| 【発明の名称】 |
料理の添え物として使用される山椒の採取方法及び料理の添え物として使用される山椒 |
| 【発明者】 |
【氏名】浦塚 徹
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| 【要約】 |
【課題】料理の添え物として使用される山椒を、年少者も含めて多くの人に好まれるようにし、更に、多くの料理に合うようにして用途が広がるようにする。
【解決手段】茎1に双葉2と二枚(一組)の本葉3ないし六枚(三組)の本葉3、4、5とが付いた山椒の幼苗を刺身のつまやサラダ等の素材とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 山椒の種を播種し、幼苗が双葉を付けた後、当該双葉を含む幼苗を採取することを特徴とする、料理の添え物として使用される山椒の採取方法。 【請求項2】 山椒の種を播種し、幼苗が双葉を付けた後、当該双葉の上に六枚(三組)の本葉を付けるまでの間に、上記双葉と上記本葉とを含む幼苗を採取することを特徴とする、料理の添え物として使用される山椒の採取方法。 【請求項3】 双葉と、二枚(一組)、四枚(二組)または六枚(三組)の本葉が生長したところで採取されたものであることを特徴とする、料理の添え物として使用される山椒。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、料理の添え物として使用される山椒の採取方法及び料理の添え物として使用される山椒に関するものである。更に詳しくは、穏やかな香気と辛味を有し多くの人に好まれる料理の添え物として使用される山椒の採取方法及び料理の添え物として使用される山椒に関するものである。尚、「添え物」という用語は、本明細書では、料理のつまや素材等を含む概念を表す用語として用いる。 【0002】 【従来の技術】山椒は刺身、湯豆腐、すまし汁、焼き魚等に添えるつまや煮魚、竹の子等を調理するときの臭みやあくをとるために使用されている。山椒は種を播種して日数が経つと、双葉の上に本葉が付き始め、2週間程度で四枚(二組)、3ないし4週間程度で六枚(三組)付き、茎も3cmから4cmの高さになる。尚、本明細書では、山椒の本葉は同時期に幹(または茎)に、当該幹を挟んだようにして対になって二枚ずつ付いていくので、当該二枚をまとめて組という。山椒は、その後も日数が経つにつれて本葉が増えていき、例えば、幹の高さが40cmから50cmになったときには、本葉は十四枚(七組)から十八枚(九組)程付き、ほぼ、成木としての体を成してくる。このときの山椒の木の樹勢は、通常は下記の図面のようになっている。 【0003】図5は幹に本葉が十四枚(七組)付いている山椒の木の樹勢を示す斜視図であり、図6は図5に示されている本葉の拡大図である。幹1には、地面に最も近い所に最初に出た双葉2が二枚付いており、当該双葉2の上方に次に出た本葉3が二枚(一組)付いており、当該本葉3の上方に次に出た本葉4が二枚(一組)付いており、当該本葉4の上方に次に出た本葉5が二枚(一組)付いている。 【0004】上記の各一組の本葉3、4、5と同様に本葉5の上方には各一組の本葉6、7、8、9が付いている。本葉3から9までの本葉の合計は十四枚である。隣接している各本葉は上方になるにつれて間隔が大きくなっていく。 【0005】本葉の構成について、本葉5を例示して説明する。幹1には本葉5が付いている(図6では、二枚のうちの一枚を例示している)。本葉5は葉柄51と当該葉柄51から延びている葉軸52と当該葉軸52に交互に方向を異にして付いている十三枚の羽片53(小葉ともいわれている)とから構成されている。 【0006】以前より、例えば、レストラン、食堂、料亭、旅館、ホテル等で、料理の添え物として使用されている山椒は、上記図5及び図6に示すような本葉が十四枚程付き、高さが40cmから50cmになった木から採取されたものがよく使用されている。上記添え物として使用される山椒は、出荷時に、葉柄51で切断された本葉5と共に、葉柄で切断された他の本葉3、4、6、7、8、9等が一緒に所定枚数ケース等に入れられている。そして、上記レストラン等では、上記本葉は、ケース等から取り出され、料理に適宜枚数添えられたりして使用されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したような本葉には、次のような課題があった。 ■ 香気と辛味が強過ぎるため、一部の人には好まれるけれども、大部分の人には好まれず、特に、年少者には嫌われることが多かった。 ■ また、刺身、湯豆腐、すまし汁、焼き魚等の料理にはよく使用されているが、サラダ、ステーキ、薬膳料理、ハーブ料理等には、あまり使用されていなかった。 