより、ホストコンピュータ1とハンディターミナル2との間の接続が随時形成される。 【0016】一方、ICラベル発行機6は、各トレイに貼付すべきICラベルを所定の状態に設定して発行するための装置であって、各ICラベルに所定の情報を印字または印画するためのプリンターとして機能するとともに、各ICラベルに組み込まれたICモジュールのメモリに所定の情報を書き込むためのリーダー・ライターとしても機能する。なお、トレイ3には多数の穴(セル)が縦横に成型され、各穴には生産すべき苗に適した専用の培土3aが詰められている。そして、トレイ3の各穴に詰められた培土3aの上に所定の種が播かれ、播かれた種の育成は本発明にしたがってトレイ毎に管理される。図1では、図面の明瞭化のために、トレイ3に成型された多数の穴の図示を省略している。 【0017】図2は、ICラベルの構成を概略的に示す図であって、(a)は発行前のICラベルの状態を示し、(b)は発行後のICラベルの状態を示している。ここで、発行前のICラベルとは、剥離台紙上に保持された初期状態のICラベルである。また、発行後のICラベルとは、各トレイに貼付可能な状態に設定されたICラベルである。 【0018】一般に、非接触型のICラベル21は、図2(b)に示すように、矩形のラベル状に形成されたシート部材22と、ICモジュール(ICチップ)23と、非接触方式でデータ送受信を行うためのアンテナ24とから構成されている。ICモジュール23およびアンテナ24はシート部材22の内部に設けられ、アンテナ24の端部はICモジュール23の端子に接続されている。また、ICラベル21の表面(図2(b)の紙面の表側)は印字または印画可能に形成され、その裏面には適当な粘着剤(たとえば不乾燥性の粘着剤)または接着剤が塗布されている。 【0019】したがって、発行前の初期状態において、ICラベル21は台紙上に保持される。一例として、図2(a)に示す形態では、3つの発行前のICラベル21a〜21cが、切断用のミシン目25を介して連接された3つの台紙26a〜26cの上にそれぞれ保持されている。ICラベル発行機6は、台紙上に保持された発行前の各ICラベル21の表面に、このICラベル21が貼付されるトレイを識別するための識別バーコード27を印画するとともに、当該トレイで生産すべき苗の品種などを含む情報28を印字する。 【0020】図3は、苗の生産工程を説明するフローチャートである。図3に示すように、たとえばナスやトマトの苗の生産工程は、播種工程S101からスタートする。播種工程S101では、培土詰機を用いてトレイの各穴に専用培土を詰め、播種機を用いて培土の上に種を播き、覆土機を用いて乾燥を防ぐために土を覆う。また、播種工程S101では、播いた種の種類および個数、並びに播種の日時などが管理項目となる。 【0021】播種工程S101を経たトレイは発芽室に移され、発芽工程S102に入る。発芽工程S102では、温度や湿度の条件、並びに発芽開始日時および発芽終了日時などが管理項目となる。発芽工程S102を経たトレイは育苗棟に移され、育苗工程S103に入る。育苗工程S103では、温度や湿度の条件、並びに育苗開始日時および育苗終了日時に加えて、苗の成長具合などが管理項目となる。 【0022】育苗工程S103を経たトレイは接ぎ木作業室に移され、接ぎ木工程S104に入る。接ぎ木工程S104では、接ぎ木の組み合わせ、接ぎ木作業者、接ぎ木日時などが管理項目となる。接ぎ木工程S104を経た各トレイの苗は養生庫に移され、たとえば活着促進装置(ナエピット)を用いた養生工程S105を受ける。養生工程S105では、温度や湿度の条件、並びに養生開始日時および養生終了日時などが管理項目となる。 【0023】養生工程S105を受けた各トレイの苗は再び育苗棟に移され、順化工程S106を受ける。順化工程S106では、温度や湿度の条件、並びに順化開始日時および順化終了日時などが管理項目となる。こうして、順化工程S106を経た各トレイの苗は出荷される。 【0024】図4および図5は、本実施例の育苗管理システムにおける管理工程を説明するフローチャートであって、図4は生産開始時の初期設定における管理工程を、図5は各生産工程における管理工程を示している。図4に示すように、苗の注文を受けた育苗業者は、生産すべき苗の品種および出荷予定日をホストコンピュータ1に入力する(S201)。ホストコンピュータ1は、たとえばキーボードのような入力手段を介して入力された情報に基づいて、ICラベルの発行を行う(S202)。 【0025】すなわち、ホストコンピュータ1に接続されたICラベル発行機6は、図2(b)に示すように、生産すべき苗の品種(品名および品番)や予定出荷日に関する情報28を各ICラベル21の表面に印字する。また、ICラベル発行機6は、各ICラベル21が貼付されるトレイを識別するための識別コードをバーコード27として印画する。さらに、印字または印画された情報と同じ情報が、各ICラベル21のメモリに書き込まれる。こうして、発行された各ICラベルは、剥離台紙上に保持されたまま作業場まで運ばれ、台紙から剥がされて各トレイにそれぞれ貼付される。 【0026】また、ホストコンピュータ1は、入力された上述の情報に応答して、各生産工程の日時および条件を初期設定する(S203)。ホストコンピュータ1により初期的に設定される各生産工程の予定日時および予定条件の一例を次の表(1)に示す。 【0027】 【表1】 工程 予定日時 予定条件 播種 0301 培土 pH 6.3 EC 0.5 発芽 0301〜0305 温度28°C 湿度50% 育苗 0305〜0307 温度25°C 湿度50% 接ぎ木 0308 No. A1234とNo. B2345とを接ぎ木150組 養生 0309〜0315 ナエピット(管理全農式幼苗接ぎ木法)に従う 出荷 0316 凸版農場ここで、予定日時0301は、3月1日を示している。 【0028】次に、ホストコンピュータ1により初期的に設定された各生産工程の予定日時および予定条件に関する情報を、ハンディターミナル2にデータ転送する(S204)。この際、ハンディターミナル2は、ホストコンピュータ1に接続された通信アダプター5の所定位置に載置される。ホストコンピュータ1から、ハンディターミナル2へ転送されたデータの一部、たとえば生産工程の順序などを含む基礎的な初期設定情報は、必要に応じて各トレイに貼付されたICラベルのメモリに書き込まれる(S205)。 【0029】一方、各生産工程においては、図5に示すように、前述した管理項目に関する実際の情報を各トレイに貼付されたICラベルのメモリに随時書き込む(S301)。たとえば、発芽工程では、温度や湿度の条件、並びに発芽開始日時および発芽終了日時などに関する実際の情報を、ハンディターミナル2を用いて各トレイに貼付されたICラベルのメモリに書き込む。したがって、トレイに貼付されたICラベルへ書き込まれた実際の情報を、ハンディターミナル2を用いて作業中に随時読み出すことにより、そのトレイの苗の生産経過に関する情報すなわち育成履歴情報を随時確認することができる(S302)。 【0030】作業者は、トレイの苗の成長具合およびその育成履歴情報を参照し、各生産工程の予定日時および予定条件を必要に応じて微調整する(S303)。微調整された各生産工程の実際の日時および実際の条件は、ハンディターミナル2に保存される(S304)。次いで、ハンディターミナル2に保存された各生産工程の実際の日時および実際の条件は、トレイに貼付されたICラベルのメモリに追記情報として書き込まれる(S305)。 【0031】また、各生産工程の実際の日時および実際の条件は、ハンディターミナル2を介して、ホストコンピュータ1に転送される(S306)。ホストコンピュータ1では、各生産工程の実際の日時および実際の条件に基づいて、以降の各生産工程の予定日時および予定条件を設定し直す(S307)。以上の管理シーケンスが、各生産工程について繰り返される。こうして、本実施例の育苗管理方法にしたがって微調整された各生産工程の実際の日時および実際の条件の一例を次の表(2)に示す。表(2)には、播種工程から接ぎ木工程までの実際の日時および実際の条件が示されている。 【0032】 【表2】 工程 実際の日時 実際の条件 播種 0301 培土 pH 6.5 EC 0.6 発芽 0301 温度28°C 湿度49% チェック田中 0302 温度27°C 湿度51% 林 0303 温度28°C 湿度50% 林 0304 温度27°C 湿度52% 田中 発芽終了 育苗 0305 温度24°C 湿度45% チェック木村 0306 温度23°C 湿度46% 木村 0307 温度24°C 湿度45% 岡田 育苗終了 接ぎ木 0308 No. A1234とNo. B2345とを接ぎ木 150組 作業者 斎藤 養生 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・【0033】以上のように、本実施例では、従来の手書きの札やバーコードラベルに代えてICラベルを用いているので、生産すべき苗の品種に関する情報やトレイを識別するための識別コードを各ICラベルの表面に印字または印画するとともに、同じ情報を各ICラベルのメモリに書き込むことができる。その結果、通常の場合には従来の手書きの札と同様に所望の情報を目視的に読み取ることができ、且つ育苗の作業に際してICラベルの表面が著しく汚れた場合においてもリーダー・ライターとしてのハンディターミナルを近づけるだけで所望の情報を随時読み取ることができる。すなわち、本実施例では、ICラベルの使用により各トレイを常に正確に識別することができるので、育苗管理を正確且つ迅速に行うことが可能となり、ひいては良質苗の生産が可能になる。 【0034】また、本実施例では、育成履歴情報を伝票などに別途記録する従来の形態に代えて、各トレイの苗の生産経過に関する各種の情報を各ICラベルのメモリに随時書き込む形態を採用している。したがって、作業中にもハンディターミナルを近づけるだけで各ICラベルのメモリから育成履歴情報を読み出し、読み出した育成履歴情報を随時参照することができる。その結果、本実施例では、苗の成長具合と育成履歴情報とに基づいて以降の各生産工程の予定日時および予定条件を必要に応じて適宜微調整することが可能となり、良好な育苗管理が可能になる。 【0035】なお、上述の実施例では、ICモジュール部材としてICラベルを用いた例を示しているが、たとえばICカードやICタグのような他のICモジュール部材を用いることができる。また、上述の実施例における生産工程は例示的であって、本発明はこれに限定されることなく、様々な変形例が可能である。 【0036】 【発明の効果】以上説明したように、本発明では、たとえばICラベルのようなICモジュール部材を各トレイに取り付けているので、育苗作業に際してICラベルの表面が著しく汚れた場合においてもリーダー・ライターを近づけるだけで所望の情報を随時読み取り、各トレイを常に正確に識別することができる。その結果、育苗管理を正確且つ迅速に行うことにより、良質苗を生産することができる。 【0037】また、本発明では、各トレイの苗の生産経過に関する各種の情報を各ICラベルのメモリに随時書き込む形態を採用しているので、作業中でもリーダー・ライターを近づけるだけで各ICラベルのメモリから育成履歴情報を読み出し、読み出した育成履歴情報を随時参照することができる。その結果、苗の成長具合と育成履歴情報とに基づいて以降の各生産工程の予定日時および予定条件を必要に応じて適宜微調整することにより、良好な育苗管理を行うことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000110217 【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年8月31日(1999.8.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095256 【弁理士】 【氏名又は名称】山口 孝雄
|
| 【公開番号】 |
特開2001−61342(P2001−61342A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月13日(2001.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−244452 |
|