【0008】本発明者は、上記■及び■に記載された課題を解決するために、山椒の栽培を繰り返し行い、そして、栽培された各山椒をそれぞれ採集し、種々の料理に添えて試食を行った。その結果、播種後、日が経ち、茎(または幹)が高くなり、幹に付く本葉が多くなる程、本葉は、香気と辛味が強くなり、反面、日がそれほど経っておらず、茎が短く未だ本葉が少ししか付いていないときほど、当該本葉は、香気と辛味が穏やかであることを知見し、本発明を完成した。 【0009】本発明の目的は、上記課題を解消するもので、穏やかな香気と辛味を有し、子供等のような年少者も含めて大部分の人に好まれ、そして、多くの料理にも使用することができる、料理の添え物として使用される山椒の採取方法及び料理の添え物として使用される山椒を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明にあっては、山椒の種を播種し、幼苗が双葉を付けた後、当該双葉を含む幼苗を採取することを特徴とする、料理の添え物として使用される山椒の採取方法である。 【0011】第2の発明にあっては、山椒の種を播種し、幼苗が双葉を付けた後、当該双葉の上に六枚の本葉(三組の本葉)を付けるまでの間に、上記双葉と上記本葉とを含む幼苗を採取することを特徴とする、料理の添え物として使用される山椒の採取方法である。 【0012】第3の発明にあっては、双葉と、二枚(一組)、四枚(二組)または六枚(三組)の本葉が生長したところで採取されたものであることを特徴とする、料理の添え物として使用される山椒である。 【0013】(作用)本発明に係る料理の添え物として使用される山椒は、種を播種し、双葉だけ、双葉と二枚(一組)、四枚(二組)または六枚(三組)の本葉が生長したところで幼苗を採取したものである。このように上記添え物として使用される山椒は、幼苗のうちの初期の段階で採取されているので、光合成がそれ程進行しておらず、幼苗内で香気の成分である精油(大部分はシトロネラールで構成されている)と辛味の成分であるサンショールとが少量しか生成されていない。従って、香気と辛味が穏やかであり、刺身、湯豆腐、すまし汁、焼き魚等の料理の添え物として使用したときに、年少者も含めて多くの人に好まれる。また、サラダ、ステーキ、薬膳料理、ハーブ料理等にも添え物(特に素材)として違和感なく使用することができ、用途を広げることができる。 【0014】 【実施例】本発明の実施例を図面に基づき更に詳細に説明する。図1は本発明に係る刺身のつまとして使用される山椒の双葉を示す斜視図、図2は双葉の上に二枚の本葉が付き始めている状態を示す斜視図、図3は双葉の上に二枚の本葉が付いた後、更に、二枚の本葉が付き始めている状態を示す斜視図、図4は双葉の上に四枚の本葉が付いた後、更に、二枚の本葉が付いた状態を示す斜視図である。 【0015】以下に刺身のつまとして使用される山椒の生長状態について説明する。尚、山椒の種は外殻が硬いので、同じ時期に、そして、出来るだけ早く発芽するように、常温の流水に12日間浸漬した後、5月から6月期に播種した。 【0016】播種して10日目から11日目にかけて発芽し、13日目から14日目にかけて茎1に双葉2が付いた(図1参照)。播種して15日目から16日目にかけて双葉1の葉基に、後日に本葉となる出立ての葉(本明細書では幼葉という)30が二枚付いた(図2参照)。その後、幼葉30が生長して、播種して20日目から21日目にかけて双葉1の上に二枚の本葉3が付いた。そして、本葉3の葉基に二枚の幼葉40が付いた(図3参照)。その後、幼葉40が生長し、播種して25日目から26日目にかけて本葉3の上に二枚の本葉4が付き、さらに、播種して30日目から31日目にかけて、本葉4の上に二枚の本葉5が付いた。尚、全体の高さは4cmから5cmであった(図4参照)。 【0017】(官能試験1)官能試験を行うために、双葉と二枚の本葉が付いた図3に示す山椒(本発明のつまAという)、双葉と六枚の本葉が付いた図4に示す山椒(本発明のつまBという)、双葉と八枚の本葉が付いた山椒(図示省略、比較例のつまという)をそれぞれ所要数用意した。上記3種類をつまとして使用し、ぶりの刺身に添えて40才以上の大人10人と10才から13才の年少者10人の合計20人に試食させた。 【0018】試食後、刺身のつまとしての香気と辛味についての評価を、満足、やや不満足、不満足の3段階に分けてアンケートを行った。大人10人のアンケートについては表1に示し、年少者10人のアンケートについては表2に示す。 【0019】 【表1】
【0020】 【表2】
【0021】(考察) ■ 表1について:本発明のつまAよりも本発明のつまBの方が満足と評価した大人が幾分多くなっているが、比較例のつまに対しては、満足と評価した大人の人数が急激に減少している。これは、本葉が六枚(三組)付くまでは、光合成がそれ程進行していないため、幼苗内で香気の成分である精油と辛味の成分であるサンショールとが少量しか生成されておらず、香味や辛味が穏やかであり、個人の好みの違いに対して影響があまり表れていないが、本葉が八枚(四組)付くと、光合成が相当進行し、幼苗内で精油とサンショールとがかなり生成され、香味と辛味が増し、個人の好みの違いが強く表れるためと思われる。上記結果より、双葉の上に本葉が六枚付くまでは、穏やかな香気と辛味を有し、つまとして多くの人に好まれることが分かる。 【0022】■ 表2について:本発明のつまBよりも本発明のつまAの方が満足と評価した年少者が幾分多くなっている。これは、年少者の方が大人よりも香味と辛味が少ない方を好んでいることを示している。また、比較例のつまに対しては、満足と評価した年少者の人数が極端に減少している。これは、精油とサンショールとがかなり生成しており、多くの年少者がこのようなつまを好んでいないことを示している。 【0023】(官能試験2)サラダの素材として、きゅうり、セロリ、りんご、パセリ、塩、胡椒、オリーブ、マヨネーズを所要量用意し、二つに分けた。二つに分けた一方の素材に、上記本発明のつまBをサラダの素材(これを本発明の素材Bという)として用い、サラダを作った。また他方の素材に、上記比較例のつまをサラダの素材(これを比較例の素材という)として用い、サラダを作った。上記本発明の素材Bで作ったサラダと上記比較例の素材で作ったサラダとを、40才以上の大人10人と10才から13才の年少者10人の合計20人に試食させた。 【0024】試食後、二つのサラダの素材として使用した本発明の素材Bと比較例の素材にの香気と辛味についての評価を、満足、やや不満足、不満足の3段階に分けてアンケートを採った。大人10人のアンケートについては表3に示し、年少者10人のアンケートについては表4に示す。 【0025】 【表3】
【0026】 【表4】
【0027】(考察) ■ 表3について:本発明の素材Bについて、満足と評価した大人が多く、サラダの素材として適していることが分かる。これに対し、比較例の素材は、満足と評価した大人の人数が極端に減少しており、サラダの料理の素材としては適していないことが分かる。このように、穏やかな香気と辛味を有している本発明の素材Bは、サラダの素材にも適用でき用途を広げることができる。 【0028】■ 表4について:上記表3の場合とほぼ傾向がみられるが、年少者の方が、本発明の素材Bについて大人よりも多く満足していることが分かる。尚、サラダの外に、ステーキ、薬膳料理、ハーブ料理等についても、本発明の素材Bを素材として使用したが、上記サラダの場合と同様の結果が得られた。 【0029】上記表1ないし表4より、本葉が双葉の上に六枚(三組)付いたときと、更に二枚付いて八枚(四組)になったときとの間に、山椒の葉の香味と辛味についての人の嗜好即ち好むか好まないかの臨界点に似た箇所があるものと思われる。 【0030】なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変形が可能である。 【0031】 【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。本発明に係る料理の添え物として使用される山椒は、幼苗のうちの初期の段階で採取されているので、光合成がそれ程進行しておらず、幼苗内で香気の成分である精油と辛味の成分であるサンショールとが少量しか生成されていない。従って、香気と辛味が穏やかであり、刺身、湯豆腐、すまし汁、焼き魚等の料理の添え物として使用されたときに、年少者も含めて多くの人に好まれる。また、サラダ、ステーキ、薬膳料理、ハーブ料理等の料理の添え物としてとして違和感なく使用することができ、用途を広げることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599121067 【氏名又は名称】浦塚 徹
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| 【出願日】 |
平成11年8月27日(1999.8.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085327 【弁理士】 【氏名又は名称】梶原 克彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−61341(P2001−61341A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月13日(2001.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−242211 |
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